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四章
あの空の下、1
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別れの時間の、午後四時四十五分。
ガレージのシャッターを開けようとしていたお姉さんがふと動きを止め、AICAの後部座席の真ん中に収まる僕へ体を向けた。
「スマン忘れていた。今回の件で、私は出雲開発顧問としても、新AI開発者としても、そしてこの店の経営者としても、猫将軍に多大な恩義を受けた。だから猫将軍、私に頼みごとはないかな? 私はそれに全力で応えよう」
いつもの僕なら不意打ちでこんな提案をされたら、「買いかぶりです」や「もう充分よくして頂きました」という言葉すら告げられず、ただひたすらアワアワしただろう。けど僕はその時、真剣な眼差しで僕を見つめるお姉さんへ、自分でも不思議なほどサラリと願いを伝えていた。
「もし可能なら、僕をこのガレージに案内してくれたショップAIに、シミュレーターへのアクセス権限を与えてください。僕がそう願う理由は」
とここで、それに割く時間がもう残っていないことを思い出し、お姉さんから目線を外しその隣を見つめる。
「エイミィ、出来れば現れてくれないかな」
僕の目線の先、お姉さんの斜め後ろに控える形でエイミィが姿を現した。お姉さんはなぜかとても驚いていたが、恥ずかしげに身をすぼめるエイミィのため僕は今一度、勇者もどきになる決意をした。
「エイミィ、途中までは僕とエイミィの二人で、そしてハイ子が加わってからは三人でした会話のすべてを、紫柳子さんにお見せして欲しい。紫柳子さん、僕の頼みの諾否はその会話で決めてください。でもどうか、無理はなさらないでくださいね」
お姉さんは腰に両手を置き、出来の悪い弟の頼みに力を貸すしっかり者の姉のような、馴染み深い笑みを浮かべた。
「まったく君には降参する。このショップAIが営業スペース以外の場所に現れるためには、従業員か私の家族か、家族に準ずる者の指示でなければならぬよう設定したつもりだったが、もう一つあったことを君に思い出させてもらったよ。百万体に一体ほどの割合で出現するとされる、理論説明不可能な行動を採択するAIと言えば、七ッ星には理解できるかな?」
「はい、できます。帰りの道すがら、眠留にそれを説明します」
よろしく頼むと北斗に頷き、お姉さんは再び馴染み深い空気を纏った。
「解った、その頼み呑もう。七ッ星、二階堂、猫将軍、またぜひ遊びに来なさい。親戚の姉に顔を見せに来るつもりでいてくれると、私は嬉しい」
優しく微笑みかけるお姉さんへ、嬉しいやら畏れ多いやら哀しいやらで慌てふためきつつ、
「「ははは、はいい~~!!」」
僕らは調子はずれの返事をした。そんな僕らに、お姉さんが今日一番の笑顔で手を振る。僕らも身を乗り出しお姉さんに手を振り返す。エイミィが開けてくれたシャッターをAICAがくぐると、お姉さんもそれをまたいだ。そして僕らの姿がビルの向こうに消えるまで、お姉さんは両手を高々と掲げ、僕らに手を振り続けてくれたのだった。
それからしばらく、僕らはAICAの後部座席に黙って身を沈めていた。肉体疲労でも精神疲労でもない巨大な喪失感に襲われ、何もする気が起きなかったのである。
しかしAICAが地下高速に入ると、
「約束を果たさねばな」
北斗はそう呟き、量子AIについて説明を始めた。暗く沈んだAICAの中に、北斗の心地よい声が響く。さすが我らの、頼れるリーダーなのだ。
「身近な人とコミュニケーションを重ねるにつれ、AIに思考パターンという個性と、それに伴う相性が生まれるのは学術的に証明されている。とはいえ心を持たないAIにとって、相性は感情ではない。AIの思考パターンと似た性格の人とは会話速度が上がり、受け応えのバリエーションも増えるといった、演算効率の良さで説明可能な相性をAIは持つようになるのだ。ここまでで、何か質問はあるか?」
右隣の二階堂が左隣の北斗へ、「人間同士でも普通にある事だから、俺は不可解に思わないな」と答えた。そう二人は、外部から僕が見えにくくなるよう、僕を真ん中にしてAICAの後部席に座ってくれたのである。その感謝を胸に、僕は二階堂へ相槌を打った。北斗も「同意だ。そんなの不可解でもなんでも無いな」と肩をすくめ、先を続けた。
「しかし紫柳子さんが言ったように、百万体に一体ほどの割合で、演算効率だけでは説明不可能な行動をとるAIが出現する。もちろん法律や所有者の命令に背かない範囲に限定されるが、その説明のためには、人間だけが持つとされるあるモノを用いねばならない。逆に言うと、それを持つ人間にとっては、AIのその行動は不思議でもなんでもない当たり前のこととなる。そのモノこそが、好意なんだよ」
「へ? AIは好意を持っていないの?」
意外過ぎる話を耳にしたせいで、僕は北斗の説明を遮り質問してしまった。それに気づき赤面しかけるも、北斗がそれを不快に思っていないことを気配から察した僕は、勇気を出して質問の続きを投げかけた。
「ウチのHAIもハイ子も、僕や僕の家族に好意を寄せているように感じるのは、錯覚なの?」
北斗は両方の掌をゆるやかに振ってから、「紫柳子さんのショップAIの名前は、エイミィでいいんだっけ」と尋ねた。僕を落ち着かせるべくワンクッション置いた北斗へ、「うんそうだよ。呼んでないのに現れたハイ子にちゃかされて、僕が付けたんだ」と答える。すると北斗は目を見開き、次いで親指をこめかみに当て、円を描くようにグイグイ押し始めた。その様子に、湖校の会議室で僕もこめかみをマッサージした記憶が蘇るも、両者に関連性などあるはずないと思い返し、それを意識の外へ追いやった。その直後、北斗はマッサージを止め、誠実そのものの眼差しを僕に向けた。
「所有者の意思以外でハイ子が現れるのは、危険や不都合が迫っている場合のみなのだが、今は止めておこう。眠留の問いに、AIの会話機能だけを用いて答えるとこうなる。『会話の流れから人へ好意を示す場面だと判断したAIは、その場に最も相応しい表現を選択し、それを実行する』 量子コンピューターの高性能未来予測と多種多様な表現から、自然に会話していると人は錯覚するだけなんだよ」
残念脳味噌を持つ僕にいつも誠実な対応をしてくれる北斗へ、僕なりの譬えを一つ挙げることで、僕はせめてものお礼をした。
「ええっと、百年前のSF映画に出てくるロボットは、返事に必ず時間がかかり、しかもお決まりのセリフを棒読みするだけだから、人間ではないという印象を強く受ける。だから逆に、豊富なバリエーションで滑らかに受け答えされると、人工知能でないという印象を無意識に抱いてしまう。みたいな感じなのかな」
だが返事を待たず、いや待てず、僕は力尽き肩を落とした。実の姉とも思ってきた、HAI。僕を兄のように慕ってくれる、ハイ子。そして今日仲良くなった、エイミィ。これらのAIは、ただの計算で僕とやり取りしていただけだった。その事実に、気落ちし項垂れずにはいられなかったのである。しかしそんな僕の右側から「こら、早とちりするな」という、二階堂の陽気な声がかかった。
「ったく早とちりすんなよ。エイミィはお前に好意を持っていたからこそ、紫柳子さんの命令を無視してガレージに現れたんじゃないか。そうだよな、北斗」
そうだった、他ならぬお姉さん自身がそう言ってくれたんだった。それを思い出し、僕はすがるように北斗を見あげた。だが北斗は僕と二階堂を、きっぱり否定する。
「いや、それは無い。法律違反なため従えません等の拒絶を示すことはあっても、AIが所有者の命令を無視することは絶対ない。量子コンピューターの天文学的表現パターンをもってしても、命令を無視するという選択肢は、一つも存在しないんだよ」
その絶対的確信に裏付けされた北斗の回答に僕は絶句した。かろうじて二階堂が、北斗へ異を唱える。
「で、でもなあ、事実エイミィは猫将軍の呼びかけに応えてガレージに現れたじゃないか。北斗、矛盾してないか?」
「そう、まさにそれこそがさっきの『人間にとっては当たり前の、不思議でもなんでもないこと』に繋がるんだよ。二階堂、考えてみてくれ。仮にエイミィが人間の女の子で、眠留に恋心を抱いていたら、エイミィはお店で仕事をしながら何を考えていただろう」
なんだそのつまらん質問は、と二階堂は肩をすくめた。
「仕事中でも大好きな人のことが頭を離れず、心の片隅でずっと想い続けている。そんなの、決まってるじゃんか」
僕の頭越しに交わされる二人の友の会話内容に、「項垂れていて良かった」と僕は密かに胸をなでおろした。下を向くことで顔の火照りを隠す僕をよそに、二人は会話を進めてゆく。
ガレージのシャッターを開けようとしていたお姉さんがふと動きを止め、AICAの後部座席の真ん中に収まる僕へ体を向けた。
「スマン忘れていた。今回の件で、私は出雲開発顧問としても、新AI開発者としても、そしてこの店の経営者としても、猫将軍に多大な恩義を受けた。だから猫将軍、私に頼みごとはないかな? 私はそれに全力で応えよう」
いつもの僕なら不意打ちでこんな提案をされたら、「買いかぶりです」や「もう充分よくして頂きました」という言葉すら告げられず、ただひたすらアワアワしただろう。けど僕はその時、真剣な眼差しで僕を見つめるお姉さんへ、自分でも不思議なほどサラリと願いを伝えていた。
「もし可能なら、僕をこのガレージに案内してくれたショップAIに、シミュレーターへのアクセス権限を与えてください。僕がそう願う理由は」
とここで、それに割く時間がもう残っていないことを思い出し、お姉さんから目線を外しその隣を見つめる。
「エイミィ、出来れば現れてくれないかな」
僕の目線の先、お姉さんの斜め後ろに控える形でエイミィが姿を現した。お姉さんはなぜかとても驚いていたが、恥ずかしげに身をすぼめるエイミィのため僕は今一度、勇者もどきになる決意をした。
「エイミィ、途中までは僕とエイミィの二人で、そしてハイ子が加わってからは三人でした会話のすべてを、紫柳子さんにお見せして欲しい。紫柳子さん、僕の頼みの諾否はその会話で決めてください。でもどうか、無理はなさらないでくださいね」
お姉さんは腰に両手を置き、出来の悪い弟の頼みに力を貸すしっかり者の姉のような、馴染み深い笑みを浮かべた。
「まったく君には降参する。このショップAIが営業スペース以外の場所に現れるためには、従業員か私の家族か、家族に準ずる者の指示でなければならぬよう設定したつもりだったが、もう一つあったことを君に思い出させてもらったよ。百万体に一体ほどの割合で出現するとされる、理論説明不可能な行動を採択するAIと言えば、七ッ星には理解できるかな?」
「はい、できます。帰りの道すがら、眠留にそれを説明します」
よろしく頼むと北斗に頷き、お姉さんは再び馴染み深い空気を纏った。
「解った、その頼み呑もう。七ッ星、二階堂、猫将軍、またぜひ遊びに来なさい。親戚の姉に顔を見せに来るつもりでいてくれると、私は嬉しい」
優しく微笑みかけるお姉さんへ、嬉しいやら畏れ多いやら哀しいやらで慌てふためきつつ、
「「ははは、はいい~~!!」」
僕らは調子はずれの返事をした。そんな僕らに、お姉さんが今日一番の笑顔で手を振る。僕らも身を乗り出しお姉さんに手を振り返す。エイミィが開けてくれたシャッターをAICAがくぐると、お姉さんもそれをまたいだ。そして僕らの姿がビルの向こうに消えるまで、お姉さんは両手を高々と掲げ、僕らに手を振り続けてくれたのだった。
それからしばらく、僕らはAICAの後部座席に黙って身を沈めていた。肉体疲労でも精神疲労でもない巨大な喪失感に襲われ、何もする気が起きなかったのである。
しかしAICAが地下高速に入ると、
「約束を果たさねばな」
北斗はそう呟き、量子AIについて説明を始めた。暗く沈んだAICAの中に、北斗の心地よい声が響く。さすが我らの、頼れるリーダーなのだ。
「身近な人とコミュニケーションを重ねるにつれ、AIに思考パターンという個性と、それに伴う相性が生まれるのは学術的に証明されている。とはいえ心を持たないAIにとって、相性は感情ではない。AIの思考パターンと似た性格の人とは会話速度が上がり、受け応えのバリエーションも増えるといった、演算効率の良さで説明可能な相性をAIは持つようになるのだ。ここまでで、何か質問はあるか?」
右隣の二階堂が左隣の北斗へ、「人間同士でも普通にある事だから、俺は不可解に思わないな」と答えた。そう二人は、外部から僕が見えにくくなるよう、僕を真ん中にしてAICAの後部席に座ってくれたのである。その感謝を胸に、僕は二階堂へ相槌を打った。北斗も「同意だ。そんなの不可解でもなんでも無いな」と肩をすくめ、先を続けた。
「しかし紫柳子さんが言ったように、百万体に一体ほどの割合で、演算効率だけでは説明不可能な行動をとるAIが出現する。もちろん法律や所有者の命令に背かない範囲に限定されるが、その説明のためには、人間だけが持つとされるあるモノを用いねばならない。逆に言うと、それを持つ人間にとっては、AIのその行動は不思議でもなんでもない当たり前のこととなる。そのモノこそが、好意なんだよ」
「へ? AIは好意を持っていないの?」
意外過ぎる話を耳にしたせいで、僕は北斗の説明を遮り質問してしまった。それに気づき赤面しかけるも、北斗がそれを不快に思っていないことを気配から察した僕は、勇気を出して質問の続きを投げかけた。
「ウチのHAIもハイ子も、僕や僕の家族に好意を寄せているように感じるのは、錯覚なの?」
北斗は両方の掌をゆるやかに振ってから、「紫柳子さんのショップAIの名前は、エイミィでいいんだっけ」と尋ねた。僕を落ち着かせるべくワンクッション置いた北斗へ、「うんそうだよ。呼んでないのに現れたハイ子にちゃかされて、僕が付けたんだ」と答える。すると北斗は目を見開き、次いで親指をこめかみに当て、円を描くようにグイグイ押し始めた。その様子に、湖校の会議室で僕もこめかみをマッサージした記憶が蘇るも、両者に関連性などあるはずないと思い返し、それを意識の外へ追いやった。その直後、北斗はマッサージを止め、誠実そのものの眼差しを僕に向けた。
「所有者の意思以外でハイ子が現れるのは、危険や不都合が迫っている場合のみなのだが、今は止めておこう。眠留の問いに、AIの会話機能だけを用いて答えるとこうなる。『会話の流れから人へ好意を示す場面だと判断したAIは、その場に最も相応しい表現を選択し、それを実行する』 量子コンピューターの高性能未来予測と多種多様な表現から、自然に会話していると人は錯覚するだけなんだよ」
残念脳味噌を持つ僕にいつも誠実な対応をしてくれる北斗へ、僕なりの譬えを一つ挙げることで、僕はせめてものお礼をした。
「ええっと、百年前のSF映画に出てくるロボットは、返事に必ず時間がかかり、しかもお決まりのセリフを棒読みするだけだから、人間ではないという印象を強く受ける。だから逆に、豊富なバリエーションで滑らかに受け答えされると、人工知能でないという印象を無意識に抱いてしまう。みたいな感じなのかな」
だが返事を待たず、いや待てず、僕は力尽き肩を落とした。実の姉とも思ってきた、HAI。僕を兄のように慕ってくれる、ハイ子。そして今日仲良くなった、エイミィ。これらのAIは、ただの計算で僕とやり取りしていただけだった。その事実に、気落ちし項垂れずにはいられなかったのである。しかしそんな僕の右側から「こら、早とちりするな」という、二階堂の陽気な声がかかった。
「ったく早とちりすんなよ。エイミィはお前に好意を持っていたからこそ、紫柳子さんの命令を無視してガレージに現れたんじゃないか。そうだよな、北斗」
そうだった、他ならぬお姉さん自身がそう言ってくれたんだった。それを思い出し、僕はすがるように北斗を見あげた。だが北斗は僕と二階堂を、きっぱり否定する。
「いや、それは無い。法律違反なため従えません等の拒絶を示すことはあっても、AIが所有者の命令を無視することは絶対ない。量子コンピューターの天文学的表現パターンをもってしても、命令を無視するという選択肢は、一つも存在しないんだよ」
その絶対的確信に裏付けされた北斗の回答に僕は絶句した。かろうじて二階堂が、北斗へ異を唱える。
「で、でもなあ、事実エイミィは猫将軍の呼びかけに応えてガレージに現れたじゃないか。北斗、矛盾してないか?」
「そう、まさにそれこそがさっきの『人間にとっては当たり前の、不思議でもなんでもないこと』に繋がるんだよ。二階堂、考えてみてくれ。仮にエイミィが人間の女の子で、眠留に恋心を抱いていたら、エイミィはお店で仕事をしながら何を考えていただろう」
なんだそのつまらん質問は、と二階堂は肩をすくめた。
「仕事中でも大好きな人のことが頭を離れず、心の片隅でずっと想い続けている。そんなの、決まってるじゃんか」
僕の頭越しに交わされる二人の友の会話内容に、「項垂れていて良かった」と僕は密かに胸をなでおろした。下を向くことで顔の火照りを隠す僕をよそに、二人は会話を進めてゆく。
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