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第四章 第三節 Z.P.G.(25世紀のルール)
第979話 マガンジーに追いつきます
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メインはこちらだ——
クララは亜獣が月基地方面にも現われたという報を聞いても、焦りや動揺などは感じなかった。
あちらに現われたのは、分身部分、もしくは分岐された亜獣の部位のなにかだ。そう、前回、自分たちが相手にしたエンアイムの腕のようなもの。こちらの本体を倒してしまえば、たちまち力をうしない、無力化してしまうはずだ。
『タケルさん。マガンジーに追いつきます!』
はやくわたしに指示を! そういう決意をこめてクララは力強く叫んだ。
「ムチでヤツのからだを力いっぱい打ちつけてくれないか?」
「ムチで? ロングソードで貫いたほうが……」
「ヤツのからだの組成がどれくらい強固か知りたい。バラバラになりやすい身体が、ムチを叩きつけるだけで、どれくらい変化するかだ」
「了解しましたわ」
クララはセラ・ジュピターの腰部分からムチを引き抜くと、からだを前のめりに沈み込ませた。すでに100メートルほど前を飛んでいるマガンジーを、上空からロックオンしている。二百メートルほど下に下降すれば、背後から組みつける位置だ。
「ではわたしが一番槍ならぬ、一番鞭をふるいます。タケルさん、うしろから続けざまに攻撃をしますか?」
「あ、うん。状況次第では攻撃をしかけるつもりだ」
「ではくれぐれも遅れないようしてくださいね」
そう言いながら、クララはすこし高揚するのを感じていた。自分がヤマト・タケルを手玉にとっているような気分になれたからだ。
おこがましい。
すぐに心で否定したが、わくわくは静まりそうもなかった。
地上から20メートルほど上空を慣性で移動しているマガンジーの背中が近づいてくる。セラ・ジュピターがもつ柄からムチ部分が飛び出し伸びる。そのムチが全部伸び切る前に、クララはムチをおおきく振りかぶった。
そしてマガンジーにむかって、勢いよくしならせた。
驚いたことに背中の肩口をうちつけたムチは、マガンジーの腕を肩から吹き飛ばした。おどろいたことにたった一撃で簡単に体躯を切り裂いたのだ。あまりにあっけなかったので、クララはおもわずモニタ画面の向こうにいるヤマトに、説明を求めるような視線をむけた。
「クララ、地上へ着地してくれ! ぼくはあいつを叩き切る!」
ヤマトはサムライ・ソードを引き抜いて、急降下したスピードのままマガンジーに斬りかかった。
剣が一閃される。
マガンジーの首が刎ねとんだ。
ふわりとした放物線を描いて、マガンジーの頭は月の表面に落ち、二、三度跳ねてとまった。
『まさか! こんなにもあっけない……』
クララは亜獣が月基地方面にも現われたという報を聞いても、焦りや動揺などは感じなかった。
あちらに現われたのは、分身部分、もしくは分岐された亜獣の部位のなにかだ。そう、前回、自分たちが相手にしたエンアイムの腕のようなもの。こちらの本体を倒してしまえば、たちまち力をうしない、無力化してしまうはずだ。
『タケルさん。マガンジーに追いつきます!』
はやくわたしに指示を! そういう決意をこめてクララは力強く叫んだ。
「ムチでヤツのからだを力いっぱい打ちつけてくれないか?」
「ムチで? ロングソードで貫いたほうが……」
「ヤツのからだの組成がどれくらい強固か知りたい。バラバラになりやすい身体が、ムチを叩きつけるだけで、どれくらい変化するかだ」
「了解しましたわ」
クララはセラ・ジュピターの腰部分からムチを引き抜くと、からだを前のめりに沈み込ませた。すでに100メートルほど前を飛んでいるマガンジーを、上空からロックオンしている。二百メートルほど下に下降すれば、背後から組みつける位置だ。
「ではわたしが一番槍ならぬ、一番鞭をふるいます。タケルさん、うしろから続けざまに攻撃をしますか?」
「あ、うん。状況次第では攻撃をしかけるつもりだ」
「ではくれぐれも遅れないようしてくださいね」
そう言いながら、クララはすこし高揚するのを感じていた。自分がヤマト・タケルを手玉にとっているような気分になれたからだ。
おこがましい。
すぐに心で否定したが、わくわくは静まりそうもなかった。
地上から20メートルほど上空を慣性で移動しているマガンジーの背中が近づいてくる。セラ・ジュピターがもつ柄からムチ部分が飛び出し伸びる。そのムチが全部伸び切る前に、クララはムチをおおきく振りかぶった。
そしてマガンジーにむかって、勢いよくしならせた。
驚いたことに背中の肩口をうちつけたムチは、マガンジーの腕を肩から吹き飛ばした。おどろいたことにたった一撃で簡単に体躯を切り裂いたのだ。あまりにあっけなかったので、クララはおもわずモニタ画面の向こうにいるヤマトに、説明を求めるような視線をむけた。
「クララ、地上へ着地してくれ! ぼくはあいつを叩き切る!」
ヤマトはサムライ・ソードを引き抜いて、急降下したスピードのままマガンジーに斬りかかった。
剣が一閃される。
マガンジーの首が刎ねとんだ。
ふわりとした放物線を描いて、マガンジーの頭は月の表面に落ち、二、三度跳ねてとまった。
『まさか! こんなにもあっけない……』
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