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第十九章 手折られた彼岸花
19-29 想いの残滓は狂気に消える
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「千真ちゃんのところに帰るのも嫌? でもご主人様につくのも嫌? 何でもイヤイヤ期でちゅかー?」
翼君は煽る煽る。無表情だった一真も、これには額に青筋を立てた。
「言わせておけば……」
「言われるオメーが悪いわ。それに……」
バッサリと切り捨て、何かを言いかける。
——何だ、あれ——
そして、唐突に翼君の『声』が脳内に届いた。
——え? 何かあった?——
——珀弥に鎖が巻きついてる——
一真は蛇のように絡みつく『呪い』に苦しめられているが、翼君には別の何かが見えているようだ。
——私には翼の呪い以外、何も見えないよ——
——そっかぁ……良いや。見えたら教えて——
翼君は何を見たんだろう。もう一度目を凝らして一真を見てみても、イマイチよくわからない。
しかし、わざわざ翼君が耳打ちしてくるものなのだから、重要なものに違いない。
『
翼クンはあの白い刀を持ってから何かに気付いたよね?
あ、そうだ。あの刀。私が持っているものと同じ……ように見えるかも。
じゃあ、この刀を使えば見えてくるんじゃない?
そうかも! でもどうやるんだろう。刀よ刀、翼君が見たものを見せたまえ~……なんちゃって。
そんな方法で見えるわけないだろぉ?
うん、そうだよね。
だけど、あんたには見えてくれなきゃ困るんだ。少しだけヒントをあげようか。
ヒント?
刀の切っ先をカズマに向けてみよう。もしかしたら、見えなかったものが見えてくるかもね。
切っ先を……うん、わかった。やってみる。
』
心の声に従い、ゆっくりと羽のように軽い刀を持ち上げ、一真に切っ先を向ける。
すると——。
……? あれ?
——千真ちゃん、千真ちゃん、聞こえるか?——
——翼君……?——
——誰と話してたの?——
翼君の一言で胃がキュッとなった。
——私、翼君と……あれ?——
怪訝そうな翼君の『声』。
ついさっきまで私が話していた『声』とは違う。
あれは……誰?
「おう!?」
疑問だらけで混乱している私の目に飛び込んだのは、一真に絡み付いている黒々とした鎖だった。
今までは何も無かったのに、刀を向けた瞬間に忽然と現れた。
確かに、翼君の呪いとは別物だ。
禍々しい黒い靄を纏い、鎖は一真の手足と首を締め上げている。
「みーえちゃった?」
「みーえちゃった」
アレが、一真を縛り付けている契約なのだろうか?
「ちょっと、何二人で完結してんのよ」
なっちゃんは私と翼君だけで会話が成立していることが気にくわないのか、ムスッとした顔をしていた。
「なっちゃん、それがね……」
彼女に説明しようとした時だった。
「っとお! あっぶね!」
翼君に襲い掛かったのは、白い獅子。
獅子の鋭い爪は翼君の首をもぎ取ろうと横に払われたが、彼は寸前のところで身を逸らした。
そして私となっちゃんを抱え、数十メートル後退する。
「私の式はその鬼だけじゃないわ」
あの子は不機嫌そうに吐き捨てた。
お気に入りの玩具が動かなくなったら、彼女は他のもので遊ぶしかない。
「翼君気をつけて! あの獅子の爪には毒があるの!」
想起されるのは、獅子に切り裂かれてボロボロになった一真の姿。深い傷と毒により、彼は瀕死の状態に陥っていた。
あんなの、もう見たくない。
「……なるほど、イヤーな思い出があるんだね。わかった、気をつける」
翼君は表情を引き締め、頷いた。私たちを降ろすと、彼は刀を構える。
「こっちの猫ちゃんは君に従順みたいだなぁ」
「ふふ、もちろんよ。やりなさい、獅王!」
彼女の号令と共に、獅子はこちらへと突進してくる。獅子に向ける笑顔は、純粋な信頼が込められていた。
「やられるかよ!」
翼君は獅子を迎撃しようと羽ばたく。
獅子の向こうには彼女と一真。
あの子は一真の側に寄ると、彼の顔に合わせて腰を下ろす。
そして、耳元に顔を近づけた。
* * * * * * * *
あっちの厄介な天狗は獅王に片付けさせましょ。神格を持ち得る妖怪なら、下手に神使を殺せないでしょう。
既に重傷を負っているし、本気は出せないはず。
私はこっちを何とかしましょうか、と式を見下ろす。
式——黎藤一真は歯を食いしばり、あの天狗の戒めに耐えていた。
「随分頑張っているじゃない。痩せ我慢はお家芸なのかしら?」
「……うる、さい」
「つれないわね」
私は彼の側で腰を下ろし、頬を撫でた。
指は透き通った白い肌をなぞり、滑らかに降下する。顎のラインから首筋へ滑らせ、乱れた襟元を整えた。
彼の耳元に口を近づけ、囁く。
「あなたはとても醜いわ。その牙はあの子の喉笛を噛みちぎり、その爪は腹わたを抉る為にあるの。ただ一人、守ると決めた大切な人を蹂躙して、壊して、貪る醜い獣になるのよ」
「うる……!」
私を振り払おうとしたが、彼の手は頑丈な手枷によって拘束され、こちらまで届かない。
式神の契約がある限り、彼は私に危害を与えられないのだ。
「くっそ……」
彼ら悔しそうに手を下げる。いい気味ね。私に逆らうからいけないのよ。
「本当は欲しいんでしょ? あの子の全てを喰らい尽くしたいんでしょ? 良いじゃない。食べてしまいましょうよ」
私は整えた襟元に指を差し込み、ゆっくりと下げていく。
硬い胸板から、鳩尾、そして割れた腹筋まで到達し、円を描くように撫でた。
顔は好みでは無いけれど、身体は良いのよね。
「やめろ」
白鬼は低く喉を震わせる。
その琥珀色の眼は敵意に満ち溢れていた。それでも構わず彼の身体をまさぐる。
「鬼には食人衝動があるんですってね? あなたも苦しいんじゃないかしら。……ああ、そういえば何も食べてないものね」
「うるさい」
語気が強くなるけれど、私の為すがままにされているのはあまりに滑稽。
飢餓状態のモンスターはどこまで保つのか。
「そうやって自分の欲望に耐えても良いことは無いわ。どうせ決壊する。だから、早めに溺れちゃえば良いのよ」
下腹部に爪を立て、捻ってみせる。彼の鍛えあげられた肉体はびくともしないが——。
「うるさい……」
——心は揺れ動いている。
「どうしてそこまで耐えようとするの? あの子の為? やめておきなさいな。あの子が自分を殺しかけた相手の想いに応えるとでも?」
「うる……さい……」
先程よりも弱々しく唸る。ほら、効いてきた。これから、更にじわじわと……。
「それに、あなただってあの子に殺されたじゃない。ただ足を引っ張るだけの女の為に、そこまで苦しむの?」
「俺が……選んだ、ことだ」
彼の様子が一転し、その眼に力強い光が宿る。
気にくわない。この眼は、潰してしまいたくなるほど気に食わない。
「その想いは美しいわ。けれど、腹の足しにはならないの」
「けっ……あいつを食うくらいなら、餓死した方がマシだ」
今度はハッキリと、力強く言い返してきた。
自分の命を投げ打ってまで、あの女を守りたかったの?
あの女はそこまで価値があるの?
あの女は、私の人生をめちゃくちゃにしたのに。
苦労もせず、ただ愛されて、何も知らずに育ったあの女が……!
どうして此処まで尽くしてくれる人と出逢えたの……?
あの女は、平穏な日常と自分を愛してくれる人を手に入れた。ただ純粋に、あの女だけを見つめる瞳を。
対して私は……?
……気に食わない。
気に食わない気に食わない。
気に食わない気に食わない気に食わない!
「理性って本当に邪魔ねぇ。会話には必要だけど、仕方ないわ」
「……何が言いたい」
彼は冷静に問うが、瞳には動揺が映った。そうね、あなたは勘が鋭いもの。
理性があるせいで、私に反抗する。
理性があるせいで、隙ができる。
理性があるせいで、あの女を守ろうとする。
理性があるせいで、あの女を愛してしまう。
なら、こんなもの——
「黎藤一真、『完全に理性を棄てなさい』」
消えてしまえばいいのよ。
「……!」
彼は目を見開き、頭を抑えた。光の灯っていた瞳は、凶暴さを取り戻す。
鬼は獰猛で、貪欲で、そして残酷でなくてはならない。今のお前は鬼とはかけ離れている。
ならば、私が鬼になるお手伝いをしてあげましょう。
「……千、真……」
黎藤一真が僅かな理性で最後に呟いたのは、忌々しいあの女の名前だった。
ああ、ああ。
本当に——気に食わない。
翼君は煽る煽る。無表情だった一真も、これには額に青筋を立てた。
「言わせておけば……」
「言われるオメーが悪いわ。それに……」
バッサリと切り捨て、何かを言いかける。
——何だ、あれ——
そして、唐突に翼君の『声』が脳内に届いた。
——え? 何かあった?——
——珀弥に鎖が巻きついてる——
一真は蛇のように絡みつく『呪い』に苦しめられているが、翼君には別の何かが見えているようだ。
——私には翼の呪い以外、何も見えないよ——
——そっかぁ……良いや。見えたら教えて——
翼君は何を見たんだろう。もう一度目を凝らして一真を見てみても、イマイチよくわからない。
しかし、わざわざ翼君が耳打ちしてくるものなのだから、重要なものに違いない。
『
翼クンはあの白い刀を持ってから何かに気付いたよね?
あ、そうだ。あの刀。私が持っているものと同じ……ように見えるかも。
じゃあ、この刀を使えば見えてくるんじゃない?
そうかも! でもどうやるんだろう。刀よ刀、翼君が見たものを見せたまえ~……なんちゃって。
そんな方法で見えるわけないだろぉ?
うん、そうだよね。
だけど、あんたには見えてくれなきゃ困るんだ。少しだけヒントをあげようか。
ヒント?
刀の切っ先をカズマに向けてみよう。もしかしたら、見えなかったものが見えてくるかもね。
切っ先を……うん、わかった。やってみる。
』
心の声に従い、ゆっくりと羽のように軽い刀を持ち上げ、一真に切っ先を向ける。
すると——。
……? あれ?
——千真ちゃん、千真ちゃん、聞こえるか?——
——翼君……?——
——誰と話してたの?——
翼君の一言で胃がキュッとなった。
——私、翼君と……あれ?——
怪訝そうな翼君の『声』。
ついさっきまで私が話していた『声』とは違う。
あれは……誰?
「おう!?」
疑問だらけで混乱している私の目に飛び込んだのは、一真に絡み付いている黒々とした鎖だった。
今までは何も無かったのに、刀を向けた瞬間に忽然と現れた。
確かに、翼君の呪いとは別物だ。
禍々しい黒い靄を纏い、鎖は一真の手足と首を締め上げている。
「みーえちゃった?」
「みーえちゃった」
アレが、一真を縛り付けている契約なのだろうか?
「ちょっと、何二人で完結してんのよ」
なっちゃんは私と翼君だけで会話が成立していることが気にくわないのか、ムスッとした顔をしていた。
「なっちゃん、それがね……」
彼女に説明しようとした時だった。
「っとお! あっぶね!」
翼君に襲い掛かったのは、白い獅子。
獅子の鋭い爪は翼君の首をもぎ取ろうと横に払われたが、彼は寸前のところで身を逸らした。
そして私となっちゃんを抱え、数十メートル後退する。
「私の式はその鬼だけじゃないわ」
あの子は不機嫌そうに吐き捨てた。
お気に入りの玩具が動かなくなったら、彼女は他のもので遊ぶしかない。
「翼君気をつけて! あの獅子の爪には毒があるの!」
想起されるのは、獅子に切り裂かれてボロボロになった一真の姿。深い傷と毒により、彼は瀕死の状態に陥っていた。
あんなの、もう見たくない。
「……なるほど、イヤーな思い出があるんだね。わかった、気をつける」
翼君は表情を引き締め、頷いた。私たちを降ろすと、彼は刀を構える。
「こっちの猫ちゃんは君に従順みたいだなぁ」
「ふふ、もちろんよ。やりなさい、獅王!」
彼女の号令と共に、獅子はこちらへと突進してくる。獅子に向ける笑顔は、純粋な信頼が込められていた。
「やられるかよ!」
翼君は獅子を迎撃しようと羽ばたく。
獅子の向こうには彼女と一真。
あの子は一真の側に寄ると、彼の顔に合わせて腰を下ろす。
そして、耳元に顔を近づけた。
* * * * * * * *
あっちの厄介な天狗は獅王に片付けさせましょ。神格を持ち得る妖怪なら、下手に神使を殺せないでしょう。
既に重傷を負っているし、本気は出せないはず。
私はこっちを何とかしましょうか、と式を見下ろす。
式——黎藤一真は歯を食いしばり、あの天狗の戒めに耐えていた。
「随分頑張っているじゃない。痩せ我慢はお家芸なのかしら?」
「……うる、さい」
「つれないわね」
私は彼の側で腰を下ろし、頬を撫でた。
指は透き通った白い肌をなぞり、滑らかに降下する。顎のラインから首筋へ滑らせ、乱れた襟元を整えた。
彼の耳元に口を近づけ、囁く。
「あなたはとても醜いわ。その牙はあの子の喉笛を噛みちぎり、その爪は腹わたを抉る為にあるの。ただ一人、守ると決めた大切な人を蹂躙して、壊して、貪る醜い獣になるのよ」
「うる……!」
私を振り払おうとしたが、彼の手は頑丈な手枷によって拘束され、こちらまで届かない。
式神の契約がある限り、彼は私に危害を与えられないのだ。
「くっそ……」
彼ら悔しそうに手を下げる。いい気味ね。私に逆らうからいけないのよ。
「本当は欲しいんでしょ? あの子の全てを喰らい尽くしたいんでしょ? 良いじゃない。食べてしまいましょうよ」
私は整えた襟元に指を差し込み、ゆっくりと下げていく。
硬い胸板から、鳩尾、そして割れた腹筋まで到達し、円を描くように撫でた。
顔は好みでは無いけれど、身体は良いのよね。
「やめろ」
白鬼は低く喉を震わせる。
その琥珀色の眼は敵意に満ち溢れていた。それでも構わず彼の身体をまさぐる。
「鬼には食人衝動があるんですってね? あなたも苦しいんじゃないかしら。……ああ、そういえば何も食べてないものね」
「うるさい」
語気が強くなるけれど、私の為すがままにされているのはあまりに滑稽。
飢餓状態のモンスターはどこまで保つのか。
「そうやって自分の欲望に耐えても良いことは無いわ。どうせ決壊する。だから、早めに溺れちゃえば良いのよ」
下腹部に爪を立て、捻ってみせる。彼の鍛えあげられた肉体はびくともしないが——。
「うるさい……」
——心は揺れ動いている。
「どうしてそこまで耐えようとするの? あの子の為? やめておきなさいな。あの子が自分を殺しかけた相手の想いに応えるとでも?」
「うる……さい……」
先程よりも弱々しく唸る。ほら、効いてきた。これから、更にじわじわと……。
「それに、あなただってあの子に殺されたじゃない。ただ足を引っ張るだけの女の為に、そこまで苦しむの?」
「俺が……選んだ、ことだ」
彼の様子が一転し、その眼に力強い光が宿る。
気にくわない。この眼は、潰してしまいたくなるほど気に食わない。
「その想いは美しいわ。けれど、腹の足しにはならないの」
「けっ……あいつを食うくらいなら、餓死した方がマシだ」
今度はハッキリと、力強く言い返してきた。
自分の命を投げ打ってまで、あの女を守りたかったの?
あの女はそこまで価値があるの?
あの女は、私の人生をめちゃくちゃにしたのに。
苦労もせず、ただ愛されて、何も知らずに育ったあの女が……!
どうして此処まで尽くしてくれる人と出逢えたの……?
あの女は、平穏な日常と自分を愛してくれる人を手に入れた。ただ純粋に、あの女だけを見つめる瞳を。
対して私は……?
……気に食わない。
気に食わない気に食わない。
気に食わない気に食わない気に食わない!
「理性って本当に邪魔ねぇ。会話には必要だけど、仕方ないわ」
「……何が言いたい」
彼は冷静に問うが、瞳には動揺が映った。そうね、あなたは勘が鋭いもの。
理性があるせいで、私に反抗する。
理性があるせいで、隙ができる。
理性があるせいで、あの女を守ろうとする。
理性があるせいで、あの女を愛してしまう。
なら、こんなもの——
「黎藤一真、『完全に理性を棄てなさい』」
消えてしまえばいいのよ。
「……!」
彼は目を見開き、頭を抑えた。光の灯っていた瞳は、凶暴さを取り戻す。
鬼は獰猛で、貪欲で、そして残酷でなくてはならない。今のお前は鬼とはかけ離れている。
ならば、私が鬼になるお手伝いをしてあげましょう。
「……千、真……」
黎藤一真が僅かな理性で最後に呟いたのは、忌々しいあの女の名前だった。
ああ、ああ。
本当に——気に食わない。
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