本日は性転ナリ。

ある

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After Story…Aya.7

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前を見ると稚華の悪戯な微笑みとウィンクが今起こったコトが偶然ではない事を私に教える。

と、稚華の表情が変わり、『彩ッ後ろッ!!』と私の背後を指差した。同時に鳴り響いた笛の音に後ろへ振り向くと、『ゴメーーーンッ!!』

…私は再び泡のコポコポという音に包まれた。

背中の鈍痛と共に水面から顔を上げると長い髪から雫を垂らしつつ『ゴメンッ!!ほんとゴメンッ、フライングしちゃって。』と手を合わせ謝る莉結の姿が目に映った。
「大丈夫だからいいよ全然♪」
と言いつつも背中からジンジンとした痛みが伝わってくる。

プールサイドから監視員に怒られる莉結と共にプールサイドへと上がると『ちょっとだけあそこで休んでるわね。私の事は気にしないで適当に遊んでてちょうだい♪』
そう言って心配する皆に気を遣わせないよう一人で日陰の休憩スペースへと向かった。

辛うじて残る小さな空きスペースに腰を下ろすと、『じゃぁ…僕たちだけで行ってくる』と不満気な声が聞こえ、目の前を小さな兄妹が通り過ぎる。

『お姉ちゃんやっとお出かけしてくれてプール来たのになんで泳がないんだろ。』

『"いつもみたい"にお家に居たかったんじゃない?』

私は何気なくその子たちが座っていた場所に目をやった。

そこには場の雰囲気に削ぐわない格好をした女の子が自分の存在を消すかのように座り込んでいた。

真夏だというのに長袖のシャツにジーパン、頭には帽子を深く被りマスクまで装着している。

何かしらあの子…芸能人か何かかしら?

あまり気に留めず、人混みの中の稚華たちを探していると、周りの楽しげな雰囲気を切り裂くように声にもならない程の叫び声が響いた。

私が何事かとその声の方向に視線を向けると、先程の不審な女の子が両手で自らの口元を押さえつけ、車1台分の縦幅程も離れた私の位置からも分かるほどに震えていた。

その子が誰かに何かをされたような雰囲気は無く、周りやその声に立ち止まった人々の凝視する視線もすぐに逸らされていった。
ただ、私だけは何故かその子から視線を離せずにいた。
そして真夏だというのに身体を震わせながら目を泳がせている不審な彼女とふとした瞬間に目が合った。

その時だった。彼女は突然その身体を後ろへ突き飛ばされたかのように後方へよろめかせると、私を見て大きく目を見開いたままこう言ったのだ。

『たす…けて。』

彼女の只ならない様子に私は立ち上がって彼女の側へと歩み寄る。

そして怯えた様子の彼女に『どうしたの??』と屈み込むと彼女は涙ながらにこう言った。

『誰か助けて!!殺される!!』と。


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