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93.これからは
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どれくらい経ったんだろう。
私は飽きもせずにずっとこの可愛い寝顔を眺めている。
その間もいろいろな事を考えていた。
彩ちゃんの家庭のこと、過去の出来事、私への感情、そしてこれからのこと。
しかしそのどれを取っても答えが出ることはなかった。
当たり前だけど。
ただ…私はこの曖昧な感情で彩ちゃんと"お付き合い"はできない。という事だけははっきりとわかる。
こんなにも繊細な心を持つ子に中途半端な気持ちで向き合うのでは申し訳がない。
『ん…んむ。』
声にならないような声がした。
ふふ♪赤ちゃんみたい。
瞼をぎゅうぎゅうとしてからゆっくり大きな目が開く。
『あぁ…衣瑠ちゃん。居てくれたんだ。』
そう言って彩ちゃんは安堵したように微笑んだ。
「大丈夫??」
『うん。ありがとう。えっと……なんかね、私、わかった気がする。』
「えっ?何が?」
『なんでもない♪それとね、衣瑠ちゃん…衣瑠は私の"初めてのトモダチ"だからっ♪そういう事なのでこれからもよろしくねっ。』
初めての…トモダチ…えっ??
「トモダチってどういう事???あの…だって私たち…」
『付き合ってる?…うん。だけど…やはりまずはトモダチからスタートさせてもらうわ♪"今の私"はそういうものでしょ?』
「ごめん!それどういう意味なのかわかんないんだけど…」
『"見てれば分かる"もの。これ以上私に言わせないでよっ。あくまでもトモダチはスタートラインだから!そこからは実力よ。だから、これからは色々と相談に乗ってもらおうかなっ…』
んん??まぁよくわかんないけどトモダチの関係に戻るって事だよね…うん。彩ちゃんが決めた事なら…
「わかったよ。相談なら任せてっ!彩ちゃんの力になりたい♪」
『ふふ♪ありがとっ…さっ、もうこんな時間だけれどいいの??雨も止んだみたいだよ♪』
「あ!もうこんな時間かぁ…帰ってご飯作んなくちゃ!!」
私は飽きもせずにずっとこの可愛い寝顔を眺めている。
その間もいろいろな事を考えていた。
彩ちゃんの家庭のこと、過去の出来事、私への感情、そしてこれからのこと。
しかしそのどれを取っても答えが出ることはなかった。
当たり前だけど。
ただ…私はこの曖昧な感情で彩ちゃんと"お付き合い"はできない。という事だけははっきりとわかる。
こんなにも繊細な心を持つ子に中途半端な気持ちで向き合うのでは申し訳がない。
『ん…んむ。』
声にならないような声がした。
ふふ♪赤ちゃんみたい。
瞼をぎゅうぎゅうとしてからゆっくり大きな目が開く。
『あぁ…衣瑠ちゃん。居てくれたんだ。』
そう言って彩ちゃんは安堵したように微笑んだ。
「大丈夫??」
『うん。ありがとう。えっと……なんかね、私、わかった気がする。』
「えっ?何が?」
『なんでもない♪それとね、衣瑠ちゃん…衣瑠は私の"初めてのトモダチ"だからっ♪そういう事なのでこれからもよろしくねっ。』
初めての…トモダチ…えっ??
「トモダチってどういう事???あの…だって私たち…」
『付き合ってる?…うん。だけど…やはりまずはトモダチからスタートさせてもらうわ♪"今の私"はそういうものでしょ?』
「ごめん!それどういう意味なのかわかんないんだけど…」
『"見てれば分かる"もの。これ以上私に言わせないでよっ。あくまでもトモダチはスタートラインだから!そこからは実力よ。だから、これからは色々と相談に乗ってもらおうかなっ…』
んん??まぁよくわかんないけどトモダチの関係に戻るって事だよね…うん。彩ちゃんが決めた事なら…
「わかったよ。相談なら任せてっ!彩ちゃんの力になりたい♪」
『ふふ♪ありがとっ…さっ、もうこんな時間だけれどいいの??雨も止んだみたいだよ♪』
「あ!もうこんな時間かぁ…帰ってご飯作んなくちゃ!!」
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