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第三章 第三節 進撃の魔法少女
第502話 舎利弗小人(とどろきしょうと)が戻ってきているのか
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「ああ。一群と二群の差はメディアやAIの通知で喧伝されているとおりかね?」
「はい。その通りであります」
「ということは、一群は小型の亜獣といってもよい存在なのだね。『移行領域(トランジショナル・ゾーン)』のベールを展開して、こちらの世界の通常兵器を封印する力がある。完全ではないとは言えないけどね。そして二群は、その一群の成れの果てで、ばらばらになったからだのパーツを寄せ集めたただの異形の化物にすぎない……」
「おおむねその通りであります。今、市中で暴れているのがその二群で、そいつらは見た目は異様ですが、一群とちがいこちら側の兵器で駆逐することが可能です。ただ……」
「魔法少女の武器は一群とおなじように持っている……。あらゆるものを分解、解体する光線を放つことができる光線を。そうだね」
「はいっ。その射程距離は5メートル程度とされています」
「その数字はどこから?」
「タケルくんとレイのおかげよ」
ブライトとトグロの軍務報告のような会話を横で聞きながら、李子はたまらず割って入った。
「タケルとレイが?」
「えぇ。これは一般には伏せられているけど、レイが分解光線の存在を、タケルくんがその光線のおおよその射程距離を解明したの」
「そうなのか……」
ブライトの顔つきがすこし軍人っぽい険しいものに変わった。その感情の変化がなにによるものかはわからなかったが、おびえた目つきや生気に欠けた顔つきより数倍ましだ。
「ちなみに一群の魔法少女であっても、四方八方からの一斉攻撃でなら倒せる、と見いだしたのもタケルくんらしいわ。それと草薙大佐もね」
「わたしも草薙大佐から、あの魔法少女のベールはどんなに多くても、四方向までしか遮蔽できないと聞いています」
うかつに草薙の名前をだしたせいで、トグロがそれに反応して会話に加わってきた。
「つまり、前後・左右・上下のどこかに隙ができる、ということだね」
「リンがデミリアンと同等の能力だと言えば。わかるはずだ、って言ってたわ」
李子はリンの名前を出してブライトの気をひいてみた。
「リンが?。アイダ先生。あなたはなにかを言付かってきたのかね?」
「いいえ。リンからはなにも……。まぁ、ショートからはひとこと言付かってきましたけど……」
「ショート?。舎利弗・小人《とどろき・しょうと》が戻ってきているのか?。彼女はなんと言ってる?」
「ブライト中佐。申し訳ないですが、それを伝えて良いかどうかは、このあとのカウンセリングの経過しだいとさせてもらうわ。ただ、リンは5機のデミリアンの管理に手をやいて、ショートを呼び戻したの。リンを責めないであげてね」
「責める?。なぜわたしがリンを責めることが……」
「リンはそういううしろめたさを持ってるってことよ」
李子は静かにそう言ってから、テーブルを軽く叩いてから声を弾ませた。
「さぁ、おしゃべりはここまでにしてカウンセリングをはじめましょう」
そのとき、突然、外で銃を発射する音が鳴り響いた。
「はい。その通りであります」
「ということは、一群は小型の亜獣といってもよい存在なのだね。『移行領域(トランジショナル・ゾーン)』のベールを展開して、こちらの世界の通常兵器を封印する力がある。完全ではないとは言えないけどね。そして二群は、その一群の成れの果てで、ばらばらになったからだのパーツを寄せ集めたただの異形の化物にすぎない……」
「おおむねその通りであります。今、市中で暴れているのがその二群で、そいつらは見た目は異様ですが、一群とちがいこちら側の兵器で駆逐することが可能です。ただ……」
「魔法少女の武器は一群とおなじように持っている……。あらゆるものを分解、解体する光線を放つことができる光線を。そうだね」
「はいっ。その射程距離は5メートル程度とされています」
「その数字はどこから?」
「タケルくんとレイのおかげよ」
ブライトとトグロの軍務報告のような会話を横で聞きながら、李子はたまらず割って入った。
「タケルとレイが?」
「えぇ。これは一般には伏せられているけど、レイが分解光線の存在を、タケルくんがその光線のおおよその射程距離を解明したの」
「そうなのか……」
ブライトの顔つきがすこし軍人っぽい険しいものに変わった。その感情の変化がなにによるものかはわからなかったが、おびえた目つきや生気に欠けた顔つきより数倍ましだ。
「ちなみに一群の魔法少女であっても、四方八方からの一斉攻撃でなら倒せる、と見いだしたのもタケルくんらしいわ。それと草薙大佐もね」
「わたしも草薙大佐から、あの魔法少女のベールはどんなに多くても、四方向までしか遮蔽できないと聞いています」
うかつに草薙の名前をだしたせいで、トグロがそれに反応して会話に加わってきた。
「つまり、前後・左右・上下のどこかに隙ができる、ということだね」
「リンがデミリアンと同等の能力だと言えば。わかるはずだ、って言ってたわ」
李子はリンの名前を出してブライトの気をひいてみた。
「リンが?。アイダ先生。あなたはなにかを言付かってきたのかね?」
「いいえ。リンからはなにも……。まぁ、ショートからはひとこと言付かってきましたけど……」
「ショート?。舎利弗・小人《とどろき・しょうと》が戻ってきているのか?。彼女はなんと言ってる?」
「ブライト中佐。申し訳ないですが、それを伝えて良いかどうかは、このあとのカウンセリングの経過しだいとさせてもらうわ。ただ、リンは5機のデミリアンの管理に手をやいて、ショートを呼び戻したの。リンを責めないであげてね」
「責める?。なぜわたしがリンを責めることが……」
「リンはそういううしろめたさを持ってるってことよ」
李子は静かにそう言ってから、テーブルを軽く叩いてから声を弾ませた。
「さぁ、おしゃべりはここまでにしてカウンセリングをはじめましょう」
そのとき、突然、外で銃を発射する音が鳴り響いた。
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