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第二章 新たな大地にイキリ散らしを求めて

第十二話 とりあえずギルドで仕事を探すのね?

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 何か襲撃者が来たけど撃退……した。
 まあほとんど相手にならなかったけど。

「で、カオス? これからどうするさね?」
「ん? そりゃもちろんギルドで仕事探しだろ」
「閉鎖云々があるから、うまい仕事は狙われるね」
「まあ辛い仕事でも俺達なら楽だろ? 例えば山奥への薬草配達とかな?」
「確かに私達なら荒稼ぎ出来るわね?」

 移動なんて私達にとっては楽勝だ。
 
「で、それを気に食わない奴らが現れる、そいつらを食い物にする」
「……本当にアンタ、悪魔だよねぇ」
「ん? ああ言ってなかったか?」
「何を?」
「俺はイキリ散らしをイキリ散らす神、まあ悪魔だが……『イキイキイッキリン』様に仕えている」
「ふむ」

 はっはーん、これは名前を笑ってはいけないタイプね?
 神に人間の常識なぞ通じない、まあ神や悪魔の名前を笑う奴は居ないだろう。
 経験上名前笑って無事だった奴は居ない、そりゃそうだ。
 誰だって名前いじられたら嫌だろう。

 権力者の名前は、影口でもしない方がいい。
 相手は人知を超えているんだからね。

「ありゃ? お前は笑わんか」
「当たり前でしょ? 変な名前とは思わないわよ、それよりも悪魔に仕えていたのね」
「ああ、イキイキイッキリン様も元は大天使らしいのだが」
「それどこのルシファーよ、てかその悪魔様ってどんな効果があるの?」
「効果? ああ、加護か?」
「そうそう」
「イキリ散らのに特効が出来る」
「ふーむ」
「お、我が神の力は必要か?」
「いらないよ、悪魔や神は頼らん、完全って訳にゃーいかないかもしれんがね」

 神や悪魔ってさ、対価要求するさね。
 まあこれは人間社会でもそうか。
 さてはて、そんな事よりもギルドで仕事探しさね。

 んで早速ついたんだが……ふむ、やはり依頼の取り合いか。
 ふっふっふ、本当に有能な奴は仕事を選ばないのだよ。
 まあ時と場合によるか。

「んじゃテキトーに見繕ってくる」
「はいはい、待ってるよ」

 さてさて、どんな依頼を持ってくるんだか。
 って本当に依頼を取り合っている奴らはうるさいねぇ。
 仕事無くなるよ? まあ私達は構わないけどさ。

「おいっす、ただいまー」
「いや、早いね」
「そりゃそうだ、山奥の薬とか日曜日を届ける仕事だ」
「それにしたって早いでしょ」
「これみたいな実入りが少ないのは残ってたぞ?」
「ふむ」
「ま、さっさと済ませようぜ」
「え? 今から?」
「当たり前だ、山奥の村だぜ? まだ余裕はあるらしいが、何かあってからじゃ遅いだろ、まあ治安もいいらしいが」
「それじゃ……って、お届けの荷物は?」
「ああ、道具屋だ」
「それじゃ行きましょう」

 私達はギルドを去った、なんかまだ依頼の取り合いをしているけど。
 選り好み出来るのは平穏な時だけよ、ただの封鎖でこの騒ぎ。
 本格的に何かあったらこの街は大混乱かしら?
 ま、それも私には関係無いさね。
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