ポップンロール

はやしまさひろ

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 なに遊んでんだよ! さっさと行こうぜ!
 俺は放課後、珍しくクラスの女子と話をしていた。せっかくの楽しい時間だよ。ケンジとの約束なんて忘れていた。
 俺は部活なんてしていなかったし、放課後は自由だった。アルバイトでもしようかとは考えていたけれど、あの日はまだ無職だった。なんていうか、悩んでいた時期だったんだ。
 ケイコは陸上部に誘われていたけれど、練習には参加していたが正式に入部はしていなかった。
 カナエは読書部なんていう不思議な部に入部していた。図書室で本を読み、感想文を書いたりするらしい。俺には興味がなかった。本を読むのは嫌いじゃないけれど、家でゆっくりと読みたい。誰かと並んで本を読むなんて、なにが楽しいのか不思議だったよ。誰かと並んだら、お喋りしたくなるもんだろ?
 ヨシオは軽音部に入ろうとしたけれど、拒否されていた。見た目がロックっぽくないと言われたそうだ。先輩たちは、音楽を楽しむというよりも、そのファッションだけを真似して遊んでいたんだ。ケンジの友達の長髪は、そんな先輩たちと軽音部で仲良くしているよ。結局ヨシオは、放送部に入部した。そこで好きな音楽を流して楽しんでいる。
 ケンジは俺と同じでなにもしていない。ラグビー部に入ろうとしていたけれど、俺たちの通う高校は、真剣じゃなかったんだ。学校教育の一部としての運動部なんだよ。ケンジの肌には合わなかった。
 俺もそうだけれど、スポーツっていうのはやるからには本気じゃないとつまらないと思うんだよ。プロになりたいとか、世界一になりたいとか、そんな思いなしでのスポーツはつまらない。やるからには上を目指したい。それも、最上階をだ。屋上から宇宙へと飛び出すのが理想的だ。まぁ、結果なんてどうでもいんだよな、実際は。気持ちが大事だってことだよ。この高校には、その気持ちが欠けている。
 今から行くのか? もうちょっとゆっくりしようよ。俺はクラスの女子たちに向かって、笑顔を見せて、だよねー、なんて言ったんだ。するとケンジは、俺を強く睨みつけ、いいから行くぞと声を荒げた。
 俺は女子たちに、ごめんね、また明日ね、そう言いながら教室から出て行った。楽しかった時間が、終了した。廊下で待っていたケンジを睨みつけたが、当のケンジは笑顔になっていたよ。
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