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アヒル口とテヘペロ
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稽古が終わると香織は沙織と別れてひとりバイクを走らせていた。
いつものパン屋でミニチョコメロンパンを買って外のベンチで食べていると、田舎道に湘南ナンバーの車が入ってきた。
「ここ。天然酵母のパンが売ってるってとこ」
「ガッツリしたもんあるかな。オレ腹減ってるし」
車からカップルが出てきた。
湘南からわざわざ来たんだ。こんな田舎に…
楽しそうだ…
いいな。カップルって…
「そもそも運命の人とタイミングがズレるって最悪」
山本治三郎、現世では英語の杉本四郎のことだ。
「前世の妻が生徒でいるのに家庭をもってしまってるし…」
香織はリトルカブのキックペダルを踏み込むと帰路へ走り出した。
途中、中学生カップルとすれ違った。
初々しく楽しそうだ。
「中学は早いでしょ…」
すると今度は小学生カップルが楽しそうに歩いていた。
「小学生早すぎでしょ!」
嫉妬が込み上げてきたがすぐに冷静になった。
「ダメだ。やっかみが溢れてくる…」
「…でもいくらなんでも小学生は早い…と思う…」
翌日の放課後、香織は沙織宅、沙織の部屋にいた。
先日の勉強部屋と違い、ベッドがありマンガの本棚と武術本棚に囲まれ、L字ソファとテーブルがある。
テーブルにはお菓子と読みかけの少女マンガが積まれている。
普段の沙織の生活が想像できる部屋だった。
お菓子をつまみながらマンガをソファに寝そべって読む。
ただL字ソファは普通の高校生の部屋にはないだろ…
いい感じのところにクッションがあり、香織は思わず頭を載せてみた。
「フカフカ!」
沙織も香織がどうするのかなんとなく見ていると香織はソファに両足を載せ横たわった。
ウトウトして両目が閉じた。
「ぐ~…」
沙織がツッコむ。
「寝るな!初めて来た人の部屋で!」
「ごめんごめん。心地よかったから」
「まったく何しにきたんだか…」
「ぐ~…」
沙織が横を向くとまた香織が寝始めた。
「寝るなっちゅうの!まったく」
香織がわざとらしくウィンクして舌を出した。
「テヘペロ!」
「テヘペロじゃない!なにテヘペロって。古いし許さないし。うちテヘペロ禁止だから」
「そんな禁止令あるの?」
「ある。ただしアヒル口でテヘペロだったら許す」
香織がアヒル口をしてみた。
「それはアヒル口じゃなくてくちばしだから」
「やかましいわ」
香織が低い声でツッコんだ。
いつものパン屋でミニチョコメロンパンを買って外のベンチで食べていると、田舎道に湘南ナンバーの車が入ってきた。
「ここ。天然酵母のパンが売ってるってとこ」
「ガッツリしたもんあるかな。オレ腹減ってるし」
車からカップルが出てきた。
湘南からわざわざ来たんだ。こんな田舎に…
楽しそうだ…
いいな。カップルって…
「そもそも運命の人とタイミングがズレるって最悪」
山本治三郎、現世では英語の杉本四郎のことだ。
「前世の妻が生徒でいるのに家庭をもってしまってるし…」
香織はリトルカブのキックペダルを踏み込むと帰路へ走り出した。
途中、中学生カップルとすれ違った。
初々しく楽しそうだ。
「中学は早いでしょ…」
すると今度は小学生カップルが楽しそうに歩いていた。
「小学生早すぎでしょ!」
嫉妬が込み上げてきたがすぐに冷静になった。
「ダメだ。やっかみが溢れてくる…」
「…でもいくらなんでも小学生は早い…と思う…」
翌日の放課後、香織は沙織宅、沙織の部屋にいた。
先日の勉強部屋と違い、ベッドがありマンガの本棚と武術本棚に囲まれ、L字ソファとテーブルがある。
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普段の沙織の生活が想像できる部屋だった。
お菓子をつまみながらマンガをソファに寝そべって読む。
ただL字ソファは普通の高校生の部屋にはないだろ…
いい感じのところにクッションがあり、香織は思わず頭を載せてみた。
「フカフカ!」
沙織も香織がどうするのかなんとなく見ていると香織はソファに両足を載せ横たわった。
ウトウトして両目が閉じた。
「ぐ~…」
沙織がツッコむ。
「寝るな!初めて来た人の部屋で!」
「ごめんごめん。心地よかったから」
「まったく何しにきたんだか…」
「ぐ~…」
沙織が横を向くとまた香織が寝始めた。
「寝るなっちゅうの!まったく」
香織がわざとらしくウィンクして舌を出した。
「テヘペロ!」
「テヘペロじゃない!なにテヘペロって。古いし許さないし。うちテヘペロ禁止だから」
「そんな禁止令あるの?」
「ある。ただしアヒル口でテヘペロだったら許す」
香織がアヒル口をしてみた。
「それはアヒル口じゃなくてくちばしだから」
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香織が低い声でツッコんだ。
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