VRゲームでも運と愛し合おう!

藤島白兎

文字の大きさ
上 下
31 / 305
第一章 レアスナタの世界へ!

第四話 前説 打ち合わせのお知らせ

しおりを挟む
「待ち合わせは細長い白い時計の場所か」

 縁は辺りを見回すと、多種多様なキャラクター達が楽しそうに話をしている。
 シナリオの募集や宣伝をしている人、反省会をしている人達、スクショを撮っている人達等々。
 まさにおもちゃ箱をひっくり返してお祭りをしているような賑やかさだ。
 
「ってゆっくりロビーを見回ってる場合じゃないな」

 ロビーに建物らしい建物は無く、待ち合わせの目印になりそうなオブジェクトしかまだない。
 運営の案内所やシナリオ受付等が簡易テントになっている、今後少しずつロビーも拡張されていくようだ。

「おっ、スファーリアさんが居るな」

 縁は待ち合わせ場所付近でスファーリアを見つけた、誰かと話をしている。
 
「ん? あ、縁君」
「やあ待たせたかな?」
「それは大丈夫、すぐ終わるシナリオ見つけておいたよ」
「お、そうなの?」
「この人達のシナリオを見よう」

 スファーリアの目線は待ち合わせ場所で話していた人達に向けた。

「先生、自己紹介オッケーですか?」
「お願いします」
「ハロー縁さん! 私は近未来ひかり! 桜野学園高等部、普通科の一年生で高性能電動三輪車部に所属しているよ!」

 ひかりはウィンクをしながらピースをした。
 Yシャツに紺色のスカート、その下にジャージでジャージの上を腰に縛り付けている。

「続いて自己紹介させてもらうぜ! 俺はサンシャイン・小錦こにし! 小さな錦と書くひかりのパートナーだ! よろしくな縁!」

 小錦はサムズアップをした。
 高さはひかりの腰くらいでボディの色は赤とオレンジ色をベースだ熱血を感じさせる熱いフォルム。
 人間で言うと耳から少し上に三輪車のハンドルが角のように付いていて、背中には三輪車のタイヤが羽のように付いていた。

「縁です、よろしくお願いいたします」
「縁君縁君、ロールで挨拶しないの?」
「え? 縁の挨拶ってこんなもんだよ? わざわざ縁結びの神ですって言う必要ないし」
「なるほど」
「話を戻して、どんなシナリオをするんですか?」
「実はもう少ししたら三輪車部が出場しているレースの決勝戦があるんです」
「それを縁君と見るって流れはどうなかなってね」
「レース観戦か、いいねぇ! 最近そういうのは見て無かったから楽しみだ」
「おっ! 縁……さんはそういうのが好きなんですか?」
「ははっ、砕けた話し方で大丈夫ですよ」
「なら遠慮なく、縁はそういうのが好きなのか?」
「機械とかは詳しくないんですが、なんかこう見ててワクワクするというか『よくわからないけど凄い』というか」
「その思いを口にかるのは難しいな、わかるぜ?」
「あっ! 小錦! そろそろスタンバってないと皆に迷惑かける!」
「むお!? もう準備する時間か!」

 ひかりが近くの時計を見て叫んだ、つられて小錦も見る。

「先生! 私達準備するんでもう行きますね!」
「頑張ってね」
「はい! あ! これ渡しておきます!」

 スファーリアはひかりからチケットを2枚受け取った。

「慌ただしいですけども失礼しますね! メニュー操作して転送っと!」
「俺達の活躍みてくれよな!」

 ひかりは手を振りながら、小錦はサムズアップして光に包まれて消えた。

「台風のような人達だったな」
「じゃあ縁君、私達も決勝戦の会場に行こうか」
「その前に一ついい?」
「何?」
「それを見に行く理由みたいなのは?」
「面倒くさいからデートでいいじゃん」
「わ、わお……」

 予想外の発言で縁はつい後退りをしてしまった。

「縁君は殺意の高い女からのお誘いは嫌?」
「……いや、君の奏でる音は美しいから付き合うよ」

 ロールだと感じ取った縁は少し考えた後にそう言った。
 ちょっと沈黙が流れた後に2人は笑う。

「ふふっ……じゃあパーティー組んで行こうか」
「今日もよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いいたします」

 スファーリアはメニューを操作して縁とパーティーを組んだ後、2人は光に消える。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

びるどあっぷ ふり〜と!

高鉢 健太
SF
オンライン海戦ゲームをやっていて自称神さまを名乗る老人に過去へと飛ばされてしまった。 どうやらふと頭に浮かんだとおりに戦前海軍の艦艇設計に関わることになってしまったらしい。 ライバルはあの譲らない有名人。そんな場所で満足いく艦艇ツリーを構築して現世へと戻ることが今の使命となった訳だが、歴史を弄ると予期せぬアクシデントも起こるもので、史実に存在しなかった事態が起こって歴史自体も大幅改変不可避の情勢。これ、本当に帰れるんだよね? ※すでになろうで完結済みの小説です。

VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?

ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚 そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。 パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。 車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。 ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!! 相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム! けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!! パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!

ハズレ職業の料理人で始まった俺のVR冒険記、気づけば最強アタッカーに!ついでに、女の子とVチューバー始めました

グミ食べたい
ファンタジー
 疲れ切った現実から逃れるため、VRMMORPG「アナザーワールド・オンライン」に没頭する俺。自由度の高いこのゲームで憧れの料理人を選んだものの、気づけばゲーム内でも完全に負け組。戦闘職ではないこの料理人は、ゲームの中で目立つこともなく、ただ地味に日々を過ごしていた。  そんなある日、フレンドの誘いで参加したレベル上げ中に、運悪く出現したネームドモンスター「猛き猪」に遭遇。通常、戦うには3パーティ18人が必要な強敵で、俺たちのパーティはわずか6人。絶望的な状況で、肝心のアタッカーたちは早々に強制ログアウトし、残されたのは熊型獣人のタンク役クマサンとヒーラーのミコトさん、そして料理人の俺だけ。  逃げるよう促されるも、フレンドを見捨てられず、死を覚悟で猛き猪に包丁を振るうことに。すると、驚くべきことに料理スキルが猛き猪に通用し、しかも与えるダメージは並のアタッカーを遥かに超えていた。これを機に、負け組だった俺の新たな冒険が始まる。  猛き猪との戦いを経て、俺はクマサンとミコトさんと共にギルドを結成。さらに、ある出来事をきっかけにクマサンの正体を知り、その秘密に触れる。そして、クマサンとミコトさんと共にVチューバー活動を始めることになり、ゲーム内外で奇跡の連続が繰り広げられる。  リアルでは無職、ゲームでは負け組職業だった俺が、リアルでもゲームでも自らの力で奇跡を起こす――そんな物語がここに始まる。

処理中です...