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一番大事なのは生き抜けるかどうかだと思うの。
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前略
猫に対してそんなに興味ないのに猫に好かれるお兄様
異世界トリップしたのに何の能力も無いことが判明してしまいました。
★異世界にトリップしましたが、何の能力も無くて生きるだけで精一杯です!★
宰相って威厳ある感じの人かな?って思ったけど、気さくな人なんだね。
役立たずかぁ、役立たず…
酷くない?
「ここまで数値が並み以下なのは初めてだよ。
魔力もない、魔力耐性も貧弱、剣弓槍などの戦闘スキルも磨いても光らなそうだし、頭脳面や戦略も…何でもない…」
私の顔を見て、宰相は顔色を悪くして目線を外した。
隣のホワイトさんも人の顔を見てびっくりした顔をしている。
お前の無表情キャラはどこ行った。
帰ってこい。
「いや、うん、すまなかった。」
宰相は何か謝ってきたんですが、なんですか?
さっきまで楽しそうでしたよね?
私が口を開こうとした時にホワイトさんは私の肩に手をおくと辞めておけというかのように首を横に振る。
なんだよ、何で般若を初めて見たみたいな顔してるんだよ。
私は空気が読めるはずの社会人、大人な対応を心がけなきゃね。
「それだけ適性が無いってなると、どうなるんですか?」
「ああ、前例が無いから難しい案件になる。
正直、君の状況だと城勤めは難しいだろう。
魔力も魔力耐性が無いものが仕事が出来るほど甘くは無いからな。」
「では、お願いが何個かあるのですが…」
「こちらで出来る事であれば何とかしよう。」
宰相は仕事モードに入ったのか、先程の少年のような雰囲気からキリッとイケオジモードになった。
「まず、住む場所が欲しいです。
仕事は斡旋してもらえると嬉しいです。
1ヶ月分生活できるお金と3着くらい服代、家で使う家具類を帰るお金は欲しいです。
給与が入るようになったら毎月いくらか返せるようにしていきます。
この国の住民である証みたいなのが有れば作ってください。
あと、この世界の文字を教えてくれる人を教師としてつけてください。」
私がお願いを言い出すと周りはポカンとした顔をした。
なんだ、何かおかしい事言ったか?
「い、いや、凄くしっかりした子だなと思ってな。」
「はあ、一応29歳ですし。
いつ帰れるか分からない状況なら、ここで生きて行く基盤は作らないと…」
「え、29!!??」
目の前の宰相、隣のホワイトさん、宰相の秘書、後ろの警備の人の声が重なった。
んだよ、よくある日本人は若く見える方式か?
これでも年重ねてんだよ。
生きるのに必死だよ。
宰相は意地悪そうな笑みを向けてきた。
まるで、こちらを試しているかのような雰囲気だ。
「なるほど、生きるために必要な物を欲しているだね。」
「そうですね。
この世界で家無しは辛いですし。」
「毎月暮らしていけるだけの保障は求めないのかい?」
「はい、保障が打ち切られた時に自分の立場が確立してない方が危ないですし。
大体、国からもらうお金って税金なケース高いですし。
税金払ってた人間としてはそのお金を使う方が心がつれぇわ。」
やっべ、最後口悪くなってぜ。
宰相は気にしていないようだ。
うんうん頷いて、嬉しそうに笑ってるし。
「いいだろう。
家はこの城の使用人用の部屋を提供しよう。
城下の部屋より質は高いから安心してくれ。
仕事は魔力がなくても問題ない物を探そう。
できれば、城のものが出入りするような場所が良いだろう。
国民である証明書を明日にでも渡せるよう手配しておく。
お金は渡すが返さなくてよい。
先程は失礼な態度をとってしまったので、詫びだと思ってくれ。」
お、おう。
聞いてる感じ、悪いことはなさそうだ。
であれば、このまま宰相の話を受けるとしよう。
本当なら契約書みたいなの欲しいけど、書いた文字は読めないので信じるしか無い。
「では、お願いします。
先生は用意してもらえるんですか?」
「それは、俺で用意しよう。」
私たちの話を聞いてるだけのホワイトさんが突然話に入ってきた。
「使い魔のルゼルをタチバナに当分ついてもらおう。
文字も読み書きできるし、護衛としても使えるから問題ないだろう。」
「ふむ、確かに護衛としても使えるなら良いな。
ではよろしく頼む。」
ルゼルたん!
つまり、猫たんが常にいてくれるんですか!!
それは素晴らしい!
「ホワイトさん、ありがとうございます。
ルゼルさんが一緒なのは助かります。」
そう、私は空気が読めるはずの社会人、今は発狂する時では無い。
「いやー、君がしっかりした人で良かったよ。
君の前に異世界人が2人きたが、結構大変だったからね。」
…は?
「あ、あの、他に異世界人いるんですか?」
私の発言に宰相はポカンとした顔をした。
この人、イケおじなのに所々可愛いな。
「今、異世界人は君を含めて3人いるぞ?」
その言葉を聞いて隣のホワイトさんを見る。
ホワイトさんは、久しぶりに無表情の顔をこちらに向けた。
「なんで教えてくれなかったんですか?」
「聞かれなかったから。」
うん、うん…
そこはさぁ!教えてよ!!
猫に対してそんなに興味ないのに猫に好かれるお兄様
異世界トリップしたのに何の能力も無いことが判明してしまいました。
★異世界にトリップしましたが、何の能力も無くて生きるだけで精一杯です!★
宰相って威厳ある感じの人かな?って思ったけど、気さくな人なんだね。
役立たずかぁ、役立たず…
酷くない?
「ここまで数値が並み以下なのは初めてだよ。
魔力もない、魔力耐性も貧弱、剣弓槍などの戦闘スキルも磨いても光らなそうだし、頭脳面や戦略も…何でもない…」
私の顔を見て、宰相は顔色を悪くして目線を外した。
隣のホワイトさんも人の顔を見てびっくりした顔をしている。
お前の無表情キャラはどこ行った。
帰ってこい。
「いや、うん、すまなかった。」
宰相は何か謝ってきたんですが、なんですか?
さっきまで楽しそうでしたよね?
私が口を開こうとした時にホワイトさんは私の肩に手をおくと辞めておけというかのように首を横に振る。
なんだよ、何で般若を初めて見たみたいな顔してるんだよ。
私は空気が読めるはずの社会人、大人な対応を心がけなきゃね。
「それだけ適性が無いってなると、どうなるんですか?」
「ああ、前例が無いから難しい案件になる。
正直、君の状況だと城勤めは難しいだろう。
魔力も魔力耐性が無いものが仕事が出来るほど甘くは無いからな。」
「では、お願いが何個かあるのですが…」
「こちらで出来る事であれば何とかしよう。」
宰相は仕事モードに入ったのか、先程の少年のような雰囲気からキリッとイケオジモードになった。
「まず、住む場所が欲しいです。
仕事は斡旋してもらえると嬉しいです。
1ヶ月分生活できるお金と3着くらい服代、家で使う家具類を帰るお金は欲しいです。
給与が入るようになったら毎月いくらか返せるようにしていきます。
この国の住民である証みたいなのが有れば作ってください。
あと、この世界の文字を教えてくれる人を教師としてつけてください。」
私がお願いを言い出すと周りはポカンとした顔をした。
なんだ、何かおかしい事言ったか?
「い、いや、凄くしっかりした子だなと思ってな。」
「はあ、一応29歳ですし。
いつ帰れるか分からない状況なら、ここで生きて行く基盤は作らないと…」
「え、29!!??」
目の前の宰相、隣のホワイトさん、宰相の秘書、後ろの警備の人の声が重なった。
んだよ、よくある日本人は若く見える方式か?
これでも年重ねてんだよ。
生きるのに必死だよ。
宰相は意地悪そうな笑みを向けてきた。
まるで、こちらを試しているかのような雰囲気だ。
「なるほど、生きるために必要な物を欲しているだね。」
「そうですね。
この世界で家無しは辛いですし。」
「毎月暮らしていけるだけの保障は求めないのかい?」
「はい、保障が打ち切られた時に自分の立場が確立してない方が危ないですし。
大体、国からもらうお金って税金なケース高いですし。
税金払ってた人間としてはそのお金を使う方が心がつれぇわ。」
やっべ、最後口悪くなってぜ。
宰相は気にしていないようだ。
うんうん頷いて、嬉しそうに笑ってるし。
「いいだろう。
家はこの城の使用人用の部屋を提供しよう。
城下の部屋より質は高いから安心してくれ。
仕事は魔力がなくても問題ない物を探そう。
できれば、城のものが出入りするような場所が良いだろう。
国民である証明書を明日にでも渡せるよう手配しておく。
お金は渡すが返さなくてよい。
先程は失礼な態度をとってしまったので、詫びだと思ってくれ。」
お、おう。
聞いてる感じ、悪いことはなさそうだ。
であれば、このまま宰相の話を受けるとしよう。
本当なら契約書みたいなの欲しいけど、書いた文字は読めないので信じるしか無い。
「では、お願いします。
先生は用意してもらえるんですか?」
「それは、俺で用意しよう。」
私たちの話を聞いてるだけのホワイトさんが突然話に入ってきた。
「使い魔のルゼルをタチバナに当分ついてもらおう。
文字も読み書きできるし、護衛としても使えるから問題ないだろう。」
「ふむ、確かに護衛としても使えるなら良いな。
ではよろしく頼む。」
ルゼルたん!
つまり、猫たんが常にいてくれるんですか!!
それは素晴らしい!
「ホワイトさん、ありがとうございます。
ルゼルさんが一緒なのは助かります。」
そう、私は空気が読めるはずの社会人、今は発狂する時では無い。
「いやー、君がしっかりした人で良かったよ。
君の前に異世界人が2人きたが、結構大変だったからね。」
…は?
「あ、あの、他に異世界人いるんですか?」
私の発言に宰相はポカンとした顔をした。
この人、イケおじなのに所々可愛いな。
「今、異世界人は君を含めて3人いるぞ?」
その言葉を聞いて隣のホワイトさんを見る。
ホワイトさんは、久しぶりに無表情の顔をこちらに向けた。
「なんで教えてくれなかったんですか?」
「聞かれなかったから。」
うん、うん…
そこはさぁ!教えてよ!!
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