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第十章 仁義なき文化祭!
10-4 ドナドナ
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* * * * * * * *
『女子は男装、あわよくば男子は女装させましょ』作戦は見事に成功した。
なっちゃんが巧みなのもあるが、男子もちょっと簡単だった気がする。私は燕尾服に憧れていたこともあって、今はテンションが高い。
文化祭に男子の女装も定番だし、楽しくなってきた。
「ほ?」
ふと、教卓のに置いてあるバックが目についた。担任の薄井先生のものだ。目を凝らすと、何かがはみ出ているのが見える。
バックのベルト? いや、それにしてはツヤッツヤじゃない? なっちゃんが男子を説き伏せている中、私は謎の物体が気になった。いてもたってもいられない。あれが何か、確かめたい。
持ち主の薄井先生は、女子と男子が激しく対立していたときから席を外している。職務放棄だ。見るなら今がチャンス。
私は忍び足且つ早足で、バックに近寄る。
気分は極秘任務中のくのいち。周りを確認。私に気付く者などいない! 流石くのいち! さぁ、例のブツを改めさせて貰——。
「千真ちゃん、何してるの?」
「ヒィッ、ヒィッヒヒ!」
突然呼び掛けられ、変な声が出てしまった。
「志乃ちゃんっ」
トーンを抑えつつ、不意の声の主の名前を呼ぶ。くのいちの隠密活動も、幽霊には適わなかった。
「ごめん、びっくりさせちゃったね!」
「ううん、そんなことないよ」
申し訳なさそうに頭を下げる志乃ちゃんをフォローする。でもごめん、そんなことあった。
「私ね、これが気になってるの」
話を逸らす、というか本題に戻した。
私の指が示すのは、謎のはみ出ている何か。黒く光沢がある。
「これ……」
志乃ちゃんは眼鏡のツルを中指で上げつつ、バックに顔を近付けた。謎の物体Xを見る彼女の目は、真剣そのものだ。
「髪?」
「えっ!?」
まさか、そんな。ヅラ置いていくとか……。
「先生用のかつらにしては長いね」
「あ、確かに」
遠くから見ると、ベルトと空目したくらいだもの。そりゃ長い。
自然と手が伸びた。私の高校生にしては小さい手が、毛を鷲掴みにする。さ、サラサラ!
志乃ちゃんも唐突な私の行動に、言葉が出ないようだ。
私は毛を掴んだまま、身を退いた。黒い髪はするするとバックから滑り出て、指に絡み付いた。
長い。腰まである私の髪くらいには長い。
「あわわわ、志乃ちゃん! このヅラ思った以上に長いよ!」
「何て、無駄な長さなの……!」
薄井先生、何に使う気だったんだろう。
「ん!?」
それより、この色。青み掛かっている黒い髪だ。艶があるけれど、ふわふわな髪質。珀弥君の髪と完全に一致!
「よし、珀弥君に着けてもらおう!」
「えぇ!?」
そこからの私の行動は早かった。
「珀弥君! ウィッグ見つけてきた!」
翼君と共に黄昏ている珀弥君に突撃した。『かつら』じゃオシャレ度が低いので、『ウィッグ』と言い換える。
彼は『良かったねー』と、大きな手で頭を撫でてくれた。
目線に合わせて屈んでくれるのは、わかってるなぁと思う。彼みたいな背の高い人に見下ろされるのは、相当な圧迫感がある。
だから、目線を合わせて撫でる、という行為に小さな私は安心するのだ。
ちょっとした気遣いが出来るのが、彼の良いところ。そう、彼は良い人なのだ。仏の顔は三度までどころじゃないくらい、優しい。
だから、行けると思ったんだ。
「着けない」
あっさりと私の台詞を遮って、『ノー』と宣告された。
失念していた。彼は嫌なことは嫌と、はっきり言う性格でもあるのだ。そうだよね、どう見ても女物のウィッグだしね。嫌だよね、こんなの着けるなんて。
自分自身を納得させようとしても、ウィッグを手に入れるまでの様々な苦難が蘇る。
摺り足さし足忍び足してたら脚吊ったり、落とし穴に引っ掛かったり、敵に囲まれてピンチになったり……(※全て捏造)
じわり、と目の前が滲む。埃が目に入ったのだ。痛い。
「私、見つけたのに……」
誰にも気付かれないようにバックに忍び寄り、中身を奪うという行為は物凄くスリリングであった。
しかし、相手が嫌がっているのに、強要することはできない。いやぁ、でも、全力で拒否されると、ちょっと悲しい。
あ、やべ、目が本格的に痛い。超擦りたい。いや、でも、このタイミングでやったら確実に誤解される。
「うわー、お前引くわー」
「黎藤君……見損なったよ……!」
既に誤解されてるぅ! やばい、早く何とかしないと!
「ごめん、ちさ——」
「見つけたのに! 薄井先生のバックから!!」
「今すぐ返してきなさい!」
慌てて言ったとき、珀弥君の台詞に被ってしまった。そしてすぐさま叱られました。
怖くはない。だが、とても焦っているように見える。
「うぅ、わかった」
せっかくゲットできたのに、少し残念だ。
あ、今が目を擦るチャンス! 手の甲で目をがっつり擦る。モヤモヤが取れた! よい子は真似しないでね!
「千真、さん……」
珀弥君は呆然とした顔で私を見てきた。あれ?
「あ、違うの、目にゴミが……」
「強く言い過ぎたね。ごめん」
「聞けぇ!」
頼むからやめて! そんな申し訳なさそうな顔をしないで!!
「いや、私が悪いから」
「大丈夫、君は何も悪くない」
どこからどう見ても百パーセント私が悪いよ!
……あれ? 手にあったウィッグが無い。それもそうだ、珀弥君の手の中にあるのだから。いつの間に取られたんだろ。
「本当にごめんね、着けられないよ。だから、責任を持って僕が返」
「何を持っているんだ、黎藤」
珀弥君の後ろには、薄井先生が立っていた。気付かなかった。薄いのは頭だけじゃなかった!
「は、ははは。何って、わかめですよ」
珀弥君は薄井先生から目を逸らし、乾いた笑い声を上げた。わかめは流石にねーよ。
「そうか。頭に付けるわかめを、何故お前が持っているんだ?」
もう言い逃れできないでしょ、これ。元はと言えば私が悪いんだから、自首しなきゃ。
私が口を開きかけた瞬間、珀弥君の大きな手がそれを塞いだ。
「んむむ!」
「気付いたら手中にありました。理由はわかりません。しかし、これが咎められるべき事ならば、僕が責任を取ります」
ちょい待てぇえい! 珀弥君! 何故そこまでして私を庇うの!? 私が、私が悪いんです! つい、魔がさしちゃったんです!
「むむむむぅうう!!」
手を引き剥がそうとしても、力が強くて離れない。私の声はくぐもり、言葉にさえならなかった。
「そうか。お前は真面目な生徒だと思っていたんだがな……」
薄井先生は残念そうに唇を噛んだ。やめて! そういうの! シリアスにしないで! 悪いのは私なんだから!!
「B組の出し物が決まったようだが……」
「……はい」
「丁度、去年使われたメイド服とやらがあるんだ」
「そ、う、です、か……」
話の雲行きが怪しくなり、珀弥君の返答もぎこちない。
「見世物とはどのようなものか……試作品になってくれるよな?」
薄井先生は薄笑いを浮かべ、珀弥君に死刑宣告をした。
「……はい」
彼の返事は水分を含んでいた。目には涙が溜まっているが、無理矢理笑顔を作っている。珀弥君、無理してる。超無理してる!
「むむむ!」
男子が女装することが決まってるとはいえ、こんなこと……! 私が暴れると、珀弥君は静かに、ただ静かに、こう言った。
「千真さん、いいんだ。もう……いいんだ」
珀弥君! そんなの絶対おかしいよ!
「黎藤君、私たちが可愛くメイクしてあげるよ!」
先生が言ったのか、女子の数人がイキイキとした顔で珀弥君を囲んだ。四面楚歌。
「……よろしく、お願いします……」
珀弥君は弱々しく、頭を下げた。
「じゃ、空き教室いこ!」
女子に腕を引かれ、珀弥君は私から離れる。自由になった私が口を開きかけると、珀弥君は首を振り、何も言わせてくれなかった。
頭の中で、ドナドナが流れる。淋しそうな瞳をした子牛は、荷馬車に連れていかれてしまった。
「……珀弥は、犠牲となったのだ」
そんなことを言う翼君は、半笑いであった。薄情だな!
『女子は男装、あわよくば男子は女装させましょ』作戦は見事に成功した。
なっちゃんが巧みなのもあるが、男子もちょっと簡単だった気がする。私は燕尾服に憧れていたこともあって、今はテンションが高い。
文化祭に男子の女装も定番だし、楽しくなってきた。
「ほ?」
ふと、教卓のに置いてあるバックが目についた。担任の薄井先生のものだ。目を凝らすと、何かがはみ出ているのが見える。
バックのベルト? いや、それにしてはツヤッツヤじゃない? なっちゃんが男子を説き伏せている中、私は謎の物体が気になった。いてもたってもいられない。あれが何か、確かめたい。
持ち主の薄井先生は、女子と男子が激しく対立していたときから席を外している。職務放棄だ。見るなら今がチャンス。
私は忍び足且つ早足で、バックに近寄る。
気分は極秘任務中のくのいち。周りを確認。私に気付く者などいない! 流石くのいち! さぁ、例のブツを改めさせて貰——。
「千真ちゃん、何してるの?」
「ヒィッ、ヒィッヒヒ!」
突然呼び掛けられ、変な声が出てしまった。
「志乃ちゃんっ」
トーンを抑えつつ、不意の声の主の名前を呼ぶ。くのいちの隠密活動も、幽霊には適わなかった。
「ごめん、びっくりさせちゃったね!」
「ううん、そんなことないよ」
申し訳なさそうに頭を下げる志乃ちゃんをフォローする。でもごめん、そんなことあった。
「私ね、これが気になってるの」
話を逸らす、というか本題に戻した。
私の指が示すのは、謎のはみ出ている何か。黒く光沢がある。
「これ……」
志乃ちゃんは眼鏡のツルを中指で上げつつ、バックに顔を近付けた。謎の物体Xを見る彼女の目は、真剣そのものだ。
「髪?」
「えっ!?」
まさか、そんな。ヅラ置いていくとか……。
「先生用のかつらにしては長いね」
「あ、確かに」
遠くから見ると、ベルトと空目したくらいだもの。そりゃ長い。
自然と手が伸びた。私の高校生にしては小さい手が、毛を鷲掴みにする。さ、サラサラ!
志乃ちゃんも唐突な私の行動に、言葉が出ないようだ。
私は毛を掴んだまま、身を退いた。黒い髪はするするとバックから滑り出て、指に絡み付いた。
長い。腰まである私の髪くらいには長い。
「あわわわ、志乃ちゃん! このヅラ思った以上に長いよ!」
「何て、無駄な長さなの……!」
薄井先生、何に使う気だったんだろう。
「ん!?」
それより、この色。青み掛かっている黒い髪だ。艶があるけれど、ふわふわな髪質。珀弥君の髪と完全に一致!
「よし、珀弥君に着けてもらおう!」
「えぇ!?」
そこからの私の行動は早かった。
「珀弥君! ウィッグ見つけてきた!」
翼君と共に黄昏ている珀弥君に突撃した。『かつら』じゃオシャレ度が低いので、『ウィッグ』と言い換える。
彼は『良かったねー』と、大きな手で頭を撫でてくれた。
目線に合わせて屈んでくれるのは、わかってるなぁと思う。彼みたいな背の高い人に見下ろされるのは、相当な圧迫感がある。
だから、目線を合わせて撫でる、という行為に小さな私は安心するのだ。
ちょっとした気遣いが出来るのが、彼の良いところ。そう、彼は良い人なのだ。仏の顔は三度までどころじゃないくらい、優しい。
だから、行けると思ったんだ。
「着けない」
あっさりと私の台詞を遮って、『ノー』と宣告された。
失念していた。彼は嫌なことは嫌と、はっきり言う性格でもあるのだ。そうだよね、どう見ても女物のウィッグだしね。嫌だよね、こんなの着けるなんて。
自分自身を納得させようとしても、ウィッグを手に入れるまでの様々な苦難が蘇る。
摺り足さし足忍び足してたら脚吊ったり、落とし穴に引っ掛かったり、敵に囲まれてピンチになったり……(※全て捏造)
じわり、と目の前が滲む。埃が目に入ったのだ。痛い。
「私、見つけたのに……」
誰にも気付かれないようにバックに忍び寄り、中身を奪うという行為は物凄くスリリングであった。
しかし、相手が嫌がっているのに、強要することはできない。いやぁ、でも、全力で拒否されると、ちょっと悲しい。
あ、やべ、目が本格的に痛い。超擦りたい。いや、でも、このタイミングでやったら確実に誤解される。
「うわー、お前引くわー」
「黎藤君……見損なったよ……!」
既に誤解されてるぅ! やばい、早く何とかしないと!
「ごめん、ちさ——」
「見つけたのに! 薄井先生のバックから!!」
「今すぐ返してきなさい!」
慌てて言ったとき、珀弥君の台詞に被ってしまった。そしてすぐさま叱られました。
怖くはない。だが、とても焦っているように見える。
「うぅ、わかった」
せっかくゲットできたのに、少し残念だ。
あ、今が目を擦るチャンス! 手の甲で目をがっつり擦る。モヤモヤが取れた! よい子は真似しないでね!
「千真、さん……」
珀弥君は呆然とした顔で私を見てきた。あれ?
「あ、違うの、目にゴミが……」
「強く言い過ぎたね。ごめん」
「聞けぇ!」
頼むからやめて! そんな申し訳なさそうな顔をしないで!!
「いや、私が悪いから」
「大丈夫、君は何も悪くない」
どこからどう見ても百パーセント私が悪いよ!
……あれ? 手にあったウィッグが無い。それもそうだ、珀弥君の手の中にあるのだから。いつの間に取られたんだろ。
「本当にごめんね、着けられないよ。だから、責任を持って僕が返」
「何を持っているんだ、黎藤」
珀弥君の後ろには、薄井先生が立っていた。気付かなかった。薄いのは頭だけじゃなかった!
「は、ははは。何って、わかめですよ」
珀弥君は薄井先生から目を逸らし、乾いた笑い声を上げた。わかめは流石にねーよ。
「そうか。頭に付けるわかめを、何故お前が持っているんだ?」
もう言い逃れできないでしょ、これ。元はと言えば私が悪いんだから、自首しなきゃ。
私が口を開きかけた瞬間、珀弥君の大きな手がそれを塞いだ。
「んむむ!」
「気付いたら手中にありました。理由はわかりません。しかし、これが咎められるべき事ならば、僕が責任を取ります」
ちょい待てぇえい! 珀弥君! 何故そこまでして私を庇うの!? 私が、私が悪いんです! つい、魔がさしちゃったんです!
「むむむむぅうう!!」
手を引き剥がそうとしても、力が強くて離れない。私の声はくぐもり、言葉にさえならなかった。
「そうか。お前は真面目な生徒だと思っていたんだがな……」
薄井先生は残念そうに唇を噛んだ。やめて! そういうの! シリアスにしないで! 悪いのは私なんだから!!
「B組の出し物が決まったようだが……」
「……はい」
「丁度、去年使われたメイド服とやらがあるんだ」
「そ、う、です、か……」
話の雲行きが怪しくなり、珀弥君の返答もぎこちない。
「見世物とはどのようなものか……試作品になってくれるよな?」
薄井先生は薄笑いを浮かべ、珀弥君に死刑宣告をした。
「……はい」
彼の返事は水分を含んでいた。目には涙が溜まっているが、無理矢理笑顔を作っている。珀弥君、無理してる。超無理してる!
「むむむ!」
男子が女装することが決まってるとはいえ、こんなこと……! 私が暴れると、珀弥君は静かに、ただ静かに、こう言った。
「千真さん、いいんだ。もう……いいんだ」
珀弥君! そんなの絶対おかしいよ!
「黎藤君、私たちが可愛くメイクしてあげるよ!」
先生が言ったのか、女子の数人がイキイキとした顔で珀弥君を囲んだ。四面楚歌。
「……よろしく、お願いします……」
珀弥君は弱々しく、頭を下げた。
「じゃ、空き教室いこ!」
女子に腕を引かれ、珀弥君は私から離れる。自由になった私が口を開きかけると、珀弥君は首を振り、何も言わせてくれなかった。
頭の中で、ドナドナが流れる。淋しそうな瞳をした子牛は、荷馬車に連れていかれてしまった。
「……珀弥は、犠牲となったのだ」
そんなことを言う翼君は、半笑いであった。薄情だな!
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