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第三章 第二節 魔法少女大戦
第339話 亜獣の能力の優劣はわからない。でも凄い
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「で、そのもう一体はどんなヤツだと思う?」
ミサトはリンが専権事項なるものを聞き出すのは難しいと判断した。ならばそこから導きだされる『見解』だけでもものにする方向へシフトすることにした。
「わからないのよ。これは本当。でもあれだけの数の魔法少女に遠隔で『移行領域(トランジショナル・ゾーン)』の力を分け与えることができるのだから、半端ない能力をもった亜獣なのは確か」
「それってすごいの?。だってデミリアンも使うでしょ」
「亜獣の能力の優劣はわからない。でもデミリアン担当者からすると、そう、スゴイなんてものじゃないってとこね」
「そんなに!」
「ええ。だから、強力な雷を発生させる能力をもつイオージャが、もうひとつそんな強力な能力を持っていて同時に使えるなんて、ちょっと考えづらいのは確か」
「そうよね。過去の亜獣で複数の能力をもっていると確認された亜獣は、たしか……、22体。全体の4分の1ってとこよね」
「さすがね、ミサト。しっかりと勉強済ね。ただ、複数の能力といっても、そのほとんどは体の特徴によるものなの。尻尾が長いとか、噛みつく力が強いとかね。あんな強力で特徴的な力を併せもっているっていうのはイレギュラーすぎる」
「つまり、それで、あなたの持っている秘密の情報をつきあわせたら、もう一体いる可能性に合理的説明がつくと判断したわけね」
ミサトは先ほどさらりとうけ流したはずのことを、蒸し返して皮肉っぽく言った。自分でもすこししつこいとは思うが、専権事項なるものを素直に受け入れるほど、ぬるい役職にいるわけではない。
「えぇ、まぁ……。そういうことになるかしら」
「じゃあ、最初に戻るけど。あなたはその亜獣がどんなヤツだとおもってるの?。想像や当てずっぽうで構わない」
「またそんな無茶を。ただ今のところ、ひとを魔法少女にして、羽根で空を飛ばせ、『移行領域(トランジショナル・ゾーン)』のベールを操れるようにして、人や物をバラバラにする能力がある……」
さらりと説明したリンのことばに、ミサトはとんでもない事実が紛れ込んでいるのに気づいて、ことばを遮った。
「ちょ、ちょっとぉ。なに言っているの?」
「なにを?。魔法少女の説明……」
「あなた今、ひとや物をバラバラにするって言ったわ」
リンの目がカッと見開かれた。ふだんポーカーフェイスを決め込んでいる彼女からは、想像だにつかないほど、ゾクッとするほど表情を変えたのがわかった。
ミサトはリンが専権事項なるものを聞き出すのは難しいと判断した。ならばそこから導きだされる『見解』だけでもものにする方向へシフトすることにした。
「わからないのよ。これは本当。でもあれだけの数の魔法少女に遠隔で『移行領域(トランジショナル・ゾーン)』の力を分け与えることができるのだから、半端ない能力をもった亜獣なのは確か」
「それってすごいの?。だってデミリアンも使うでしょ」
「亜獣の能力の優劣はわからない。でもデミリアン担当者からすると、そう、スゴイなんてものじゃないってとこね」
「そんなに!」
「ええ。だから、強力な雷を発生させる能力をもつイオージャが、もうひとつそんな強力な能力を持っていて同時に使えるなんて、ちょっと考えづらいのは確か」
「そうよね。過去の亜獣で複数の能力をもっていると確認された亜獣は、たしか……、22体。全体の4分の1ってとこよね」
「さすがね、ミサト。しっかりと勉強済ね。ただ、複数の能力といっても、そのほとんどは体の特徴によるものなの。尻尾が長いとか、噛みつく力が強いとかね。あんな強力で特徴的な力を併せもっているっていうのはイレギュラーすぎる」
「つまり、それで、あなたの持っている秘密の情報をつきあわせたら、もう一体いる可能性に合理的説明がつくと判断したわけね」
ミサトは先ほどさらりとうけ流したはずのことを、蒸し返して皮肉っぽく言った。自分でもすこししつこいとは思うが、専権事項なるものを素直に受け入れるほど、ぬるい役職にいるわけではない。
「えぇ、まぁ……。そういうことになるかしら」
「じゃあ、最初に戻るけど。あなたはその亜獣がどんなヤツだとおもってるの?。想像や当てずっぽうで構わない」
「またそんな無茶を。ただ今のところ、ひとを魔法少女にして、羽根で空を飛ばせ、『移行領域(トランジショナル・ゾーン)』のベールを操れるようにして、人や物をバラバラにする能力がある……」
さらりと説明したリンのことばに、ミサトはとんでもない事実が紛れ込んでいるのに気づいて、ことばを遮った。
「ちょ、ちょっとぉ。なに言っているの?」
「なにを?。魔法少女の説明……」
「あなた今、ひとや物をバラバラにするって言ったわ」
リンの目がカッと見開かれた。ふだんポーカーフェイスを決め込んでいる彼女からは、想像だにつかないほど、ゾクッとするほど表情を変えたのがわかった。
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