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6.Epilogue
6.Epilogue
しおりを挟む「――それでは優勝者の表彰を行います! まずは第三位、五十嵐柚一選手には、“銅の尿”賞が贈られます!」
表彰台の三位の段に立つ柚へと、表彰状とトロフィーが渡される。
「あ……ありがとうございます……!」
生真面目な表情で、柚はそれらを受け取った。
「第二位の蒼生選手には“銀の尿”賞が贈られます!」
二位の段に立つ蒼生にも、表彰状とトロフィーが贈られた。
「はい……ありがとうございます」
蒼生もまた、冷静な表情でそれらを手にする。
「そして第一位に輝いた黒星十郎選手には“金の尿”賞が――この賞には表彰状とトロフィー、及びオーストラリア旅行、三泊四日の宿泊券が授与されます!」
さくらが本部のマイクから、表彰状を読み上げる。
「黒星十郎殿。あなたは本大会において、優秀な成績を修められました。よってそれを表彰し――え? あ、でも……あ、はい……」
と、途中でさくらの声が途切れた。
「あの……どうしました?」
表彰台の進一郎も不安になり、ヘッドフォンに問いかける。
が、それに対する応えはなく――。
「えぇと、大会実行委員会役員より、ただ今物言いが入りました」
「え……?」
「黒星選手からはドーピング検査の検体の提出がなされていない、とのことです!」
「あ……!」
進一郎は絶句する。
検体とは、検査の対象となるもののこと。ここではそのために提出した尿のことだ。
元はといえば、進一郎はDCO、つまりドーピング検査員として本大会に参加していた。
賞品のことを知り、さくらに頼み込んで出場したわけだが――検査員としての役目は果たさねばならず、そのどさくさで、自分自身の検査を行うヒマは……。
「ちょ……ちょっと、今さらそんなことを言われても……!!」
段上で、進一郎は不平をもらす。
「しかし、ドーピング検査は選手の義務です。今、この時点で検体を提出しなければ不合格になります!」
「そ……そんなぁ……っ!!」
ここまでやったのに、そんなことでオーストラリア行きをフイにするのはあんまりだ。
でも……確かに、ぼく自身は検体――つまり、出場前に薬物を投与していないことを証明するための、検尿のための尿を提出した覚えはない。
どうすれば……?
待てよ……。
ふと、進一郎は数時間前のことを思い出した――。
――そうだ、ぼくはそもそもDCOとして入ったけど、レクチャーを受ける時、検体を出したはず。それがあれば!
「あ……あの、あります!!」
進一郎の声に、さくらは怪訝そうな声を上げた。
「はぁ? 何が?」
「だから、検体! ありまぁす!!」
「どこに?」
「えぇと……だから、医務室です!!」
――そう、正規の検体提出は行わなかった。
しかし、DCOとしての職務のレクチャーを受ける時、テストとして進一郎は洩斗の前で放尿し、それは検査キットに収められた。
「ね、洩斗クン! あるよね!?」
段上から周囲を見渡し、進一郎は洩斗へと呼びかける。
「――うん、そうだね……」
洩斗が進み出てきた。
「確かあれは、医務室の冷蔵庫に保存したはずだよ」
「よ……よし! それを提出します!!」
進一郎の言葉に、さくらは戸惑いの声を上げる。
「えぇと……そうですね……大会役員の方のおっしゃるには――え? あ、はい、そうですか……えぇと、了解です、それではドーピング検査担当役員も兼ねる江木月選手の立会いの下、検体を提出していただきましょう」
さくらの言葉に、進一郎はほっと胸を撫で下ろした。
……。
…………。
………………。
というわけで、進一郎と洩斗は医務室から、検体ボトルを手にして戻ってきた。
進一郎の手の中のボトル、淡いレモンイエローの液体に満たされたそのボトルこそが、提出すべき検体だ。
本部テントのさくらは進一郎からそれを手渡され、ためつすがめつするが――。
「えぇと、じゃあ、ちょっとここで確認させていただきますが……んぁッッ!?」
素っ頓狂な声が、マイクを通して会場一体に響き渡る。
「ど……どうしました!?」
尋ねる進一郎に、さくらはマイクをオフにして、怒鳴りつける。
「このバカポン!! これ何なの、これッッ!?」
手のボトルに貼られたラベルを、さくらは進一郎の眼前に突きつけた。
「あ……!」
進一郎も声を詰まらせる。
――そこには、「富士進一郎」と署名がされていたのだから。
「こ……これは……でも、まだこの時は、その、偽名を使うとは思ってなくて……」
目を白黒させる進一郎だが、さくらは再びマイクをオンにすると、投げやりな調子でアナウンスを再開した。
「え~~、というわけで諸事情のため、この検体は不採用ということで……」
「そ……そんなあ……!!」
「『そんなあ』じゃないわよ!!」
――と、そそおが見兼ねてか、割って入った。
「あのぉ……要は、ここでしん……じゃなくて十郎クンのお小水を改めて採取すればいいだけのことでは……?」
「え゛……?」
顔を強張らせる進一郎だが、事態を見守っていた観客席の連中は、大いに沸いた。
「そうだそうだ!」
「十郎きゅんに検査のチャンスを!!」
「検査! 検査!!」
「け・ん・さ! け・ん・さ!!」
「はぁい、それでは最後にもう一度、黒星選手に頑張っていただきましょう!!」
さくらがアナウンスする。
「ちょ、ちょっと、そんな……!」
慌てる進一郎へ、さくらはマイクオフで問い詰めた。
「じゃあ、棄権するの? せっかくゲットしたオーストラリア旅行、三泊四日の宿泊券?」
「そ……それは……で、でも、もうさんざんおしっこしたから、もうさすがに――」
と、またしてもそそおが進み出る。
「大丈夫。ほら、ぼくといっしょに頑張ろ♥」
「え゛……?」
そそおの妙に嬉しげな表情に、進一郎は思わず、また固まってしまうが――。
「――というわけで、黒星選手、身の潔白を証明するための、決意の放尿です! 観客席の皆様も、どうか温かい応援をお願いいたします!!」
さくらのアナウンスの下、表彰台の上の進一郎に、観客たちの注目が集まっていた。
「そ……そんな、身の潔白とかじゃないし、応援もいいし……」
泣きそうな声の進一郎の背後から、彼の下半身に組みつくのはそそお。
「まあまあ……ほら、早くおシッコ出して?」
「だ……だから、尿意とか、全然ないし……」
しかし構わず、そそおは彼のボトムスへと手をかけ――。
ぷるんッッ☆
降ろされたボトムスの下から、ちっちゃなペニスが転がり出てくる。
「さあ……してご覧?」
包皮に包まれた包茎ペニスの下へと、そそおが検尿カップを差し出す。
「だ……だから、すぐには出ないってぇぇ……っっ!」
「出せるって。ほら……イメージしてご覧、君の膀胱には既に、さっき飲んだ水がおシッコになって溜まりつつあるはずだよ……♥」
「え……?」
「ほら、思い浮かべてご覧……」
「あ……あぁ……そんなこと言われたら、な……何だか……っ」
何とはなしにその気になってくる進一郎。
そんな彼の表情も前進も、そしてもちろん露出されたペニスも、スクリーンの分割画面に大きく映し出されていた。
「十郎! 十郎きゅん! おしっこして見せて!!」
「放尿! 放尿!!」
「ほ・う・にょ! ほ・う・にょ!!」
観客の歓声の中、進一郎はそそおに抱きかかえられたまま、いつしか甘い声を上げていた。
「あん……あはぁ……そんなこと言われたら、ぼくぅぅ……っ♥」
「ほら……僕におシッコ……見せて……♥」
「あ……あぁ……出る……あん、おしっこ……出るぅぅぅ……っ!」
――ぷしゃあああああああああああああああああああああああああああ……っ!
ペニスの先端までを覆うたっぷりとした包皮を破り、水流が迸った。
「やりました! 黒星選手、とうとう放尿しました!」
さくらが興奮して解説する。
「汚れない精通前の少年の尿道を通って来た尿が、陽の光に煌めきながら、カップへと注がれていきます! 何て美しい光景でしょう! 観客席の皆様、惜しみない拍手を!!」
割れんばかりの、万雷の拍手。
そんな意味不明な状況の中、進一郎のペニスはカップの中を満たし、ようやくおとなしくなった。
「あぁ……はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」
疲れ切って、がっくりと頽れる進一郎。
その身体を抱きかかえながら、そそおは彼の尿で満たされたカップへと、大事そうに蓋をした――。
――後日、進一郎の下(もと)へと、オーストラリアのホテルの、三泊四日の宿泊券が届いた。
が、それは署名欄にはっきりと「黒星十郎」と大書され、誰も使うことのできないものであったという――。
=end=
※お知らせ※
さて、進一郎の想起していた、数時間前のDCO(ドーピング検査官)体験はどのようなものだったでしょう?
気になる方は「fantia」の「雛子一の日和っ子倶楽部」、或いは「DLsite」、「Fanza」、「デジケット」で「オトコの子/娘のおし○○!運動会編 Expansion」をDL!
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