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おじさん♡拐われます②

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アレックス♡

そして、朝日が登る頃…

クラウディア様は、御触れを出された。
『リリィとルーランス王の御婚約が内定』

あまりに突然の吉報である。

女王が城下町の人々は寝耳に水で、蜂の巣を突いた様な大騒ぎとなった。

歓喜に沸く民衆は、続々と教会に集まって来た。
Ω女王を女神として信仰する彼らは、そこで神託を待つかの如く待ち侘びている。

やがて、大聖堂のバルコニーより、彼らの領主が現れた。

そうして、ルイス王は晴れやかに!
演説をぶったのだった。

「いよいよ、時は満ちました。我らがルイスは『西欧のリリィ』を挙げます」
大聴衆は響めき、そして歓声を上げた。

「ルイスが首都にて開催する花祭りにて、その婚約は華々しく披露される」
やはり!
花祭りをその様な目的でお使いになるのだ。

「既に婚約者は花嫁をお迎えに参られた。ただ今より、リリィの護衛にお付きになって首都へと導かれます」
なんと!
余りにも性急ではないか。

…徹底している。
皆様は絶対にどうあろうとも。事を完遂なさる御心算だ。

「これは、実に目出度い事!さあ、皆の者!心してご準備召されい」
…それは、なんとも、華々しい行進になろう。

領主の命を受け、民は我先にと沿道へ詰めかける。
リリィの御見送りをするために、花道を作るのだ。

ありったけの花弁を石畳みが見えぬ程にまで、撒き散らさねばならない。
それはなんとも楽しい仕事であろう。

初御目見えの女王と評判の名君を直に拝見する事は、非常なる幸運である。

浮かれた民達は、酔った様に噂話しにも花を咲かせた。

「若君の御乱心には、肝を冷やしたが…」
「ようやっと聞き分けて下されて、良かった」

セバスティアンとマクシミリアンの暴挙は、もはや公然のものだった。
彼らは国中を敵に回し、奮闘していたのだ。

「ルーランス王は素晴らしい男振りだそうだ」
「それに優れた能力者であり、長命でもあられる」

人々は幸福の熱に浮かされていく。
それは熱病のように、瞬く間に伝染した。

「申し分の無い縁組みだ!」
「西欧に春が来ようぞ!」
そして、全てを熱狂で飲み込んでしまう。

視作生の不幸も!
セバスティアンとマクシミリアンの不遇も!

大いなる希望の影で、打ち消されようとしている。

そして威厳に満ち溢れし領主殿が、豪奢なる金の巻き毛を背中に垂らし、悠然と現れた。

丈高く、勇ましく、類稀なる美貌の王は…
その麗しさと尊さで、人々を一瞬のうちに魅了した。

そして、ルーランス王は堂々と!

潤しの花嫁を抱き…

優雅にお連れ去り召された。

\\\٩(๑`^´๑)۶////
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