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第一章
3.これからは目立たず地味に生きていきます!
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医師の許可も得て、明日から学園に通えるようになった私は、姿見の前に立って一人唸っていた。姿見に映る、お嬢様としての私服姿の私はどうにも、こうにも。
「派手だ…派手過ぎる…」
そうなのだ。ミュゼリアは勝気系の美少女なのだが、どうにも格好が派手だ。元々地味で目立たないのを好む今の私とは趣味が違い過ぎる。美人に生まれたのは嬉しいのは嬉しいのだけれど、ひっそりと地味に生きたい身としてはこの派手な格好はいかんともしがたい。
「特に、この髪型がなー…派手なんだよね」
なんて呟きながら、縦ロールにされた自分の髪を触ると、ゆっくりとツインテールに結っていたリボンを解く。ばさりとおろされた真珠色の長い髪は、腰元まで伸ばされており。確かにこれは縦ロールにして纏めないと纏まりがつかないかも知れない。
(なら思い切って切ってしまうのもいいかも知れないな)
と考える。ゲームをしていた時にも思っていたのだ。ミュゼリアは短い髪形もよく似合いそうだと。そう思うと、善は急げというか、私は豪華なドレッサーの引き出しから大きめのハサミを取り出して再び姿見の前に立つと、ニッと笑みを浮かべて長い髪を一つに纏めると、肩上の部分を見定めて思い切って髪にハサミを通す。次の瞬間ジャキリッと髪を断つ音が聞こえ、同時に長い真珠色の髪の束が床へと音を立てて落ちる。それを確認して、再び鏡を見ると、映っていたのは肩より少し上の長さのストレートボブヘアーになった自分の姿。
「わ、やっぱり思った通り、この長さも似合ってて可愛いじゃない!うん、これなら派手さもなくなったし、あとは普段着ている改造された制服をやめて既定のものに変えれば目立つことはなくなるよね!」
流石は私、なんて一人はしゃいでいると、ガシャーンッ!と陶器が床に落ちて割れる音を聞き慌てて、音の下ほうへと視線を向けると、青い顔をしたカリーナが口元を抑えてワナワナと震える姿があった。お茶の用意をしてきてくれたのであろう、彼女の足元には無残にも落ちて割れたティーポットとティーカップ、それに散らばったお菓子の姿が見られた。
「カ、カリーナ…あのね、これには訳が」
彼女の様子に嫌な予感がした私が、何か言おうとするのとほぼ同時だった。
「いやああああっ、お嬢様あああああっ!!!」
という悲鳴が屋敷中に響き渡ったのは。しまったと思った時には時既に遅し。カリーナの悲鳴に駆けつけて来たお父様とお母様は、娘の変わり果てた、と言っても髪を切っただけなのだけれど、以前と違う姿を見て顔を真っ青にした後、お母様はショックのあまり気を失ってその場に倒れ、お父様はおろおろと取り乱して何があったのだと私に問いただしてくる事になったのだけれど。その後は強姦が入っただの、騎士団に連絡しろだのと騒ぎたしたお父様達を何とか抑えて、私が自分の意思で自分で切ったのだと納得させるのにかなりの時間の労力がかかってしまう事になった。
(かなり疲れた…。けど、これもマリアンヌちゃんと攻略対象達の恋愛イベントを見るためだもんね!これからは邪魔せず、地味に静かに生きてイベントを堪能するって決めたんだから!)
これぐらいの労力なんてなんともない。と、一人解放された自室で私はぐっと拳を握り締める。全ては私の楽しい学園生活の為なのだからと、深く決意して。
「派手だ…派手過ぎる…」
そうなのだ。ミュゼリアは勝気系の美少女なのだが、どうにも格好が派手だ。元々地味で目立たないのを好む今の私とは趣味が違い過ぎる。美人に生まれたのは嬉しいのは嬉しいのだけれど、ひっそりと地味に生きたい身としてはこの派手な格好はいかんともしがたい。
「特に、この髪型がなー…派手なんだよね」
なんて呟きながら、縦ロールにされた自分の髪を触ると、ゆっくりとツインテールに結っていたリボンを解く。ばさりとおろされた真珠色の長い髪は、腰元まで伸ばされており。確かにこれは縦ロールにして纏めないと纏まりがつかないかも知れない。
(なら思い切って切ってしまうのもいいかも知れないな)
と考える。ゲームをしていた時にも思っていたのだ。ミュゼリアは短い髪形もよく似合いそうだと。そう思うと、善は急げというか、私は豪華なドレッサーの引き出しから大きめのハサミを取り出して再び姿見の前に立つと、ニッと笑みを浮かべて長い髪を一つに纏めると、肩上の部分を見定めて思い切って髪にハサミを通す。次の瞬間ジャキリッと髪を断つ音が聞こえ、同時に長い真珠色の髪の束が床へと音を立てて落ちる。それを確認して、再び鏡を見ると、映っていたのは肩より少し上の長さのストレートボブヘアーになった自分の姿。
「わ、やっぱり思った通り、この長さも似合ってて可愛いじゃない!うん、これなら派手さもなくなったし、あとは普段着ている改造された制服をやめて既定のものに変えれば目立つことはなくなるよね!」
流石は私、なんて一人はしゃいでいると、ガシャーンッ!と陶器が床に落ちて割れる音を聞き慌てて、音の下ほうへと視線を向けると、青い顔をしたカリーナが口元を抑えてワナワナと震える姿があった。お茶の用意をしてきてくれたのであろう、彼女の足元には無残にも落ちて割れたティーポットとティーカップ、それに散らばったお菓子の姿が見られた。
「カ、カリーナ…あのね、これには訳が」
彼女の様子に嫌な予感がした私が、何か言おうとするのとほぼ同時だった。
「いやああああっ、お嬢様あああああっ!!!」
という悲鳴が屋敷中に響き渡ったのは。しまったと思った時には時既に遅し。カリーナの悲鳴に駆けつけて来たお父様とお母様は、娘の変わり果てた、と言っても髪を切っただけなのだけれど、以前と違う姿を見て顔を真っ青にした後、お母様はショックのあまり気を失ってその場に倒れ、お父様はおろおろと取り乱して何があったのだと私に問いただしてくる事になったのだけれど。その後は強姦が入っただの、騎士団に連絡しろだのと騒ぎたしたお父様達を何とか抑えて、私が自分の意思で自分で切ったのだと納得させるのにかなりの時間の労力がかかってしまう事になった。
(かなり疲れた…。けど、これもマリアンヌちゃんと攻略対象達の恋愛イベントを見るためだもんね!これからは邪魔せず、地味に静かに生きてイベントを堪能するって決めたんだから!)
これぐらいの労力なんてなんともない。と、一人解放された自室で私はぐっと拳を握り締める。全ては私の楽しい学園生活の為なのだからと、深く決意して。
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