80 / 112
第80話 新潟県① 彌彦神社、イタリアン、清津峡
しおりを挟む「ほう、随分と山の中にあるのじゃな」
「新潟県で一番のパワースポットらしいからね。秋は紅葉がとてもきれいらしいよ」
「この赤い鳥居も立派なものですね。確かに自然が多いので、歩いていても気持ちが良いです」
今日は新潟県へとやってきた。
そしてここ彌彦神社は越後一宮として古くから信仰を集めてきた神社で、「おやひこさま」と人々から親しまれており、初詣には毎年20万人以上の参拝客が訪れるらしい。
彌彦神社のすごいところは創建からなんと2400年以上も経っているらしい。日本最古の和歌集である万葉集にも詠われている由緒正しき神社である。祭神と妃神の仲が良いことから縁結びのご利益があり、仕事運の向上なんかもご利益のあるパワースポットとなっている。
入り口である一の鳥居をくぐると境内は緑がとても多く、左の方には人が渡れず、神様が通る橋と言われている赤い玉の橋がある。
「これはなんなのじゃ?」
「これは火の玉石と呼ばれているものだね。願い事を念じながら、この石を持ち上げてみて、軽いと感じたら願いはかないやすくて重くて持ち上げられない場合には努力が必要となると言われているんだ」
いろんな場所にある重軽石というやつだ。
「むっ……思ったよりもだいぶ重かったのじゃ……」
「私もです。意外と重いものなのですね……」
ちなみに俺も重いと感じてしまったんだよな。こういうのって、結構重く感じことが多い気もする。
そのまま先へ進むと祭神である天香山命を祀る拝殿がある。後ろにそびえるご神体である弥彦山も合わさってすごくパワーを感じられる場所だ。
普通の神社をお参りする際には2礼2拍手1礼のところだが、この彌彦神社では2礼4拍手1礼してお参りをする。通常よりも2回拍手が多く、より丁重に配する心を表す作法のようだ。
神社をお参りする際には神社によってお参りの仕方が違うことも多いから、事前に調べておいた方がいいぞ。
「これは確か焼きそばじゃったかのう?」
「これはイタリアンという新潟県の地元の料理だよ」
「……イタリアンですか? 確かにトマトのミートソースがかかっているみたいですが……」
「うん、それについては触れないでおこう」
新潟県のご当地グルメであるイタリアン。名前だけを聞くと、喜屋武さんのようにイタリア料理っぽいものを想像するかもしれないが、実際にはソース焼きそばのミートソースがけというのが一番わかりやすいかもしれない。
新潟県の下越地方と中越地方で提供されているファーストフードで、スーパーや駅などのイートインなどで食べられることが多いようだ。
ちなみに新潟県あるあるなのだが、よく上越地方、中越地方、下越地方と呼ぶが、実は上越地方が新潟県の下の方で、下越地方が新潟県の上の部分で逆なのである。
これは歴史的な背景から、昔都があった京都を起点として上に見ているから反対になったらしい。俺も旅をするまでは完全に逆だと思っていた。
他のあるあるだと新潟の『潟』の字を『泻』と略して書くらしい。確かに潟の字って結構複雑だもんな。新潟県以外の人がこの字を見たら、間違っているって言いそうだ。あとは新潟県民は親戚や知り合いにはほぼ米農家さんがいるらしいぞ。新潟県は米どころだからな。
「ふむ、変わった味じゃが、美味しいのじゃ!」
「意外と悪くはないですね」
「新潟県にとってはこれが慣れ親しんだ味なんだろうね」
値段も安いし、ファーストフードなので注文をしたらすぐに出てくる。味は超うまい、みたいなことはないが普通においしい味だ。
ちなみにイタリアンの大きなチェーン店は2種類あるようだ。もちろん味も違うが、持ち帰りを頼むと、片方はフォークで片方は割りばしがついてくるらしい。
「ほお、こちらも良い眺めじゃな!」
「ここは清津峡といって、日本三大峡谷のひとつだよ」
続いてやってきたのは富山県の黒部峡谷と三重県の大杉谷と並ぶ日本三大峡谷のひとつである清津狭だ。
美しいエメラルドグリーンの清津川を挟んで、切り立つ巨大な岩壁は全国に誇るV字型の大峡谷があり、柱状節理の斜めに線の入った岩肌と美しい川の色合いがとても美しい。
この峡谷には清津峡渓谷トンネルがある。このトンネルの出口にはとても清津峡谷の美しい景色が見られるわけだが、そこに到着するまでのトンネルの内部にはいくつかのアートがあるので面白い。
「ええ、これはまた見事ですね」
「うむ、これが映えるというやつなのじゃな」
そしてこのトンネルの出口には地面から数センチメートルほど水が張られており、その水が反射してトンネルと清津狭のが上下に映って円形に見えるので、とても幻想的な景色を作り出している。
トンネルの出口に美しい空と清津狭の景色が上下に映っているわけだ。もちろんこの光景は季節によって移り変わっていく。春や夏は美しい緑に覆われ、秋は美しい紅葉、冬は真っ白な雪景色が楽しめる。
確かにこの美しい光景は映えるというべきなのだろう。
20
お気に入りに追加
237
あなたにおすすめの小説
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
妹の物を盗んだということで家を追い出された。その後、妹のでっちあげだったことが発覚し・・・?!
ほったげな
恋愛
身に覚えがないのに、妹のジュエリーボックスを盗んだということ家を追い出された。その後、妹のでっちあげだったことが発覚。しかも、妹は子爵令息と婚約しており・・・??!
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
ちょっとエッチな執事の体調管理
mm
ファンタジー
私は小川優。大学生になり上京して来て1ヶ月。今はバイトをしながら一人暮らしをしている。
住んでいるのはそこらへんのマンション。
変わりばえない生活に飽き飽きしている今日この頃である。
「はぁ…疲れた」
連勤のバイトを終え、独り言を呟きながらいつものようにマンションへ向かった。
(エレベーターのあるマンションに引っ越したい)
そう思いながらやっとの思いで階段を上りきり、自分の部屋の方へ目を向けると、そこには見知らぬ男がいた。
「優様、おかえりなさいませ。本日付けで雇われた、優様の執事でございます。」
「はい?どちら様で…?」
「私、優様の執事の佐川と申します。この度はお嬢様体験プランご当選おめでとうございます」
(あぁ…!)
今の今まで忘れていたが、2ヶ月ほど前に「お嬢様体験プラン」というのに応募していた。それは無料で自分だけの執事がつき、身の回りの世話をしてくれるという画期的なプランだった。執事を雇用する会社はまだ新米の執事に実際にお嬢様をつけ、3ヶ月無料でご奉仕しながら執事業を学ばせるのが目的のようだった。
「え、私当たったの?この私が?」
「さようでございます。本日から3ヶ月間よろしくお願い致します。」
尿・便表現あり
アダルトな表現あり
私の妹と結婚するから婚約破棄する? 私、弟しかいませんけど…
京月
恋愛
私の婚約者は婚約記念日に突然告白した。
「俺、君の妹のルーと結婚したい。だから婚約破棄してくれ」
「…わかった、婚約破棄するわ。だけどこれだけは言わせて……私、弟しかいないよ」
「え?」
幼馴染み達が寝取られたが,別にどうでもいい。
みっちゃん
ファンタジー
私達は勇者様と結婚するわ!
そう言われたのが1年後に再会した幼馴染みと義姉と義妹だった。
「.....そうか,じゃあ婚約破棄は俺から両親達にいってくるよ。」
そう言って俺は彼女達と別れた。
しかし彼女達は知らない自分達が魅了にかかっていることを、主人公がそれに気づいていることも,そして,最初っから主人公は自分達をあまり好いていないことも。
家出した伯爵令嬢【完結済】
弓立歩
恋愛
薬学に長けた家に生まれた伯爵令嬢のカノン。病弱だった第2王子との7年の婚約の結果は何と婚約破棄だった!これまでの尽力に対して、実家も含めあまりにもつらい仕打ちにとうとうカノンは家を出る決意をする。
番外編において暴力的なシーン等もありますので一応R15が付いています
6/21完結。今後の更新は予定しておりません。また、本編は60000字と少しで柔らかい表現で出来ております
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる