3 / 305
第一章 レアスナタの世界へ!
第一話 幕開き 兎の神と界牙流の出会い
しおりを挟む
開始を告げるベルが鳴る。
縁は一人でポーカーをしていて斬銀はスロットで遊んでいた。
「おい縁、この台出ないぞー」
「斬銀さん、出ないからってスロット台壊さないでくださいね」
「壊さねーよ!」
「と、言う割にはイラついてスロットやってますよね」
「てかお前このスロット可笑しくねーか!? 尋常じゃないくらい早いんだが!」
「ああそれ確率とかじゃなく目押し台なんで」
斬銀が遊んでいる台のスロットの速さは電車の窓から真下近くの景色を見たように速い。
「目押し~? ウソだろ~? 数年前に世界に名を轟かせた格闘流派『斬』の現師範代だぜ~? その俺が押せない~?」
「斬銀さん、それ自分で言ったらカッコ悪いですよ?」
「ガキのイキリじゃなく実力を世界にしらしめた俺の言葉なんだが?」
斬銀は振り返った、それと同時に場の空気が変わった。
それまで気前のいいおっちゃんがスロットを遊んでいるだけだったのだが。
自身に満ち溢れ殺気を露わにし、睨む様に縁を見る。
「言ってる事はかっこいいんですがスロットにムカついてるだけですよね?」
「だってよー! でねーんだもん!」
「それ無料台だから難し……」
「たのもー! 強い殺気を感じて来ました! やはりカジノという場所は裏格闘技があるんですね! どうやったら参加できますかー!?」
縁が呆れた顔をしながら斬銀に近寄ろうとした時、風月が出入り口の扉を思いっきり開けて入って来た!
自身満々でキョロキョロしている風月に縁と斬銀はあっけにとられている。
しばらくしてハッとした縁が深呼吸をして風月に近寄っていった。
「ここはそういうカジノじゃありませんよお嬢さん」
「お、お嬢さん!? うは! やべーよ! イケメン兎に声かけられた!」
「おいおいなんだなんだ、スゲー女が殴り込みに来たな」
「……」
テンションの高かった風月が斬銀を見た瞬間まるで雨で遠足が中止になった子供の様に静かになった。
「あの……兎さん、私山に住んでる田舎者なんで偏見とかで笑われるんですが」
「どうしました?」
「都会って上半身晒していても大丈夫なんですか?」
「安心してください、あの大男が少し可笑しいだけです」
「そうなんだ、この地方独特の文化かと思ったよ~」
「この地方はカジノや遊園地、映画館とかの娯楽施設が密集したエリアですから、服装だけで話を進めるのであれば上半身裸はまず店に入れませんよ」
「もしかして噂に聞く『すーつ』とか『どれす』ってやつを着なきゃだめってやつ?」
「店によってはそうかもしれませんが私の店は気にしませんよ」
「あのー……田舎娘が失礼な事言いますけど……」
風月は斬銀をチラッと見た後、今居る3人以外誰も居ないだだっ広く感じてしまうカジノを見回した。
「その人が居るからこの店は閑古鳥が鳴いてるんですか?」
「いえ、斬銀さんは関係ありませんよ、自分でまいた種ですから」
「おっ何々? 気になるじゃないそんな言い方されちゃ~」
「隠す事でもないのでお話しましょうか?」
「聞きたい!」
縁が指を鳴らすとカジノの扉はゆっくりと閉まっていく。
そして風月を上品にエスコートして中央にあるポーカーテーブルの椅子に座らせた。
斬銀は険しい顔をしながら『やっぱりTシャツくらい着るべきだろうか』と静かに唸りながらスロットで遊んでいる。
「突拍子も無い事からお話します」
「おう、どんと来い!」
「実は私、幸運を司る神でして」
「ふんふん! それで?」
「あれ? ビックリするかと思いました」
「一語一句ビックリしてたら話が進まないでしょ? 続きをどうぞ!」
「簡単に話ますと、子供の頃は神の学校じゃなく地上の学校に通ってました」
「ほうほう、神様の学校とかあるんだ……それで?」
「妹は不幸を司る神なのですが、そこの先生方は理解ある人達でしたが……」
「ははーん……不幸を司るってだけでイジメにあったのか?」
風月は腕と足を組み、ドスの効いた声と怒りを露わにした顔をしている。
「はい、それが徐々にエスカレートしていって……」
「戦争になるまで発展したとか?」
「ええ、最終的には」
「なるほどなるほど、一言で言えば小さい時から兎さんは妹さんを守る為に『敵』と戦い続けたんだね?」
「はい、両親や友達、そこに居る斬銀さんも巻き込んでしまいました」
「その戦い勝ったの?」
「複雑に様々な国と勢力と戦いましたから結果はそれぞれです」
「ああなるほど、例えば金で雇われた傭兵を恨むのは筋違いって事ね?」
「ええ、当時まだ子供だった自分にその分別はつけれませんでしたが」
「その妹さんはまだ生きてるの?」
「もちろんですよ」
「おっ! だったら兎さんの勝ちだね! 大切な妹を守り切ったんでしょ?」
風月は自分の事の様に嬉しそうに笑いながらサムズアップした。
「あ、兎さんって呼ぶのは失礼だった?」
「いえ、自己紹介が遅れました、私の名前は縁といいます」
「あら、縁起が良さそうな名前ね」
深々とお辞儀する縁をニコニコしながら見ている風月。
「私は風月、界牙流って流派の四代目やってる」
「聞いた事な……」
「界牙流だと!?」
斬銀が大声を上げながら振り向いく、それと同時にスロットが回っているリールの最後のボタンを押した。
パパパパーン! スロットは音が鳴ってスリーセブンの大当たりしスロットからチョコのお菓子が5個出てくる。
「おお! 当たった! じゃなくて!」
景品のチョコのお菓子を鷲掴みにして斬銀は2人の元へと歩き出しポーカーテーブルの椅子に座った。
「まさか世界に牙をむく流派に会えるとは」
「お? あたしの流派も有名になったね」
「凄い流派なんですか?」
「んじゃ、お礼って訳じゃないけど次は私の自己紹介だね?」
風月は自身満々に腰に手を当ててエッヘン! としている。
縁は一人でポーカーをしていて斬銀はスロットで遊んでいた。
「おい縁、この台出ないぞー」
「斬銀さん、出ないからってスロット台壊さないでくださいね」
「壊さねーよ!」
「と、言う割にはイラついてスロットやってますよね」
「てかお前このスロット可笑しくねーか!? 尋常じゃないくらい早いんだが!」
「ああそれ確率とかじゃなく目押し台なんで」
斬銀が遊んでいる台のスロットの速さは電車の窓から真下近くの景色を見たように速い。
「目押し~? ウソだろ~? 数年前に世界に名を轟かせた格闘流派『斬』の現師範代だぜ~? その俺が押せない~?」
「斬銀さん、それ自分で言ったらカッコ悪いですよ?」
「ガキのイキリじゃなく実力を世界にしらしめた俺の言葉なんだが?」
斬銀は振り返った、それと同時に場の空気が変わった。
それまで気前のいいおっちゃんがスロットを遊んでいるだけだったのだが。
自身に満ち溢れ殺気を露わにし、睨む様に縁を見る。
「言ってる事はかっこいいんですがスロットにムカついてるだけですよね?」
「だってよー! でねーんだもん!」
「それ無料台だから難し……」
「たのもー! 強い殺気を感じて来ました! やはりカジノという場所は裏格闘技があるんですね! どうやったら参加できますかー!?」
縁が呆れた顔をしながら斬銀に近寄ろうとした時、風月が出入り口の扉を思いっきり開けて入って来た!
自身満々でキョロキョロしている風月に縁と斬銀はあっけにとられている。
しばらくしてハッとした縁が深呼吸をして風月に近寄っていった。
「ここはそういうカジノじゃありませんよお嬢さん」
「お、お嬢さん!? うは! やべーよ! イケメン兎に声かけられた!」
「おいおいなんだなんだ、スゲー女が殴り込みに来たな」
「……」
テンションの高かった風月が斬銀を見た瞬間まるで雨で遠足が中止になった子供の様に静かになった。
「あの……兎さん、私山に住んでる田舎者なんで偏見とかで笑われるんですが」
「どうしました?」
「都会って上半身晒していても大丈夫なんですか?」
「安心してください、あの大男が少し可笑しいだけです」
「そうなんだ、この地方独特の文化かと思ったよ~」
「この地方はカジノや遊園地、映画館とかの娯楽施設が密集したエリアですから、服装だけで話を進めるのであれば上半身裸はまず店に入れませんよ」
「もしかして噂に聞く『すーつ』とか『どれす』ってやつを着なきゃだめってやつ?」
「店によってはそうかもしれませんが私の店は気にしませんよ」
「あのー……田舎娘が失礼な事言いますけど……」
風月は斬銀をチラッと見た後、今居る3人以外誰も居ないだだっ広く感じてしまうカジノを見回した。
「その人が居るからこの店は閑古鳥が鳴いてるんですか?」
「いえ、斬銀さんは関係ありませんよ、自分でまいた種ですから」
「おっ何々? 気になるじゃないそんな言い方されちゃ~」
「隠す事でもないのでお話しましょうか?」
「聞きたい!」
縁が指を鳴らすとカジノの扉はゆっくりと閉まっていく。
そして風月を上品にエスコートして中央にあるポーカーテーブルの椅子に座らせた。
斬銀は険しい顔をしながら『やっぱりTシャツくらい着るべきだろうか』と静かに唸りながらスロットで遊んでいる。
「突拍子も無い事からお話します」
「おう、どんと来い!」
「実は私、幸運を司る神でして」
「ふんふん! それで?」
「あれ? ビックリするかと思いました」
「一語一句ビックリしてたら話が進まないでしょ? 続きをどうぞ!」
「簡単に話ますと、子供の頃は神の学校じゃなく地上の学校に通ってました」
「ほうほう、神様の学校とかあるんだ……それで?」
「妹は不幸を司る神なのですが、そこの先生方は理解ある人達でしたが……」
「ははーん……不幸を司るってだけでイジメにあったのか?」
風月は腕と足を組み、ドスの効いた声と怒りを露わにした顔をしている。
「はい、それが徐々にエスカレートしていって……」
「戦争になるまで発展したとか?」
「ええ、最終的には」
「なるほどなるほど、一言で言えば小さい時から兎さんは妹さんを守る為に『敵』と戦い続けたんだね?」
「はい、両親や友達、そこに居る斬銀さんも巻き込んでしまいました」
「その戦い勝ったの?」
「複雑に様々な国と勢力と戦いましたから結果はそれぞれです」
「ああなるほど、例えば金で雇われた傭兵を恨むのは筋違いって事ね?」
「ええ、当時まだ子供だった自分にその分別はつけれませんでしたが」
「その妹さんはまだ生きてるの?」
「もちろんですよ」
「おっ! だったら兎さんの勝ちだね! 大切な妹を守り切ったんでしょ?」
風月は自分の事の様に嬉しそうに笑いながらサムズアップした。
「あ、兎さんって呼ぶのは失礼だった?」
「いえ、自己紹介が遅れました、私の名前は縁といいます」
「あら、縁起が良さそうな名前ね」
深々とお辞儀する縁をニコニコしながら見ている風月。
「私は風月、界牙流って流派の四代目やってる」
「聞いた事な……」
「界牙流だと!?」
斬銀が大声を上げながら振り向いく、それと同時にスロットが回っているリールの最後のボタンを押した。
パパパパーン! スロットは音が鳴ってスリーセブンの大当たりしスロットからチョコのお菓子が5個出てくる。
「おお! 当たった! じゃなくて!」
景品のチョコのお菓子を鷲掴みにして斬銀は2人の元へと歩き出しポーカーテーブルの椅子に座った。
「まさか世界に牙をむく流派に会えるとは」
「お? あたしの流派も有名になったね」
「凄い流派なんですか?」
「んじゃ、お礼って訳じゃないけど次は私の自己紹介だね?」
風月は自身満々に腰に手を当ててエッヘン! としている。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

「君を愛するつもりはない」と言ったら、泣いて喜ばれた
菱田もな
恋愛
完璧令嬢と名高い公爵家の一人娘シャーロットとの婚約が決まった第二皇子オズワルド。しかし、これは政略結婚で、婚約にもシャーロット自身にも全く興味がない。初めての顔合わせの場で「悪いが、君を愛するつもりはない」とはっきり告げたオズワルドに、シャーロットはなぜか歓喜の涙を浮かべて…?
※他サイトでも掲載中しております。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜
櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。
パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。
車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。
ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!!
相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム!
けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!!
パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!
ゲーム内転移ー俺だけログアウト可能!?ゲームと現実がごちゃ混ぜになった世界で成り上がる!ー
びーぜろ@転移世界のアウトサイダー発売中
ファンタジー
ブラック企業『アメイジング・コーポレーション㈱』で働く経理部員、高橋翔23歳。
理不尽に会社をクビになってしまった翔だが、慎ましい生活を送れば一年位なら何とかなるかと、以前よりハマっていたフルダイブ型VRMMO『Different World』にダイブした。
今日は待ちに待った大規模イベント情報解禁日。その日から高橋翔の世界が一変する。
ゲーム世界と現実を好きに行き来出来る主人公が織り成す『ハイパーざまぁ!ストーリー。』
計画的に?無自覚に?怒涛の『ざまぁw!』がここに有る!
この物語はフィクションです。
※ノベルピア様にて3話先行配信しておりましたが、昨日、突然ログインできなくなってしまったため、ノベルピア様での配信を中止しております。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~
芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。
駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。
だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。
彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。
経験値も金にもならないこのダンジョン。
しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。
――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?

VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?
ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚
そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる