1 / 1
異世界パパ活ばなし①「この世にタダのラーメンは無い」
しおりを挟む
「お姉さん、歳いくつ? まだまだいけるっしょ。制服姿も似合ってるね。女子高生の制服だっていけちゃうんじゃない?」
「今までどこに隠れてたの?」
「そうだねえ、ちょっと遠いところかなあ」
「外国?」
「まあ、外の国ではあるかもね~」
へらへら笑いながら、こちらを試すような目つきで見据えてくるクソガキ。暑いのが嫌いなわたしにとって、残暑のこの時期が一番いらいらする。もう九月の終わりだというのに、日中はまだ三十度を超える。いつになったら和らぐんだ、と終わりそうで終わらない暑さに対して憎悪すら湧いてくる。夜のこの時間でもまだ暑い。そこにきて、このうざったいガキの相手だ。勘弁してほしい。
「交番って思ったより狭いんだね。奥に休憩室みたいなのもあるみたいだけど。お姉さん、ひとりなの? こんな、この世の果てみたいな寂れた町の交番に、しかも夜、若い女の子が独りきりとか危なくない?」
女の子、か。中年男のセクハラかよ。ただ、こいつの言うとおり、変に絡んでくる年上の男の市民は多いが。
「それにしても、ラーメン一杯のお金も払えないなんて。逃走資金で使い果たしたの? あれだけ荒稼ぎしてたのに、いまじゃ、一文無しってこと?」
「ふふっ、なくはないよ~」
そう言って、クソガキ――レイと名乗っている――は、さっきから手のひらの上でもてあそんでいる一枚のコインを机の上に、わざとらしく音を立てて置いた。わたしはそれを手に取る。大きさはカジノのチップくらいで、色は金に近い。見た目はまさに金貨だ。重みもある。しかし、本物の金でないことは確かだ(職業柄、以前に一度だけだが、純金に触ったことがある)。では、いったい、これはなんだろう。手触りから金属っぽくはある。が、これだという材質が思いつかない。目の前に掲げて、蛍光灯の光を吸収するそれを眺めていると、なんだか吸い込まれそうになってきた。
「お姉さん?」
「え?」
「大丈夫? なんか、ぼけーっとしてるけど」
「……ああ、うん、なんでもない」
「その一枚で、スタミナ太郎に一年間、毎日通えるくらいの価値があるんだけどねー」
1時間ほど前、わたしは無銭飲食の通報を受け、あるラーメン店に向かった。終電も過ぎたこの時間、駅前で唯一、空いている食事ができる店といえば、そこくらいしかなかった。未成年にも見える幼い顔つきの若い女が、店主の男と言い合いをしていた。髪をピンクに染め、ボロボロのパーカにダメージ加工ではなく本当に履き古して穴の空いたようなジーンズ姿。店主が言うには、チャーシューメンを食べ終わった女が、おもちゃのコインで支払おうとしたという。
「それなりに価値はありそうだけど。なんにせよ、日本でお金としては使えないよ。わかっててやったでしょう。ふざけるのもたいがいにして」
「いやあ、向こうじゃ『円』は使えなかったから、逆にこっちのほうが常識になっちゃっててさ」
「じゃあ、これを持ってたのも、あなたの言う、向こうでは『常識』だって?」
わたしは、うしろのロッカーを見やる。厳重に施錠した中には、レイから押収した凶器が入っている。布に包まれているそれは、鞘や柄にきらびやかな装飾が施された、ぶ厚い刃物。『けん』というより『つるぎ』と呼ぶのがふさわしい長剣だ。漫画やゲームに出てくるような。
「あなたは無銭飲食と銃刀法違反の現行犯で逮捕された。これは確かなことだからね。仮装用の小道具かと思ったら、本当に切れる剣だったなんて。あんなものどこで……」
「人からもらった大事なものだからなあ、置いてくるわけにはいかないもん」
レイは目を閉じ、何度もうなずきながら、ほくそ笑む。勝手に思い出に浸っているようだ。いらっとする。
「刀剣マニアから、現金の代わりに貢がせたってわけ?」
「ん~、ちょっと違うかな。まったくの的外れってわけでもないんだけど」
「犯罪者とクイズごっこをする気はないよ。署のほうから担当が来るまでのあいだ、聞けることを聞いておこうと思っただけ。でも、そんな義務はないし、いらついてまでしたくない。もういいよ、おしゃべりは終わり。そのまま机の上で寝てなさい」
「え~、つまんない。じゃあさ、おもしろ話してあげる!」
「犯罪者が人に語る話なんて、結局は自分の犯罪自慢でしょう」
「まあ、そうね、うん、自慢かも。いや、でも、これはあれだよ、いまだかつてないビッグな詐欺……あ、詐欺って言っちゃった。ちょっと、お姉さん、怖い顔しないでよ!」
そう、こいつは詐欺師だ。いまでいう『パパ活』で複数の男から金銭を得ていた。それだけならグレーだが、身分を偽り、多額の金を払わせ、さらにそのテクニックを秘密の講座で生徒たち――そいつらはレイのことを教祖のように崇拝していたらしい――に伝授し、詐欺の被害を広めていた。レイひとりが男たちから巻き上げた額だけで軽く億を超えるという。被害者たちからの被害届を受理した警察は本腰を入れ、こいつの逮捕に乗り出した。が、すんでのところで取り逃がしてしまった。レイはそのまま数か月に渡り、逃亡していた。半グレどもとのつながりもあったらしく、彼女のことは東京から遠く離れたこの県にも通達され、わたしは交番に連れてきてから、彼女が、あのレイだと知った(本名は知らない)。手配写真――ネット上にアップされている、相当に加工されたもの――と、目の前のすっぴんの女がしばらく結びつかなかったが、特徴として伝えられていた、笑うときに口を『へ』の字に曲げるその仕草でピンときた。
「レイちゃんを追ってきた刑事たち、あいつらの顔、いまも覚えてるよ。あのつら、向こうじゃ、ポイズントードの顔つきそっくり。刑事たちの中でも特に偉そうなオッサンなんか、体じゅうイボだらけの親玉ポイズントードと瓜二つだよ。あー、やだやだ、思い出しちゃった。会いたくないな……しくしく」
わけのわからないことを話すガキ。芝居がかった泣きマネも癪に障る。正直、めんどうくさかった。こっちから聞き出す気はなくなっていたが、相手が『詐欺』という言葉を発し、余罪を自白しようとしているなら、当然ながら聞くしかない。引き渡した担当刑事にも同じ自白をするとは限らないからだ。
「じゃあ、聞かせてよ。担当の刑事が来るまで、しばらくかかるみたいだし」
わたしは立ち上がり、レイが逃げないよう、やつから目を離さずに奥の休憩室へ行き、二つの缶ジュースを手にし、戻ってきた。手錠もかけてあるから、逃げるとは思えないが。
「のどが渇いたでしょう。飲みたければどうぞ」
「ドデカミンストロングじゃん! 久しぶりの味! 向こうでは炭酸なんてなかったからさ、恋しかった~。さっきのラーメン屋、飲み物は水しかねえし」
レイは勢いよくフタを開け、グビグビといい飲みっぷりを見せた。その様子から、炭酸飲料系のジュースの類を飲むのが本当に久しぶりであり、今まで、そういったものにありつけない生活を送っていたであろうことは推察できた。
「よし、話そっか。レイちゃんの武勇伝を!」
「すべての犯罪はケチ臭いものだよ」
「もう! 水を差すようなこと言わないで! これから壮大な冒険物語を語ろうと思ってたのに~」
炭酸飲料の泡を唇の表面で弾けさせながら、ホームレスみたいな身なりのガキが、それはそれは楽しそうにわめく。なんだ、こいつは。
「はいはい。それで、どこで何をやらかしたの?」
「異世界で、パパ活やって大儲け!」
(続く)
「今までどこに隠れてたの?」
「そうだねえ、ちょっと遠いところかなあ」
「外国?」
「まあ、外の国ではあるかもね~」
へらへら笑いながら、こちらを試すような目つきで見据えてくるクソガキ。暑いのが嫌いなわたしにとって、残暑のこの時期が一番いらいらする。もう九月の終わりだというのに、日中はまだ三十度を超える。いつになったら和らぐんだ、と終わりそうで終わらない暑さに対して憎悪すら湧いてくる。夜のこの時間でもまだ暑い。そこにきて、このうざったいガキの相手だ。勘弁してほしい。
「交番って思ったより狭いんだね。奥に休憩室みたいなのもあるみたいだけど。お姉さん、ひとりなの? こんな、この世の果てみたいな寂れた町の交番に、しかも夜、若い女の子が独りきりとか危なくない?」
女の子、か。中年男のセクハラかよ。ただ、こいつの言うとおり、変に絡んでくる年上の男の市民は多いが。
「それにしても、ラーメン一杯のお金も払えないなんて。逃走資金で使い果たしたの? あれだけ荒稼ぎしてたのに、いまじゃ、一文無しってこと?」
「ふふっ、なくはないよ~」
そう言って、クソガキ――レイと名乗っている――は、さっきから手のひらの上でもてあそんでいる一枚のコインを机の上に、わざとらしく音を立てて置いた。わたしはそれを手に取る。大きさはカジノのチップくらいで、色は金に近い。見た目はまさに金貨だ。重みもある。しかし、本物の金でないことは確かだ(職業柄、以前に一度だけだが、純金に触ったことがある)。では、いったい、これはなんだろう。手触りから金属っぽくはある。が、これだという材質が思いつかない。目の前に掲げて、蛍光灯の光を吸収するそれを眺めていると、なんだか吸い込まれそうになってきた。
「お姉さん?」
「え?」
「大丈夫? なんか、ぼけーっとしてるけど」
「……ああ、うん、なんでもない」
「その一枚で、スタミナ太郎に一年間、毎日通えるくらいの価値があるんだけどねー」
1時間ほど前、わたしは無銭飲食の通報を受け、あるラーメン店に向かった。終電も過ぎたこの時間、駅前で唯一、空いている食事ができる店といえば、そこくらいしかなかった。未成年にも見える幼い顔つきの若い女が、店主の男と言い合いをしていた。髪をピンクに染め、ボロボロのパーカにダメージ加工ではなく本当に履き古して穴の空いたようなジーンズ姿。店主が言うには、チャーシューメンを食べ終わった女が、おもちゃのコインで支払おうとしたという。
「それなりに価値はありそうだけど。なんにせよ、日本でお金としては使えないよ。わかっててやったでしょう。ふざけるのもたいがいにして」
「いやあ、向こうじゃ『円』は使えなかったから、逆にこっちのほうが常識になっちゃっててさ」
「じゃあ、これを持ってたのも、あなたの言う、向こうでは『常識』だって?」
わたしは、うしろのロッカーを見やる。厳重に施錠した中には、レイから押収した凶器が入っている。布に包まれているそれは、鞘や柄にきらびやかな装飾が施された、ぶ厚い刃物。『けん』というより『つるぎ』と呼ぶのがふさわしい長剣だ。漫画やゲームに出てくるような。
「あなたは無銭飲食と銃刀法違反の現行犯で逮捕された。これは確かなことだからね。仮装用の小道具かと思ったら、本当に切れる剣だったなんて。あんなものどこで……」
「人からもらった大事なものだからなあ、置いてくるわけにはいかないもん」
レイは目を閉じ、何度もうなずきながら、ほくそ笑む。勝手に思い出に浸っているようだ。いらっとする。
「刀剣マニアから、現金の代わりに貢がせたってわけ?」
「ん~、ちょっと違うかな。まったくの的外れってわけでもないんだけど」
「犯罪者とクイズごっこをする気はないよ。署のほうから担当が来るまでのあいだ、聞けることを聞いておこうと思っただけ。でも、そんな義務はないし、いらついてまでしたくない。もういいよ、おしゃべりは終わり。そのまま机の上で寝てなさい」
「え~、つまんない。じゃあさ、おもしろ話してあげる!」
「犯罪者が人に語る話なんて、結局は自分の犯罪自慢でしょう」
「まあ、そうね、うん、自慢かも。いや、でも、これはあれだよ、いまだかつてないビッグな詐欺……あ、詐欺って言っちゃった。ちょっと、お姉さん、怖い顔しないでよ!」
そう、こいつは詐欺師だ。いまでいう『パパ活』で複数の男から金銭を得ていた。それだけならグレーだが、身分を偽り、多額の金を払わせ、さらにそのテクニックを秘密の講座で生徒たち――そいつらはレイのことを教祖のように崇拝していたらしい――に伝授し、詐欺の被害を広めていた。レイひとりが男たちから巻き上げた額だけで軽く億を超えるという。被害者たちからの被害届を受理した警察は本腰を入れ、こいつの逮捕に乗り出した。が、すんでのところで取り逃がしてしまった。レイはそのまま数か月に渡り、逃亡していた。半グレどもとのつながりもあったらしく、彼女のことは東京から遠く離れたこの県にも通達され、わたしは交番に連れてきてから、彼女が、あのレイだと知った(本名は知らない)。手配写真――ネット上にアップされている、相当に加工されたもの――と、目の前のすっぴんの女がしばらく結びつかなかったが、特徴として伝えられていた、笑うときに口を『へ』の字に曲げるその仕草でピンときた。
「レイちゃんを追ってきた刑事たち、あいつらの顔、いまも覚えてるよ。あのつら、向こうじゃ、ポイズントードの顔つきそっくり。刑事たちの中でも特に偉そうなオッサンなんか、体じゅうイボだらけの親玉ポイズントードと瓜二つだよ。あー、やだやだ、思い出しちゃった。会いたくないな……しくしく」
わけのわからないことを話すガキ。芝居がかった泣きマネも癪に障る。正直、めんどうくさかった。こっちから聞き出す気はなくなっていたが、相手が『詐欺』という言葉を発し、余罪を自白しようとしているなら、当然ながら聞くしかない。引き渡した担当刑事にも同じ自白をするとは限らないからだ。
「じゃあ、聞かせてよ。担当の刑事が来るまで、しばらくかかるみたいだし」
わたしは立ち上がり、レイが逃げないよう、やつから目を離さずに奥の休憩室へ行き、二つの缶ジュースを手にし、戻ってきた。手錠もかけてあるから、逃げるとは思えないが。
「のどが渇いたでしょう。飲みたければどうぞ」
「ドデカミンストロングじゃん! 久しぶりの味! 向こうでは炭酸なんてなかったからさ、恋しかった~。さっきのラーメン屋、飲み物は水しかねえし」
レイは勢いよくフタを開け、グビグビといい飲みっぷりを見せた。その様子から、炭酸飲料系のジュースの類を飲むのが本当に久しぶりであり、今まで、そういったものにありつけない生活を送っていたであろうことは推察できた。
「よし、話そっか。レイちゃんの武勇伝を!」
「すべての犯罪はケチ臭いものだよ」
「もう! 水を差すようなこと言わないで! これから壮大な冒険物語を語ろうと思ってたのに~」
炭酸飲料の泡を唇の表面で弾けさせながら、ホームレスみたいな身なりのガキが、それはそれは楽しそうにわめく。なんだ、こいつは。
「はいはい。それで、どこで何をやらかしたの?」
「異世界で、パパ活やって大儲け!」
(続く)
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
異世界パパ活物語
エール
ファンタジー
主人公のハヤトは23歳の時、剣と魔法の世界に転移した。
神からは「普通に生活していれば10年以内には8割方発動する」という強力な能力を与えられたはずだが、15年経っても発動しなかった。
アラフォーとなったハヤト。
彼は本人の努力と天性の才能のみにより三ツ星冒険者となっていた。
危険と隣り合わせの生活を選んだが故に家庭を持たなかったハヤトだが、独り身の寂しさもあり、最近流行している「パパ活」ギルドに登録する。
そこで出会った美少女と「パパ」の契約をすることにより、神から与えられた能力が発動した。
「『父性愛』……自分の息子や娘を想い行動するとき、その能力が大幅に上昇する。また、対象者の才能開花を後押しする」
ハヤトはこの能力により、契約した少女達と共に、この世界に大きな影響をもたらしていく――。
※最初の章にて、主人公を慕う一人の美少女を、別の乱暴な冒険者や、金に物を言わせる横暴な権限者と奪い合う、激しいバトルを含んだ展開となります。
※この物語は異世界を舞台とした「パパ活」がテーマとしている完全なフィクションであり、現実での「パパ活」について推奨したり、モデルとするようなものではありませんので、あらかじめご了承ください。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
俺のスキル『性行為』がセクハラ扱いで追放されたけど、実は最強の魔王対策でした
宮富タマジ
ファンタジー
アレンのスキルはたった一つ、『性行為』。職業は『愛の剣士』で、勇者パーティの中で唯一の男性だった。
聖都ラヴィリス王国から新たな魔王討伐任務を受けたパーティは、女勇者イリスを中心に数々の魔物を倒してきたが、突如アレンのスキル名が原因で不穏な空気が漂い始める。
「アレン、あなたのスキル『性行為』について、少し話したいことがあるの」
イリスが深刻な顔で切り出した。イリスはラベンダー色の髪を少し掻き上げ、他の女性メンバーに視線を向ける。彼女たちは皆、少なからず戸惑った表情を浮かべていた。
「……どうしたんだ、イリス?」
アレンのスキル『性行為』は、女性の愛の力を取り込み、戦闘中の力として変えることができるものだった。
だがその名の通り、スキル発動には女性の『愛』、それもかなりの性的な刺激が必要で、アレンのスキルをフルに発揮するためには、女性たちとの特別な愛の共有が必要だった。
そんなアレンが周りから違和感を抱かれることは、本人も薄々感じてはいた。
「あなたのスキル、なんだか、少し不快感を覚えるようになってきたのよ」
女勇者イリスが口にした言葉に、アレンの眉がぴくりと動く。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
俺、貞操逆転世界へイケメン転生
やまいし
ファンタジー
俺はモテなかった…。
勉強や運動は人並み以上に出来るのに…。じゃあ何故かって?――――顔が悪かったからだ。
――そんなのどうしようも無いだろう。そう思ってた。
――しかし俺は、男女比1:30の貞操が逆転した世界にイケメンとなって転生した。
これは、そんな俺が今度こそモテるために頑張る。そんな話。
########
この作品は「小説家になろう様 カクヨム様」にも掲載しています。
異世界二度目のおっさん、どう考えても高校生勇者より強い
八神 凪
ファンタジー
旧題:久しぶりに異世界召喚に巻き込まれたおっさんの俺は、どう考えても一緒に召喚された勇者候補よりも強い
【第二回ファンタジーカップ大賞 編集部賞受賞! 書籍化します!】
高柳 陸はどこにでもいるサラリーマン。
満員電車に揺られて上司にどやされ、取引先には愛想笑い。
彼女も居ないごく普通の男である。
そんな彼が定時で帰宅しているある日、どこかの飲み屋で一杯飲むかと考えていた。
繁華街へ繰り出す陸。
まだ時間が早いので学生が賑わっているなと懐かしさに目を細めている時、それは起きた。
陸の前を歩いていた男女の高校生の足元に紫色の魔法陣が出現した。
まずい、と思ったが少し足が入っていた陸は魔法陣に吸い込まれるように引きずられていく。
魔法陣の中心で困惑する男女の高校生と陸。そして眼鏡をかけた女子高生が中心へ近づいた瞬間、目の前が真っ白に包まれる。
次に目が覚めた時、男女の高校生と眼鏡の女子高生、そして陸の目の前には中世のお姫様のような恰好をした女性が両手を組んで声を上げる。
「異世界の勇者様、どうかこの国を助けてください」と。
困惑する高校生に自分はこの国の姫でここが剣と魔法の世界であること、魔王と呼ばれる存在が世界を闇に包もうとしていて隣国がそれに乗じて我が国に攻めてこようとしていると説明をする。
元の世界に戻る方法は魔王を倒すしかないといい、高校生二人は渋々了承。
なにがなんだか分からない眼鏡の女子高生と陸を見た姫はにこやかに口を開く。
『あなた達はなんですか? 自分が召喚したのは二人だけなのに』
そう言い放つと城から追い出そうとする姫。
そこで男女の高校生は残った女生徒は幼馴染だと言い、自分と一緒に行こうと提案。
残された陸は慣れた感じで城を出て行くことに決めた。
「さて、久しぶりの異世界だが……前と違う世界みたいだな」
陸はしがないただのサラリーマン。
しかしその実態は過去に異世界へ旅立ったことのある経歴を持つ男だった。
今度も魔王がいるのかとため息を吐きながら、陸は以前手に入れた力を駆使し異世界へと足を踏み出す――
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる