40 / 75
第十四節気 処暑
初候――綿柎開(わたのはなしべひらく)
しおりを挟む
突然の再会――元の主が揃った家は数日、宴会のような賑やかさだった。入れ替わり立ち替わり訪問客がやって来て、祖父母の帰りを歓迎した。
本当に愛されていたのだなと、その光景に暁治は驚きもしたが、誇らしい気持ちにもなる。
毎夜の宴で、英恵とともに台所でてんてこ舞いではあったけれど、それもまた楽しいひと時だった。さてそろそろ帰るか、そう言われた時には、寂しい気持ちになってしまった。
「はるちゃんの元気な顔が見られて良かった」
「うん。会えて良かったよ」
「元気でね」
優しくぽんぽんと腕に触れた手。見た目は年若い女学生だが、そのぬくもりに記憶にある祖母の姿が重なる。唇を引き結べば、表情の意味を悟るように、やんわりと目が細められた。
「ばあちゃん、そろそろ行くにゃ」
「はいはい」
いつまでも顔を見合わせていると、玄関戸の向こうからキイチが顔を出す。視線を持ち上げたら、その先にいるつっくん――祖父とも目が合った。
「はる、この場所に縛られんでええからな」
「え?」
「おまんは自由に生きたらええ。まあ、とりあえずはあけみーと仲良くな」
ニッと笑みを浮かべたその表情に、先日のやり取りを思い出す。しかし思わず隣を見たが、いつもなら騒がしい朱嶺が口を噤んで黙っている。寂しいと感じていたのは自分だけではなかったかと、暁治はしょんぼりとした肩を叩いた。
「じゃあ、行ってくるにゃ」
「おう、キイチ頼んだぞ」
提灯を持ったキイチがぶんぶんと手を振る。それを見送れば、小さな二つの背中も門の向こうへ消えてしまった。ぼんやりとなにもない場所を見つめ、残された二人はふっと息をつく。
それに気づいてお互いの顔を見ると、朱嶺はへにゃりと笑った。その泣き笑いみたいな顔に自然と手が伸び、赤朽葉色の髪をガシガシと撫でた。自分の行動に驚きつつも、暁治は見上げてくる視線に笑みを返す。
「さあ、掃除して昼飯の準備だ」
「お昼ご飯はなに?」
「そうだなぁ。ちょっと面倒だし、冷茶漬けにするか。ばあちゃんが作ってくれた漬け物と、ミョウガと、あと適当に」
「いいね」
「そういや桃は?」
見送りに出てこなかった小さな同居人を探すと、仏壇の前にちょこんと座っていた。小さな頭を撫でてやれば、顔を持ち上げる。眉尻が下がった寂しそうな顔。帰ってしまうその姿を見るのが悲しくて、顔を出せなかったのだなとわかる。
隣に座り線香に火を付けて、両手を合わせた。そういえば初盆だったと、いまごろになって思い出し、もっと準備をしておけば良かったと反省をする。
「みゃあっ」
「お、寝ぼすけは起きたか」
「みゅ~」
鳴き声に振り返ると、小さな籠ベッドで寝ていた子猫が伸びをしていた。そしてくわっと口を大きく開けてあくびをしたと思えば、ピクピクと耳を動かし辺りを窺う。
ちょこちょこと居間へ歩いて行く姿を黙って見ていたら、また用心深く辺りを見回した。
「じいちゃんとばあちゃんならいないぞ」
「みっ!」
もしやと声をかけると、暁治の言葉がわかったのか、それともなにか感じ取ったのか、子猫はピンと尻尾を立てた。そしてぷりぷりとお尻を揺らして飛び上がる。
小さな身体がゴム鞠のようにあちこち飛び回る様を見て、暁治は呆気にとられた。
「大人しい子だと思ってたけど。あれか、幽霊がいて大人しくなってただけか?」
昨日まで部屋の隅でちんまりしていたのに、まるで大運動会でも繰り広げられているのかと、そう思うくらいの暴れっぷりだ。大人しすぎて心配ではあったが、これだけ元気ならば問題ない。
トタトタと駆け回る足音を聞きながら、部屋の掃除を始めることにした。
「ちびのくせに果敢だな」
ガーガーと掃除機をかけていると、子猫は興味津々な顔をして体当たりしてくる。小さな手で、ちょいちょいとアタックしてくる様子は微笑ましい。それに飽きたらまた部屋の中をぴょんぴょんと跳び回る。
猫はキイチくらいしか世話したことがなかったので、こんなにも元気なのかと驚く。しかし思えばあの当時のキイチは老猫だった。少しのんびりしたように見えたのはそのせいかもしれない。
「あー! もう! 駄目だよ!」
離れの自室まで掃除をし終わって、戻ろうとしたところで朱嶺の声が響いた。その声の先に向かえば、仏間の真ん中で子猫の首根っこを摘まんでいる。粗そうでもしたのかと思ったが、ふと目端に止まったものを見てなるほどと思った。
仏壇の前に置かれた座布団から綿がはみ出している。さながら綿花のようになっているそれに、暁治は苦笑いを浮かべた。
「俺は裁縫得意じゃないんだけどな」
「いいよ、僕がやるよ」
「ふぅん、できるんだ」
「はなちゃんが、男子たるもの裁縫くらいできなくてどうする! ってね」
大きな裁縫箱は、祖母の嫁入り道具の一つと聞いたことがある。浴衣や着物のみならず、洋服も縫ってしまう器用さだった。そんな祖母から仕込まれたという朱嶺はするりと針に糸を通す。
その様子を見ながら、あの小さな穴に通すことから大変なんだよなと思う。学校の授業で裁縫の経験はあるが、いつも宿題を母にやってもらっていた。
糸も通せない上にまっすぐ縫えないのだ。そんな暁治とは対照的に、朱嶺はすいすいと空いた穴を縫い合わせていく。
「はる、猫はどうする?」
「あー、そうだなぁ。元気そうだし、里親でも探すか」
しばらく腕組みをして唸ってから、思い立って暁治は自室からノートパソコンを持ってきた。居間のテーブルでそれを広げて猫、里親、募集したいなどと検索する。
出てきた結果を一つずつクリックして、きちりと管理されていそうなコミュニティを探した。
「車があるからちょっと遠くても届けられるな。雄だっけ? 雌?」
「女の子だったよ」
「何ヶ月だ?」
「お医者さんが一ヶ月くらいだって言ってたよ」
「まだ小さいけど大丈夫かな? 獣医さんにもお願いするか。夏休み中に見つかるといいけど」
規約を隅々まで眺めて、あれこれと悩みながら申し込みフォームに記入していく。そして体重はどうやって量ればいいのかと、キイチが毎朝やっていたことを思い返し、キッチンスケールを台所から持ち出した。
「あれ? ちびすけどこに行った?」
いざ体重をと思ったが、先ほどまで近くでうろちょろとしていた白い毛玉が見つからない。居間をぐるりと見渡すけれど、部屋の中にはいなかった。気づくと縫い物をしていた朱嶺の姿も見当たらず、首を捻りながら仏間を覗く。
しかし縫い終わった座布団が仏壇の前に置かれているが、そこにもいない。
「おーい、朱嶺?」
踵を返し居間を通り抜ける。縁側に続く障子を開くと、廊下の先に朱嶺の背中が見えた。なにかを覗き込むようにしているその背に近づけば、足音に気づいたのかこちらを振り向いた。
そして訝しげな顔をする暁治に「しー」っと人差し指を立てる。ますます首を捻りたくなるけれど、努めて足音を立てずに近づいた。
「あ、……桃、とちびすけ」
ぽかぽかと光が降り注ぐ縁側で、小さな一人と一匹はぴったりと寄り添って眠っている。子猫を抱きしめるように寝ている桃は、笑みを浮かべているように見えた。
なんとも言えないほんわりとした光景に、気持ちが和まずにはいられない。
「里親探しは、やめるか」
「うん、そうだねぇ」
「思えば桃は家でいつも一人だもんな」
座敷童は家につく妖怪だから、この家の中からは出られないと聞いた。庭に降りたところすら見たことがないので、本当にその中にしかいられないのだろう。出掛ける自分たちに笑みを見せているが、実は寂しく思っていたのかもしれない。
「名前はなににする?」
「せっかくだから桃につけてもらおう」
新しい我が家の住人を喜んでくれるといい。そんなことを思いながら、二人で可愛らしい寝顔を眺めた。
本当に愛されていたのだなと、その光景に暁治は驚きもしたが、誇らしい気持ちにもなる。
毎夜の宴で、英恵とともに台所でてんてこ舞いではあったけれど、それもまた楽しいひと時だった。さてそろそろ帰るか、そう言われた時には、寂しい気持ちになってしまった。
「はるちゃんの元気な顔が見られて良かった」
「うん。会えて良かったよ」
「元気でね」
優しくぽんぽんと腕に触れた手。見た目は年若い女学生だが、そのぬくもりに記憶にある祖母の姿が重なる。唇を引き結べば、表情の意味を悟るように、やんわりと目が細められた。
「ばあちゃん、そろそろ行くにゃ」
「はいはい」
いつまでも顔を見合わせていると、玄関戸の向こうからキイチが顔を出す。視線を持ち上げたら、その先にいるつっくん――祖父とも目が合った。
「はる、この場所に縛られんでええからな」
「え?」
「おまんは自由に生きたらええ。まあ、とりあえずはあけみーと仲良くな」
ニッと笑みを浮かべたその表情に、先日のやり取りを思い出す。しかし思わず隣を見たが、いつもなら騒がしい朱嶺が口を噤んで黙っている。寂しいと感じていたのは自分だけではなかったかと、暁治はしょんぼりとした肩を叩いた。
「じゃあ、行ってくるにゃ」
「おう、キイチ頼んだぞ」
提灯を持ったキイチがぶんぶんと手を振る。それを見送れば、小さな二つの背中も門の向こうへ消えてしまった。ぼんやりとなにもない場所を見つめ、残された二人はふっと息をつく。
それに気づいてお互いの顔を見ると、朱嶺はへにゃりと笑った。その泣き笑いみたいな顔に自然と手が伸び、赤朽葉色の髪をガシガシと撫でた。自分の行動に驚きつつも、暁治は見上げてくる視線に笑みを返す。
「さあ、掃除して昼飯の準備だ」
「お昼ご飯はなに?」
「そうだなぁ。ちょっと面倒だし、冷茶漬けにするか。ばあちゃんが作ってくれた漬け物と、ミョウガと、あと適当に」
「いいね」
「そういや桃は?」
見送りに出てこなかった小さな同居人を探すと、仏壇の前にちょこんと座っていた。小さな頭を撫でてやれば、顔を持ち上げる。眉尻が下がった寂しそうな顔。帰ってしまうその姿を見るのが悲しくて、顔を出せなかったのだなとわかる。
隣に座り線香に火を付けて、両手を合わせた。そういえば初盆だったと、いまごろになって思い出し、もっと準備をしておけば良かったと反省をする。
「みゃあっ」
「お、寝ぼすけは起きたか」
「みゅ~」
鳴き声に振り返ると、小さな籠ベッドで寝ていた子猫が伸びをしていた。そしてくわっと口を大きく開けてあくびをしたと思えば、ピクピクと耳を動かし辺りを窺う。
ちょこちょこと居間へ歩いて行く姿を黙って見ていたら、また用心深く辺りを見回した。
「じいちゃんとばあちゃんならいないぞ」
「みっ!」
もしやと声をかけると、暁治の言葉がわかったのか、それともなにか感じ取ったのか、子猫はピンと尻尾を立てた。そしてぷりぷりとお尻を揺らして飛び上がる。
小さな身体がゴム鞠のようにあちこち飛び回る様を見て、暁治は呆気にとられた。
「大人しい子だと思ってたけど。あれか、幽霊がいて大人しくなってただけか?」
昨日まで部屋の隅でちんまりしていたのに、まるで大運動会でも繰り広げられているのかと、そう思うくらいの暴れっぷりだ。大人しすぎて心配ではあったが、これだけ元気ならば問題ない。
トタトタと駆け回る足音を聞きながら、部屋の掃除を始めることにした。
「ちびのくせに果敢だな」
ガーガーと掃除機をかけていると、子猫は興味津々な顔をして体当たりしてくる。小さな手で、ちょいちょいとアタックしてくる様子は微笑ましい。それに飽きたらまた部屋の中をぴょんぴょんと跳び回る。
猫はキイチくらいしか世話したことがなかったので、こんなにも元気なのかと驚く。しかし思えばあの当時のキイチは老猫だった。少しのんびりしたように見えたのはそのせいかもしれない。
「あー! もう! 駄目だよ!」
離れの自室まで掃除をし終わって、戻ろうとしたところで朱嶺の声が響いた。その声の先に向かえば、仏間の真ん中で子猫の首根っこを摘まんでいる。粗そうでもしたのかと思ったが、ふと目端に止まったものを見てなるほどと思った。
仏壇の前に置かれた座布団から綿がはみ出している。さながら綿花のようになっているそれに、暁治は苦笑いを浮かべた。
「俺は裁縫得意じゃないんだけどな」
「いいよ、僕がやるよ」
「ふぅん、できるんだ」
「はなちゃんが、男子たるもの裁縫くらいできなくてどうする! ってね」
大きな裁縫箱は、祖母の嫁入り道具の一つと聞いたことがある。浴衣や着物のみならず、洋服も縫ってしまう器用さだった。そんな祖母から仕込まれたという朱嶺はするりと針に糸を通す。
その様子を見ながら、あの小さな穴に通すことから大変なんだよなと思う。学校の授業で裁縫の経験はあるが、いつも宿題を母にやってもらっていた。
糸も通せない上にまっすぐ縫えないのだ。そんな暁治とは対照的に、朱嶺はすいすいと空いた穴を縫い合わせていく。
「はる、猫はどうする?」
「あー、そうだなぁ。元気そうだし、里親でも探すか」
しばらく腕組みをして唸ってから、思い立って暁治は自室からノートパソコンを持ってきた。居間のテーブルでそれを広げて猫、里親、募集したいなどと検索する。
出てきた結果を一つずつクリックして、きちりと管理されていそうなコミュニティを探した。
「車があるからちょっと遠くても届けられるな。雄だっけ? 雌?」
「女の子だったよ」
「何ヶ月だ?」
「お医者さんが一ヶ月くらいだって言ってたよ」
「まだ小さいけど大丈夫かな? 獣医さんにもお願いするか。夏休み中に見つかるといいけど」
規約を隅々まで眺めて、あれこれと悩みながら申し込みフォームに記入していく。そして体重はどうやって量ればいいのかと、キイチが毎朝やっていたことを思い返し、キッチンスケールを台所から持ち出した。
「あれ? ちびすけどこに行った?」
いざ体重をと思ったが、先ほどまで近くでうろちょろとしていた白い毛玉が見つからない。居間をぐるりと見渡すけれど、部屋の中にはいなかった。気づくと縫い物をしていた朱嶺の姿も見当たらず、首を捻りながら仏間を覗く。
しかし縫い終わった座布団が仏壇の前に置かれているが、そこにもいない。
「おーい、朱嶺?」
踵を返し居間を通り抜ける。縁側に続く障子を開くと、廊下の先に朱嶺の背中が見えた。なにかを覗き込むようにしているその背に近づけば、足音に気づいたのかこちらを振り向いた。
そして訝しげな顔をする暁治に「しー」っと人差し指を立てる。ますます首を捻りたくなるけれど、努めて足音を立てずに近づいた。
「あ、……桃、とちびすけ」
ぽかぽかと光が降り注ぐ縁側で、小さな一人と一匹はぴったりと寄り添って眠っている。子猫を抱きしめるように寝ている桃は、笑みを浮かべているように見えた。
なんとも言えないほんわりとした光景に、気持ちが和まずにはいられない。
「里親探しは、やめるか」
「うん、そうだねぇ」
「思えば桃は家でいつも一人だもんな」
座敷童は家につく妖怪だから、この家の中からは出られないと聞いた。庭に降りたところすら見たことがないので、本当にその中にしかいられないのだろう。出掛ける自分たちに笑みを見せているが、実は寂しく思っていたのかもしれない。
「名前はなににする?」
「せっかくだから桃につけてもらおう」
新しい我が家の住人を喜んでくれるといい。そんなことを思いながら、二人で可愛らしい寝顔を眺めた。
0
お気に入りに追加
32
あなたにおすすめの小説
タイトル未定
みるきぃ
BL
前世で大好きだった少女漫画の推しキャラの親友かつ幼なじみに転生した俺。推しキャラの幸せのために幼少期から計画を立てて完璧な男に鍛え上げようと頑張る話。『悠生、愛してるよ』『君の方が気になる』いや、何か思ってたの違う。って話。
瀬をはやみ
怜悧(サトシ)
BL
花に嵐 第二部
10年後。
長谷川 西覇(はせがわ せいは)26歳 175cm 64kg
○帝大学 薬学部 助教授
アメリカの大学院を卒業し博士号をとり日本へ帰国後、○帝大学の助教授となる。
人間不信。人が苦手。
あまり表情を変えない、冷徹・冷血・冷静な人物と思われている。
瀬嵐 成春(せあらし しげはる) 27歳 182cm 75kg
製薬会社 開発部課長
快活な性格で部下からも慕われている。入社5年目で課長に大抜擢された。
新薬の販売に向けて、開発を熱心にすすめている。
表紙 藤岡ると
誕生日当日、親友に裏切られて婚約破棄された勢いでヤケ酒をしましたら
Rohdea
恋愛
───酔っ払って人を踏みつけたら……いつしか恋になりました!?
政略結婚で王子を婚約者に持つ侯爵令嬢のガーネット。
十八歳の誕生日、開かれていたパーティーで親友に裏切られて冤罪を着せられてしまう。
さらにその場で王子から婚約破棄をされた挙句、その親友に王子の婚約者の座も奪われることに。
(───よくも、やってくれたわね?)
親友と婚約者に復讐を誓いながらも、嵌められた苛立ちが止まらず、
パーティーで浴びるようにヤケ酒をし続けたガーネット。
そんな中、熱を冷まそうと出た庭先で、
(邪魔よっ!)
目の前に転がっていた“邪魔な何か”を思いっきり踏みつけた。
しかし、その“邪魔な何か”は、物ではなく────……
★リクエストの多かった、~踏まれて始まる恋~
『結婚式当日、婚約者と姉に裏切られて惨めに捨てられた花嫁ですが』
こちらの話のヒーローの父と母の馴れ初め話です。
婚約も結婚も計画的に。
cyaru
恋愛
長年の婚約者だったルカシュとの関係が学園に入学してからおかしくなった。
忙しい、時間がないと学園に入って5年間はゆっくりと時間を取ることも出来なくなっていた。
原因はスピカという一人の女学生。
少し早めに貰った誕生日のプレゼントの髪留めのお礼を言おうと思ったのだが…。
「あ、もういい。無理だわ」
ベルルカ伯爵家のエステル17歳は空から落ちてきた鳩の糞に気持ちが切り替わった。
ついでに運命も切り替わった‥‥はずなのだが…。
ルカシュは婚約破棄になると知るや「アレは言葉のあやだ」「心を入れ替える」「愛しているのはエステルだけだ」と言い出し、「会ってくれるまで通い続ける」と屋敷にやって来る。
「こんなに足繁く来られるのにこの5年はなんだったの?!」エステルはルカシュの行動に更にキレる。
もうルカシュには気持ちもなく、どちらかと居言えば気持ち悪いとすら思うようになったエステルは父親に新しい婚約者を選んでくれと急かすがなかなか話が進まない。
そんな中「うちの息子、どうでしょう?」と声がかかった。
ルカシュと早く離れたいエステルはその話に飛びついた。
しかし…学園を退学してまで婚約した男性は隣国でも問題視されている自己肯定感が地を這う引き籠り侯爵子息だった。
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★8月22日投稿開始、完結は8月25日です。初日2話、2日目以降2時間おき公開(10:10~)
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
王太子様には優秀な妹の方がお似合いですから、いつまでも私にこだわる必要なんてありませんよ?
木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるラルリアは、優秀な妹に比べて平凡な人間であった。
これといって秀でた点がない彼女は、いつも妹と比較されて、時には罵倒されていたのである。
しかしそんなラルリアはある時、王太子の婚約者に選ばれた。
それに誰よりも驚いたのは、彼女自身である。仮に公爵家と王家の婚約がなされるとしても、その対象となるのは妹だと思っていたからだ。
事実として、社交界ではその婚約は非難されていた。
妹の方を王家に嫁がせる方が有益であると、有力者達は考えていたのだ。
故にラルリアも、婚約者である王太子アドルヴに婚約を変更するように進言した。しかし彼は、頑なにラルリアとの婚約を望んでいた。どうやらこの婚約自体、彼が提案したものであるようなのだ。
愛されていないはずの婚約者に「貴方に愛されることなど望んでいませんわ」と申し上げたら溺愛されました
海咲雪
恋愛
「セレア、もう一度言う。私はセレアを愛している」
「どうやら、私の愛は伝わっていなかったらしい。これからは思う存分セレアを愛でることにしよう」
「他の男を愛することは婚約者の私が一切認めない。君が愛を注いでいいのも愛を注がれていいのも私だけだ」
貴方が愛しているのはあの男爵令嬢でしょう・・・?
何故、私を愛するふりをするのですか?
[登場人物]
セレア・シャルロット・・・伯爵令嬢。ノア・ヴィアーズの婚約者。ノアのことを建前ではなく本当に愛している。
×
ノア・ヴィアーズ・・・王族。セレア・シャルロットの婚約者。
リア・セルナード・・・男爵令嬢。ノア・ヴィアーズと恋仲であると噂が立っている。
アレン・シールベルト・・・伯爵家の一人息子。セレアとは幼い頃から仲が良い友達。実はセレアのことを・・・?
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる