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シーズン1 最終決戦のゆくえ

2-5! 伝次郎VS人食いの傀!

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「しゃおら! 『踏みつけ』ぇぇえ!!!」

「うお!?」

 人食いの傀の踏みつけ!!

 大地を揺らし、爆発したような音を出す! 踏み付け!

 必殺のそれを避けて、俺は剣を振る! 

 サイバー・ビーム流の刀を振れば、ビームの刃が飛ぶ! 

 それは、瞬く間に傀に当たり! 

 肉の切れる音が、響いた!!

 っが!

「おお! 光の味ってこういう感じなんか! けっこうビリビリ! さわやか! 喉ごしがええで! ヒューーー!!!」

「!? げ!!」

 こいつ、光の刃を食いながら! 距離を詰めてきてる!!!

 くう!

 傀の繰り出すパンチを、光速で避ける! 
 
 けっこう、ぎりぎりだった!!

 こいつ、早くなってない!?

「伝次郎! この」

「おっと、そいつはさせませんっと」

「!? っく!!」

 シルフィも弓矢で援護しよとしたら、ドス・ヤクザが来て阻止!!!

「シルフィ!」

「よそ見したな? オラッッッ!!!」

「!? ぐわァァあ!!!」

 そっちに気を取られたら、めっちゃ早い人食いの傀が来た!! 

 うん! 影も置き去りにするような速度で、思い切り殴ってくる!!!

 かろうじてガードが間に合い、受けるが! うおおお!!!

 強い! 重い! やべえええ!!!

 その場にとどまれなくて、思いっきりぶっとばだれた! 

 コロセウムの壁にぶち当たる!!

 ダメージがデカい!! 

 それを知らせる、血を吐いた!! 

 かは!!

(くそ、なんて強さだ……いや、まて)

(そもそも、なんで、あんなに早いんだ? 俺の、スピードについてこれた? サイバー・ビーム流は、めっちゃ早いのに!!!)

 ……分からん!

 絶対からくりがあるだろうが、今は思いつかない!!
 
 考えながら、攻めるのみ!!!

「うおおお!!! ラッシュ・コンボ!!!」

 瞬く間に移動できる神速で! 

 剣で斬り、盾で殴る!!!

 本来であれば、クマ・モンスターでも、絶対に殺せる技!

 他のPKに当てても、悶絶して殺せた! 必殺の技!

 それが確かに、傀に当たり! HPバーを、大きく減らさせた!!

 が! 

「えいねぇ!! 俺も、やり合うでぇ! ドラァァあ!!!」

「!? ぐわァ!!!」

 全然ピンピンしてる、傀! 

 その体術を食らい! 全身に、ものすごい衝撃が叩き込まれる!!!

 ああ、拳が! 蹴りが! 肘が! 膝が! 突き刺さり! HPを大きく削られ! 

 またぶっ飛ばされた!!!

 くっそおおお!!!

(~~~!!! ヤバイ! こっちはかなりボロボロだ)

 回復ポーションもしてるが、それでも、俺のダメージはデカい!!!

 一方、同じように俺の攻撃を受けているはずの、傀は!

(奴の頭上のHPは、8割ほどまだある! くそ! 攻撃してるのに、回復されてるのか!?)

 これは、ジリ貧!!

 追い込まれてるぞ!!!

 やっべえええ!!!
 
 っと焦っていたら!

「ほな、そろそろ決めるでぇ! そいやァ!!」

「!?」

 目の前に、傀が! 急に飛び込んできて! 

「『バースト・ラッシュ』!!! どらあああ!!!」

「!!! ぐわあああ!!!」

 早く、重い!

 目にもとまらぬ、早業・ラッシュ!!!

 全身を破壊するような、猛攻ラッシュを! 俺へと、繰り出しィィい!!!

 ぐわあああ!!!

 は、早い! 重い! 早すぎる!!

 いや、早すぎるだろ!? この攻撃! どうなってるんだ!!!

 どうして、サイバー・ビーム流の速さで、勝てないんだ!?

 あああ!!!

 っと、混乱していると!!!

「っく! このぉ! フーフー! っで、伝次郎! あきらかに、スピードが落ちてる!! そして、人食いの傀は、スピードがさっきの倍以上に早くなっている!!! わ! きゃ! せや!」

「ううん! お、おそらく、スピード! 能力を、食われてるぞ!!! 遠距離で戦え!!! はァ!!!」

 そう、ドス・ヤクザとナイフで切り合う! シルフィが教えてくれた!!

 !! そ、そうか!!!

 こいつは、人食い鬼! もとになった、カルマ・スキルの人食い鬼召喚は、プレイヤーの能力を削る能力もあった! 

 それで、『スピードや、パワーも、食われている』のか!!!

 いや、それだけじゃないな! 

 食うことで、『俺のスピードを下げながら、自分のスピードを上げている』!!!

 これが、食うってことか!!!(完全理解)

 やっべ! なら、これ以上攻撃を受け続けたら、負ける!!!

 あっちの方が、既にスピードが上!

 ハメ殺されるぞ!! うん!!!

 だから!

「おらァァあ!!!」

 ――盾投げ! ブオン! ガン!!

「!? ぶ!!」

 俺は、盾を投げる『盾投げ』を発動し! 傀の顔にHIT!!!

 それで、視界をふさいだら! 

「光速・分身!!!」

 傀から距離を取って、分身!!!

 うん! 奴の、四方八方! 上下左右!!

 ありとあらゆる角度に、分身を置き! 

 一斉に、剣を振り下ろし!!!

 そうして!!

「うおおお!!! 『覇王・超神斬』!! っはあああ!!!」

 360°から! 剣ビームを放って、滅殺する!!!

 『覇王・超神斬』を、放ったのサァァあ!!!

 うお! すげぇ!!!

 『覇王・超神斬』を放ったことで、闘技場を抉り、揺れるほどの大爆発!!! 起きまくり!!!

 ああ、地面はぶっ飛び、会場も揺れ! 幾人かのPKが、座席から落ちていて!!!

 目の前には、巨大な土煙が、もうもうと立ち込めている!!!

 そんな衝撃と、破壊を見ながら!

 サイバー・ビーム流の状態が解けるほど! 全力で撃った攻撃に、俺は!

 確かな手ごたえを感じていた!

 が!

 ――ドキュゥゥゥンンン!!!

「!? が!!」

 土煙の中から撃たれた、赤黒い閃光が! 

 俺の首を貫いた!!!

 っがあああ!!!

 ――死亡! あなたの負け!!!

 ぐわあああ!!! やられたァァあ!!!

 HP砕け散って負け!!

 観戦モードの、幽霊モードになったよ!!

 くそおおお!!!

 いったいどうやって、勝ち……。

 はァ!?

「あっぶなァ。ダメージデカすぎて、死ぬか思うたわ。よう、『光食い・回復』上回ったなァ」

 あ、あの野郎!! 傀の野郎!!

 全身に、光り! 俺がはなった、ビームの刃を全部食っ多様で、赤黒い光を纏いながら!

 HPバー1割で、生き残ってやがる!!!

 あああ!!!

 っも、もうちょっとで殺せたのに!!!

 もう少しコンボか、魔法で、ダメージ与えてから!

 覇王ぶち込めばよかったのか!?

 いや、それだと食われるから、どうせ負け。

 ああああああ!!!

 どっちにしろ、俺じゃ勝てなかったんかーい!!!

 ああああああ!!!

 っと、発狂していると!!!

 ――パァァァンンン!!!

「!? ぐえ!!」

「え」

 うん! 傀が、爆発!!!

 光り輝く弓矢が傀に当たり! 爆発四散!!!

 そう!

「よし! これで、イーブンね」

「っち! やられたかァ」

 ドス・ヤクザの猛攻をしのいで、一瞬の隙を撃った! シルフィの矢で!

 傀も、死んだのである!!!

 うおおお!!!

「おお! 1VS1!! これは分からなくなった!!」

『いけいけ! エルフ勝てぇ!!』

「ヤクザァ! 根性見せろぉ!!」

『実質、傀の勝ちだったな』

「ああ、サイバー・ビーム流も、いろいろ殺し方があるぜ! ええ!」

 ああ、盛り上がる観客PKたちの言うように! これで、1VS1!!

 無傷だけど、息が上がっているシルフィと!

 黒のスーツがズタボロだけど、余裕そうなドス・ヤクザの!!

 タイマン決戦が、始まったぜぇぇえ!!!

 フーーー!!!
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