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第四章 第三節 Z.P.G.(25世紀のルール)

第952話 ヤマト、ウルスラとミサトに謝る

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 次の日の朝、ウルスラ・カツエ総司令と捷瀬美聡かつらいみさと司令が、急きょパイロットルームを訪れることになった。
 前回、グレーブヤード・サイトというヴァーチャル世界で、ドラゴンズ・ボールを奪取を繰り広げたとき同様、ふたりは血相を変えているものだと思っていたが、今回はまったくの平静を保っていた。
 まるで散歩のついでに思い出したように、立ち寄った、とでも言わんばかりに見えた。

「ドラゴンズ・ボールの件ですね?」 
 ヤマト・タケルは白を切っても仕方がないとわかっていたので、ズバリ直球を投げ込むことにした。異国の地とはいえ、あれだけ大暴れしたのだから、彼らの耳に入らないことなどありえない。

「ヤマトタケル、話が早いな。イタリアのシチリアで起きた大騒動……」
「ウルスラ総司令、カツライ司令。ぼくたちは謝らなければなりません」
 ヤマトはウルスラの問いかけをさえぎって、先手を打った。

「最後のドラゴンズ・ボールをうしなってしまいました」
「うしなった? タケル、うしなったって、取り返されたってこと?」
「いえ。火山に落としてしまって、溶解してしまったんです」

 ウルスラとミサトが顔を一瞬みあわせた。

「グレーブヤード・サイトのときのように、ぼくらの力で取り戻そうとがんばったんですけどね。おかげで全部揃えることができなくなりました」
 ヤマトはしれっとした口調で続けた。

「しかたないでしょ。相手の犯罪集団『グランディス』がしつこかったんだから」
 アスカが憤慨するような口ぶりで言うと、ユウキもヤマトを援護した。
「元はと言えばわたしの警備の失敗を、みんなが挽回しようと手伝ってくれたのです。残念な結果になりましたが、タケルくんを責めないでもらえますか」

「ユウキさんだけの失敗ではありませんでしてよ。わたしもグランディスの作戦を防げなかったのですから。こんな結果になって残念ですわ」
 クララは悔しさをにじませる様子を装うと、レイはひとごとのように冷静に言い放った。
「あれだけの攻撃を受けたら、取り戻されなかったよりマシだったと思う」
  
「マシ? レイ、それ本気で言ってる?」
 ミサトが声をすこしだけ荒げた。
「ええ、ミサト。あのドラゴンズ・ボールは、犯罪に使われていた。地下犯罪の元凶に盗まれた軍事機密が使われ続けるのをとめることができた。それだけでもよかったと思う。それともミサトは犯罪に使われ続けても、存在したほうがよかった?」

「あ、いえ……レイ、そうは言ってないわ。あれが犯罪組織の地下ドラッグとして使われているのではないか、って国際連邦でも問題視されていたのはたしかだから……」
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