VRゲームでも運と愛し合おう!

藤島白兎

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第四章 縁と結びで縁結び

第七話 演目 意味をなさない

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 縁達は工場地帯の様な街に来ていた。
 街からは機械音と共に悲鳴の様なものがあふれていた。

「何らや物騒な気配だな?」
「……お兄様、いずみからのメモを預かっています」
「どんな街なのか書いているんだろうな」

 メガネをキラリとしている、博識いずみでございます。
 縁さん、その街は非人道的な利益で発展した街です。
 ああ、名前はアロマテレッピン、表向きには科学者の街ですね。
 そして、私の加護を所持しているのは、リラックス研究所と呼ばれる所長さんですね。
 
 縁さん、相手は人間の感覚で非人道的な提案や攻撃をしてくるでしょう。
 ついでに私の加護も使っているでしょう、これは怖い事になりますよ。
 正しく使える頭が有って、貴方達に効果があればの話ですがね。

 風月は横から手紙を見ていた、そしてふと絆に質問をする。
 
「絆ちゃん、聞いてもいい? いずみはよく先回りしているね」
「いずみの力は言わば『何でも知っている』のです」
「……あ、もしかして『間違った情報』もあるって事?」
「ええ、世の中に間違った情報がどれだけあるか」
「うわ~考えたくないわ、いずみはすごいね~私だったら発狂するよ」
「実際にしていました、あふれてくる知識、正しいものなんて一握りですので」
「つまりは……何でも書いている百科事典が頭に入ってるって事かな? 例えるなら」
「はい、そして今も増えています、歴史は今も続いていますから」
「……いずみ、本当に大丈夫?」
「お姉様、リッシュは覚えていますか?」
「えっと……タベリアの街を治めている、絆ちゃんと縁の兄貴分だっけ?」
「ええ、いずみの夫なんですが」
「うぇ!? いずみ結婚してたの?」

 本当に驚いた顔をしている風月に対して、絆は言葉を続けた。

「はい、リッシュが『俺と世界見て回って、バカな俺に説明してくれ』って言ったらしいですわ」
「いい悪いは置いといて、喋るっていいからね」
「その結果、説明大好き人間が出来上がった訳ですが」
「いずみにも色々とあるんだね~」
「ああ、その時くらいだったかな? 俺も過去に色々とあったから、今の力がある」
「私もですわ、お兄様」
「それを言ったら、私もだね~」

 縁と絆はそれぞれ、ウサミミカチューシャを外した。
 何時も通りの神様モードへとなる。

「ここからは神の遊戯だ、いずみが遊べと言ってたしな」
「付き合いますわお兄様、どうであれ、いずみの加護を手に入れたのです、私達にあらがえるか見せてもらいましょう」
「……今回は自衛以外はしないどこ」

 縁達が街へと進んでいくと、見るからに爆弾巻きつけた人々が待っていた。

「ここは! 絶対に通さねぇ!」
「お前達を通したら俺の家族が!」
「か、家族だけは殺させはしない!!」

 突撃して玉砕覚悟で自爆をする。
 しかし、そんなものが縁達に効くわけがない。
 全員無傷で歩いている、そして避けるそぶりもしない。
 目的の研究所に向かって、ただ歩いている。

「お兄様、慈悲など不要ですよ?」
「ああ、あいつは悪人の中でもまともなだけだ」
「ええ、好き勝手してきて、自分の番になっただけですのに」
「相手にしない、どの道捨て駒だろうな」
「悪人だったら狂った様に悪人してくれ」
「悪人の道は厳しいですわね、失敗したら直ぐに捨て駒」
「身の丈に合わない選択をしたか、この結果なのだろう」
「本当に可哀想に、不釣り合いな事をしてまで、自分の幸せを逃がすなんて」

 歩いていくと今度は、見るからにSFでありそうな化物が待っていた。
 何かの失敗作ですと言わんばかりのソレは、縁達に襲い掛かる。
 だが縁達は無視をして、どんな攻撃でも3人の足取りはとまらない。

「今度は人体実験の失敗作か?」
「相手にするだけ無駄ですわね」
「ちなみに、縁と絆ちゃんは神としてなら、誰を救うの?」
「身の丈に合った生活をして、努力している者」
「不釣り合いな事をしていない人物、人の価値観の善悪問わず」
「なるほどね~私も気を付けよ~」

 そんなこんなで、目的地の手前まで来る。
 様々な大小問わずの重火器が、縁達を狙っていた。
 無論歩みは止めない、一斉射撃のあめあられだ。
 しかし、この3人に効く道理はない。

「ほう? 今度は神殺しの武器か」
「お兄様、私達小馬鹿にされてますわね」
「ああ、いずみの知識を使ってこの程度か?」
「いえ、事前準備していたものでしょう」
「これ避けるの面白いね~そして、無視して目的地に到着だね~」

 全ての防衛線は意味をなさなかった。
 当たり前だ、この程度でやられる神ではない。
 そして風月も世界規模で戦える人間だ。
 3人は正面から堂々と入っていったのだった。
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