仁川路朱鳥詩集

社会人(成人)

意識の三角形

歩いた場所の話をしましょう
国民はシロアリのようでいて
文化をきどって旗を振り回す

三角形に、ケーブルが
中空の三角形に接続、
意識構造をダウンロードして
人間として振る舞っていた

虫と変わらない毎日、

白銀の空気を吸えば
肺に死が溜まりゆく
空へ伸びてゆく柱は
模造された文明の、

ゲームのような人が、
「ここはヤウラカウト、ゆっくりしていってね」
と話しかけてくるたび、
その声が、その色調が、

パスタから取り外されたトマトの行き先は？

三角コーナーという地獄
白和えのような死骸たち
不器用な人の冷奴のよう
くずおれる石の塊は、
死にゆく人の死の跡
隠れファイルの孫まで燃やせ、
秘密警察の両眼が光る、
死が支配する、
三角形の王の国は、

すみません、手が震えていて
あれからトゥルスカーヤを
手放せない生物となっていて
吸わないといけないのです
現実を幻想にしなければ
わたしは存在できない
幻想という水だけが
わたしの領域ですから
原稿用紙の誤字をにらみつける、
取り外す、そのときの感情は
なにが正解なのでしょうか
わたしは、わたしは
なにを感じればよいのでしょうか