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After Story…My Dearest.14
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そして私がその背中を見上げていると、小さな声が浴室に響いた。
『変わらないよ、衣瑠は』
変わらない?えっと、それって…?
私がそれを尋ねようと口が開こうとした時、莉結の口が再び開く。
『私にとって衣瑠は変わんない。だって衣瑠は昔から強くなんかないもん。知ってるよ、ずっと側に居たから。』
そして莉結は私に振り返ると『はいっ、交代♪』と微笑んだ。
その瞬間、私はシャワーのお湯とは違う温かな水の滴りを頬に感じて、黙ったままシャワーの前へと身体を移した。
すると、後ろから莉結の手がシャワーを取り『お湯、出してっ』と耳元で莉結の声が小さく発せられる。
小さく頷いてからシャワーのハンドルを回す。すると突然、私の頭上からスコールのように降り注いだお湯が私の髪を濡らした。
「わぁっ!?ちょっといきなり何っ?」
ビショビショになった髪をかきあげると、背後でクスクスと笑う声が浴室に響く。
そして"ふぅ"という吐息の後、いつになく優しい莉結の声が再び耳元で囁かれる。
『衣瑠が強くある必要なんてないんだよ?誰のために強くなきゃいけないの?大丈夫、みんな自分の事は自分で守れる強さくらい持ってる。だからね、衣瑠は自分の事だけ守れる強さがあればいいんだよ』
「自分の…事だけ?」
『そう、自分の事だけ。私はね、自分自身に負けちゃわないだけの強さがあればいいって思うんだ』
背中を包む泡と共に、私の心も温かなベールが包み込んでくれた、そんな気がした。
「ねぇ、昔みたいに洗いっこしよッ♪」
『ふふ、元気出たみたいで良かった』
「ねっ?やろうよ昔みたいに」
私たちは向かい合って座ると、髪を濡らし、シャンプーを手に取り、互いの髪の毛を泡立たせる。
「そういえば、昔は"いつか莉結にも長い髪の毛洗うの大変なんだぞ"って思わせてやる!とか思ってた」
『えぇ?何それっ、私は毎日長い髪の毛洗ってるのに?』
「それそれ!ほんとバカだったんだなぁって私っ」
『私は可愛いと思うよ?』
そんな楽しげな二人の笑い声が浴室に響く。その声はいつしかあの頃の唄を口ずさみ、この家の主人(あるじ)の目を細くさせた。
『変わらないよ、衣瑠は』
変わらない?えっと、それって…?
私がそれを尋ねようと口が開こうとした時、莉結の口が再び開く。
『私にとって衣瑠は変わんない。だって衣瑠は昔から強くなんかないもん。知ってるよ、ずっと側に居たから。』
そして莉結は私に振り返ると『はいっ、交代♪』と微笑んだ。
その瞬間、私はシャワーのお湯とは違う温かな水の滴りを頬に感じて、黙ったままシャワーの前へと身体を移した。
すると、後ろから莉結の手がシャワーを取り『お湯、出してっ』と耳元で莉結の声が小さく発せられる。
小さく頷いてからシャワーのハンドルを回す。すると突然、私の頭上からスコールのように降り注いだお湯が私の髪を濡らした。
「わぁっ!?ちょっといきなり何っ?」
ビショビショになった髪をかきあげると、背後でクスクスと笑う声が浴室に響く。
そして"ふぅ"という吐息の後、いつになく優しい莉結の声が再び耳元で囁かれる。
『衣瑠が強くある必要なんてないんだよ?誰のために強くなきゃいけないの?大丈夫、みんな自分の事は自分で守れる強さくらい持ってる。だからね、衣瑠は自分の事だけ守れる強さがあればいいんだよ』
「自分の…事だけ?」
『そう、自分の事だけ。私はね、自分自身に負けちゃわないだけの強さがあればいいって思うんだ』
背中を包む泡と共に、私の心も温かなベールが包み込んでくれた、そんな気がした。
「ねぇ、昔みたいに洗いっこしよッ♪」
『ふふ、元気出たみたいで良かった』
「ねっ?やろうよ昔みたいに」
私たちは向かい合って座ると、髪を濡らし、シャンプーを手に取り、互いの髪の毛を泡立たせる。
「そういえば、昔は"いつか莉結にも長い髪の毛洗うの大変なんだぞ"って思わせてやる!とか思ってた」
『えぇ?何それっ、私は毎日長い髪の毛洗ってるのに?』
「それそれ!ほんとバカだったんだなぁって私っ」
『私は可愛いと思うよ?』
そんな楽しげな二人の笑い声が浴室に響く。その声はいつしかあの頃の唄を口ずさみ、この家の主人(あるじ)の目を細くさせた。
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