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第四章 コスモスの名の元に

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 深い霧がかかる戦場。
 耳の奥に届く悲鳴。必死に命乞いをする者の声。その全てを無視し、感情を切り離し、迷うことなく剣を振るう。
 真っ白なマントは、殺めた命の分だけ赤く染まっていた。
 気配を感じたアレンがこちらに振り向く。綺麗な藤色の瞳は灰色がかっていて、どこを見ているのか、よく分からなかった。
 どこも、見ていないのかもしれない。
「こちらも終わりました」
「……ああ」
 返事をしたアレンが、一歩足を踏み出そうとした時だった。
「団長……!」
 膝から崩れ落ちたアレンをキースが受け止める。
「少し休みましょう」
「……いや、いい」
 キースの腕を払い除け、自力で立ち上がるアレン。
 戦争が始まり、数日が経過しようとしている。開始からエーデル国軍に押され、レディート国騎士団は、過酷な状況を強いられていた。
 そんな中、休む間もなく、昼夜問わず前線で剣を振るい指揮を取るアレン。そのせいか、徐々に疲れが出始めてきていた。
 騎士団一の剣の使いで、脳でもあるアレン。彼を失えば負けを意味することと同じ。それなのに、アレンは支離滅裂な戦い方をしている。
 なぜこんなことをするのか、疑問に思いながらもキースはそれを問うことなく、歩みを進めるアレンの後ろに続く。
「……」
 足を止め、無言で顔を俯かせるアレン。その視線の先を追うと、そこには息絶えた仲間の姿があった。
 アレンは跪くと、そっと仲間の瞼を下ろした。
 雨が、白いマントについた、真っ赤な血を洗い流していく。
 立ち上がろうとするアレン__っと、そこで。
 前方から黒い影が見えた。キースは懐に収めていた剣を抜く。
 アレンはゆっくりとした動きで立ち上がった。
 霧の中から現れたのは、エーデル軍。その数、軽く千人は超えているが、エーデル国の軍にしては少なすぎる。おそらく、これは一部の小部隊にしか過ぎないのだろう。
 馬に乗った一人のエーデル人男性が片手を上げ、軍は進行を止めた。
「これはこれは、レディート国騎士団、団長のアレン殿と副団長のキース殿とお見受けする」
 辺りを見渡し、生き絶えた者達を見て、陰湿な笑みを浮かべた男。自国の民が死んでいる姿を見たとしても、慈悲の心などないようだ。
 所詮は戦争のための道具にすぎないということだろう。軍事国家のエーデルらしい考え方だと納得した。
「不死鳥の異名を持つレディート国騎士団も、我がエーデル国の軍の数には敵いませんね」
 高飛車そうな男にキースは怒りを感じた。
 アレンの隣に並び、剣を構え、今か今かと指示を待つキース。
 しかし、アレンは手でキースを制した。
「__お久しぶりです。アレン様」
 突然聞こえてきた声に、キースは動揺した。
 軍の中央が開かれる。現れたのは、馬に乗った一人の年配の黒髪男性だった。
 気づいた軍人達が一斉に頭を下げる。どうやら、この男の階級は相当高いようだ。
 (それに、剣を振るわずとも分かる。こいつ……強い……)
 現れた時、アレンに制されるまで、キースは黒髪の男の気配に気づくことが出来なかった。すぐ前にいたエーデル軍も同じだろう。
「ルシウス……」
「……ルシウス?」
 ルシウスと呼ばれた男は、軍の先頭に立ちアレンを見据えると、薄い笑みを浮かべた。
「お会いするのは、お父君と母君に付いて、我が国に訪問した時以来ですな。あの頃は、まさかこんな未来が来るとは思っても見なかったです」
 非常に残念だと言わんばかりに、顔を顰めるルシウス。しかし、その姿は分かりやすく嘘に塗れていた。
(こいつ、一体何を言っているんだ……?)
 アレンは、ルーズベルト公爵の養子だと聞いている。両親はいないはずだ。それに、いくら公爵家の跡取りだと知っても、アレンがエーデルを訪問することなど、外交意外などにあるはずがない。
 不思議そうな顔をするキースに、ルシウスの視線が向けられる。
「おや……もしやそちらの方、知らぬのですか? ああ……そうか。確かヒーデル国王は、民の記憶を改竄したとお聞きした」
 ルシウスのその言葉に、キースは怪訝な顔をする。
「改竄……? お前、さっきから一体何を言っているんだ」
 鋭くなるキースの瞳。しかし、ルシウスは面白げに目を細めた。
 そして、再びアレンを見据えた。
「アレン様、話しておられないのですね。かわいそうに、側近で誰よりもあなたに尽くし手きた方のはずなのに」
「団長、一体どういう……」
 キースが問うも、アレンは何も答えない。
 ルシウスがわざとらしく、大きなため息をついた。
「仕方がありませんね。私がお話ししましょう」
 その瞬間。空気が変わった。
「そちらにいるアレン・フランシス・ルーズベルト。いや……アレン・レディートは、人操の才を持った、王家の血を引くお方なのです」
「……え……?」
 ルシウスが何を言っているのか、キースは分からなかった。
 理解が追いつかず、固まるキース。
「いや、何言って……団長は王族なんかじゃない。そうでしょ? 団長」
「……」
「……団長……?」
 アレンは何も言わない。否定もしない。
 信じられないことだが、それが答えのようだった。
「嘘だろ……」
(団長が王族……? しかも、人操の才ってあれだろ……)
 人操の才。その力の大きさについては、キースもよく知っていた。
「あなたもかわいそうなお方だ。人操の才はその名の通り、人を意のままに操ることが出来る才。才の中で頂点に君臨すると言われますが、それは聞こえが言いだけで、実際は呪われた存在なのですから。レディート国騎士団の強さは、どの大陸の軍にも匹敵するほどでしょう。しかし、それは、アレン様が人操の才をお持ちだから」
 さも当たり前のように淡々と述べるルシウス。その口調は、台本でも読んでいるかのようだ。
「……何だよそれ……団長が俺たちを操っていたとでも言いたいのかよ……!!」
「ええ、そうですよ」
 平然と言い退けるルシウスに、唇を噛み締めるキース。
「っ……んなわけねぇだろうが!!」
 (そうだ。そんなわけない。団長はそんな人じゃない)
「団長を憐れむなよ!! それで俺をかわいそうだとか言うんじゃねーよ!! 俺はかわいそうなんかじゃない。お前は何も知らないんだよ! 団長がどれだすごい人かを!」
 これまでも、多くの仲間を見送った。その度に、自分は多くの涙を流した。だが、アレンは一度も涙を流すことはなかった。そんなアレンを、冷酷無慈悲な人の心を持たない者だと批判するものもいた。
(だけど)
「俺は知ってる。団長は、死んでいった仲間たちの墓に花をたむけ、命日には残された家族の元を訪れ、彼らに感謝を述べていることを。そうやって、愛するものを失って、どん底に落とされそうな家族たちを、不の道から遠ざけ救っている」
 ルシウスが話していること、それは事実だろう。しかし、すぐに飲み込むことが出来ることほど、話は簡単ではない。
 だが、アレンの今ままで疑う気も、軽蔑する気も、キースにはさらさらなかった。
(俺、やっと分かった気がする。なんで団長が、あんなに強くて優しくのかを。この人は、失うことの辛さを、誰よりも知っているんだ)
「団長……あなたのその悲しいほどの強さも、苦しいほどの優しさも、俺は知っています。だからこそ、あなたについていくと決めたのです。あなたのために振るう剣。それが、俺の今を作っている。何もかも」
 アレンに向き合うキース。
「俺はどんなあなたも好きですよ。大好きですよ。たとえあなたが王族であろうが、庶民であろうが変わらずです。きっと、あの子だって、エルちゃんだってそうです。団長が大好きです。だから、こんな奴の言葉に、団長が言葉を傷める必要なんてものはありませんよ」
「キース……」
 複雑な笑みを浮かべるアレン。彼が本当に冷酷無慈悲な男であれば、こんな表情はしないだろう。
 アレンには、冷酷無慈悲になる以外の道がなかったのだろう。
「ふんっ、すでに洗脳でもされているようだな」
 ルシウスの隣にいた高飛車な男の言葉に、キースは刃を向ける。
「黙れ」
 キースのドスの効いた声と殺気に、高飛車な男は、縮こまるように身をすくませる。
「お前たちが何を言おうとも俺は、俺の信じるこの人を信じる」
 
 キースが入団した日のことはよく覚えている。
 名門、マクレイガー家の嫡男で、剣の腕は天才と名高いルーズベルト家と並ぶほどの腕前。家族中が良好なこともあってか、人格にも優れ、後輩からも慕われ、先輩たちにも可愛がられていた。
 その中でも、キースはアレンを慕っていた。アレンがまだ団長ではなかった頃、アレンの剣術を見たキースは、その流れるような美しい剣さばきに感銘を受けた。
 自分を弟子にして欲しいと頼んだキースに、アレンは、自分はいずれ団長になるから、お前は副団長になればいいと言った。その言葉を受け、キースは毎日の苦しい鍛錬に打ち勝ち、入団からわずか数年で、副団長になった。
 正直、アレンはキースがここまでこれるとは思っていなかった。自分を慕う気持ちが、キースをここまで成長させている。そう気づいた時、嬉しくもあり、同時に怖くなった。
 大切だったものが、ある突然、音もなく崩れ去って行くのは、もう嫌だった。
 こんなにも自分を慕ってくれるキースでも、いつか全てを知る時が来れば、きっと自分を軽蔑するだろう。
 そう、思っていたのに__。
「お前たちが何を言おうとも俺は、俺の信じるこの人を信じる」
(キース……)
 そんなことを言うとは思ってみなかった。
 エーデルと戦争をしなければいけなくなったことを隊員達に伝えた時も、どよめきだし、迷いが生じる者達がいる中で、キースだけは、迷うことなくアレンへの忠誠を誓った。
 キースがどれだけ自分を慕ってくれていたか、自分は知っているようで、今まで何も知らなかったのだと気付かされた。
「この戦争は、アレン様が存在するまで終わらない。彼の存在は大国を脅かすものです」
 しかし、ルシウスの言う通りだ。アレンが生きている限り、この戦争は終わらない。たとえ、レディートが降参しようとも、また次の犠牲者が出る。負の連鎖だ。
「なら、お前らを倒せばいいだけの話だ」
「キース……?」
 胸を張り、ルシウスを見据えるキース。
「お前らを倒して、また別の奴が来るならそいつらもまた倒せばいい。そして、そいつらを倒して、また違うやつが来たとしても、また倒せばいい」
(何を言っているんだキース)
「面白いことを言いますね。しかし、そんな無謀なことを誰がするのですか」
「俺だ!! 俺が何度でも立ち向かって見せる! お前らにエーデルに!」
 叫ぶキース。その体は震えている。ルシウスほどの軍人を初めて目の前にして、恐れないはずはないと言うのに、キースは立ち向かっている。
 アレンのために。
(……キース。ありがとう……これでようやく、覚悟が決まった)
 アレンは懐から剣を抜く。
 そして、その剣先をルシウスに向けた。
「……そうですか……まあ、いいでしょう。どのみち、あなたには死んでいただくつもりでしたし」
 ルシウスが高飛車な男に目配せすると、男の指示で軍人たちがアレンとキースを囲む。
 二人は背を合わせた。
 霧が深くなる。
 黒い軍人たちは闇に紛れるように気配を消していく。
「キース。問題なく戦えるな?」
「もちろんですよ。散々、扱かれてきましたからね」
 キースの言葉にアレンは鼻で笑う。
(こうして背を合わせて戦うのも、最初で最後だ)
 目を閉じ意識を集中させる。耳を澄ませ、風に混じった、息を顰める僅かな人間の呼吸音を聞き取る。
(右……? いや……)
 アレンは体を半回転させ、剣を振るう。
「うっ……!!」
 血しぶきが舞い、唸り声と共に、地面に軍人が倒れ込む。
 舞うようにしなやかな動きで、アレンは華麗にエーデル軍を倒していく。
「やっぱすげえ………」
「キース!!」
 アレンの動きに見惚れていたキースの目の前に、息を潜めていた軍人がキースの前に現れ襲いかかる。
「ぐはっ……」
 間一髪でアレンが軍人を斬る。
「すいません団長」
「よそ見をするな。集中しろ」
「はい……!」
 再び背を合わせた二人は、迷うことなくその剣を振るっていく。その剣さばきに無駄な動きは一切なく、次々に敵陣を倒していった。
 しかし、二人相手に千人以上の軍人。しかも、彼らは普通の軍人ではない。ここまで戦い続けていた二人は限界を超えようとしている。
 額に汗が滲むアレン。後ろに立つキースは、肩で息をしていて苦しそうだった。
(相当斬ったがまだいるな……俺たちの体力がつきるのが先か……やはりこのままでは、二人とも死ぬ)
 それは、レディート国の完全な敗北を意味する。そうなれば、レディートの行末は言うまでもない。
「キース」
「はい」
「俺が合図したら、あの森の奥に走れ」
 アレンが視線を向けた先、霧で埋め尽くされ入口は見えにくくなっているが、確かに道は存在しているようだった。
「あの先には川がある。最悪、そこに飛び込めば、奴らの視界から逃れることが出来る」
「は? 何言って……」
 キースはそう言って、ハッとしたような顔をする。
「初めから、そうするつもりだったんですか……?」
「俺はここに残って、奴らを引きつける」
「ダメですよ。そんなのは許しません」
 鋭く、間髪を入れず、キースは答える。
「俺たちが二人とも死ねば、レディートがどうなるかくらい、お前だって分かっているはずだ」
「……」
 アレンのその言葉に、顔を俯かせ黙るキース。
 キースが簡単に受け入れてくれるとは思ってはいない。
 だから。
「言い方を変える。俺の代わりに、あいつに……エルダに伝えてくれ。……俺は、君を愛してしまったと」
「そう言うことは、自分で伝えて下さいよ!」
「これは、俺が唯一信頼するお前にしか頼めないんだ」
 キースは、自分を慕い責任感が人一倍強い。だから断れないだろうと、アレンは考えた。酷いことをしてると思った。だが、もう他に手はない。
 もちろん。彼女への気持ちは本物だ。それを伝えるつもりなどなかったが、最後の最後で、欲張ってしまったのだ。
 __自分を覚えていてほしいと。
 我ながら惨めったらしいと思う。それこそ、本当に呪いだ。
「嬉しかったよ。お前が俺と共に戦うことを選んでくれて」
(きっと……俺は、お前のようになりたかったのかもしれない。底なしに明るく、みなを笑顔にする、太陽のようなお前に……)
「キース。お前は本当に勇敢な騎士だ。俺の分まで、みなを、レディート国を頼んだぞ」
 霧の中から、また一人、二人と軍人が現れアレンたちの剣を向ける。アレンはキースを庇いながら、剣を振るう。
 視界がぐらつく。足に力が入らない。
「っ……」
 跪くアレン。
 駆け寄ろうとするキース。
 だが。
「来るなっ……!!」
 アレンの一声に、思わず足を止めたキース。
 藤色の瞳が、鋭くキースの胸を貫く。
 すると、不意打ちをつくように、アレンの後ろから現れた軍人によって、アレンの肩が剣に貫かれる。
「ぐっ……」
 アレンは痛みに耐えながら、剣を振り、軍人を斬り殺す。
「キース・マクレイガー……!!」
 肩を押さえ、叫ぶアレン。
「行け……」
「っ……!」
 懇願するアレンに、キースは溢れ出す涙を堪え、背を向けた。
 一目散に森への道へ走り出す。
 気づいた軍人たちが、キースの後を追おうとする。
 しかし。
(っ……行かせてたまるかっ!)
 アレンが軍人たちを必死に薙ぎ倒す。
 少しずつ、霧が晴れてくる。
 遠ざかる部下の背中は、いつの間にか逞しくなっていた。
 視界が見えるようになった頃には、キースの姿はなかった。
 神隠しの成功だ。
「さて……」
 アレンはおぼつかない足取りで、剣を構える。晴れた霧の中から、まだ何百人といる軍人が見える。
「本番と行こうじゃないか」
 アレンは剣を握りしめると、軍人の中に自ら飛び込んだ。
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