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十五章
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「去年五月の狭山湖の堤防で中断した会話を、していいですか?」
あのとき中断した会話は山ほどあり、僕の残念脳味噌では特定不可能だったが、否などあろうはずない。輝夜さんに体ごと向け、もちろんと応えた。
「私が習った白銀家の翔化は服を着ず行い、翔化後に服を着た自分を想像するという方法でした。それを恥ずかしがると翔化は困難になりますが、教えてくれたのは従姉の女性翔人でしたし、み・・・」
体を隠す輝夜さんの両手がブラウスの皺を一気に増やす。しかし数秒かからず、その数は元に戻った。
「未婚の翔人は私室での翔化が義務付けられていましたから、恥ずかしいと感じたことはありませんでした。けど眠留くんに、堤防の上での翔化を提案された時は恥ずかしくてならず、なのに眠留くんはその気配をまるで感じさせなかったから、私は強烈に思ってしまったのです。眠留くんと違い、私はエッチなんだって」
気絶してはならず、太腿をつねる事もできない僕は、腹筋に込める力を増やしただけでその場を凌いだ。渾身を二倍する力を込めても攣らなかった腹筋へ、僕は胸の中で誠心誠意手を合わせた。
「私は、エッチだ。その想いは、眠留くんの翔化が白銀家の翔化と異なると知ってからも、心から離れませんでした。なぜなら眠留くんは一見エッチなことをしても、問いかけたら必ず正直に答えてくれて、そしてそれに素直な気持ちで耳を傾けたら、眠留くんはエッチではないと判ったからです。だからエッチなのはいつも私で、それをいつも繰り返しているのは私で、けど四六時中そればかり考えているのではない事だけは知って欲しかったから、松果体の活性度を私も計測してもらいたいと思ったのです」
成長ホルモンとの関連もあるため決して一概には言えないが、松果体のメラトニン生成量の激減に合わせて、第二次成長期は始まる。したがって第二次成長期に入るのが明らかに遅い翔人、つまり輝夜さんは、松果体活性度が極めて高いと僕は確信していた。だがそれを口にしたとたん輝夜さんは自分の胸の小ささを意識し、すると輝夜さんの胸の美しさについて僕が演説したことを必然的に思い出し、「眠留くんのエッチ!」「違うんだ輝夜さん!」が再び繰り返されること必定だったので、僕は沈黙するしかなかった。とはいえ沈黙ごときで僕らの以心伝心を防げるはずもなく、年頃の女の子らしく腕をずらして胸を隠すやら、誠実な男の子っぽく視線を逸らしてそれに気づいていない振りをするやらの甘酸っぱい時間を過ごしたのち、輝夜さんは僕の仮説が正しかったことを明かした。
「母が発見した香雪は、私に珍しい作用を及ぼしました。匂いの成分をほぼすべて分解し、人の嗅覚では感知不可能な無臭にしたのです。湖校入学前に通っていた女子校でも、クラスメイトの花の香りが話題になるたび私の無臭も話題になるような、自分の匂いをまったく意識しない日々を私は送っていました。それが、湖校に入学して眠留くんの隣席になった時、反動として現れたのだと思います。いつもそばにいる大好きな男の子が私の匂いを感じてしまったらと思うと、恥ずかしくてならなくなったのです。私が翔人でなかったら、服を着て肌を隠すように香水を付けられるのにと、悩む時間が多くなっていきました。それを昴に気づかれ、悪いと思いつつ翔人については伏せ、でもそれ以外は包み隠さず話したら、眠留くんは私の匂いに入学式の日から気づいていて、そしてそれが大好きなはずと断言されてしまいました。あの日が昴の家に泊まった日でなかったら、私は翌日、学校を休んでいたと思います」
いつもそばにいる大好きな男の子の個所で心拍が跳ね上がり、服を着て肌を隠すように香水を付けられるの個所で胸に痛みが走り、眠留くんは私の匂いが大好きなはずの個所で心拍が再び跳ね上がると言う、心臓を酷使する話を聴いた僕は不覚にも、疲れた表情を一瞬露わにしてしまった。慌てて取り繕うも輝夜さんは休憩を兼ね、昴にも香雪が珍しく作用していることを話してくれた。
それによると香雪の発見者の葉月さんは、昴の年頃の涼しげな香りを、最も稀少として位置づけていると言う。女性の汗には甘い香りの成分と、柑橘系の香りの成分が微量に含まれていて、一般的に香雪はその二つ以外を分解し、前者を増加させる。しかし稀に前者も分解して後者だけを残し、そして極稀に後者の果物の香りも分解して、清涼感のみを香雪は残すのだそうだ。その仕組みはまだ解明されていないが、伝説の朝露の白薔薇、すなわち岬静香さんや昴がそれに該当するのは間違いないと輝夜さんは話していた。心の奥底で、その清涼感をもほぼ消し去ったのが輝夜さんと美鈴と紫柳子さんのような気がしたが、それを話すと輝夜さんの「肌隠し」と「ですます調」が復活する虞があったため、僕はそれを心の奥に封印した。そう輝夜さんは、昴の話題のお陰で緊張がとけ、その二つを止めていたのである。現時点においてそれ以上に嬉しいことはなく、僕は豆柴よろしくニコニコし、そのせいで輝夜さんは自分の変化に気づいてしまったが、僕のニコニコに免じたのか、ですます調を復活するのみに留めてくれた。
「昴にそう断言されても、あの頃は眠留くんが翔人だと知りませんでしたから、香水で身を守りたいという気持ちを、さほど苦労せず抑えられました。眠留くんが翔人だと知ってからも、眠留くんに命を助けられた事や、同じ翔人として一緒に生きてゆける事や、誕生日プレゼントを選び直す事などの、幸せで仕方ないことが沢山あったので、匂いに関することを綺麗に忘れていました。堤防での翔化も、恥ずかしくも甘く楽しい想い出でしたから、それが匂いに結びつくことはありませんでした。でも、眠留くんがプレゼントのパジャマに顔をうずめようとしているのを見た瞬間、それに関する羞恥がどっと押し寄せてきました。今だから言えますがあの時の私は、一糸まとわぬ姿を眠留くんに見られているのと、何も変わらなかったのです」
もう無理だった。
「ごめんなさい――ッッ!!」
僕は気絶を回避するため、正座後方ジャンピング土下座を行った。正座のまま後方へ跳躍し着地と同時に土下座するという、高難度技を披露する以外に、僕が気絶を免れる道は無かったのである。だがこのままでいると、輝夜さんに謝罪の言葉を紡がせてしまう。よって僕は礼法に則り上体を起こし、座布団ににじり寄り、座布団の上に居を定めてから、
「大丈夫になりました」
精悍な表情を一生懸命作ってそう告げた。途中から笑いを堪えていた輝夜さんは「はい」と応え、そして銀鈴の笑い声をしばし奏でたのち、普段どおりの口調で話を締めくくった。
「あのとき私は『なぜかとても恥ずかしい』って言葉を濁したけど、眠留くんも『プレゼントを部屋に置いていて負担じゃなかった?』って無難な方を選んだから、お相子ね。うん、私は眠留くんとお相子でいたい。片方だけが頑張ったり我慢したりしない、対等な存在として力を合わせて生きていきたいの。だから眠留くん、私が恥ずかしがっても、嫌がっているのでは決してないって信じてください。お返しに私も、眠留くんが一見エッチなことをしても、それは正直な想いでエッチじゃないって信じるからね」
松果体が雷を放った。
それは、輝夜さんの真実を電気信号にした雷だった。
対等な存在として生きてゆくべく僕が理解しておかねばならない、輝夜さんの真実だったのである。
然るに、それを理解したことを伝える覚悟を僕はした。
「もちろん輝夜さんを信じる。それと、僕は今から独り言をいう。独り言だから、受け答えは不要だからね」
この二千年間で最も艶やかな瞳の輝夜さんと、その瞳の向こうにいるウェスタの巫女と道教の少女の、三人の輝夜さんへ僕は告げた。
「輝夜さんに再会すべく、一千年の修業を二度してきた僕は、待つことを少しも苦に思わなくなった。だから輝夜さん、どうか焦らずゆっくり、この星の体と風習に慣れて欲しい」
この四千年間、僕は空白を設けることなく転生し、この星の住人として生きてきた。
よって僕は地球人の体と風習に慣れているが、一千年の空白が二度ある輝夜さんに、それは望めない。
特に、ある事については慣れていないどころか、一度も経験していないはずだ。
前回も前々回も、十代後半で地球を去って行った輝夜さんが一度も経験していない、それは・・・・・
「眠留くんっ」
だがそのある事が、明確な言葉として心に形成されることはなかった。
この世のものとは思えない、いや実際この地球のものではない、より進んだ星の香りが僕を包んだからだ。
僕は、胸に飛び込んできた輝夜さんを受け止めた。
輝夜さんは僕の胸に顔をうずめ、言葉にできない二つの想いを交互に叫び続けた。
ごめんなさい
ありがとう
その二つの叫びを心の耳で聴いた僕は、わかっているよという気持ちを込め、天上より遣わされた使者の背中を、優しく叩き続けたのだった。
あのとき中断した会話は山ほどあり、僕の残念脳味噌では特定不可能だったが、否などあろうはずない。輝夜さんに体ごと向け、もちろんと応えた。
「私が習った白銀家の翔化は服を着ず行い、翔化後に服を着た自分を想像するという方法でした。それを恥ずかしがると翔化は困難になりますが、教えてくれたのは従姉の女性翔人でしたし、み・・・」
体を隠す輝夜さんの両手がブラウスの皺を一気に増やす。しかし数秒かからず、その数は元に戻った。
「未婚の翔人は私室での翔化が義務付けられていましたから、恥ずかしいと感じたことはありませんでした。けど眠留くんに、堤防の上での翔化を提案された時は恥ずかしくてならず、なのに眠留くんはその気配をまるで感じさせなかったから、私は強烈に思ってしまったのです。眠留くんと違い、私はエッチなんだって」
気絶してはならず、太腿をつねる事もできない僕は、腹筋に込める力を増やしただけでその場を凌いだ。渾身を二倍する力を込めても攣らなかった腹筋へ、僕は胸の中で誠心誠意手を合わせた。
「私は、エッチだ。その想いは、眠留くんの翔化が白銀家の翔化と異なると知ってからも、心から離れませんでした。なぜなら眠留くんは一見エッチなことをしても、問いかけたら必ず正直に答えてくれて、そしてそれに素直な気持ちで耳を傾けたら、眠留くんはエッチではないと判ったからです。だからエッチなのはいつも私で、それをいつも繰り返しているのは私で、けど四六時中そればかり考えているのではない事だけは知って欲しかったから、松果体の活性度を私も計測してもらいたいと思ったのです」
成長ホルモンとの関連もあるため決して一概には言えないが、松果体のメラトニン生成量の激減に合わせて、第二次成長期は始まる。したがって第二次成長期に入るのが明らかに遅い翔人、つまり輝夜さんは、松果体活性度が極めて高いと僕は確信していた。だがそれを口にしたとたん輝夜さんは自分の胸の小ささを意識し、すると輝夜さんの胸の美しさについて僕が演説したことを必然的に思い出し、「眠留くんのエッチ!」「違うんだ輝夜さん!」が再び繰り返されること必定だったので、僕は沈黙するしかなかった。とはいえ沈黙ごときで僕らの以心伝心を防げるはずもなく、年頃の女の子らしく腕をずらして胸を隠すやら、誠実な男の子っぽく視線を逸らしてそれに気づいていない振りをするやらの甘酸っぱい時間を過ごしたのち、輝夜さんは僕の仮説が正しかったことを明かした。
「母が発見した香雪は、私に珍しい作用を及ぼしました。匂いの成分をほぼすべて分解し、人の嗅覚では感知不可能な無臭にしたのです。湖校入学前に通っていた女子校でも、クラスメイトの花の香りが話題になるたび私の無臭も話題になるような、自分の匂いをまったく意識しない日々を私は送っていました。それが、湖校に入学して眠留くんの隣席になった時、反動として現れたのだと思います。いつもそばにいる大好きな男の子が私の匂いを感じてしまったらと思うと、恥ずかしくてならなくなったのです。私が翔人でなかったら、服を着て肌を隠すように香水を付けられるのにと、悩む時間が多くなっていきました。それを昴に気づかれ、悪いと思いつつ翔人については伏せ、でもそれ以外は包み隠さず話したら、眠留くんは私の匂いに入学式の日から気づいていて、そしてそれが大好きなはずと断言されてしまいました。あの日が昴の家に泊まった日でなかったら、私は翌日、学校を休んでいたと思います」
いつもそばにいる大好きな男の子の個所で心拍が跳ね上がり、服を着て肌を隠すように香水を付けられるの個所で胸に痛みが走り、眠留くんは私の匂いが大好きなはずの個所で心拍が再び跳ね上がると言う、心臓を酷使する話を聴いた僕は不覚にも、疲れた表情を一瞬露わにしてしまった。慌てて取り繕うも輝夜さんは休憩を兼ね、昴にも香雪が珍しく作用していることを話してくれた。
それによると香雪の発見者の葉月さんは、昴の年頃の涼しげな香りを、最も稀少として位置づけていると言う。女性の汗には甘い香りの成分と、柑橘系の香りの成分が微量に含まれていて、一般的に香雪はその二つ以外を分解し、前者を増加させる。しかし稀に前者も分解して後者だけを残し、そして極稀に後者の果物の香りも分解して、清涼感のみを香雪は残すのだそうだ。その仕組みはまだ解明されていないが、伝説の朝露の白薔薇、すなわち岬静香さんや昴がそれに該当するのは間違いないと輝夜さんは話していた。心の奥底で、その清涼感をもほぼ消し去ったのが輝夜さんと美鈴と紫柳子さんのような気がしたが、それを話すと輝夜さんの「肌隠し」と「ですます調」が復活する虞があったため、僕はそれを心の奥に封印した。そう輝夜さんは、昴の話題のお陰で緊張がとけ、その二つを止めていたのである。現時点においてそれ以上に嬉しいことはなく、僕は豆柴よろしくニコニコし、そのせいで輝夜さんは自分の変化に気づいてしまったが、僕のニコニコに免じたのか、ですます調を復活するのみに留めてくれた。
「昴にそう断言されても、あの頃は眠留くんが翔人だと知りませんでしたから、香水で身を守りたいという気持ちを、さほど苦労せず抑えられました。眠留くんが翔人だと知ってからも、眠留くんに命を助けられた事や、同じ翔人として一緒に生きてゆける事や、誕生日プレゼントを選び直す事などの、幸せで仕方ないことが沢山あったので、匂いに関することを綺麗に忘れていました。堤防での翔化も、恥ずかしくも甘く楽しい想い出でしたから、それが匂いに結びつくことはありませんでした。でも、眠留くんがプレゼントのパジャマに顔をうずめようとしているのを見た瞬間、それに関する羞恥がどっと押し寄せてきました。今だから言えますがあの時の私は、一糸まとわぬ姿を眠留くんに見られているのと、何も変わらなかったのです」
もう無理だった。
「ごめんなさい――ッッ!!」
僕は気絶を回避するため、正座後方ジャンピング土下座を行った。正座のまま後方へ跳躍し着地と同時に土下座するという、高難度技を披露する以外に、僕が気絶を免れる道は無かったのである。だがこのままでいると、輝夜さんに謝罪の言葉を紡がせてしまう。よって僕は礼法に則り上体を起こし、座布団ににじり寄り、座布団の上に居を定めてから、
「大丈夫になりました」
精悍な表情を一生懸命作ってそう告げた。途中から笑いを堪えていた輝夜さんは「はい」と応え、そして銀鈴の笑い声をしばし奏でたのち、普段どおりの口調で話を締めくくった。
「あのとき私は『なぜかとても恥ずかしい』って言葉を濁したけど、眠留くんも『プレゼントを部屋に置いていて負担じゃなかった?』って無難な方を選んだから、お相子ね。うん、私は眠留くんとお相子でいたい。片方だけが頑張ったり我慢したりしない、対等な存在として力を合わせて生きていきたいの。だから眠留くん、私が恥ずかしがっても、嫌がっているのでは決してないって信じてください。お返しに私も、眠留くんが一見エッチなことをしても、それは正直な想いでエッチじゃないって信じるからね」
松果体が雷を放った。
それは、輝夜さんの真実を電気信号にした雷だった。
対等な存在として生きてゆくべく僕が理解しておかねばならない、輝夜さんの真実だったのである。
然るに、それを理解したことを伝える覚悟を僕はした。
「もちろん輝夜さんを信じる。それと、僕は今から独り言をいう。独り言だから、受け答えは不要だからね」
この二千年間で最も艶やかな瞳の輝夜さんと、その瞳の向こうにいるウェスタの巫女と道教の少女の、三人の輝夜さんへ僕は告げた。
「輝夜さんに再会すべく、一千年の修業を二度してきた僕は、待つことを少しも苦に思わなくなった。だから輝夜さん、どうか焦らずゆっくり、この星の体と風習に慣れて欲しい」
この四千年間、僕は空白を設けることなく転生し、この星の住人として生きてきた。
よって僕は地球人の体と風習に慣れているが、一千年の空白が二度ある輝夜さんに、それは望めない。
特に、ある事については慣れていないどころか、一度も経験していないはずだ。
前回も前々回も、十代後半で地球を去って行った輝夜さんが一度も経験していない、それは・・・・・
「眠留くんっ」
だがそのある事が、明確な言葉として心に形成されることはなかった。
この世のものとは思えない、いや実際この地球のものではない、より進んだ星の香りが僕を包んだからだ。
僕は、胸に飛び込んできた輝夜さんを受け止めた。
輝夜さんは僕の胸に顔をうずめ、言葉にできない二つの想いを交互に叫び続けた。
ごめんなさい
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その二つの叫びを心の耳で聴いた僕は、わかっているよという気持ちを込め、天上より遣わされた使者の背中を、優しく叩き続けたのだった。
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