VRゲームでも運と愛し合おう!

藤島白兎

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第一章 レアスナタの世界へ!

第五話 演目 左右自動開口扉と自動接客箱の凄さ

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 「すまんが15分くらい休ませてくれ」
「拙者は少々ふらついてくるでござる」
「あたしはあの建物に行きたい!」
「よし縁、俺達は風月について行くか」
「そうしますか」

 後部座席に座ってた面々は車を降りる。
 フォルクは座席を倒して仮眠に入り青桜はふらっと何処かへ歩き出す。
 風月も車を降りる、風月を先頭に縁と斬銀は建物へと向かう。
 風月はガラスで出来た扉の前に立った、取っ手が無いのに気付いた風月はドアをキョロキョロと見ている。
 鈍い音と共に開いたガラスの扉、風月は少しビックリした。

「こ、これが噂の『左右自動開口扉』ってやつか!」

 風月は自動ドアに感動している。

「かっこいい呼び方だな」
「って入り口に居たら邪魔だよね」

 風月は中へ入って、左右をキョロキョロ。

「おや、あれは」

 左側に自動販売機を見つけた。

「『自動接客箱』ってやつか!」

 風月は小走りで自動販売機に近寄る、左側のスペースは机と椅子があり、休憩所のようだ。

「意味が伝わるってすげーよな」
「そうですね」
「あたしの持ってるお金で買えるのだろうか?」

 風月は財布を取り出して中身を確認している。

「いや風月、これら全てタダだぜ?」
「うお!? マジかよ斬銀!」
「ああ……ただ、食べられる量にしろよ?」
「あたしゃ子供か! それくらいわかっとるわ!」

 それぞれ好きな物を選び、椅子に座った。

「ほほ~これが『ぷりん』とな? ぷるぷるしていて、ういやつじゃの~」

 スプーンでプリンをつんつんする風月。

「して、斬銀のそれはなんでおじゃる?」
「何で……公家くげの言葉遣いなんだ?」
「『ヨッシオンの秘の薬』って名前のラムネ、お菓子だな」

 小皿に小さく丸い白色のお菓子と紙コップに入ったコーヒーがある。

「何で……ラムネなんだ?」
「縁、お前には言われたくねーぞ?」

 縁が持ってきた物は細長い透明なプラスチックの容器に人参を細長く切り刻んだ物が入っている。

「ただの人参スティックうさ」
「いきなり語尾を付けるな」
「『くっ! 農業をしたくて右手が疼く未来人が、過去に戻って農家になったのだ、しかし未来からの刺客のうかがやってきた、俺はただ人参を作りたいだけなのにハチャメチャドラマティックな農家生活、セカンドシーズン』」

 斬銀は人参スティックが入っている容器のラベルを呼んだ。

「色々と可笑しいだろ、ラベルはラベルでもライトかよ」
「あ、上手い、だがそれはノベルだな」
「そんなのいいから2人共食べたら? 15分て案外直ぐだからさ」
「そうだな」

 3人が談笑をしていると青桜がやってきた。

「みなそろそろ時間でござる」
「おお青桜、何処に行ってたんだ?」
「斬銀殿少々調べものでござるよ、山の民は用心棒を雇ったようでござる」
「用心棒か、厄介だな」
「……奴らは『血桜』と呼ばれた侍を用心棒にしたとか」

 青桜は一瞬冷たい目をした。
 彼女の言葉に縁と斬銀がビックリして風月はそんな2人を見て首を傾げた。

「……そろそろ時間でござるな、フォルクを起こして出発でござる」

 青桜は壁にかかっている時計を見て時間を確認して車へと戻る縁達。

「フゴー! フゴー!」

 運転席のドアを開ける青桜、フォルクはわざとらしいような寝息もとい、いびきをしていた。

「これフォルク、そろそろ出発でござるよ」

 青桜は座席を倒しているフォルクを優しく揺り起こす。

「フゴ? なんじゃ、もう出発か」

 出発の準備をする一行。
 車はゆっくりと発進して進行方向に再び虹色の道ともやもやが現れる。
 スピードを落としてもやもやに突入した。

『目的地周辺に到着しました、ご利用ありがとうございます』

 と、車から音声が流れた。
 
「さてと」

 フォルク達は車から降りる、辺りは木々がちらほらとあって爽やかな風が流れる。
 少し遠くに建物が見える、木造の家やレンガ作りの家が建っていた。
 車のトランクから杖を取り出すフォルク。

「縁、どうしたのじゃ?」
「神の力を感じる、出方次第じゃ逃げられるな」
「ほっほーう? それ、縁に恐れるってよりはトカゲの尻尾切りって感じ?」
「隠すつもりもない悪意を感じる、そして以前にもあった気配だ」
「それでっさ、縁はどうすんの?」
「逃げられないようにするだけだ、少々時間がかかる」
「オッケー、最終兵器戦力外通告って事ね」

 風月は縁をペシペシと叩いた。

「何かひでぇな」
「ならば拙者は縁を守るでござる」

 青桜は車のトランクから青い鞘を取り出し左腰に差しその鞘に刀は収まっていない。
 フォルクは車に鍵をかけた。

「ま、軽く終わるっしょ、余裕余裕」

 風月は片手で逆立ちをしている。

「楽観的な奴だな」

 負けじと斬銀は人差し指で逆立ちをしているがプルプルと震えている。

「へーんだ、界牙流は世界を戦う事を想定している流派だからね、多少の事じゃ驚かない」
「自信満々な奴だな」
「では皆さん、参りましょうか」

 フォルクを先頭に村へと歩き出した。
 約二名は逆立ちしながら。
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