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番外編
しおりを挟む改めて、番としても夫夫としても新たなスタートを切った凌と晴翔。妊娠もわかり、二人は今、幸せの真っ只中にいる。
「なぁ、ほんとにいいのか?」
「いいに決まってるだろう」
二人は部屋の模様替えに勤しんでいた。生まれてくる子どものことを考える前に、まずは自分たちの生活を整える。そう話し合い、決めたことはーー。
「このベッド置いたらやっぱり狭くなるな」
「いや、十分だ」
今日から二人で一緒に寝る。それまでは別々の寝室を使っていたが、気持ちが通じた今、元の凌の部屋を一緒の寝室にしようと決めたのだ。そもそも、互いのあの温もりを知っては、もう一人で眠るなど考えられなかった。
「ありがとうございましたー!」
キングサイズのベッドを運び入れてくれた業者に晴翔が礼を言い、部屋に静けさが戻る。
「さて……」
晴翔がシーツや布団を整え、凌が掛け布団を広げる。部屋の中央に堂々と鎮座する大きなベッド。二人で手をかけて整えたその空間は、どこか不思議な達成感をもたらしてくれた。
「完成だな」
「おー」
ベッドを眺めていると、改めて今日からここで凌と寝るんだ――そう実感が湧いてきて、妙に意識してしまう。それでなくとも、凌の部屋にいて、その香りにソワソワしっぱなしなのに。
「どうした?」
「な、なんでもねぇ」
じっと凌に見つめられていたことに気づき、晴翔は慌ててベッドから視線を逸らした。その様子に、凌がくすりと笑う。
「晴翔、顔が赤いぞ」
「うるせ......」
晴翔がベッドに腰掛け俯くと、凌も隣に腰を下ろし、優しく笑いながら肩越しに顔を覗き込んできた。
「別々に寝てた時も、晴翔のことをずっと考えていた。こうして一緒に過ごせるのが、嬉しい」
凌の言葉に、晴翔の胸がじんわりと熱くなる。思わず言葉が詰まり、ただ小さく頷くだけだった。
随分と甘い言葉をくれるようになったものだ。表情も以前の凌とはまるで違う。そういう凌を見たいとずっと思っていたはずなのに、いざ目の前にすると眩しいやら恥ずかしいやらで直視できない。
「同じ部屋で過ごすことを、晴翔も喜んでくれてるか?」
「......たりまえ、だ」
さらに、こんな風に言葉を求めてくるなんて。昔の凌を思えば、考えられないほど変わった。だけど、変わったのは晴翔も同じだ。凌に導かれるままに、少しずつだが自分の胸の内を晒していく。
モゴモゴと口篭りながら答えると、凌が柔らかく微笑んで、晴翔の唇に優しいキスを落とした。唇が軽く触れ合い、啄むように吸われる。そのたびに胸がキュッと締め付けられるようで、愛しさがあふれて溺れてしまいそうだ。
凌が少しだけ唇を舐めた。それは次に進むという合図だ。
晴翔はつられるように口を開き、舌をそっと覗かせる。それを待っていたかのように、すぐに凌の舌が絡んできた。
深く絡み合うキスの中で、晴翔の中にあった羞恥心が少しずつ溶けていく。愛しさと幸福感で胸が満たされていく。
「はぁ……凌……」
キスの合間に漏れたその声は、自分でも驚くほど甘かった。
凌が答えるかのように強く抱きしめ、何度も顔の角度を変えて舌を吸ってくる。流し込まれる唾液はさながら美酒のようで、こくりこくりと飲み下すたびに酔いが回るようだった。
「晴翔、可愛い、好きだ」
「ぅあっ!......恥ずい、って」
耳に届く言葉も蕩けそうなほど甘くて。
敏感なそこを吐息に擽られて、晴翔のうなじがぞわりと粟立った。
体の力が抜け、整えたばかりのベッドに背中から倒れそうになるのを、シーツを握ってなんとか耐える。せっかく綺麗に張ったそれにくしゃりと皺が寄った。
「おい、まだ、模様替え、終わってない、だろ」
「後でする」
「バカ、お前っ」
「一回だけにするから、晴翔......」
「や、め」
とうに力が抜けている晴翔の抵抗など、凌にとっては可愛い仕草でしかない。体重をかけられ、晴翔はあっけなく組み敷かれた。膝で股を割られ、緩く勃ちあがったそこに触れられると、晴翔の頬が瞬く間に真っ赤に染まる。
まだ明るいうちから、ヒートでもないのに。こんなこと。
「う、やばい、恥ずい」
欲情した表情など見られたくないのに、両手で頬を包まれて視線から逃げられない。至近距離で美しい凌の顔を見つめるはめになって、羞恥心で晴翔の瞳が潤んでいく。
「晴翔、可愛い。首まで真っ赤だな」
「っあ、無理、見んなって、ぇ」
耐えられなくて目を閉じると、すぐに唇が塞がれた。凌の手が服の下に潜り、そっと肌を這い始める。
触れられたところから体温が上がる。チリチリと焦げるような痺れが全身に広がって、晴翔はぶるりと全身を震わせた。
「ぁ、シャワー、いく......」
「いいから」
消え切らない晴翔の理性を、凌のキスが塗りつぶしていく。
「ぁ、ッん、んん」
ヒートの熱に浮かされていない身体に触れられるのはまだ慣れない。凌の綺麗な指の感触が具に感じられて、晴翔は落ち着きなく身体を捩った。
「擽ってぇ、って」
首筋、脇腹、内腿。敏感なところを撫でる凌の手には容赦がない。噛み殺したいと思うのに、口からは勝手に嬌声があふれ出た。
「く、そ......ああっ、凌、はやく......っ」
「ん?」
わかっているくせに。
さっきから肝心なところには触れてもらえていないのだ。もどかしさに内腿を擦り合わせる晴翔を見遣り、凌が愛しそうに口付けをする。上顎をちろちろと舐められ思わず口を開くと、飲みきれない唾液があふれて頬を伝った。
「ん、っふ、りょ、さわって」
「触ってるだろ」
「ああ、バカ、意地、わりぃぞ......っ」
たまらず腰を突き上げ、昂ったそこを凌に擦り付ける。凌のそこも完全に勃ち上がって、ズボンにテントを張っていた。
ぶわ、と凌のフェロモンが濃くなる。一気に晴翔の脳みそが蕩けて、口がだらしなく開いた。
「は......っ、は......っ」
「晴翔?どうされたい?」
「ぁ......」
凌の息も上がっている。吐息に耳を擽られ、晴翔が首をすくめた。「言って」と凌に催促され、僅かに残った羞恥心があっという間に溶けていく。
「ちんこ、さわって......」
凌の手を取り、消え入りそうな声でそうねだると、濡れた先端を握り込まれた。急な刺激に身体が跳ねる。
「ッあ!そこ、は、ダメ!」
「嘘。ここ好きだろう」
「ーーーッ!!あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」
くちゅり、くちゅり。自分のものからあふれる蜜を塗り広げられ、手のひら全体で張り詰めた亀頭を揉み込まれた。触ってほしいとは言ったが、あまりにも刺激が強すぎる。晴翔の背中が反り返り、四肢がじたばたと暴れた。
「無理!!そこ、無理だから!!あ゙ーーー!!」
「すごいな。そんなに気持ちいい?」
手足を突っ張って腰だけを高く掲げた。逃げたいのに、身体が勝手に凌の手のひらに陰茎を擦り付ける。ガクンガクンと突き上げながら、イヤイヤと首を振った。
「や゙ーーーッ!ダメ、そ、こ、無理ッ!触んな、ってえ!」
「触ってと言ったのは晴翔だろう」
そもそも動かしているのは晴翔の方だぞ、などと言われて見てみれば、霞んだ視界の中に揺れる自分の陰茎が映った。それは一生懸命上下に揺れていて、先端を包み込まれるたび嬉しそうに汁をこぼしている。
「あぁ......っ、あ゙あ゙っ!」
擽ったくて、ジンジンして、助けてほしいと喚きたくなるくらいの刺激。止めたいのに。もう無理なのに。
「晴翔、イッていいぞ」
「~~~~~ッ!ッあ!」
凌の許しと同時にぐーっと身体を仰け反らせる。突き出したそこを包まれ、激しく揉まれた。晴翔の身体がこわばり、激しく痙攣する。晴翔の陰茎は絶頂に脈動するも、先端だけの刺激では射精できない。先走りがあふれ続けるそこを凌が親指で優しく撫でた。
「ぁ゙、はな、せ、ッ、あ゙あ゙、も、イッた、イッたから!」
やめて欲しいと泣いても許してくれない。腰を逃がしたくて必死に左右に揺するが、凌の手はしつこく離そうとしなかった。
「無理、無理ッ!凌、いや、ん゙ん゙!あ゙ーーー!あ゙ーーー!」
ぷしっ、ぷしっ。
晴翔が背筋を仰け反らせながら潮を撒き散らす。それでも凌は手を止めてくれず、何度も噴き上げては髪を振り乱した。
しばらくして晴翔はぐったりとベッドに身体を沈ませ、丸くなってぷるぷると震える。
「晴翔、気持ちよかったか?」
「ぅ、あ、待って、今無理......っ」
射精せずに達したせいで余韻が酷い。亀頭から全身にビリビリとした痺れが流れ続けている。陰茎の根本を手で絞って押さえても、凌に頭を撫でられるだけで、壊れた蛇口のように鈴口から潮がぴゅっぴゅっと漏れた。
「う~~~、ッは、やば、いッ、止まん、ねぇっ」
凌は身悶えている愛しい番を抱きしめ、落ち着かせるように髪にキスを落としていく。目元に滲んだ涙を舐め取ると、晴翔が大きく身体をびくつかせた。
「落ち着かないか?」
「ん、んぅっ......」
凌が触れてくるせいで治らないのだが、そんな恥ずかしいことを言えるわけもない。晴翔は目をきつく瞑って快感の波をやり過ごそうと必死に耐えた。
やっと落ち着きを取り戻した頃、凌が服を脱いでいるのが視界の端に映った。しなやかで引き締まった美しい裸体が陽の光に晒され、目が奪われる。
凌の下肢に目をやると、そこは見事に天を突いていた。先端は滑りを帯び、テラテラと光っている。
晴翔は無意識のうちにそこに手を伸ばした。根本から上に向かって指を這わせると、その熱がびくびくと脈を打つ。
「......っ」
吸い寄せられるようにそこに顔を寄せていく。息を詰めながら凌がそっと晴翔の髪を指で梳いた。甘い視線に射抜かれて、我に返った晴翔が動きを止め、視線をうろうろと泳がせる。
「ぁ、俺......」
「晴翔の好きにしていい」
毛先を遊ばれ、うなじを擽られる。晴翔はぎゅっと目を瞑り、凌からの熱い視線を遮った。そして自身の欲のままに凌の熱を掴み、先端に口をつける。
「は......っ」
鈴口から漏れる蜜を舐め取ると、凌が吐息を一つ漏らして腹筋を引き攣らせた。とくとくとあふれてくる蜜を舌で掬い、亀頭を口に含んで吸い上げる。
「晴翔、っゔ」
凌のフェロモンが一層強くなった。思考がぼやけて、凌のことしか考えられなくなる。夢中で吸い付きながら裏筋に舌を押し付けて擦ると、晴翔の腰がかくかくと揺れ始めた。陰茎の根本が膨れてきたのがわかる。
「りょ、......は、ふ、ん゙ん゙」
「う、ぁ゙!」
喉奥の手前まで飲み込み、瘤を手で扱いた。先走りが止まらないのか、どろどろとしたそれが舌に溜まっていく。
「はる、と......!」
ぽた、と雫が顔に落ちてきて、飲み込んだまま見上げると、凌の汗が顎に伝っているのが見えた。目が合った途端に口の中のそれが一段と太くなり、ずるりと半分ほど吐き出す。
「凌、きもちい?」
「......ッ、ああ、もう、出そうに、なってる」
晴翔はなんだか誇らしい気持ちになって、一生懸命にそれに舌を這わせた。根本の瘤が大きく膨らみ、陰茎がびくりびくりと大きく脈を打ち始める。
「凌、出そ......?」
「ん゙、ッ、出そ、うだ」
凌が唇を噛んで、漏れそうな声を押し殺している。そんな凌の余裕を無くしたくて、晴翔はカリ首を唇で扱きながら裏筋の溝を舌でぞりぞりと刮いだ。
「ゔ、あ゙あ゙!」
凌がたまらず声を上げ、晴翔の喉奥を目掛けて腰を突き入れてくる。でも晴翔を苦しめたくないのかすぐに腰を引いて、揺れそうになる腰を必死に抑えているようだった。
その健気な姿に、晴翔の目が細くなる。自分ばかり恥ずかしい姿を晒しているが、晴翔だって好きな男が乱れるところを見たい。
くぷ、と音を立て、限界寸前の膨れ切ったそれを喉の奥に招き入れる。
「晴翔......ッ、あ゙あ゙!」
「ん゙、ぇッ」
快感に凌の背中が大きく反った。その反動で一層深くまで亀頭が沈み込む。根本の瘤が口と鼻を覆って息ができない。苦しさで一層喉奥が締まった。
「晴翔......もう出る、ッ!ゔゔ!」
「ッ!ご、ふッ、んぐッ」
凌が二、三度大きく腰を使って、ぐっと陰茎を喉に押し込む。それはポンプのように激しく脈動し、大量の精液を食道に流しこんできた。苦しさに思わず吐き出すと、勢いは止まないまま白濁が晴翔の顔を汚していく。
「う、わ!んぷ、凌ッ」
「ごめん、ッ、ゔ......っ、ゔ、ゔ!」
なんとか凌が手で押し下げるも、しゃくりあげるように上下する陰茎は射精が止まらず、晴翔の身体が徐々に白く染まった。
凌の精液を全身に浴びた晴翔には、もう理性など微塵も残っていなかった。むせ返るほどの精の匂いとフェロモンに酔い、吐精し続ける凌をぼうっと見つめる。吐き出されていくそれが勿体無くて、手を椀にして受け止めた。
溜まったそれを指に纏わせ、後孔へと持っていく。十分に自分の愛液で濡れたそこを、精液塗れの指でぐちゅぐちゅと掻き混ぜた。
その光景に煽られたのか、また凌の射精の勢いが増す。晴翔は跳ねる陰茎を口に咥え吸い上げながら、一生懸命に後孔に精液を飲み込ませていった。
「晴翔、ッ!」
劣情に掠れた声で、凌が名前を呼ぶ。
凌が欲しい。全て、中に入れて、注いでほしい。
そんな気持ちを込めて凌を見つめた。両脚を抱え、ここに欲しいのだと、恥ずかしいところ全てを曝け出す。
「りょお、ちょうだい......っ」
「ッ、入れるぞ」
言い終わると同時に圧倒的な質量が後孔を貫いた。愛液と精液であふれたそこが、ぐぷぐぷと濡れた音を立てて凌の剛直を飲み込んでいく。疼きに疼いているそこを、張ったエラで擦りたてられ、晴翔が声も出せずに仰け反った。
「ーーーーーッ!」
「ぐ、ぁッ」
全てを埋め切った凌が心地よさげにぶるりと身体を震わせた。まだ先の射精が終わっていないために、熱が腹に溜まっていく。
「一番奥は、やめておこう。......ッ、入れないように、ゆっくり、する」
凌が妊娠中の晴翔を慮って、控えめに動き始める。挿入されただけで目眩がするほど気持ちがいいのに、最奥の壁に亀頭でキスをするようにゆっくりと抽送されて、晴翔の視界が白く染まった。
「ああっ、ダメッ、凌、俺、すぐ、イきそぉッ!」
「は、ッ、いつでも、イッて、いい」
ずる、と陰茎をギリギリまで引き抜かれ、晴翔の後孔が縋るように引き絞る。それをもう一度掻き分け押し入って、入り口の近く、晴翔の大好きな前立腺を固く張った亀頭で抉られた。バチバチと頭の中がスパークし、噛み締めた口から抑えきれない絶叫が漏れる。
「あ゙ーーーっ!イく、イく、凌ッ!」
「ふ、ッぐぅ!」
ぐん、と腰を突き上げ、晴翔が白濁を撒き散らした。その間も凌がしこりを抉り続けるせいで、がくんがくんと腰が揺れる。
晴翔の痙攣が小さくなってきた頃、凌が次の射精を始めた。二度目とは思えないほど大量の精液が注ぎ込まれ、晴翔の後孔が歓喜に収縮する。
「ぁ、すご、凌の、また、いっぱい、出てる......」
「煽るな、よ......っ、止まらなく、なる......っ、ゔ」
凌が晴翔を強く抱きしめ、言葉を封じるように唇に吸い付いた。キスの合間、吐精のたびに漏れる凌の声、苦しげに詰まる息、何度も引き絞られる腹筋、小さく揺れている腰、そのどれもが晴翔で感じてくれている証拠で。晴翔はその光景のひとつひとつを目に焼き付けようとじっと見つめた。
「凌、好き。愛してる」
「お、前、ほんと......ゔ、ゔ!」
「俺で気持ちよくなってる凌見るの、すげぇ、好き」
「今は、やめろ、って!止まらない、だろうが......!」
「ん、全部、俺の中に出して」
「ク、ソ......ッ」
余裕のない凌の姿に笑みが零れるーーのも束の間。
「ゔ、あ゙?!」
「優しく抱こうと、思ってたん、だぞ」
「なに、あ゙あ゙ッ、やめ、凌っ」
「バカ、止められるか」
ガツガツと凌が浅いところにあるしこりを突き上げる。腹に溜まった凌の子種がたぷたぷと音を立てた。すぐにやってきた次の絶頂の予感に、晴翔がぎゅっとしがみつく。
「そこ、すぐ、イくからぁ......!」
「晴翔は、ここ、好きだな」
「んん!好き、好き、りょお、イッく、イく......っ」
「ああもう!どれだけ可愛いんだ、お前は!」
凌が苦しげに呻きながら小刻みに腰を振る。エラの張ったカリ首がしこりを捏ね、晴翔は両脚をピンと伸ばした。絶頂間際、後孔がきつく収縮し蠢動が激しくなる。
「締め、すぎ、だ、晴翔っ」
「あ゙ーー!凌、イく、イく、イクイクッ!ん゙ーーー!!」
「はあッ、......ぐ!」
ぐん、と凌が腰を突き入れ、最奥の壁に亀頭を当てる。そこは焦れたと言わんばかりに痙攣しており、凌の敏感な先端をきつく包んで吸い上げた。
晴翔が最奥からの暴力的な快感に藻搔く。絶叫しながらつま先を丸め、何度も足が空を蹴った。凌が耐えきれずそこを小刻みに突くと、一気に後孔が引き締まり痙攣し始める。
「イッてる!凌、イッて、イッてる、イクイク、イ゙ぐ!無理無理無理、あ゙ーーー!!!」
「俺も、出る、......ッ!ゔーーー......っ」
凌が最奥の壁に精液を叩きつけると、晴翔がまたガクガクと全身を揺すった。陰茎が二人の腹の間で跳ね、勢いよく精液が飛ぶ。胸まで飛んだそれは、凌のものと混ざってどろどろと晴翔を汚した。
「だめ、奥、抜け、やだ、やだ!あ゙あ゙ッ!」
「晴翔、どうした......っ?」
「ん゙ーーーッ!あ゙あ゙っ、だめ、イく、ぅ!」
凌の精液に最奥が叩かれるだけで、晴翔が何度も身を震わせる。終わらない絶頂に怖くなって凌の身体に抱きついた。
「凌、凌、イッてる、イッ......ぐ!あ゙あ゙あ゙!」
「......っ」
「だめ、も、しゃせい、止まって、無理、やああ!動くなぁ!」
「晴翔のせい、だっ」
「なんで、ぇ......っ!うああああ!」
こうして新品のベッドは汚れに汚れ、残りの模様替えは翌日に持ち越しとなった。
「やっぱ寝室別にする!」
「ダメに決まっているだろう」
晴翔が張り替えたシーツの上に寝そべりながら、凌から顔を背ける。
「こんなん、身体がもたねぇ」
「晴翔が煽るからだ」
「煽ってねぇわ!」
凌が無理矢理顔を覗こうとすると、布団を引き上げて隠れてしまった。
「セックスの時の素直な晴翔は反則だ。止まれなくなる」
そう言うと、なぜか晴翔はミノムシのように丸まった。凌が力づくて布団を引き剥がし、顔を上に向かせると、真っ赤になって目を潤ませている晴翔と目が合う。
「普段、素直じゃなくて悪かったな」
「......たまらないな」
「え?!何、やめろ、もう無理だって!せっかくベッド、綺麗に」
「普段の恥ずかしがり屋な晴翔も好きだ。全部好き。愛してる」
「嘘、やめ、うああ!」
やっと本当の意味で夫夫として結ばれた二人。素直に自分の気持ちを伝えることの喜びと難しさを互いに感じながら、一歩ずつ未来へと向かっていく。
しかし、模様替えはしばらく終わりそうにない。
番外編、終わり。
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