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第十四章 奥底に秘めるのは
14-4 豹変
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コマちゃんと珀弥君と私、途中から狐珱君と天ちゃんが加わり、大所帯の本格的なおままごとが始まった。
「わーい!」
「異議ありなのです!」
「待った!! 狐珱君の言うことにはムジュンがあります!」
「却下なのじゃ!」
「ご飯炊けたよー」
私はコマちゃん扮する社長のもと、取引先の敏腕課長・狐珱君や同僚の天ちゃんと壮絶な頭脳戦を繰り広げ、欲望と闇に包まれた社会を駆け抜けるストーリーである。
ちなみに私の嫁役の珀弥君はひたすら家でご飯炊いてた。
そして、その流れでご飯の支度をし、夕飯の最中も本格的おままごとは続いた。
***
「はぁー、楽しかったね、珀美さん」
「もうおままごとは終わってますよ、チサオさん」
私は使った食器を洗い、珀弥君がそれを拭く担当。いつも、適当に並んでご飯の後片づけをしている。
「でも、珀弥君って良いお嫁さんになりそうだよね。家事は出来るし、マメだし、女装したら美人さんだもん」
「ありがとう、あんまり嬉しくないな」
珀弥君は苦笑いしながら私から皿を受け取った。女の人みたいな扱いを受けるのはやっぱり嫌なのかな?
「いやいや! 旦那さんにしても良いよ! 家事も出来るし、マメだし、無難な顔してるから隣に居ても緊張しないもん!」
「もしかして遠回しに顔が普通って言ってる?」
珀弥君はニコニコとしながらお箸を拭いた。
彼は公式でフツメン設定が付与されているから、今更イケメンなんだよと言えるはずも無いので、私は温い笑みを見せてみる。
「珀弥君は総合的に素敵な人だから大丈夫だよ」
「雑にまとめたね」
こんな具合で会話をしながら、まったりと皿を洗う。
変だと思われるかもしれないけれど、この家庭的な空間というか雰囲気が好き。前は一人だったから。
今は隣に珀弥君が居る。傍にいつも誰かがいる。これが当たり前の日常になったのが嬉しい。
『お前はあいつに騙されてんだよ!』
「っ!」
ガシャンと音を立てて割れる皿。うっかり手から滑り落としてしまったのだ。
白く平たい皿の破片がシンクの上に飛び散っている。
咄嗟に皿の破片に手を伸ばしてしまい、指を切ってしまった。
「大丈夫!? 千真さ——」
珀弥君は血相を変えて私の傷口を見る。ちょっと切っただけだ、大したことはない。
「大丈夫、そんなに深くないから……」
彼の顔を見上げると、様子がおかしい事に気付いた。
無言で傷口をじっと見つめているのだ。
その目は虚ろで、光が灯っていない。弱々しいのに、どこか狂気を孕んでいるように見える。
「珀弥……君?」
応答は、無い。指先では血がぷっくりと浮かび上がり、徐々に広がってゆく。
丸い形を保っていた血は、ツーッと指に沿って滴り落ちた。
「珀……っ!?」
彼の瞳孔が、獣のように縦長に変化したように見えた。途端、私の手がグイッと引っ張られる。
珀弥君は私の指先に唇を近付けた。
その次に、なんと指に舌を這わせたのだ。生暖かい感覚が皮膚の上を走り、血を舐め取っていく。
流れ出た血を丹念に舐めるなんて、少なくとも普通の人間はしない行為。
しかも、傷口の治療の為ではなく、血を味わっているかの様だ。
あまりにも異様な光景に、私は固まってしまった。
一体、どうしたというのか。
何か言わなければと口を開いてみるが、声が出ない為、口をパクパクと動かしただけになってしまった。
怖い。いつもの珀弥君じゃない、誰か別の人みたいで、怖い。
「っく……ぁく、はく……珀、弥……君」
やっと声が出た。珀弥君は私の声に気付いたのか、顔を上げる。
でも何も言ってくれなくて、感情のこもってない視線と共に、無言の圧力が私を襲う。
「ど、し……たの? 何か、言ってよ……」
声が震えた。珀弥君の顔をした別の誰かに話しかけているようで、嫌な緊張感が身体を固めてしまう。
彼はただ、私の目をじっと見つめてきた。
それだけ。それだけなのに、身体が熱くなってきたような気がして、頭がぼんやりとする。
力が入らなくなり始め、脚がガクガクと頼りなく揺れた。
震える脚は、もはや私の身体を支えることもできず、崩れ落ちる。
へたり込んだ私に合わせ、珀弥君も腰を降ろした。
「は、くや……くん」
私は座った体勢を保てる程の力も無くなってしまい、床に仰向けに倒れてしまう。
そして、珀弥君は私に覆い被さり、両手首を掴んで床に押しつけてきた。
いくら私でも、今が緊急事態なのは理解できる。
「珀弥、君……っ!」
しかし、抵抗するだけの力も入らなくて、掠れた声で彼に呼び掛けることしか出来なかった。
私を押さえつける彼の目は、果てしなく暗く、何も映していない。
光の灯っていない瞳で、ただただ虚ろに私を見つめているだけだった。
駄目だ。この目を見ていると、頭がぼんやりとして、考えることも放棄してしまいそう。
以前にも、珀弥君に組み敷かれたことがある。あれは冗談で、すぐに私の上から退いてくれた。
だが、今の彼からは真意が読み取れないものの、冗談でやっているわけでは無いことは確かだ。
珀弥君は私にゆっくりと顔を近付けてきた。
少し開かれた口から覗く犬歯が、人間のものとは思えないほど鋭い。獣の牙と言っても差し支えは無いだろう。
あれで喉笛を咬み千切られたら——。
「おね、がい……」
目を覚まして、珀弥君。あなたはこんなことをする人じゃないでしょう?
私は誰に何と言われても、珀弥君を信じたかった。たとえ馬鹿だと言われても構わない。
ボロボロになって死にかけても尚、私を守ろうとしてくれた彼を、大切な家族を、信じたい。
だから、麻痺しかけた顔の筋肉を精一杯動かし、彼に微笑んで見せた。
珀弥君の目には相変わらず生気が無いままだが、彼は私を見てピタリと動きを止めた。
彼の身体は震え、押さえつける手の力が緩み始める。
濁った暗い濃緑色が、鮮やかで澄んだ翡翠色へと変化した。
その影響かは判らないが、私の身体に力が入るようになる。
「珀弥君、わかる? 私だよ?」
私は珀弥君の手から自分の手を引き抜き、彼の頬に添わせた。
まるで血が通っていないのではないかと疑ってしまうくらい、白い肌。ひんやりとして、無機質に感じた。
「ち、さ……」
珀弥君の瞳に、光が灯った。途端、私の上から飛び退く。
「僕、は……俺は、僕は……」
彼は私から離れ、壁に背を付けた。
頭を手で押さえて、荒い呼吸を繰り返す。酷く怯えている様子だ。
私は身を起こすと、彼に近付こうと足を進めた。
「来るな! ……ぐっ」
珀弥君は恐ろしく低い声でそれを制止する。苦しそうに呻き声を上げ、呼吸も益々荒くなっていた。
「珀弥君、どうしたの!?」
「何で、何で……」
彼は私の質問には答えず、譫言のように『何で』と繰り返す。
そして、おぼつかない足取りで、逃げるように台所から走り去ってしまった。
「珀弥君!!」
こうしてはいられない。私も彼を追い、台所から駆け出した。
* * * * * * * *
「はぁっ……はぁっ……!」
僕は何をしようとした? 千真が怪我をして、傷口から滴る血を見て、それから——。
「う、ぐ……」
心臓が大きく脈打つ。それが余りにも尋常ではない痛みを伴った。
胸を押さえても痛みは治まらない。それどころか悪化し、意識が遠退きそうになる。
ふと、視界が暗転したと思うと、身体全体に強い衝撃を受けた。
辛うじて目を開けると、自分が床に伏していることに気付いた。何と無様なのだろうか。
起き上がろうとしても、身体が言うことを聞かない。こんなことをしている場合ではないのに。
今はとにかく千真から離れないと——。
「……何で……」
ここで気付いた。視界に、白く細い物が映っている。
それが変化した自分の白髪だと理解するには、さほど時間は掛からなかった。
「……貴方も、そうなってしまいましたか」
地上から数センチ上に、足袋が浮いているのが見えた。
それを辿ってなんとか顔を上げると、天が嘆かわしいというような表情で俺を見下ろしていた。
「天……貴方もって……」
駄目だ。頭の回転が悪くなっているのか、何も考えられない、怠い。
「今のうちは私が何とかします。ですから、暫し眠りなさい」
天の冷たい手が額に当たり、視界が白く弾ける。
何が起こったのか判らぬまま、俺の意識は遠退いた——。
「わーい!」
「異議ありなのです!」
「待った!! 狐珱君の言うことにはムジュンがあります!」
「却下なのじゃ!」
「ご飯炊けたよー」
私はコマちゃん扮する社長のもと、取引先の敏腕課長・狐珱君や同僚の天ちゃんと壮絶な頭脳戦を繰り広げ、欲望と闇に包まれた社会を駆け抜けるストーリーである。
ちなみに私の嫁役の珀弥君はひたすら家でご飯炊いてた。
そして、その流れでご飯の支度をし、夕飯の最中も本格的おままごとは続いた。
***
「はぁー、楽しかったね、珀美さん」
「もうおままごとは終わってますよ、チサオさん」
私は使った食器を洗い、珀弥君がそれを拭く担当。いつも、適当に並んでご飯の後片づけをしている。
「でも、珀弥君って良いお嫁さんになりそうだよね。家事は出来るし、マメだし、女装したら美人さんだもん」
「ありがとう、あんまり嬉しくないな」
珀弥君は苦笑いしながら私から皿を受け取った。女の人みたいな扱いを受けるのはやっぱり嫌なのかな?
「いやいや! 旦那さんにしても良いよ! 家事も出来るし、マメだし、無難な顔してるから隣に居ても緊張しないもん!」
「もしかして遠回しに顔が普通って言ってる?」
珀弥君はニコニコとしながらお箸を拭いた。
彼は公式でフツメン設定が付与されているから、今更イケメンなんだよと言えるはずも無いので、私は温い笑みを見せてみる。
「珀弥君は総合的に素敵な人だから大丈夫だよ」
「雑にまとめたね」
こんな具合で会話をしながら、まったりと皿を洗う。
変だと思われるかもしれないけれど、この家庭的な空間というか雰囲気が好き。前は一人だったから。
今は隣に珀弥君が居る。傍にいつも誰かがいる。これが当たり前の日常になったのが嬉しい。
『お前はあいつに騙されてんだよ!』
「っ!」
ガシャンと音を立てて割れる皿。うっかり手から滑り落としてしまったのだ。
白く平たい皿の破片がシンクの上に飛び散っている。
咄嗟に皿の破片に手を伸ばしてしまい、指を切ってしまった。
「大丈夫!? 千真さ——」
珀弥君は血相を変えて私の傷口を見る。ちょっと切っただけだ、大したことはない。
「大丈夫、そんなに深くないから……」
彼の顔を見上げると、様子がおかしい事に気付いた。
無言で傷口をじっと見つめているのだ。
その目は虚ろで、光が灯っていない。弱々しいのに、どこか狂気を孕んでいるように見える。
「珀弥……君?」
応答は、無い。指先では血がぷっくりと浮かび上がり、徐々に広がってゆく。
丸い形を保っていた血は、ツーッと指に沿って滴り落ちた。
「珀……っ!?」
彼の瞳孔が、獣のように縦長に変化したように見えた。途端、私の手がグイッと引っ張られる。
珀弥君は私の指先に唇を近付けた。
その次に、なんと指に舌を這わせたのだ。生暖かい感覚が皮膚の上を走り、血を舐め取っていく。
流れ出た血を丹念に舐めるなんて、少なくとも普通の人間はしない行為。
しかも、傷口の治療の為ではなく、血を味わっているかの様だ。
あまりにも異様な光景に、私は固まってしまった。
一体、どうしたというのか。
何か言わなければと口を開いてみるが、声が出ない為、口をパクパクと動かしただけになってしまった。
怖い。いつもの珀弥君じゃない、誰か別の人みたいで、怖い。
「っく……ぁく、はく……珀、弥……君」
やっと声が出た。珀弥君は私の声に気付いたのか、顔を上げる。
でも何も言ってくれなくて、感情のこもってない視線と共に、無言の圧力が私を襲う。
「ど、し……たの? 何か、言ってよ……」
声が震えた。珀弥君の顔をした別の誰かに話しかけているようで、嫌な緊張感が身体を固めてしまう。
彼はただ、私の目をじっと見つめてきた。
それだけ。それだけなのに、身体が熱くなってきたような気がして、頭がぼんやりとする。
力が入らなくなり始め、脚がガクガクと頼りなく揺れた。
震える脚は、もはや私の身体を支えることもできず、崩れ落ちる。
へたり込んだ私に合わせ、珀弥君も腰を降ろした。
「は、くや……くん」
私は座った体勢を保てる程の力も無くなってしまい、床に仰向けに倒れてしまう。
そして、珀弥君は私に覆い被さり、両手首を掴んで床に押しつけてきた。
いくら私でも、今が緊急事態なのは理解できる。
「珀弥、君……っ!」
しかし、抵抗するだけの力も入らなくて、掠れた声で彼に呼び掛けることしか出来なかった。
私を押さえつける彼の目は、果てしなく暗く、何も映していない。
光の灯っていない瞳で、ただただ虚ろに私を見つめているだけだった。
駄目だ。この目を見ていると、頭がぼんやりとして、考えることも放棄してしまいそう。
以前にも、珀弥君に組み敷かれたことがある。あれは冗談で、すぐに私の上から退いてくれた。
だが、今の彼からは真意が読み取れないものの、冗談でやっているわけでは無いことは確かだ。
珀弥君は私にゆっくりと顔を近付けてきた。
少し開かれた口から覗く犬歯が、人間のものとは思えないほど鋭い。獣の牙と言っても差し支えは無いだろう。
あれで喉笛を咬み千切られたら——。
「おね、がい……」
目を覚まして、珀弥君。あなたはこんなことをする人じゃないでしょう?
私は誰に何と言われても、珀弥君を信じたかった。たとえ馬鹿だと言われても構わない。
ボロボロになって死にかけても尚、私を守ろうとしてくれた彼を、大切な家族を、信じたい。
だから、麻痺しかけた顔の筋肉を精一杯動かし、彼に微笑んで見せた。
珀弥君の目には相変わらず生気が無いままだが、彼は私を見てピタリと動きを止めた。
彼の身体は震え、押さえつける手の力が緩み始める。
濁った暗い濃緑色が、鮮やかで澄んだ翡翠色へと変化した。
その影響かは判らないが、私の身体に力が入るようになる。
「珀弥君、わかる? 私だよ?」
私は珀弥君の手から自分の手を引き抜き、彼の頬に添わせた。
まるで血が通っていないのではないかと疑ってしまうくらい、白い肌。ひんやりとして、無機質に感じた。
「ち、さ……」
珀弥君の瞳に、光が灯った。途端、私の上から飛び退く。
「僕、は……俺は、僕は……」
彼は私から離れ、壁に背を付けた。
頭を手で押さえて、荒い呼吸を繰り返す。酷く怯えている様子だ。
私は身を起こすと、彼に近付こうと足を進めた。
「来るな! ……ぐっ」
珀弥君は恐ろしく低い声でそれを制止する。苦しそうに呻き声を上げ、呼吸も益々荒くなっていた。
「珀弥君、どうしたの!?」
「何で、何で……」
彼は私の質問には答えず、譫言のように『何で』と繰り返す。
そして、おぼつかない足取りで、逃げるように台所から走り去ってしまった。
「珀弥君!!」
こうしてはいられない。私も彼を追い、台所から駆け出した。
* * * * * * * *
「はぁっ……はぁっ……!」
僕は何をしようとした? 千真が怪我をして、傷口から滴る血を見て、それから——。
「う、ぐ……」
心臓が大きく脈打つ。それが余りにも尋常ではない痛みを伴った。
胸を押さえても痛みは治まらない。それどころか悪化し、意識が遠退きそうになる。
ふと、視界が暗転したと思うと、身体全体に強い衝撃を受けた。
辛うじて目を開けると、自分が床に伏していることに気付いた。何と無様なのだろうか。
起き上がろうとしても、身体が言うことを聞かない。こんなことをしている場合ではないのに。
今はとにかく千真から離れないと——。
「……何で……」
ここで気付いた。視界に、白く細い物が映っている。
それが変化した自分の白髪だと理解するには、さほど時間は掛からなかった。
「……貴方も、そうなってしまいましたか」
地上から数センチ上に、足袋が浮いているのが見えた。
それを辿ってなんとか顔を上げると、天が嘆かわしいというような表情で俺を見下ろしていた。
「天……貴方もって……」
駄目だ。頭の回転が悪くなっているのか、何も考えられない、怠い。
「今のうちは私が何とかします。ですから、暫し眠りなさい」
天の冷たい手が額に当たり、視界が白く弾ける。
何が起こったのか判らぬまま、俺の意識は遠退いた——。
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