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めくられたページ2
しおりを挟む……そんな二人の愛情をいっぱいもらって何の問題も無く育った私だけど、小さな頃はお父さんやお母さんを不安にさせた時期があったみたいだった。
私は覚えていないけど、それは私が二歳を過ぎた頃ぐらいからだったって聞いた。
それまでは、ほかの子たちと変わりない無邪気な子供だった私が、ある日を境に急に"子供らしくなくなる事"があったらしい。
何というか……それは"子供の姿をした大人"。そんな風に思った事もあるとお父さんは言っていた。
始まりは、ある日楽しそうに一人で遊んでいた私が急に静かになって、お母さんはふとそれに気付いた。
私の事が気になってお母さんが名前を呼ぶと、私は小さな瞳を真っ直ぐに向けて、"わたし……ひさめなんて名前じゃない"と消えてしまいそうな声で、確かにそう言ったそうだ。
そんな昔の私のホラー地味た話はまだいっぱいある。
それは蒸し暑い夏の深夜、暗い部屋に響いた私の呻(うめ)くような声で目が覚めたお父さんが私に近寄ると、"シーチ……シーチ……"と呪文の様なものを唱えていたり、またある時は、突然何かを思い出したように"わたし、行かなきゃ"と家を飛び出して行きそうになったり……
そんなおかしな事をしても、少し時間がたつといつの間にかいつもの私に戻っていたみたいで、私にその時の事を聞いてみてもいつもの無邪気な笑顔が返ってくるだけで、私もちょっと前の出来事なのにそれを覚えていないみたいだったって。
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