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二十二章
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鳳家の神社を発った北斗は、タクシーで横須賀駅へ向かった。すると乗り換えなしで千葉駅に行ける電車が出発寸前だったらしく、それに飛び乗ったと言う。千葉駅でも待ち時間なしに目当ての電車に乗ることができた北斗は、大いなる何かに助けてもらっている気がしきりとしたそうだ。
狼嵐家の神社でも、その土地自身に「よく来たね」と北斗は挨拶してもらえた。先代当主に偶然会うような幸運こそなかったものの、境内の木々や建物が「こっちこっち」「次はここにおいで」と北斗に語り掛けているかのように、足が半ば勝手に動いたと言う。とここで同じ誤魔化しを二度使うのはマズイと判断したのか、
「手渡せる時期は未定だが、昴の分のお守りも購入して、紫柳子さんの神社を後にした」
北斗は瞑目したままそう暴露した。その暴露に敬意を表し、
「今はヘッドロックできないから部室で合うのを楽しみにしているよ」
すかさず返すと、北斗は顔を両手でゴシゴシこすり始めた。かなり強くこすっていたにもかかわらず消せなかった笑みが、僕は堪らなく嬉しかった。
鳳本家と狼嵐本家を訪れたからか、任意の松果体活性が上達していることを、北斗は翌日以降はっきり感じるようになったと言う。それが、きっと活きたのだろう。その約二か月後、文化祭にやって来た鋼さんを一瞥した際、鋼さんの頭部から放たれる光を一瞬捉えたらしい。光は白を基本とし、そこに銀色の細い筋が入っていて、小さな青色の光の粒がほのかに湧き立っているかのように感じたそうだ。「傘に譬えるなら、布は白、骨は銀色、骨が集まっている部分に頭部があって、頭部から青い小さな粒がキラキラ放たれている。そんな感じだな」 記憶を呼び覚ますべく遠い目をしているのが、瞑目したままでも明瞭に伝わって来る北斗へ、僕も鋼さんに同じ光を観たことを正直に伝えた。しかし、それ以上は不可能だった。北斗が観たのは肉体の壮健さを示すオーラではなく、心理状態を示すオーラでもない。その二つより観るのが困難なもっと奥深い光なのだけど、量子AI達から口止めされている、
―― 心の成長度
が係わる話なため、今はまだ口外できなかったのである。北斗はそれを機敏に察してくれたのか、僕と同じ光を観たことを喜ぶだけで、子細を尋ねようとはしなかった。普段は自発的に禁じている、心の成長度が反映された光を見定める視力を、僕はこの崇高な友に用いたくてならなかった。
北斗が鋼さんと同種の光を他者に観ることはそれ以降なかったが、鋼さんがきっかけになったのか、松果体の活性化は益々高まっていった。それに伴い視力は向上し、脳も冴え渡り、運動神経も鋭敏になり、肉体疲労の回復速度も増すという、恩恵ばかりを受け取る日々が続いた。また未来への勘も以前より働くようになったらしく、北斗は勘に従い、湖校卒業のための必須単位を二年の終業式までに全て取り終えたそうだ。「何それメチャクチャ羨ましい!」「ふふふ、余はこれからの湖校の四年間を、好きな事のみに捧げるのだ!」 なんて感じに中二病を発症した北斗は皇帝口調で宣言したけど、好きな事だけをする皇帝はダメ皇帝じゃないのかなあ、と歴史考察を始める寸前だった僕の脳裏を、本日二度目の閃きが駆けた。それは、祖父が子供時代に体験した記憶力の低下を北斗も味わうのではないかという、閃きより予知に近いものだった。これについてだけは星辰の巫女に問いたださねばならないと、僕は胸の中で固く決意した。
松果体が益々活性化した北斗は、身体能力の加速度的な向上を日々実感していた。だが約十日前の三月半ば、昴と久しぶりに二人だけで過ごした際、北斗の体が知覚した。それは脳による「理解」ではなく肉体による「知覚」だったことを、北斗は苦悶に身をよじりつつ話した。
「昴が全国レベルの身体能力を有していることを、俺は情報として知っていただけだった。薙刀の実績や長距離走のタイムを元に昴の身体能力を推量していただけなのに、俺はそれを自覚してなかったんだ。だがあの日、約一年三か月ぶりに俺の隣に座った昴に、俺の体がおののいてな。隔絶した身体能力を体が独自に感じ取り、恐怖の悲鳴を上げたんだよ。ライオンの群を束ねる野生の雄ライオンを昴とするなら、俺はそのライオンの視界を横切るネズミだった。満腹のライオンがわざわざ狩るまでもない、矮小なネズミに過ぎなかったんだよ。それを、俺の体自身が知覚した。以前は無理だった。以前のつたない身体能力では隔絶し過ぎていて、両者の差を知覚できなかった。だが向上した身体能力が、それを可能にした。昴にフラれてから費やした一年十カ月の努力が俺にもたらしたのは、それだったんだよ。俺は、昴に相応しくない。これを芯から知るために、俺はこの一年十カ月を・・・」
嗚咽を封じるには口を堅く閉ざすしかなくなった北斗が、再び会話できるようになるのを待ち、問うた。
「それを知覚した北斗は、昴の隣でどう振舞ったの?」
「なぜか、松果体が助けてくれてな。松果体から名状しがたい風が吹いて来て、その風が全身に行き渡ると、昴との圧倒的な差が、一時的に圧倒的ではなくなる気がした。風の効力が薄まるとその感覚も弱まるが、それに合わせて風が吹き、感覚を一定以上に保ってくれた。そのお陰で昴の前ではどうにかこうにか、いつもの俺でいられたよ」
家に帰ってからは大変だったけどなとおどける北斗へ、僕は事実を告げた。
「一年生の冬休みから今日までの一年三か月間で、僕が昴と二人だけで過ごしたのは、たった三度しかなくてさ。それに気づいた二年の冬休み、さすがに違和感を覚えて改めて振り返ったら、昴は意識して僕を避けている節があった。とはいえ昴の事だからちゃんと理由があるんだろうって、放っておいたんだよね。けど三月十五日の朝食の最中、昴がどことなく、何かを話したそうにしていてさ。ただあの日は六年の先輩方の卒業式で、先輩方の話をされたら食事が喉を通らなくなる自信があったから、悪いと思いつつも昴に何も尋ねなかった。でも北斗の話を聴いた今は、尋ねなかった自分に感謝してる。あの日は卒業式であると共に、ホワイトデーの翌日でもあった。つまり『何かあったの?』って尋ねた途端、ホワイトデーの北斗とのノロケ話を、僕は延々聞かされたに違いないって事。いやホント、訊かなくて正解だったよ」
狼嵐家の神社でも、その土地自身に「よく来たね」と北斗は挨拶してもらえた。先代当主に偶然会うような幸運こそなかったものの、境内の木々や建物が「こっちこっち」「次はここにおいで」と北斗に語り掛けているかのように、足が半ば勝手に動いたと言う。とここで同じ誤魔化しを二度使うのはマズイと判断したのか、
「手渡せる時期は未定だが、昴の分のお守りも購入して、紫柳子さんの神社を後にした」
北斗は瞑目したままそう暴露した。その暴露に敬意を表し、
「今はヘッドロックできないから部室で合うのを楽しみにしているよ」
すかさず返すと、北斗は顔を両手でゴシゴシこすり始めた。かなり強くこすっていたにもかかわらず消せなかった笑みが、僕は堪らなく嬉しかった。
鳳本家と狼嵐本家を訪れたからか、任意の松果体活性が上達していることを、北斗は翌日以降はっきり感じるようになったと言う。それが、きっと活きたのだろう。その約二か月後、文化祭にやって来た鋼さんを一瞥した際、鋼さんの頭部から放たれる光を一瞬捉えたらしい。光は白を基本とし、そこに銀色の細い筋が入っていて、小さな青色の光の粒がほのかに湧き立っているかのように感じたそうだ。「傘に譬えるなら、布は白、骨は銀色、骨が集まっている部分に頭部があって、頭部から青い小さな粒がキラキラ放たれている。そんな感じだな」 記憶を呼び覚ますべく遠い目をしているのが、瞑目したままでも明瞭に伝わって来る北斗へ、僕も鋼さんに同じ光を観たことを正直に伝えた。しかし、それ以上は不可能だった。北斗が観たのは肉体の壮健さを示すオーラではなく、心理状態を示すオーラでもない。その二つより観るのが困難なもっと奥深い光なのだけど、量子AI達から口止めされている、
―― 心の成長度
が係わる話なため、今はまだ口外できなかったのである。北斗はそれを機敏に察してくれたのか、僕と同じ光を観たことを喜ぶだけで、子細を尋ねようとはしなかった。普段は自発的に禁じている、心の成長度が反映された光を見定める視力を、僕はこの崇高な友に用いたくてならなかった。
北斗が鋼さんと同種の光を他者に観ることはそれ以降なかったが、鋼さんがきっかけになったのか、松果体の活性化は益々高まっていった。それに伴い視力は向上し、脳も冴え渡り、運動神経も鋭敏になり、肉体疲労の回復速度も増すという、恩恵ばかりを受け取る日々が続いた。また未来への勘も以前より働くようになったらしく、北斗は勘に従い、湖校卒業のための必須単位を二年の終業式までに全て取り終えたそうだ。「何それメチャクチャ羨ましい!」「ふふふ、余はこれからの湖校の四年間を、好きな事のみに捧げるのだ!」 なんて感じに中二病を発症した北斗は皇帝口調で宣言したけど、好きな事だけをする皇帝はダメ皇帝じゃないのかなあ、と歴史考察を始める寸前だった僕の脳裏を、本日二度目の閃きが駆けた。それは、祖父が子供時代に体験した記憶力の低下を北斗も味わうのではないかという、閃きより予知に近いものだった。これについてだけは星辰の巫女に問いたださねばならないと、僕は胸の中で固く決意した。
松果体が益々活性化した北斗は、身体能力の加速度的な向上を日々実感していた。だが約十日前の三月半ば、昴と久しぶりに二人だけで過ごした際、北斗の体が知覚した。それは脳による「理解」ではなく肉体による「知覚」だったことを、北斗は苦悶に身をよじりつつ話した。
「昴が全国レベルの身体能力を有していることを、俺は情報として知っていただけだった。薙刀の実績や長距離走のタイムを元に昴の身体能力を推量していただけなのに、俺はそれを自覚してなかったんだ。だがあの日、約一年三か月ぶりに俺の隣に座った昴に、俺の体がおののいてな。隔絶した身体能力を体が独自に感じ取り、恐怖の悲鳴を上げたんだよ。ライオンの群を束ねる野生の雄ライオンを昴とするなら、俺はそのライオンの視界を横切るネズミだった。満腹のライオンがわざわざ狩るまでもない、矮小なネズミに過ぎなかったんだよ。それを、俺の体自身が知覚した。以前は無理だった。以前のつたない身体能力では隔絶し過ぎていて、両者の差を知覚できなかった。だが向上した身体能力が、それを可能にした。昴にフラれてから費やした一年十カ月の努力が俺にもたらしたのは、それだったんだよ。俺は、昴に相応しくない。これを芯から知るために、俺はこの一年十カ月を・・・」
嗚咽を封じるには口を堅く閉ざすしかなくなった北斗が、再び会話できるようになるのを待ち、問うた。
「それを知覚した北斗は、昴の隣でどう振舞ったの?」
「なぜか、松果体が助けてくれてな。松果体から名状しがたい風が吹いて来て、その風が全身に行き渡ると、昴との圧倒的な差が、一時的に圧倒的ではなくなる気がした。風の効力が薄まるとその感覚も弱まるが、それに合わせて風が吹き、感覚を一定以上に保ってくれた。そのお陰で昴の前ではどうにかこうにか、いつもの俺でいられたよ」
家に帰ってからは大変だったけどなとおどける北斗へ、僕は事実を告げた。
「一年生の冬休みから今日までの一年三か月間で、僕が昴と二人だけで過ごしたのは、たった三度しかなくてさ。それに気づいた二年の冬休み、さすがに違和感を覚えて改めて振り返ったら、昴は意識して僕を避けている節があった。とはいえ昴の事だからちゃんと理由があるんだろうって、放っておいたんだよね。けど三月十五日の朝食の最中、昴がどことなく、何かを話したそうにしていてさ。ただあの日は六年の先輩方の卒業式で、先輩方の話をされたら食事が喉を通らなくなる自信があったから、悪いと思いつつも昴に何も尋ねなかった。でも北斗の話を聴いた今は、尋ねなかった自分に感謝してる。あの日は卒業式であると共に、ホワイトデーの翌日でもあった。つまり『何かあったの?』って尋ねた途端、ホワイトデーの北斗とのノロケ話を、僕は延々聞かされたに違いないって事。いやホント、訊かなくて正解だったよ」
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