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第四章その2 ~大活躍!~ 関東からの助っ人編
死んでも仲間は連れていく
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カノンは急いで通信ウインドウに答えた。
「き、聞こえます! 当方敵中にて孤立中、救援を!!」
『了解、現在地の信号を認識。すぐに急行します』
既に鮮明になってきた通信は、味方の接近をはっきりと示している。
一縷の望みを抱くカノンだったが、餓霊の軍勢はどんどんこちらに近付いていた。
魔王ディアヌスの配下であり、1体1体が10メートル程もある巨大な活動死体どもだ。
魔界の怨霊が反魂の術で復活し、肉体を得た存在である彼らは、地響きを上げ、大口を開いて、生者達を喰い殺そうと迫って来るのだ。
「いてて……こらあかんわ……カノっち、鳳さんもはよ逃げんと」
いつの間にか気付いていた難波が、頭を押さえながらそう呟く。そのままふらふらと、その場から離れて行った。
「ちょ、ちょっとこのみ、どこ行く気!?」
「だって置いていかれへんやろ!」
カノンが叫ぶが、難波も必死に怒鳴り返してくる。
「カノっちは鳴っちを頼むわ! 宮島も香川も、死んでたって引きずってくで。うちの大事な仲間なんや、化け物なんかに喰わせてたまるか……!」
難波は黒焦げになって転がる人型重機の残骸に辿り着くと、なんとか開けようと試みた。だが操縦席区画は歪んでおり、なかなか扉が開かない。
そうこうするうちに、餓霊はどんどん近付いていた。
カノンは必死に難波に叫んだ。
「このみっ!!!」
「嫌やて、言うてるやろっっっ!!!」
難波は半分泣いていた。
爪を立て、体重を乗せ、なんとかドアをこじ開けようと試みる。
「……連れてくんや、置いてかへんからな……! おとんもおかんも死んで、やっと出来た仲間まで!? もうあんなん嫌なんや!!」
「このみ、違うの! あたしが代わるから!!」
なおも説得しようとするカノンだったが、餓霊は既に直前に迫っている。
鳳は難波に駆け寄り、折れた刀を餓霊に向けて構えた。
カノンは自機の状況を調べたが、画面はほぼ動作不良の警告表示で埋め尽くされていた。
機体はろくに動かず、武装もほぼ無い。これが……最後の時か。
だが、カノンが覚悟を決めかけた時。『それ』は唐突に現れた。
!!!!!!!!!!!!!!!!!!
突如、頭上に猛烈な光が輝いたのだ。
「なんや……!?」
難波が、カノンが宙を見上げる。鳳も目を凝らし、呆然と呟いた。
「まさか、対空呪詛が……中和されているのですか……!?」
それは暗雲を切り裂く光の爆発だった。立て続けに同じ光が閃き、照明弾のように辺りを照らす。
やがて巨大な航空機が、一同の頭上を通過した。
物凄い風が、轟音が、カノン達の肌を叩くが、翼に描かれたステンシル調の識別文字が、やけにはっきりと見て取れた。
「う、うそ、第3船団……!?」
カノンは呆然と呟いた。
JNDF―3……つまり、日本国第3船団所属の航空機である。
東海から関東地方を管轄し、日本最強と名高い彼らが、ここまで出張ってくれていたのだ。
機影は上空で旋回すると、餓霊の群れに強力な機関砲を叩き込む。同時に航空機から、複数の人型重機が飛び出していた。
「き、聞こえます! 当方敵中にて孤立中、救援を!!」
『了解、現在地の信号を認識。すぐに急行します』
既に鮮明になってきた通信は、味方の接近をはっきりと示している。
一縷の望みを抱くカノンだったが、餓霊の軍勢はどんどんこちらに近付いていた。
魔王ディアヌスの配下であり、1体1体が10メートル程もある巨大な活動死体どもだ。
魔界の怨霊が反魂の術で復活し、肉体を得た存在である彼らは、地響きを上げ、大口を開いて、生者達を喰い殺そうと迫って来るのだ。
「いてて……こらあかんわ……カノっち、鳳さんもはよ逃げんと」
いつの間にか気付いていた難波が、頭を押さえながらそう呟く。そのままふらふらと、その場から離れて行った。
「ちょ、ちょっとこのみ、どこ行く気!?」
「だって置いていかれへんやろ!」
カノンが叫ぶが、難波も必死に怒鳴り返してくる。
「カノっちは鳴っちを頼むわ! 宮島も香川も、死んでたって引きずってくで。うちの大事な仲間なんや、化け物なんかに喰わせてたまるか……!」
難波は黒焦げになって転がる人型重機の残骸に辿り着くと、なんとか開けようと試みた。だが操縦席区画は歪んでおり、なかなか扉が開かない。
そうこうするうちに、餓霊はどんどん近付いていた。
カノンは必死に難波に叫んだ。
「このみっ!!!」
「嫌やて、言うてるやろっっっ!!!」
難波は半分泣いていた。
爪を立て、体重を乗せ、なんとかドアをこじ開けようと試みる。
「……連れてくんや、置いてかへんからな……! おとんもおかんも死んで、やっと出来た仲間まで!? もうあんなん嫌なんや!!」
「このみ、違うの! あたしが代わるから!!」
なおも説得しようとするカノンだったが、餓霊は既に直前に迫っている。
鳳は難波に駆け寄り、折れた刀を餓霊に向けて構えた。
カノンは自機の状況を調べたが、画面はほぼ動作不良の警告表示で埋め尽くされていた。
機体はろくに動かず、武装もほぼ無い。これが……最後の時か。
だが、カノンが覚悟を決めかけた時。『それ』は唐突に現れた。
!!!!!!!!!!!!!!!!!!
突如、頭上に猛烈な光が輝いたのだ。
「なんや……!?」
難波が、カノンが宙を見上げる。鳳も目を凝らし、呆然と呟いた。
「まさか、対空呪詛が……中和されているのですか……!?」
それは暗雲を切り裂く光の爆発だった。立て続けに同じ光が閃き、照明弾のように辺りを照らす。
やがて巨大な航空機が、一同の頭上を通過した。
物凄い風が、轟音が、カノン達の肌を叩くが、翼に描かれたステンシル調の識別文字が、やけにはっきりと見て取れた。
「う、うそ、第3船団……!?」
カノンは呆然と呟いた。
JNDF―3……つまり、日本国第3船団所属の航空機である。
東海から関東地方を管轄し、日本最強と名高い彼らが、ここまで出張ってくれていたのだ。
機影は上空で旋回すると、餓霊の群れに強力な機関砲を叩き込む。同時に航空機から、複数の人型重機が飛び出していた。
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