VRゲームでも運と愛し合おう!

藤島白兎

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第一章 レアスナタの世界へ!

第三話 幕開き 太陽の吸血鬼フレビィレンス登場!

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「スファーリアさんとの待ち合わせはここでいいんだったよな?」

 縁の目の前には西部劇で出てきそうな酒場ある。
 しかし周囲の建物は近代的な作りの建物が多くあり、この酒場が西部劇イメージで建てられたのだろう。
 酒場の扉を押して縁は酒場へと入っていくと中は賑わっていて、ぱっと見テーブル席は埋まっておりカウンター席は空いているようだ。

「いらっしゃいませー!」
「らっしゃっせー!」
「っしゃっせー!」
「いってらっしゃいませー!」

 店員が元気よく縁に挨拶をしてくる。
 縁はスファーリアが店内に居るか探すと掲示板の前に居るのを発見した。

「待たせたかなスファーリアさん」
「縁君、大丈夫今来た所だから」
「何か面白い依頼でもあったかい?」
「物珍しさでコレとか、私はこの花は知らないけど」
「どれどれ」

 スファーリアが指さした依頼書を縁は見た。

『私のお母さんが管理しいてる洞窟に太陽の花を見に行こう! そろそろお花が咲きます!』

「太陽の花か、花開くまでは暗い場所が必要で開花する時に強い太陽光が必要な花だな」
「へーそんな花があるんだ」
「そこのお2人さん、その依頼に興味があるかな?」
「ん?」

 声がした方向を縁達は見た。
 掲示板の近くの一人用テーブル席で赤いドレスと赤い髪に頭に小さいこうもりの羽を生やした少女がいた。
 その少女は優雅にオレンジジュースをワイングラスで飲んでいて、縁達は依頼主のであろうその少女へと近づく。
 
「あ、縁のお兄ちゃん」
「おおフレビィレンスか、久しぶりだな」
「縁君の知り合い?」
「正確にはこの娘のお母さんと知り合いかな」
「なるほど」
「どう? お兄ちゃんお姉ちゃん、一緒に太陽の花を見に行かない?」
「縁君、太陽の花に興味有るから行ってみたい」
「なら飲みは今度にしようか」
「うん、そうしよう」
「あ、お姉ちゃんは初めましてだから自己紹介しないと」

 フレビィレンスはワイングラスに残っていた少量のジュースをいっきに飲み干す。
 ワイングラスをテーブルに置いてイスから降りた。

「私はスファーリア、学校の先生をしているよ」
「学校の先生!」

 フレビィレンスは目を輝かせ尊敬する眼差しでスファーリアを見ている。

「気合を入れて自己紹介する! 太陽CDラジカセカモン!」

 フレビィレンスが右手を掲げると地面に太陽をモチーフにした魔法陣が現れる。
 その魔法陣からオレンジ色の小型のCDラジカセが現れた。
 フレビィレンスはポケットからカセットを取り出し、それをCDラジカセにセットする。

「あ、巻き戻ししなきゃ」

 テープの巻き戻しボタンを押す、テープはキュルキュルと音を上げて左へ巻かれていく。
 ジーとテープがこれ以上巻き戻らない音がした後にガシャンという音と共に巻き戻しのボタンはオフになる。

「CDラジカセ……懐かしな」
「私は授業で時々使ってる」
「ほう、そうなんだ」
「よし! 準備出来た! ミュージックスタート!」

 縁とスファーリアはフレビィレンスを見た。
 フレビィレンス再生ボタンを押す、ガチャンという音と共に音楽が流れ始めた。
 その音楽は特撮でヒーローが名乗り口上を言う時に流れそうな音楽。
 少女は右手を天に掲げて左手は腰にそえる、左手はひっかくような構えだ。
 掲げた右手を手刀の形にして、内回りに素早く半回転させビシッと手の角度は斜めに止め、左手はそのままだ。

「私は太陽の吸血鬼の娘!」

 ビシッと止めた右手を大きく水平に右側に素早く動かし、力こぶを作る。
 それと同時に、ひっかくような形をした左手を右側と同じように水平移動させ、力こぶを作った右手を少し前に出して、左手とクロスさせる。
 左手のひっかく形をした手はまるで右手に噛みつくように食らいついている。
 右手は手刀の形になり大きく振りかぶる、左手はそれと同時にまた腰の位置で握り拳を作る。

 その右手をビシッと前に再び持ってくる。
 更に右手をその位置から払うように右上に持っていく。
 今度は右手が吸血鬼の牙を表すようにひっかくポーズだ。

「フレビィ!」

 ひっかくポーズの右手は物を掴むような手の形となり、握りながら少女の胸の前でビシッと止まる。
 持ってきた右手を右下に払う、右手は真っ直ぐだ。
 左手を大きく右から左へと水平に動かす。
 最後に右手は右側の腰で握り拳を作り、左手は縁達に左手の甲を見せている。

「レンス! 太陽が有る限り私は蘇る!」

 フレビィレンスの左手に太陽にコウモリの翼が生えた模様が現れ、直ぐに消えた。
 CDラジカセから流れる音楽もいい感じに終わった。
 終わるとほぼ同時に酒場に居る客や店員から拍手が沸き上り、CDラジカセは魔法陣に吸い込まれていった。
 
「キレッキレなポーズだな」
「いいぞ~お嬢ちゃん!」
「あんな可愛い妹ほしい~」
「へへへ……」

 酒場から沸き上がる称賛の声にフレビィレンスはもじもじしている。
 頭に生えている羽で顔を隠そうとしているが届いてない。

「お兄ちゃん、お姉ちゃん、恥ずかしいからもう洞窟に行こう?」
「ははは、じゃあそうしようか」
「その場所にはどうやって行くの?」
「この魔法陣で洞窟前に移動出来るよお姉ちゃん」
「なるほどね、出発しようか」
「うん!」

 魔法陣は少し大きくなりそれぞれが範囲内に入る、3人はオレンジ色の光に包まれて魔法陣と共に消えた。
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