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レイノウェレンの戦い/後編
第8話「闇洗いのアマル」
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-ミチマ軍前線-
ミチマは目の前のヤナクナの群れを猛烈に叩き伏せていく。
スペイン兵達はヤナクナを盾に後方に位置し、ヤナクナが次々と葬られるのを、ただただ呆然と見る事しか出来なかった。
ミチマの眼前の群れが半数まで削れた頃、悍ましい殺気が漂い出した。
突如ミチマの脇腹に刃が飛び込んできた。
ミチマは刃を交わし、軌道の先を見たが人影すらなかった。
ミチマ「闇洗いだな。」
どこからともなく不気味な声が響き渡る。
「裏切り者、裏切り者・・・」
そして、また無軌道な無数の刃が襲いかかるが、ミチマは恐ろしい反応速度で刃を防いでいく。
ミチマ「ふん。気味が悪いだけではワシには勝てんぞ。」
ミチマの眼前に、陰気なオーラを纏った少年が姿を現した。
ミチマ「闇洗いのアマルよ。
タワティンスーユの影だった貴様が、また新しい権力の影となったか。」
アマルはゆらゆらと動きながら、幾つもの残像を生み出し、四方八方からミチマに襲いかかった。
カスティニャダ「化物には化物か。
あやつが相手でも敵わないだろうが、敵さんも簡単に勝つこともできまい。」
ロレンツォ「今の内に囲んじゃいますかね。」
ミチマとアマルの戦いは拮抗し、互いに決定打が出ないまま、悪戯に時が過ぎてゆく。
ミチマ「くっ、拉致があかんな。」
ミチマはアマルの残像を身に纏いながら周囲を移動している。
得物がぶつかる音を響きせながら。
ヤナクナ兵「ア、アマル様」
アマル「僕から離れて、巻き込まれて死んじゃうよ。」
ヤナクナ兵「は、はい、アマ・・」
ブシャー、血飛沫が飛び散る。
ミチマの纏う黒い霧は、血を撒き散らし、四肢を生み出しながら、周囲の群れを飲み込んでいった。
カスティニャダ「まるで二つの化け物が一つになり、敵味方構わず喰い散らかしている様だな・・」
ピジョルコ「着いたか。
ぬぅ、ミチマ様が危ない。即刻救出に行くぞ。」
ピジョルコの大斧は怒号と共に地を裂く。
ピジョルコは一振りで大勢を吹き飛ばしながら真っ直ぐに駆けていく。
タイエルは落ちてる装備や木々や石、そして死体さえも前方に放り投げ、進路を切り開いてゆく。
ヤナクナの群れは様々な物をぶつけられて、転倒している。
タイエルはただ真っ直ぐを見つめ、視界を良好にさせてのしのしと歩いている。
ピジョルコの双子の妹ヤマイは、
二挺の斧を自在に操り竜巻の如く、
蛇行しながらミチマの元へ向かっている。
切り刻まれる者、絶命する者、利き腕を失い無力化する者と、無差別に竜巻は様々な運命を生み落としていった。
ミチマは目の前のヤナクナの群れを猛烈に叩き伏せていく。
スペイン兵達はヤナクナを盾に後方に位置し、ヤナクナが次々と葬られるのを、ただただ呆然と見る事しか出来なかった。
ミチマの眼前の群れが半数まで削れた頃、悍ましい殺気が漂い出した。
突如ミチマの脇腹に刃が飛び込んできた。
ミチマは刃を交わし、軌道の先を見たが人影すらなかった。
ミチマ「闇洗いだな。」
どこからともなく不気味な声が響き渡る。
「裏切り者、裏切り者・・・」
そして、また無軌道な無数の刃が襲いかかるが、ミチマは恐ろしい反応速度で刃を防いでいく。
ミチマ「ふん。気味が悪いだけではワシには勝てんぞ。」
ミチマの眼前に、陰気なオーラを纏った少年が姿を現した。
ミチマ「闇洗いのアマルよ。
タワティンスーユの影だった貴様が、また新しい権力の影となったか。」
アマルはゆらゆらと動きながら、幾つもの残像を生み出し、四方八方からミチマに襲いかかった。
カスティニャダ「化物には化物か。
あやつが相手でも敵わないだろうが、敵さんも簡単に勝つこともできまい。」
ロレンツォ「今の内に囲んじゃいますかね。」
ミチマとアマルの戦いは拮抗し、互いに決定打が出ないまま、悪戯に時が過ぎてゆく。
ミチマ「くっ、拉致があかんな。」
ミチマはアマルの残像を身に纏いながら周囲を移動している。
得物がぶつかる音を響きせながら。
ヤナクナ兵「ア、アマル様」
アマル「僕から離れて、巻き込まれて死んじゃうよ。」
ヤナクナ兵「は、はい、アマ・・」
ブシャー、血飛沫が飛び散る。
ミチマの纏う黒い霧は、血を撒き散らし、四肢を生み出しながら、周囲の群れを飲み込んでいった。
カスティニャダ「まるで二つの化け物が一つになり、敵味方構わず喰い散らかしている様だな・・」
ピジョルコ「着いたか。
ぬぅ、ミチマ様が危ない。即刻救出に行くぞ。」
ピジョルコの大斧は怒号と共に地を裂く。
ピジョルコは一振りで大勢を吹き飛ばしながら真っ直ぐに駆けていく。
タイエルは落ちてる装備や木々や石、そして死体さえも前方に放り投げ、進路を切り開いてゆく。
ヤナクナの群れは様々な物をぶつけられて、転倒している。
タイエルはただ真っ直ぐを見つめ、視界を良好にさせてのしのしと歩いている。
ピジョルコの双子の妹ヤマイは、
二挺の斧を自在に操り竜巻の如く、
蛇行しながらミチマの元へ向かっている。
切り刻まれる者、絶命する者、利き腕を失い無力化する者と、無差別に竜巻は様々な運命を生み落としていった。
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