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第五章 幸せに向かって
第五話 演目 振り回される者
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一本槍に立ちはだかる天空原は、地獄谷をかばう様に仁王立ちしていた。
降参しようする地獄谷に、一本槍は問答無用の一撃をした。
殺す程の怒りを覚えた相手に対して、この程度で済ませたのだ。
だが天空原から見れば、関係無いのかもしれない。
「……地獄谷、大丈夫か?」
「にゃ、にゃんとか」
その時観客席からシーナが飛び込んできた。
シーナは優しい顔をしながら地獄谷に近寄る。
「よしよし、その娘は私が見といてやるよ」
「誰だお前」
「ああ、その娘の担任になるサンディ・シーナだよ……地獄谷大丈夫かい?」
「……し、心臓が」
「よしよし、その程度なら私が治してやる」
シーナはひょいと地獄谷をお姫様抱っこをする。
そのまま観客席へと戻っていった、天空原は一本槍に向き直る。
「覚悟しろよ、降参した相手に追い打ちをする卑怯な奴め!」
「……天空原君、貴方から同じ気質の禁術を感じます」
「同じだと? なめやがって、だが禁断の技を感知出来たのは褒めてやる!」
天空原の髪の色が青くなった、更になんと頭の猫耳が鬼の角に変化した!
そして人間の耳がある部分に、新しく尖った耳が生えた!
一言で言えば顔や姿が鬼、まさに青鬼の様になったのだ!
それを見ていた結びすが呆れてみている。
「あーあ、あれは力にのまれているね~ま、あの年頃で禁術使える様になれば調子に乗るか、てかちゃんと制御出来てない」
「って事は結び先生、暴走って事っすか?」
「そうだツレ、今までの相手はそれでよかったかもしれない、はぁ……」
結びは観客席からヒョイと天空原の前まで飛んだ。
「こらこら天空原、周りの事を考えなさい? 手合わせでしょ? 殺し合いでもする気~?」
「ああ!? 手合わせだろ! 邪魔すんな!」
「黙れ、殺すぞ?」
「なっ!」
流石に冷静になったようだ、結びの殺すは脅しではない。
本気で殺すというのを感じた天空原は、黙ってしまった。
結びは鼻で笑いながら、演習場全体に大事を出した。
「おーい! 審判の先生方、やはり予定通りになった! 頼む!」
ある程度区切っていた演習場、万が一の時の為に付き添いの先生方が居た。
先生方は生徒を観客席へと誘導を始めた、生徒からは不満の声が上がる。
だが後々、避難して正解だったと思わされるのだった。
「さ、思う存分『手合わせ』をしろ? いいか? 『殺し合い』になったら一本槍じゃなく私が相手をしてやる」
演習場には一本槍と天空原、そして結びの3人だけだ。
もちろん観客席には多くの先生と生徒達がいる。
「ふ、ふざけやがって! どいつもこいつも!」
天空原はより一層力を込めた、筋肉は膨れ上がり更に肌の色も青くなる。
それを見て結びはまたため息をした、むしろ憐れんでいる。
「あーあ、本格的に力に飲まれたね、一本槍大丈夫か?」
「結び先生、力は制御出来て使うものです」
「よろしい」
結びは2人から離れて見守る、速攻で仕掛けたのは天空原だった。
単純明快なぶん殴り攻撃、斬銀の剛腕をも思わせる腕である。
だが、そんな攻撃は一本槍もとい二代目逍遥には効かなかった。
「くらえやぁ!」
「……」
何度も何度も最小限の動きで避けられる攻撃。
そんな物で二代目逍遥が倒せるはずがない。
少なくとも禁術を制御出来ない奴に勝機は無し。
「ちょろちょろよけるんじゃねぇ!」
「当たったら死ぬじゃないですか」
「てめぇ! ちょろちょろちょろちょろ! ぶっ殺してやる!」
「……」
ぶっ殺してやる、その発言をした瞬間天空原は終わった。
本人は気付いていないだろう、二代目逍遥もとい一本槍は、残念そうな顔をした。
結びが素早く天空原の前に現れた、ニコニコと笑顔でだ。
「ほう? 『手合わせ』じゃなく『殺し合い』がしたいんだな?」
「じゃま――」
天空原は吹っ飛んだ、結びが攻撃をしたのだろう。
もはや説明は何もいらない、調子に乗ってる奴をボコすだけだ。
間違っててけないのは、結びはあくまでも教師。
安易に殺すというと、どういう事が起こるか教えるだけだ。
「一本槍……いや逍遥、変われ、お前の流派は殺し合いは禁じ手なのだろう?」
「先生、わかりました」
一本槍は一礼をして観客席へと戻っていった。
結びは、吹き飛ばされた天空原へと近寄る。
相手を見下す目で結びは天空原を見下ろしていた。
「ほら、殺し合いをしようか? てめぇの知ってる殺し合いの世界はお子様だってな」
「調子に乗ってるんじゃねーぞ!」
倒れている所からの不意打ち、もちろん結びにとっては不意打ちでもない。
天空原の攻撃を鼻で笑う、そして何かに納得したように笑い始めた。
不気味さから、結びから距離を取る天空原。
「ふっふっふっ……ほうほう、心臓を狙うか……つまり、私に縁との愛の鼓動を感じるなと」
そのワードに全身で身震いした結びの生徒達、少し前に七星了司と戦ったあの塔。
斬銀から結びとの戦いを聞いていた生徒達、チーリメ学園結びを攻撃すると難癖つけてくる、そして本気で殺しにくる。
縁と何々させないのか? と、言った結びには気を付けろと斬銀から聞いていたのだ。
「あ、あの言葉はまずい、本気で天空原君を殺すつもりです」
「いやいやいやいや、流石に……大丈夫っすよね? えに先?」
「ああ、例え殺しても蘇生するだろう」
「……彼には同情っすね、うちのクラスに来るなんて」
結びは観客席に向かって声を張った。
「先生方、これから少々過激な事が起こる、生徒も自分の判断で見る見ないは考えろ」
観客席が今まで以上にざわざわとし始めた。
桜野学園にはいつもの事、チーリメ学園からのざわざわが多かった。
「さ、私達の世界の殺し合いを見せてやるよ、クソガキ」
安易に殺すと言った生徒へ、指導がこれから始まる。
降参しようする地獄谷に、一本槍は問答無用の一撃をした。
殺す程の怒りを覚えた相手に対して、この程度で済ませたのだ。
だが天空原から見れば、関係無いのかもしれない。
「……地獄谷、大丈夫か?」
「にゃ、にゃんとか」
その時観客席からシーナが飛び込んできた。
シーナは優しい顔をしながら地獄谷に近寄る。
「よしよし、その娘は私が見といてやるよ」
「誰だお前」
「ああ、その娘の担任になるサンディ・シーナだよ……地獄谷大丈夫かい?」
「……し、心臓が」
「よしよし、その程度なら私が治してやる」
シーナはひょいと地獄谷をお姫様抱っこをする。
そのまま観客席へと戻っていった、天空原は一本槍に向き直る。
「覚悟しろよ、降参した相手に追い打ちをする卑怯な奴め!」
「……天空原君、貴方から同じ気質の禁術を感じます」
「同じだと? なめやがって、だが禁断の技を感知出来たのは褒めてやる!」
天空原の髪の色が青くなった、更になんと頭の猫耳が鬼の角に変化した!
そして人間の耳がある部分に、新しく尖った耳が生えた!
一言で言えば顔や姿が鬼、まさに青鬼の様になったのだ!
それを見ていた結びすが呆れてみている。
「あーあ、あれは力にのまれているね~ま、あの年頃で禁術使える様になれば調子に乗るか、てかちゃんと制御出来てない」
「って事は結び先生、暴走って事っすか?」
「そうだツレ、今までの相手はそれでよかったかもしれない、はぁ……」
結びは観客席からヒョイと天空原の前まで飛んだ。
「こらこら天空原、周りの事を考えなさい? 手合わせでしょ? 殺し合いでもする気~?」
「ああ!? 手合わせだろ! 邪魔すんな!」
「黙れ、殺すぞ?」
「なっ!」
流石に冷静になったようだ、結びの殺すは脅しではない。
本気で殺すというのを感じた天空原は、黙ってしまった。
結びは鼻で笑いながら、演習場全体に大事を出した。
「おーい! 審判の先生方、やはり予定通りになった! 頼む!」
ある程度区切っていた演習場、万が一の時の為に付き添いの先生方が居た。
先生方は生徒を観客席へと誘導を始めた、生徒からは不満の声が上がる。
だが後々、避難して正解だったと思わされるのだった。
「さ、思う存分『手合わせ』をしろ? いいか? 『殺し合い』になったら一本槍じゃなく私が相手をしてやる」
演習場には一本槍と天空原、そして結びの3人だけだ。
もちろん観客席には多くの先生と生徒達がいる。
「ふ、ふざけやがって! どいつもこいつも!」
天空原はより一層力を込めた、筋肉は膨れ上がり更に肌の色も青くなる。
それを見て結びはまたため息をした、むしろ憐れんでいる。
「あーあ、本格的に力に飲まれたね、一本槍大丈夫か?」
「結び先生、力は制御出来て使うものです」
「よろしい」
結びは2人から離れて見守る、速攻で仕掛けたのは天空原だった。
単純明快なぶん殴り攻撃、斬銀の剛腕をも思わせる腕である。
だが、そんな攻撃は一本槍もとい二代目逍遥には効かなかった。
「くらえやぁ!」
「……」
何度も何度も最小限の動きで避けられる攻撃。
そんな物で二代目逍遥が倒せるはずがない。
少なくとも禁術を制御出来ない奴に勝機は無し。
「ちょろちょろよけるんじゃねぇ!」
「当たったら死ぬじゃないですか」
「てめぇ! ちょろちょろちょろちょろ! ぶっ殺してやる!」
「……」
ぶっ殺してやる、その発言をした瞬間天空原は終わった。
本人は気付いていないだろう、二代目逍遥もとい一本槍は、残念そうな顔をした。
結びが素早く天空原の前に現れた、ニコニコと笑顔でだ。
「ほう? 『手合わせ』じゃなく『殺し合い』がしたいんだな?」
「じゃま――」
天空原は吹っ飛んだ、結びが攻撃をしたのだろう。
もはや説明は何もいらない、調子に乗ってる奴をボコすだけだ。
間違っててけないのは、結びはあくまでも教師。
安易に殺すというと、どういう事が起こるか教えるだけだ。
「一本槍……いや逍遥、変われ、お前の流派は殺し合いは禁じ手なのだろう?」
「先生、わかりました」
一本槍は一礼をして観客席へと戻っていった。
結びは、吹き飛ばされた天空原へと近寄る。
相手を見下す目で結びは天空原を見下ろしていた。
「ほら、殺し合いをしようか? てめぇの知ってる殺し合いの世界はお子様だってな」
「調子に乗ってるんじゃねーぞ!」
倒れている所からの不意打ち、もちろん結びにとっては不意打ちでもない。
天空原の攻撃を鼻で笑う、そして何かに納得したように笑い始めた。
不気味さから、結びから距離を取る天空原。
「ふっふっふっ……ほうほう、心臓を狙うか……つまり、私に縁との愛の鼓動を感じるなと」
そのワードに全身で身震いした結びの生徒達、少し前に七星了司と戦ったあの塔。
斬銀から結びとの戦いを聞いていた生徒達、チーリメ学園結びを攻撃すると難癖つけてくる、そして本気で殺しにくる。
縁と何々させないのか? と、言った結びには気を付けろと斬銀から聞いていたのだ。
「あ、あの言葉はまずい、本気で天空原君を殺すつもりです」
「いやいやいやいや、流石に……大丈夫っすよね? えに先?」
「ああ、例え殺しても蘇生するだろう」
「……彼には同情っすね、うちのクラスに来るなんて」
結びは観客席に向かって声を張った。
「先生方、これから少々過激な事が起こる、生徒も自分の判断で見る見ないは考えろ」
観客席が今まで以上にざわざわとし始めた。
桜野学園にはいつもの事、チーリメ学園からのざわざわが多かった。
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