上 下
17 / 31
伝説の鳥

第17話「ピリャンの精霊」

しおりを挟む
-ビジャリカ湖(別名:石灰岩湖)-

ナウエル「あの湖は・・
だとするとここはピランの住処じゃないかな。」
 
ナウエル「ちょっと待ってて。」
 
ナウエルは木の上から飛び降りた。
 
 
-ビジャリカ山(別名:ピリャンの住処)-

アラウコには恒常的な溶岩湖を持つ、世界でも希少な火山が存在する。
※現在まで、この火山で金が採れたという情報はない。
 
ナウエル「昔訓練で来た時は確かこの辺りで・・」


ナウエルは洞窟に入って行った。
 
ナウエル「おっ、やっぱりあった!」
 
道なりに進んだ先には金の塊が所狭しと敷き詰められていた。
 
ナウエルが金の塊を抱えて、その場を後にしようとした。

その時・・
 
「待て!」
 
と神々しい声が洞窟内に鳴り響いた。
 
ナウエルの目の前に炎の柱が揺らめていた。
 
炎はナウエルに語りかけてきた。

 
「我はピリャンの精霊
ミリャ達を持ち帰るのであれば試練を受けてもらうぞ。」
 
ボクワっ!

爆発音と共に地面が割れ、ナウエルは捕まる場所もなく、地の底へ落ちて行った。

スタッ!
 
ナウエルは身を回転させながら、バランスを取り戻し、鮮やかに地の底へ着地した。
 
先ほどの位置から火柱が見下ろす様にナウエルに語りかける。
 
ピリャンの精霊「この炎が尽きるまで、我の元へ辿り着いてみよ。」
 
ナウエル「さっきのとこに戻ればいいんだね。」
 
ピリャンの精霊「左様、では行け。」
 
道なりに進むと、暗闇の中で蝙蝠が蠢いていた。
 
ナウエル「暗くて歩きづらいなぁ。」
 
さらに歩き続けると、蝙蝠の羽ばたきに混じって何か物音がした。
 
「ん?何か音がした様な・・」
 
その瞬間、ナウエルの頭上から物凄い勢いで何かが落ちてきた。
 
ナウエル「おっと!」

間一髪でナウエルは何かを躱わした。
 
ナウエルは落ちてきた物を手に取った。
 
ナウエル「これはセン・・コン・・?」
 
ピリャンの精霊「ほう、それを持つ事が出来るか。」

ナウエルがセンコンを持ちながら奥に進んでいく。
 
ザッザッ、パキッ!

ナウエルは何かを踏みつけた様だった。

地面に目をやると無数の白骨化した亡骸の様な物があたり一面に広がっていた。

 
ピリャンの精霊「ここで命を落とした者は50名。」
 
すると大勢の人影が現れた。

ナウエル「えっ、タワンティンスーユ兵がなんでここに?」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました

フルーツパフェ
大衆娯楽
 とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。  曰く、全校生徒はパンツを履くこと。  生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?  史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

戦国の華と徒花

三田村優希(または南雲天音)
歴史・時代
武田信玄の命令によって、織田信長の妹であるお市の侍女として潜入した忍びの於小夜(おさよ)。 付き従う内にお市に心酔し、武田家を裏切る形となってしまう。 そんな彼女は人並みに恋をし、同じ武田の忍びである小十郎と夫婦になる。 二人を裏切り者と見做し、刺客が送られてくる。小十郎も柴田勝家の足軽頭となっており、刺客に怯えつつも何とか女児を出産し於奈津(おなつ)と命名する。 しかし頭領であり於小夜の叔父でもある新井庄助の命令で、於奈津は母親から引き離され忍びとしての英才教育を受けるために真田家へと送られてしまう。 悲嘆に暮れる於小夜だが、お市と共に悲運へと呑まれていく。 ※拙作「異郷の残菊」と繋がりがありますが、単独で読んでも問題がございません 【他サイト掲載:NOVEL DAYS】

おもらしの想い出

吉野のりこ
大衆娯楽
高校生にもなって、おもらし、そんな想い出の連続です。

鈍亀の軌跡

高鉢 健太
歴史・時代
日本の潜水艦の歴史を変えた軌跡をたどるお話。

GAME CHANGER 日本帝国1945からの逆襲

俊也
歴史・時代
時は1945年3月、敗色濃厚の日本軍。 今まさに沖縄に侵攻せんとする圧倒的戦力のアメリカ陸海軍を前に、日本の指導者達は若者達による航空機の自爆攻撃…特攻 で事態を打開しようとしていた。 「バカかお前ら、本当に戦争に勝つ気があるのか!?」 その男はただの学徒兵にも関わらず、平然とそう言い放ち特攻出撃を拒否した。 当初は困惑し怒り狂う日本海軍上層部であったが…!? 姉妹作「新訳 零戦戦記」共々宜しくお願い致します。 共に 第8回歴史時代小説参加しました!

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

処理中です...