仁川路朱鳥詩集

仁川路朱鳥

文字の大きさ
上 下
165 / 191
社会人(成人)

理解する円錐

しおりを挟む
思索する脊髄
巻かれる煙草
声うなる平原
地べたへ広がり、

平面上の世界
理解する円錐
収まらぬ噴火
出血をも厭わず。

塞がれる両腕は何の効力も持たず
閉される両足は何の魅力も持たず
もたげた頭をぶら下げて
ここで死ぬと言うのか?

草々の青々しい中の赤々しい肉片たち、
星々の瞬く間に繰り広げられる生存劇、
紛れもない地獄、紛れもない天国
旗の向こう側は誰も知らない
人の裏側は知ろうともしない

二面持つ幼児、
四面持つ児童、
六面持つ生徒、
三面持つ大人、
一面だけの老人。

そのどれかになろうとしても
理解する円錐はどこにある?
しおりを挟む

処理中です...