滝川家の人びと

卯花月影

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24 逃れの町

24-2 腹中の虫

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 家臣たちに薬草集めを命じ、一益自身は更に医書を読み解くことにした。とはいえ越前では雪がちらほらと舞い始めている。薬草を集めるには時期が悪い。たとえ薬草が集まったとしても、あそこまで腹中の虫が成長していては、大した効果は望めない。
「かように薬学に精通されておるのは如何なる由縁であろう。父上は薬医を志しておられたのか」
「それは、まぁ、殿は何でも存じておられるので…」
 七郎に問われて義太夫が返事に困っている。幼い七郎にとって、父である一益は万能であり、常人を超越した仙人のように見えている。義太夫としても、そんな七郎に種明かしするのは躊躇われた。
 孫 思邈が書き記したのは千金方だけではない。薬王と呼ばれた孫 思邈の最大の発明、それが火薬だ。始皇帝が探し求めた不老不病の薬。そしてその過程で生み出された練丹術。初期の火薬は練丹術によって偶然生みだされ、秦代に書かれた練丹書には黒色火薬の元となる木炭・硫黄・硝石について詳細な記述がある。
 その後、何百年もかけて伏火硫黄法は発展を続けた。孫 思邈が処方した火薬は秦代の火薬とは比べ物にならない威力を誇った。
 兵器として使用されることになったのは更に何百年もあとになる。火薬の発明から千年。その間、効果的な薬が生み出され、多くの人の病が癒されてきたが、それと同時に、効果的な兵器が生み出されてきた。人の命を救わんと願い、発展しつづけた医薬が、時を経るに至って効果的に人の命を奪う火薬兵器として利用されることになったのは何故なのだろうか。

 一益は日に一度は長秀の様子を見に行くが、容態は日を追うごとに悪くなっている。終始苦しそうに目を閉じ、顔を歪め、時折、一益に気づき、一言二言、思い出したように言葉を発する。
「天下を得たのは、わしの尽力あってのこと。それゆえに天下を代わり持ちしたいと、そう言うて…」
 何のことを言っているのか分からず、傍に控える建部与八郎を見ると、建部与八郎が事の次第を話し出す。
「羽柴筑前様が、我が殿に対して上洛を促したのでござります」
 病気を理由に上洛してこない長秀の態度に不安を感じた秀吉は、こうして天下を手にしたのは長秀の尽力の賜物。長秀が上洛するのであれば、自分が越前に入るので、天下のことは長秀に任せたい。天下を交代で治めようと、そう提案し、腹心の蜂須賀正勝を使者に立てて起請文を送ってきた。
 しかし、そこまでしても上洛しなかったため、病気はまことのことであったかと涙を流し、大医の竹中法印を送って来たという。
(病いの真偽を確かめるため、配下の典医を送ってよこしたか)
 嫡子が幼いことを案じる長秀に、秀吉は何も案ずるなと言ったというが、そんなはずがない。長秀は死に瀕し、全くあてにならない秀吉の言葉にすがるほど、追い込まれているのだろう。
(五郎左、己のしたことを忘れたか)
 信長の遺児たちにしてきたことを忘れるはずもない。三男・信孝を死に追いやり、次男・信雄に兵を差し向け、織田家から天下を奪い取った。それらは長秀の意図したことではなかっただろう。しかし、生きている犬は死んだ獅子にまさる。誰もが恐れた信長が死したのち、誰が信長を恐れ、忠義を尽くしたというのだろうか。
「筑前が起請文まで送ってよこしたのであれば、案ずることはなかろう。まずは病を治すことじゃ」
 そう言葉をかけると、長秀は頷いて目を閉じる。
 自分で言っていて空しくなった。白々しい態度を取り続ける秀吉にも呆れるが、それにすがる長秀にも同情を禁じ得ない。人々から第六天魔王と恐れられた信長は、今はもう無力な死者となった。すべての事はすべての人に同じように起こる。同じ結末が、正しき者にも、悪者にも、善人にも、きよい者にも、汚れた者にも来る。善人にも、罪人にも同様である。生きている者は自分が死ぬことを知っているが、死んだ者は何も知らない。
 今まさに死に瀕している長秀は、それを体感し、恐れている。
 いや、長秀だけではない。こうして生きている一益も、義太夫も、七郎も、誰しも皆、天が下に生まれた人は自分の時を知らない。悪い網にかかった魚のように、わなにかかった鳥のように。しかし、すべて生きている者に連なっている者には希望がある。だからこそ生きている内に、希望を見出さなければならない。

 一益一行が越前に来る一月前。
 伊勢を引き上げた一益は残った家臣たちを連れ、洛外にある暘谷庵へ戻った。そして都の南蛮寺で久しぶりにロレンソに会った。
「もう戦さはやめにしたか」
  誰に何を聞いたのか、ロレンソは開口一番にそう言った。
「殺気が全く感じられぬ。ようやくまことの隠居か」
 目の不自由なロレンソは昔から殊の外、感覚が鋭い。自分では何も意識してはいなかったが、ロレンソは何かを感じ取ったようだ。
 一益はそれには答えず、
「大坂に行ったと聞いていたが?」
 この頃のロレンソはとても忙しい。高山右近が新たに大坂に作った南蛮寺に友人たちを呼び寄せ、度々集会を開いている。ロレンソは右近に呼ばれ、何度も大坂まで足を運んではキリスト教の教えを説いている。
「右近殿が若い武将たちを連れてくる。牧野殿が洗礼を受けたことで、おぬしの義弟も足しげく通ってきておる」
「鶴がことか」
 安土にセミナリオがあったころ、信忠をはじめとする信長の息子たちとともに、忠三郎や三九郎が通い詰めていたことを思い出した。
(あのときは、快幹と賢秀に厳しく叱責され、キリシタンになることをあきらめたのであったな)
 不憫なことをしたなと思う。信長の三男・信孝は、自分がキリシタンになることで父の信長がどう思うかと案じ、信長にそれとなく探りを入れてほしいと言っていた。信孝だけではない。みな、信長の目を気にしていただろう。
(それでもキリシタンの教えを聞きに行っていた)
 多くの寺を焼き討ちにし、どこへ行っても仏敵と呼ばれていた信長の子弟たちが、キリスト教に救いを求めたのも無理からぬことだ。
(三九郎も、鶴も同じであろう)
 人の命を消耗品とみなす者がいる反面、多くの命を奪うことで心を痛め、悩み、病む者もいれば、出家する者もいる。
(されど我らは…)
 第六天魔王と呼ばれた信長の家臣として、高い位をもつ僧を何百人と葬って来た仏敵だ。業の深さは計り知れず、その罪の重さは負いきれるものではない。命を懸けて戦った先には避け得ぬ死があり、死して後も安ぎを得ることができないと言われれば、必死になって、どこかに安らぎを求めるのは当然のことではないだろうか。
「日野におるころよりも、今、キリシタンになることのほうが、はるかに障害が多いが…」
 忠三郎の新領地にあるのは日の本の総氏神とされる伊勢神宮。伊勢には皇室の氏神である天照大御神が祀られている。キリシタン嫌いの正親町帝が黙っているはずもなく、忠三郎がキリシタンになれば混乱は避けられない。
 さらには大坂と京を忙しく行き来するロレンソの思いとは裏腹に、これまで信長の庇護下にあって順風満帆だったキリスト教の布教にも微妙な影がさしてきている。
 この五月に、秀吉は、かつて信長が焼き討ちにした比叡山延暦寺の復興を認めた。今後、どう風向きが変わるのかはわからないが、キリスト教に興味を示し、宣教師たちに対しても協力的だった信長のときとは異なってくるだろう。
「帝が譲位するまで待った方がよいと?」
 正親町帝には度々譲位の話があがっている。しかし一益は首を横に振る。
「いや、その必要はない。世の移り変わりを待っていては、いつまでたってもキリシタンになることはかなわぬであろう。今の鶴にはキリシタンの教えが必要な筈じゃ。鶴の面倒をみてやってくれ」
 ロレンソは笑って快諾してくれた。
「それはそうと、おぬしはこれからどう生きる所存か」
 一益がもう戦場に出る気がないことを察しているようだ。
「都で子らとともに静かに暮らしたいと思うておる」
 誰よりも風花がそれを望んでいる。何人もの家臣を失い、これまでのような闘いの日々を続ける思いは消えていた。
「これまで多くの者を殺めてきたのじゃ。少しは真逆のことをしてはどうか」
「真逆のこととは?」
 ロレンソの言いたいことが分からず、何のことかと思っていると、ロレンソが南蛮寺の書庫から一冊の書物を取り出して渡してきた。
 -『察証弁治啓迪集さしょうべんじけいてきしゅう』ー
 表紙にはそう書かれていた。略して啓迪集《けいてきしゅう》。書いたのは当代きっての名医と言われた曲直瀬道三。大陸からもたらされた六十四の医書を抜粋して書かれたものだ。曲直瀬道三はこの啓迪集を帝に献上するとともに、医学校である啓迪院を作って数百人もの弟子を育成し、医術を広めていた。道三流医術と呼ばれた医術は、祈祷やまじないの類ではない。相手の顔色・舌の色・動作を観察し、脈を取り、患部を直接触れて確かめ、そこから診断を下して薬を処方する。察病弁知さつびょうべんちと呼ばれ、これまでの医術とは全く異なってはいるが、その診断は適格であり、多くの人の病を癒した。
 帝はもちろんのこと、細川晴元、三好長慶、足利義輝、織田信長といった時の天下人の脈を取ることもあったが、道三が第一と考え、伝えていたのは医の論理だ。慈悲深く相手を思いやり、相手の身分にとらわれることもなく、そして秘密を守れと教える。その教えの通り、道三自身はどこの家にも奉公することなく、頼まれれば何処へでも行き、相手の身分にとらわれず、誰でも診ているらしい。
「何故にこれを持っておる?まさか曲直瀬道三は…」
 そのまさかだった。驚くべきことに、豊後で病に倒れた宣教師の診察をしたことが契機となり、曲直瀬道三はキリスト教に興味を示し、その教えを乞うにいたった。
「曲直瀬殿は年の暮れ、生誕祭に洗礼を受けることになっておる」
 ロレンソは言う。
「おそれるな、語れ、默すな。我、汝とともにあり、誰も汝を攻めて害う者なからん、とは正にこのことじゃ」
「如何なる意味か」
 それは初代教会と呼ばれた千五百年前の話。キリスト教が未だ伝えられていないコリントと呼ばれた港湾都市で布教を始めたキリストの弟子に対する神の啓示だという。
 神はこの街には私の民がたくさんいると、そう言って宣教師たちを励ました。
「布教をはじめたばかりで、キリシタンがたくさんいると?」
「然様。キリシタンとなるべく予め定められた者たちがおるという意味じゃ」
 ロレンソは曲直瀬道三も同じように、キリシタンとなるべくしてなったと、そう言っている。
 帝の覚え目出度い曲直瀬道三がキリシタンとなることで、吉と出るか、凶と出るかは分からなかったが、ロレンソは一益に、薬学の知識を生かせと、そう言っているのだろう。今更医術を覚える気もなかったが、希少な書物であり、目を通しておきたいと思った一益はロレンソから啓迪集を受け取った。
 そのすぐ後に、丹羽長秀が病に伏しているという知らせが届いた。
(なんとも出来すぎた話ではないか)
 七郎と、建部与八郎が伝えてきた症状から、寄生虫であろうことは察しがついたが、寸白虫すばくちゅうであるなら、治す手立てがない。どの書物を紐解いても、効果的な薬の記載はなかった。
 それでも越前に向かうことにした理由は、自分でも分からない。ロレンソが言うように、病に苦しむ多くの人を救いたいなどという思いがあったわけではないが、七郎のことが案じられたのと、丹羽長秀本人にも会っておかねばならないような、そんな気がしていた。

 柴田勝家がここ、北ノ庄で宣教師たちに布教の許可を与えてから三年がたつ。フロイスは約二十日間滞在し、その間に五十名を超す者がキリシタンとなり、小さな南蛮寺が建てられた。
 フロイスが去った後も、北ノ庄にある南蛮寺ではキリシタンたちが集まり、ミサを捧げている。
 しかし不思議なことに、フロイス来訪の前からキリスト教は北ノ庄に留まらず、越前一帯に広まっていたという。
「すでに宣教師が来ていたと?」
「いかにも。フラテンなる宣教師が来たのが最初。それ以来、この地では少しずつキリシタンが増えていったのでござります」
 フラテンはフロイスらの所属するイエズス会ではなく、フランシスコ会の宣教師だ。フロイスが勝家に布教許可を求めたときにはすでに越前にはキリシタンがいたことになる。
 建部与八郎は越前を案内しながら、そんな話を聞かせてくれた。
(まるでわしとロレンソの話を聞いていたかのような話じゃ)
 不思議な縁を感じていたが感心してばかりもいられない。建部与八郎をはじめとする丹羽家の家人たちは、一益が長秀の病を治すことを期待し、毎日のように容態を聞きに来る。
「新介の治療をしたキリシタンの修道士。あの者は、豊後にいるアルメイダなる修道士から医術を学んだとか。南蛮の医術には寸白虫の治療法があるやもしれませぬな」
 義太夫が言う通り、アルメイダは西洋医学を学んだ外科医だ。元々ポルトガルの商人だったアルメイダは貿易のために日本を訪れた際、宣教師トーレスに会う。国に戻ったアルメイダは自らも宣教のために日本にくる決意を固めて、再来日する。
 そこで目にしたのは、生活苦から川の入り江の砂地に赤子を置き、満潮のときに溺死させる赤子殺しだった。古来から行われていた習慣であり、必要悪とみなされていたが、南蛮人には相当な衝撃だった。
 アルメイダは私財を投じて豊後に乳児院を作り、それがのちに慈善病院となった。
「そのことであるが…」
 越前に来る前、同じことを思い、南蛮医療と呼ばれる医術を確認したが、刺絡、縫合、焼灼、瀉血など、いずれも目にしたことのない手技ばかりで、書物を読むだけで習得できるものではない。
 そして寸白虫を処置した例も一件だけあった。
「腹を切り裂き、虫を取りだしたらしい」
「腹を切って取り出した?…で、その後は?」
「臓物を針と糸で縫い合わせたと」
「へ?臓物を針と糸とは?」
 そんな恐ろしいことをしたのかと義太夫はゾッとして
「小袖でもあるまいし、針と糸とは奇怪な。それで、大事には至らなかったので?」
「いや…」
 相当な出血量で死に至っている。最初から、放置していても助からないと踏んで処置したようだ。
「腹を開き、患部を切除する。さらには、腹腔を洗浄し、切り開いた部分を縫い合わせるとはまさしく後漢書に出てくる曹操の典医・華佗のごとき神医の技。されど、それをするには麻沸散なる麻酔薬を作らねばならぬ」
 腹を裂くともなれば麻酔薬は欠かせない。
 薬によって寄生虫をも退治したという華佗。その細かい処方は残っていない。虫を殺すには毒草を、そして麻酔薬も毒草を用いていることは確かだ。決められた法則に従って複数の毒草を調合するが、その量は相手の体格によって変化する。量を間違えると命取りになる。
(迂闊なことはできぬ)
 神医と呼ばれた華佗が治療した者は、一旦は回復したものの、三年後に再発している。
「そのような恐ろしきことをせずとも、南蛮渡来の妙薬で何とかなりませぬか」
 豊後ではマカオ、ゴアと呼ばれる地からの妙薬により多くの病人が治癒していると聞く。実のところ、アルメイダは外科医であり、従事していたのはもっぱら怪我人の治療で、内科においては日本人医師にゆだねられていた。
 しかし、あそこまで虫が大きくなっていては、薬だけではいかんともしがたい。

 年が明けて天つ正しき十三の年。
 都からは秀吉が紀州を平定し、従三位・権大納言に任じられたという話が伝え聞こえていた。
 北ノ庄では一益が日々、長秀の容態を診てはいるが、一向によくなる気配はなく、襲い掛かる激痛で満足に食事もとれなくなっている。
「父上、五郎左様を治してくだされ。何故父上は五郎左様を治してくださらぬのじゃ」
 幼い七郎の目から見ても長秀が深刻な症状であることがわかるらしく、朝に夕に、七郎にせがまれている。
「七郎、わしとて治せるものであれば治したい。されど、わしは神仏でも僧医でもない。人の病を治すなどということが、そう易々とできようか」
 なんとか言い聞かせようとするが、
「父上にできぬことなど、ありませぬ。父上ならば五郎左様を治すことができるはずじゃ」
 一体、誰から、どんな話を聞いて、どんな勘違いをしてしまったのか、七郎はどう説明しても納得しなかった。
 そんなある日、建部与八郎が尾張以来の丹羽家の家臣、戸田半右衛門を伴って姿を現した。
「南蛮医術により腹中の虫を取りだすことが可能と聞き及びました」
 七郎の件といい、さては義太夫が口を滑らせ、つまらない法螺を吹いたのかとちらりと睨むと、義太夫がしまったという顔をして下を向く。
 戸田半右衛門はその場に手を付き、
「殿に話したところ、是非とも取り出していただきたいとの仰せでござりまする」
「な、何?…それをわしにやれと申すか?」
 とんでもない話になっている。義太夫はどんな大法螺を吹いてくれたのか。
「義太夫、何を話した?」
 義太夫はエッと傍らの助九郎を振り返り、躊躇い、助九郎を突くと、助九郎がしぶしぶ前に進み出る。
「七郎様にとっては殿は神仏同様の存在。それゆえ七郎様には、殿は深山幽谷に住む仙人であると、我らがそのように申し上げたので」
 さらに七郎から話を聞いた建部与八郎が家臣たちに問いただした際には
「世話になっている建部殿を喜ばせようと、ついつい口がすべり、南蛮の医術の話をしてしまいました」
 南蛮医術を使う仙人とはまた可笑しな法螺話をしてくれたものだ。
(やれ和歌だの、踊りだのとさせられた挙句、此度は南蛮医術か)
 かつて義太夫たちの法螺話のおかげで、能舞台を踏まされ、和歌を習いと色々なことをさせられてきたが、今回のはまた話の規模が違いすぎる。
「腹から出したという者は、治ることなく死したと言う話じゃ。かような危ないことをして、命を落とせばなんとする」
「それも重々承知の上でお頼み申しておりまする。手をこまねいたまま、腹中の虫ごときに命を奪われるのは無念であると、殿はそう仰せにて」
 そんな大技をするのであれば、せめてアルメイダから手ほどきを受けた修道士を呼び寄せたほうがいい。
「もはやそのような悠長なことをしてはおられぬと、そう仰せでござります」
 日ごとに襲い掛かる激痛に耐えられなくなったようだ。ここはなんとか長秀を宥め、修道士が到着するまで時を稼ぐべきだろう。そう薦めると、家臣たちは顔を見合わせた。長秀に申し開きができないということらしい。一益の口から長秀に話してほしいと請われてしまった。
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