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●本編●

9.誕生日パーティー【開始:その前に】③

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 突撃!隣の宿泊客!!
先触れがあったとしても、迷惑極まりない、ドッキリ番組的な入室を強行された一室。
別館の一等客室、そこには、見える範囲には、3名の人物が寛いだ様子で、家族団欒の時を過ごしていた。
ソファに腰掛け、紅茶で喉を潤していたもよう。

「おんやぁ~? ワインも準備してあったはずだけどぉ、飲まないのかい? 遠慮せずにぃ、ガブガブッと呑み給えよぉ~! それとも、あれかい? 足腰立たなくなるとぉ~とか、気にしちゃってるのかなぁ~~? んもぉ~~、これだからぁ~、若者は大変だねぇ~~!! 色々とぉ~~!!」

うんわぁあ~~~~~っ!
最っっっっっっっっっ低ぇ~~~!!
そんでもって、最っっっっっっ悪ぅ~~~!!!

無いわぁ~、コレはないわぁ~~。
こんなん、酔っ払ってても、許容できない台詞だわ。
何考えて、こんな下ネタっぽい台詞をシラフで言っちゃってるわけなの??

え? あんたの父親でしょって??
ん~ん、知らない人ですぅ、こんな人知りませんからぁ、ただ魔法とイケメン親子♡が見たくて付いてきただけなんですぅ。


 お父様の背中を、ジト目で睨みあげながら、ジリジリと距離をとり、お母様の後ろ側から、スカートに隠れるようにしがみつく。

今はちょっと、訂正、限りなく、近くにいたくない。
こんなセクハラを公言する中年男性は、美形だからって許容できない。
弁解の余地なしで完全アウトだ。

打ち止めとなった高感度は、急転直下。
えぐりこむようにして底辺に堕ち込む。
これも、至極全うで正当な評価だ!


 お父様から(物理的に)距離をとりたがる私に、家族3人は養護の構え。

お母様は、ちょっと困ったように眉尻を下げた笑顔で、私の頭を宥めるように優しく撫ぜて、後ろに隠れたままで居させてくれる。

アルヴェインお兄様は、私からお父様が視界に入らないように間に立って壁になってくれている。

そして、エリファスお兄様は、私の両耳をお兄様の両手でそっと覆って、声がはっきり聞こえないようにガードしてくれている。

そこは魔法使わないんだぁ、と、変なところに感心して、ほんの少し思考が脱線する。


 お父様を除き、家族は一致団結していた。
あの最低発言の後も、まだ話し続けている(一方的に)お父様は、私に背を向けているので気付いていない。

末っ子幼女から、警戒と威嚇が溢れるほど込められた視線が向けられていることを。
私の剣呑な視線に気付いたのは、失礼な挨拶にも苦笑するのみで、マシンガントークを聞かされ続けている精悍なイケメン。

私がゲームで見ていたよりも、若過ぎる(悪い意味では無い)顔立ちだが、さすが現役騎士、肌色は健康的に日焼けしていて、そこはゲーム開始時と同じ色味だった。
緩くウェーブのかかった、癖のある藤色の、腰まで届くかという長さの髪を、後ろで緩く纏めている。

本日の装いは、簡易的な礼装用の騎士服のようだった。
徽章きしょうのみで、勲章のたぐいはない。
胸板の厚さは、全盛期(ゲーム開始時)より薄いが、常人よりは厚い。
制服にまだ余裕がある。
全盛期(ゲーム開始時)では、いたる所パッツパツだった、のに…!?

ヤバい、鼻が、鼻の粘膜がウズウズしてきた。
何かが、薔薇色の液体っぽい何かが、粘膜を破らんばかりに滾っている、気がする…!
でも、まだ大丈夫、堪えられるわ、私の強粘膜なら、きっと!!
それに、距離、この距離なら、乗り切れる…はず!!!


 目があったときに、若干、顔中の穴という穴が開ききった気もするけど、大丈夫!
視界がぼやけている、この距離なら、凌げるわ!!
私の作戦勝ちだ!!!

得意になって自画自賛している私の耳に、美声が届く。
お父様の騒音に近い(好感度が底辺に到達したため辛辣)マシンガントークが途切れた短い時を逃さず、彼の人物は口を開いたのだ!

「ご無沙汰しております、コーネリアス殿。 本日はお招きに預かり、滞在もお許し頂き、感謝申し上げます。 今日はまた一段と、ご機嫌がよろしいようで何より。 ですが、そろそろ、ご家族に挨拶をさせていただいても? 主役がそっちのけにされて、ご機嫌斜めのようですので。」

 ーーセルヴィウス・デ・ラ・オーヴェテルネル公爵の美声、入りました~~~!ーー
 ーーはい!喜んでぇえ~~~!!ーー
思わず居酒屋のノリで注文請けちゃったわ☆

耳から脳へ。
しなやかに侵入した美声は、いとも簡単に、私の脳髄を蕩けさせた。

トロットロに溶け切った脳が、鼻から出そうになる。
あ、違う。
これ鼻血だわ。
私の粘膜、弱々だったわ、テヘペロ☆

声変わりしてはいるが、まだ全盛期(ゲーム開始時)より深みが足りない。
でも、これですよ、コレコレ!!
この声なんですよぉ~~、あ~~~~~っ!!!
生きててよかったぁあ~~~~~~っ!!!

万感の想いが胸に迫り、ガッツポーズしたいのを堪え、顔を上向けるに留める。
そしてついでとばかりに、鼻血が早く止まるように、鼻の付け根を親指と人差し指の腹で摘む。

勿論、お兄様の壁とお母様のスカートの陰に隠されているからと言って、油断はしません!
ちゃんと回れ右をしていますとも!!
腐っても、レディですからね、心の中は爛れた欲塗れであろうともっ!!!


 そんな、回れ右をして、鼻の付け根を圧迫して止血を目論む私の、眼前に佇む小柄な人物が、一匹。
匹と言いたくなってしまったのは、眼のせいだ。
クリックリで真ん丸な、うるっうるのサファイアの瞳。
それが、仔犬のような愛らしさで、つい、抱いたイメージなまま、言ってしまった。

もちろん心のなかで!
口から出てても、きっと幼児語変換されるので、理解不能な言語になっただけ、とは思うが…。

と言うか、何で目の前に居るのだろう?
この仔犬さんは、この部屋にいるもう一人の攻略対象者で間違いないが…。
先程までは、ソファに座ってたはず。
なぜ、と言うか、どうやってここ、つまりは出入口近くに?

回り込んできたのだろうか?
何で、誰も気付いてないのだろう…?
他の家族をチラ見しても、皆が皆、お父様の方を向いている。
お父様の話に気を取られて、皆少年の動きに気付かなかったのだろうか。

だからって、こんな最後尾まで、誰にも気取られないなんて、……まさか、忍びの者?!
仔犬で忍者なの??
ナニソレ、オモシロッ!!!


「大丈夫ですか? 小さなレディ?」

しょーもないことを考えていた私の耳に、軽やかに滑り込んできた音。
滑らかすぎて、一瞬、音楽かと脳が錯覚する。
危うく、意味を理解できずに聞き流してしまうところだった。

あれ? 女の子だっけ、この仔犬さん…?
声変わり前の、高めの声が、鈴を転がしたように可憐な美少女ヴォイスで…。
性別を超越しているなんて…、どういうこと?!

「りゃ、いりょうふてふ!」

鼻を摘んだまま+舌足らず=言語崩壊。
黒歴史、更新…。
なんかもう、遣る瀬無い。
泣きたいなぁ、大声でぇ…(泣)

「………、そうですか。 良かったら、コレで押さえて。 キチンと洗ってありますし、先程着替えた際にポケットに入れたばかりなので、清潔ですよ。」

つっかえることなく、流暢に話しきる。
ハ、ハイスペック…!
是非、私の舌と取り替えてほしい!!
そう願わずにはいられない、ハキハキとして、克つ、聞き取りやすい声を紡ぐ、その舌、欲しい。


 差し出されたハンカチを、反射的に受け取る。
お礼を言おうと、受け取ったハンカチから、相手の顔に視線を動かす。
そこで、視線が合った。
でもその先にある眼は、全くにこやかではなかった。

表情は微笑みにかたどられている。
なのに、瞳の奥が、空っぽだった。
子供らしい、もっと言えば、人間らしい感情が、何も見えない。

それはまるでーー

「おにんぎょうさん、みたい…。」

「…え?」

「 !??! 」

信じられないっ!
ここに来て、まさかの失敗!?
言っちゃったよ、声に出ちゃったよ、どうしよう~~!?!

何で、今?!
つい今しがた、私を何度傷つけたかわからない、極悪な滑舌を披露していたのに、なぜいきなり滑舌改善??!
今じゃないでしょうよ、改善されるべき時は!!!


 バッチリ、シッカリ、ハッキリ。
相手の鼓膜を振動させてしまったのは明白で。
前言撤回は無理、ならば、誤魔化すのみよ!

自分で自分の口を塞ぎながら、必死に誤魔化しの言葉を探す。
そして、捻り出した言葉は…。

「おにんぎょうさんみたいに、きれいなおめめ! ステキだねぇ~!」

褒め言葉、のような何か。
まあ、子供の云うことですから、軽くスルーしてもらえることだろう、という私の考えは、甘かったようだ。

言葉を聞いた後、眼前の仔犬だった美少年は、狂犬に変貌した。
瞳の奥に、底冷えする、視るものを凍え付かせる光が灯った。

のんきに覗き込んでしまった私も、例外に漏れず、凍えつかされる。
5歳児とは思えない、威圧感プレッシャーが、ビッシビシと身体に突き刺さる。

蛇に睨まれたカエルよろしく、身体を竦め、棒立ちすることしか出来ない。
呼吸が、段々、し辛くなる。
上手く、息が吸えない、肺に空気が、入っていかない…、何で?!

私は知らないうちに、今日顔を合わせたばかりの少年の、逆鱗的な何かを、思い切り蹴り上げてしまったようだ。


 声も出せず、助けを呼べない。
ハクハクと口を動かすことしかできなくなる。
視界がぼやける、涙まで滲んできた。
いよいよ、酸素が足りず、意識が遠退きそうになった、そのとき。

私と少年の間に身体を滑り込ませた次兄が、少年の放つ威圧感プレッシャーを、横に一閃、勢いよく振り払った手の動きだけで、霧散させた。

バチバチッ! バリリッ!!

幕放電のような、一瞬の放電音の後、普通に呼吸が出来るようになった。
大きく吸い込んだ空気が、一気に、肺になだれ込む。
その勢いの強さに、ゴホッゴホッ、とむせて咳き込む。

突然、激しく咳き込んだ私に驚き、お母様が慌てて振り返り、背中を擦ってくれる。
アルヴェインお兄様も、うずくまる私のもとに、一目散に駆け寄ってきた。

心配を顔に貼り付けて、こちらを覗き込んでくる2人に、まだ咳き込みながらも、顔を上げ何とか笑い返し、無事である事を表情のみで訴える。

上げたついでに、他の家族の様子を窺う。
エリファスお兄様は、少年と無言で対峙している。
振り払った右手は、今は体の横で、私からほど近いためよく見える。
その手には、血管が浮くほどの、7歳児らしからぬ力が込められている。

ぎょっとして、恐る恐る、視線をもっと上に。
上げた先で、捉えた次兄の横顔は……。
殺気立っている、では、生易しい表現に思えてしまう。

青筋が立ち、こちらも、血管が浮き上がっている。
怒りマークなんて、可愛いものではない。
完全に、ブチギレている。
少年を睨みつける眼は血走り、今にも事に及んでしまいそうだ。

あわわわぁ~~~!?
えらいこっちゃぁ~~~!!
このままでは、攻略対象者の前途ある人生みらいが途絶えてしまう!!!


 こんな時は、一家の大黒柱に助けを…!!……?!
求めることは、出来そうになかった。
いつの間にか、魔王の如き悪魔に変貌したお父様と思しき人物が居るのみ。
そのお父様らしき人物の身体からは、視認できるほどの、みなぎまおびただしい殺気と、殺伐さつばつとした空気が噴出されていた。

その隣で、顔を若干蒼くしながらも、何が起こったのか、状況が全く飲み込めない若き公爵と、依然ソファに身体を預け、お父様の放つオーラに怯え震える、その妻たる公爵夫人。

ただの挨拶の場が、別れの挨拶の場になりそうな、不穏な空気しか感じられない。

この場に居合わせた誰の眼にも明らかに、この事態が穏便に済むとは思えなかった。

何とか、場を治めねば…!!
謎の使命感に突き動かされ、未だ力の入り辛い身体を叱咤して、肘を曲げ、反動をつけて根性で立ち上がる。

そして、その勢いのまま、次兄の腕に倒れ込むように、両手でガシッとしがみつく。

急に重さを増した右腕に引っ張られ、次兄の身体がこちらに傾ぐ。
目線が近づいたこの瞬間を逃さず、眼を合わせて、次兄に語りかける。

「お兄しゃま、ライリャ、へーーきぃ~~! おこっちゃ、メッだぉ! コワイお兄しゃま、キアイ。 笑ってるお兄しゃまが、だぁ~~いしゅきぃ、ねぇ~? ニコッ、して?」

「ライラ、でも、これはダメだ。 許容できない!」

「お兄しゃま、ライリャ、キアイ?」

「そうじゃないよ、ライラを嫌いなんて、有り得ない、そうじゃなくって!」

「じゃあ、ニコッして? お~ね~が~~いっ♪」

「…っ! ライラ、どうしても、無理だよ…今は。」

おかしい、これでイチコロしないなんて。
チョロさの代名詞だった次兄は何処に?

眉間に深い皺が刻まれている。
それほどまでに、少年への殺意が抑えきれないのか。
歯を食いしばり、私に怒鳴りつけないよう、怒りを堪えている。
どんだけおこなの、このシスコン次兄は…。

でもそれだけ、心配されているという事実には、素直に嬉しくなってしまう。
嬉しさが溢れ、眼の前にある次兄の頭に、自然と手が伸びる。

「わっ、ちょっ……と? ライラ、やめ……?」

わしゃわしゃ、わしゃしゃ~~。

キレイにセットされた髪を、溢れる嬉しさのままに、これでもかっ!とかき混ぜ、くっしゃくしゃのくっちゃくちゃ~に乱しきる。
そして、見事に乱れきったその様に、声を立てて笑ってしまう。

「ふへへっ、エリファスお兄しゃま、くしゃくしゃぁ~~! おもしぉいねぇ~、あはは♪ふはっ、ふふっ、ふへへへっ。」


 フニャフニャと笑い続ける私を、何とも言えない表情で見返していたエリファスお兄様は、しばらくして、長い溜息を吐き出すと、先程までの殺気を見事にどこかへ消し去り、口端を少し、笑みの角度に引き上げている。

「本当に、もう大丈夫なんだねぇ? 無理してない?」

「うへへっ、うん、だいじょうぶぅ~♪ お兄しゃま、ニコッしてう、うれしぃねぇ~~!」

私のダラシない笑顔に、ぎこちなく笑みを深める次兄。
髪をかき混ぜた私の手は、今は次兄の両頬にあてている。
その私の小さな手を上から自身の手で包み込んで、ホッと息を吐いた。

その顔には、青筋はもう見当たらない。
何とか、次兄による一難は去ったようだ。


 誕生日パーティーが、トラウマ量産パーティーになるところだった、あっっっぶなっ!!
悪役令嬢すっ飛ばして、ラスボスへの特別躍進コースフラグが打ち立てられるところだったわ!!

安堵感から、浮かぶ笑みが一層増す。
令嬢に似つかわしくない、まったく淑やかさなど無い、明け透けな笑顔でへらついてしまった。

そんな私の視界の端に、身動ぎする、影。
そうだった、仔犬少年を、失念したいた。
諸悪の根源、事の発端となったこの少年に、私はまだ向き合わないとならない。

 一難去って、また一難。
軽い挨拶のつもりが、雲行きは未だ、嵐の最中さなかの豪雨を生み出す曇天のままだった。
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