某国の皇子、冒険者となる

くー

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第1章 冒険者への道のり

5. 朝食

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「ノアー!朝だぞ、起きろー」
「う~ん、あと5分…」
「俺は君の母さんじゃないんだけど…」
………はあ、眠い~~~~~~~~~
俺は朝が超絶苦手。1時間くらいはベッドでごろごろしないと起き上がれない。
「そんなんじゃ立派な冒険者になれないぞ」
「はぁ…なんか俺もそんな気がしてきた」
「ノア…やる気ある?」
「もちろん~~~~~…てか新鮮!」
「なにが?」
「ウィルからノアって呼ばれてる」
「家の中と外で呼び名変えるの面倒だから、ノアで統一しとく」
「さすがウィル、効率いいな~………」
「二度寝するなって……まったくもう」



「……」
食卓の上には朝食が並べられている。焼きたてのパン、ふわふわのスクランブルエッグ、サラダ、ハム、牛乳――
「食べないの?冷めるよ」
「食べるけど」
ウィル…おまえってすごいな。料理までできるんだ。完璧超人イケメンのハイスペック欄にまた新たな項目「料理上手」が追加された。

ウィルお手製のふわふわ卵料理を頬張る。
「美味い…」
ほどよい甘みと塩気、そして卵のうまみが口の中でとろける。
「よかった」
笑顔が眩しい。
昨日はウィルがついてきてくれてよかった、楽ができる、と単純に考えていたが、本当にこれでよかったのだろうか。
このままでは、俺はウィルがいないと何もできない人間になってしまわないだろうか。

「明日は俺が朝食作ろうかな」とりあえず提案してみる。
「ノア、料理したことあるの?」
「ない」
「…それ、俺の手間が増えるだけな気がするからやめてくれる」
「わかった…」
俺はここに料理を作りに来たんじゃない、冒険者になりに来たんだ。気持ちを切り替えよう。

「ノア、おべんとついてるよ」
ひょい、ぱく。
俺の頬についていた食べカスを平然と食べるウィル。
「…ありがと」
うわーなんだコレ。恥ずかしい!俺の顔、ぜったい赤くなってるよ。ウィルは恥ずかしくないのか?ていうかアイツ俺の事、手のかかる弟だとでも思ってるんだろうか。同い年じゃなかったっけ。
というかブラコン兄とか一人でも持て余してるってのに。キャラ被りやめろ。
「どういたしまして」
イケメンスマイル、眩しい!


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