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第六章その5 ~恐怖の助っ人!?~ ディアヌスとの再会編

おもしろ●図を広げよう。胃が消えて無くなるから

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「さ、さすがにこれで終わりですよね……?」

 誠の言葉に、一同は祈るようにディアヌスを見たが、ディアヌスは軽く首を振った。

「何をふざけた事を。この先が本題なのだ」

『ええええええええっっっ!!!???』

 絶叫とともに、輸送機は大きく揺れ動いた。

 だがディアヌスは淡々と続ける。

「反魂の術の最終目的は、邪神どもの大将を呼び出す事。太古から惑星ほし牢獄ろうごくに封じられてきた闇の盟主、常夜命とこよのみことの復活だ」

「め、盟主ですと!? あなたが魔王ではないのですか!?」

 佐々木が言うと、ディアヌスはじろりと彼をにらんだ。

「ひっ!?」

 一睨みで胃の半分以上が消滅した佐々木に、ディアヌスは答える。

「我は肥河一帯をべる神。魔王とは貴様らが勝手に呼んだだけだ」

 佐々木は全身を冷や汗で包みながら、頑張って質問してくれる。

「で、では……ではですぞ? その闇の盟主が……本当の魔王が出てくればどうなるのでしょう……?」

「全て終わる」

 ディアヌスは即答した。

「一度地の底から這い出れば、誰も倒す事は叶わぬ。日の本は粉々に砕かれ、新しく作り直されるが……奴らはそれを隠していた。だから我は怒り狂った」

「……そ、その反魂の術をやめさせれば、どうなりますかな?」

「常夜を含め、具現化が終わっていない邪神どもは、たちまち地の底に引き戻される。その間に封印にふたをすればよかろう」

 誠はそこでよろめきながら手をあげた。

「……ちょ、ちょっと待って下さい。ショックな事が多すぎて……1回図に描いて確認しますね」

 誠はホワイトボードを用い、内容をペンで描き起こしていく。イラスト入りで、某教育テレビの『おもしろ地●』みたいな感じだ。

「ええと……①、まず夜祖が築いたメチャクチャ頑丈な砦があって、色んな備えとか罠が組み込まれてて、」

「②、館を中心に、物凄く広い範囲に結界が張られて、その結界はあなたでも破壊が難しくて、」

「③、遠距離から絶対攻撃を命中させる千里眼が、近づくヤツを狙っていて、」

「④、今までよりずっと強い、パワーアップした餓霊が数千体いて、」

「⑤、触られれば即アウトの黄泉の軍勢とか黄泉醜女ヨモツシコメもいて、」

「⑥、大量の邪霊が、人が来れば呪い殺そうと飛んできて。霊的に修行してない人なら即死か発狂して、」

「⑦、館の中には、まだ完全に具現化してないけど、あなたと互角に戦えるぐらいの武神が何人もいて、」

「⑧、柱の最下層では反魂の術が続行中で、どんどん邪神が出てきてて。それで間もなく最強の魔王が復活する、と…………」

 誠は書き込みながら、テンションが下がって座り込んだ。

「…………おなか痛くなってきた」

「そうとも誠君、わしも胃がね……」

 船団長の佐々木は、『胃い気分』と書かれた胃薬を飲みながら言った。

「こんなんどないせえちゅうんよ。うち、ゲーム買ってこれやったら叩き割るわ」

 難波がドン引きを通り越した顔で呟き、カノンが頷いて後を受けた。

「このみの言う通りよね。他の邪神がどのぐらい強いかとか、まだ見当もつかないけど……そもそも餓霊と邪霊だけで、手も足も出なくないかしら。あの火車のパワーアップ版だって、こっちの射撃は効かなかったでしょ?」

 ディアヌスはそこでカノンを見据えた。

「鬼の娘、雑魚に怯える必要は無かろう。この我が味方しているのだ」

「え、えっと……具体的には、どういう事ですか……?」

 カノンが恐る恐る尋ねると、ディアヌスはニヤリと笑みを浮かべる。

「手はあるのだ。貴様らにうってつけの良い手がな……!」

 そこで鶴が身を乗り出した。

「その話、乗った!」

「早すぎるよ鶴、せめて聞こうよ!」

 即決する鶴に、コマは慌ててツッコミを入れる。

「どんな話か分からないのに……むぐっ」

 コマはまたも口を塞がれ、一同はそーっとディアヌスをうかがう。

『そ、それで、どういう手なんでしょう……???』

 全員の問いかけに、ディアヌスは再び笑みを浮かべる。

「簡単だ。我と対峙した貴様らの鎧、震天とやらを差し出せ。我がそれを吸収し、かつての力を取り戻すのだ」

『………………へーえ』

 一瞬、みんなは他人事のように返事をした。

 何だそんな事かと安堵し、良かった良かったと声を掛け合う。

 だがしばし後、一同は再び絶叫した。

『ええええええええっっっ!!!???』
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