【完結】I adore you

ひつじのめい

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不安

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 俺の熱は2日目にしてやっと下がった、蒼との関係は……
やっぱり今まで通りとは、いかなかった。

 別に避けられてはいないけど、しっかりと線引きさるていると感じる事が多々あった。

 そんな状態が続く中、俺の気持ちとは裏腹に時間だけが流れて気づけば季節が変わっていた。

 蒼と前みたいな関係に戻りたい、最近はそう思うことが多くなってきた。

 そんな状況の中、舞から蒼の名前が出る事が多くなってきた。

 橘くんと帰らないの?今日、橘君も一緒に寄り道しない?初めは舞が俺と蒼の関係を心配してくれいると思っていたけど、俺の中で明確な理由は無いけど何かがひっかかる違和感を抱いていた。

 今日も、代わり映えのない1日が終わるんだろうと思っているとスマホが小刻みに震えメッセが届いた事を知らせている。

 なっちゃん久しぶりに今日、一緒に帰らない?

  たった1行の文字、蒼からのメッセに胸が高鳴る、あの時から蒼と一緒に通学路を歩く事は無くなった。

 俺の指は考えるよりも先に動いていた。

 蒼と帰れるのを楽しみにしてる、そう打ち込み送信ボタンを押した。

 舞の元へと向かうと今日は蒼と帰ることを伝えると、それなら3人で帰ろうと俺に笑顔を向けた。

 俺は、その笑顔にまた違和感を感じた。

 舞に、今日は2人で帰るからゴメンと伝えるのと一瞬、舞の眉間にしわが寄ったように見えたけれど、直ぐにいつもよ笑顔になり、橘君が来るまでは一緒に居たいと言われた。

 何故か断りづらく蒼が来るまで一緒に居ることにした。

 どれくらいの時間が過ぎただろう教室には俺と舞だけになっていた。

 その時、教室へと入ってくる人の気配を感じたと同時に舞に唇を奪われそうになった。

 俺は無意識に唇が触れる直前に顔を背けてしまった

 パタンと何かが落ちた方へと顔を向けると、蒼がこっちを見て立っていた、蒼は俺の視線に気付くとゴメンと言葉を発してカバンを残し走っていってしまった。

 俺は慌てて追いかけようとした時に、舞に腕を掴まれた。

「私たち付き合ってるんだよね、なんでいつも橘くんのことばっかり優先にするの?」

 涙目で、そう言われても舞と付き合ってからは蒼とばかりではないし、むしろ舞中心になっているはずだ。

 俺は話は後でちゃんと聞くからと、舞の手を振り払い蒼を追いかけたが少し舞が気になり振り返ると舞は笑っているように見えた。

 蒼のカバンを持ちながら追いかけるが、いっこうに距離が縮まらない、勉強も出来て運動も出来るなんて蒼はすげぇなと思いつつ、俺は息もとぎれとぎれに蒼の名前を呼ぶも振り返ってもくれない。

 俺はもう1度、蒼の名前を呼ぼうとしたその時、自分の足につまづいて、おもいきりこけた。

 ダサすぎる……

 俺の声にもならない声に気付いた蒼が心配そうに俺の元へと戻ってきた。

「なっちゃん大丈夫?」

 そう俺の顔を心配そうに覗きこんだ。

「蒼なんで逃げるんだよ、足速すぎだろ」

 蒼は、邪魔してゴメンと呟いた……が俺は邪魔されてないし蒼と帰れるのを楽しみにしていた事を伝えるも、何か言いたそうな顔をしつつも何も言わなかった。

「蒼、今日はちゃんと今までの分まで、腹を割ってちゃんと話をしよう」

 俺がそう言っても、何かを考えているようで返事が返ってこない、俺は思わず蒼の両方のほっぺを横へと引っぱった、蒼は何するんだよ!と言いながらも目尻は下がっていた。

 やっと蒼と目が合った。
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