14 / 26
第1章
ウサギのお家2
しおりを挟む
「あ、こんにちは。僕、宇佐美さんと同じクラスの者ですが、欠席していた宇佐美さんに配布物などを届けに来ました!」
なんだこの猫を被ったような態度は。
白い目を猫宮に向けながら、耳は二人の会話に集中する。
「あらまあ!わざわざありがとうね。少し待っていてね。」
すると、すかさず猫宮が鞄の中からA4サイズの茶封筒を取り出す。
なんて、用意が良い奴なんだ。
そんな僕の思考が分かったのか、僕に向けてウインクをする。
「先生から譲り受けたんだ。」
ガチャリと音が鳴った後、宇佐美に少し似た40代の女性が出てきた。
「わざわざ、ごめんなさいねぇ。」
ぺこりと頭を下げる女性。
こちらもつられて頭を下げる。
「…あの、無理を承知でお願いをするのですが…
宇佐美さんに直接お話がしたいことがあるんです。
インターホン越しでもいいので、可能でしょうか?」
低めの態度で懇願する猫宮を見て、目の前の女性は軽快な様子で、
「あらあら!あの子もきっと暇しているから、いい刺激になるわね!
少し体調を聞いてくるから待っててくださる?」
と、戻ろうとする女性に猫宮が、
「あっ、宇佐美さんには透ですとお伝え下さい!」
分かったわ!と駆けていった。
おい!と小突く。
「なんで僕の名前なんだよ!仲が良いならお前の名前でもいいだろ!」
そういうとこてんと小首を傾げる。
「なんで、俺とウサギさんが仲良いだなんて思ったんだい?」
「いや、だって宇佐美さんのことウサギって愛称で呼んでるから…」
ああとにこりと笑う。
「それは、俺が勝手に呼んでるだけ。」
ニコニコした笑顔で言うが、ドン引きだ。
女子に勝手に愛称をつけて呼ぶなんて…やはり、モテる奴がすることは理解できない。
ドン引きする僕をよそに、すっと笑顔を消した猫宮は言う。
「___俺は、ウサギに嫌われているのだからさ。」
猫宮が言った言葉に反応することもできず、ガチャリと音が聞こえる。
なんだこの猫を被ったような態度は。
白い目を猫宮に向けながら、耳は二人の会話に集中する。
「あらまあ!わざわざありがとうね。少し待っていてね。」
すると、すかさず猫宮が鞄の中からA4サイズの茶封筒を取り出す。
なんて、用意が良い奴なんだ。
そんな僕の思考が分かったのか、僕に向けてウインクをする。
「先生から譲り受けたんだ。」
ガチャリと音が鳴った後、宇佐美に少し似た40代の女性が出てきた。
「わざわざ、ごめんなさいねぇ。」
ぺこりと頭を下げる女性。
こちらもつられて頭を下げる。
「…あの、無理を承知でお願いをするのですが…
宇佐美さんに直接お話がしたいことがあるんです。
インターホン越しでもいいので、可能でしょうか?」
低めの態度で懇願する猫宮を見て、目の前の女性は軽快な様子で、
「あらあら!あの子もきっと暇しているから、いい刺激になるわね!
少し体調を聞いてくるから待っててくださる?」
と、戻ろうとする女性に猫宮が、
「あっ、宇佐美さんには透ですとお伝え下さい!」
分かったわ!と駆けていった。
おい!と小突く。
「なんで僕の名前なんだよ!仲が良いならお前の名前でもいいだろ!」
そういうとこてんと小首を傾げる。
「なんで、俺とウサギさんが仲良いだなんて思ったんだい?」
「いや、だって宇佐美さんのことウサギって愛称で呼んでるから…」
ああとにこりと笑う。
「それは、俺が勝手に呼んでるだけ。」
ニコニコした笑顔で言うが、ドン引きだ。
女子に勝手に愛称をつけて呼ぶなんて…やはり、モテる奴がすることは理解できない。
ドン引きする僕をよそに、すっと笑顔を消した猫宮は言う。
「___俺は、ウサギに嫌われているのだからさ。」
猫宮が言った言葉に反応することもできず、ガチャリと音が聞こえる。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
迷探偵ごっこ。
大黒鷲
ミステリー
これは、中学生同士のまだ子供っぽさが残ってるからこそ出来る名探偵ごっこである。
日常のくだらないことをプロのように推理し、犯人を暴く。
「「とても緩い作品である」」
だが...
旧校舎のフーディーニ
澤田慎梧
ミステリー
【「死体の写った写真」から始まる、人の死なないミステリー】
時は1993年。神奈川県立「比企谷(ひきがやつ)高校」一年生の藤本は、担任教師からクラス内で起こった盗難事件の解決を命じられてしまう。
困り果てた彼が頼ったのは、知る人ぞ知る「名探偵」である、奇術部の真白部長だった。
けれども、奇術部部室を訪ねてみると、そこには美少女の死体が転がっていて――。
奇術師にして名探偵、真白部長が学校の些細な謎や心霊現象を鮮やかに解決。
「タネも仕掛けもございます」
★毎週月水金の12時くらいに更新予定
※本作品は連作短編です。出来るだけ話数通りにお読みいただけると幸いです。
※本作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。
※本作品の主な舞台は1993年(平成五年)ですが、当時の知識が無くてもお楽しみいただけます。
※本作品はカクヨム様にて連載していたものを加筆修正したものとなります。
リモート刑事 笹本翔
雨垂 一滴
ミステリー
『リモート刑事 笹本翔』は、過去のトラウマと戦う一人の刑事が、リモート捜査で事件を解決していく、刑事ドラマです。
主人公の笹本翔は、かつて警察組織の中でトップクラスの捜査官でしたが、ある事件で仲間を失い、自身も重傷を負ったことで、外出恐怖症(アゴラフォビア)に陥り、現場に出ることができなくなってしまいます。
それでも、彼の卓越した分析力と冷静な判断力は衰えず、リモートで捜査指示を出しながら、次々と難事件を解決していきます。
物語の鍵を握るのは、翔の若き相棒・竹内優斗。熱血漢で行動力に満ちた優斗と、過去の傷を抱えながらも冷静に捜査を指揮する翔。二人の対照的なキャラクターが織りなすバディストーリーです。
翔は果たして過去のトラウマを克服し、再び現場に立つことができるのか?
翔と優斗が数々の難事件に挑戦します!
俺のタマゴ
さつきのいろどり
ミステリー
朝起きると正体不明の大きなタマゴがあった!主人公、二岾改(ふたやま かい)は、そのタマゴを温めてみる事にしたが、そのタマゴの正体は?!平凡だった改の日常に、タマゴの中身が波乱を呼ぶ!!
※確認してから公開していますが、誤字脱字等、あるかも知れません。発見してもフルスルーでお願いします(汗)
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる