滝川家の人びと

卯花月影

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1 織田家仕官

1-3 うつけという名の鯛

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 うつけとは馬鹿とか間抜けという意味である。尾張の人びとは百姓に至るまで、織田信長をうつけと呼んでいた。それがどうやら違うかもしれない・と皆に思わせたのは、信長が織田本家の清州城を奪って尾張一国をほぼ統一したころからだ。
 といっても尾張のすべてが信長のものではない。岩倉城の守護代織田信安や、信長の弟織田信勝は已然不穏な動きを見せている。
 柴田権六勝家は織田家の譜代の重臣だ。信長の弟信勝を擁立して反乱を企てたが、信長に鎮圧された。その後は信勝から離れて信長に仕えている。
「信長の殿はうつけではない」
 と彼が気づいたのは信長に敗れてからだ。
 その日も柴田権六は清州城の信長に伺候して屋敷に帰るところだった。
 見るとみすぼらしい身なりの痩せ侍が夜釣りをしている。上機嫌だった柴田権六は、その侍に興味を持って馬を寄せてみた。
「そこの者、何をしておる?」
 権六が馬上から声をかけると先ほどから釣りをしていた滝川義太夫はチラリと権六を見た。
「釣りじゃ。見てわからぬか」
 と無愛想に言った。
 普段の権六だったらカチンときて刀を抜いていただろう。それをしなかったのは義太夫がそのみすぼらしい身なりに比べて華やかな容姿をしていたためかもしれない。
「この川で何を釣ろうとしておる」
「鯛だ」
 権六はついに笑い出した。鯛が川で釣れないことは子供でも知っている。
「この川で釣れる鯛とはどのようなものじゃ」
 権六が尋ねると、義太夫は横目で権六を見て、
「うつけという名の鯛よ」
 平然とそう答えた。
「なに、うつけという名の鯛?!」
 権六は初めて真顔になって義太夫を見た。うつけという名の鯛とは清洲城主織田信長のことに違いない。
(こやつ、何者であろうか)
 権六は義太夫にもう一歩近づいた。その顔はただの痩せ浪人には見えない。しかし驚いたことに丸腰である。
「鯛は釣れそうか?」
「釣れそうにない」
「ではどうする?」
「釣れるまで待つしかなかろう」
「根気強くやることじゃ」
 権六は何事もなかったかのように馬の首を屋敷へと向けた。
(やはりだめか)
 義太夫は落胆した。あの髭の濃い侍が織田家の重臣柴田権六勝家であることは知っている。何とか注意をひいて織田家に士官を願い出ようと夜釣りをしていたのだ。
 鯛之浦の服部左京の元からこの尾張に来て、もう半月ほどたっていた。尾張にいる一益の従弟、池田勝三郎は信長の乳兄弟だ。唯一ともいえる伝手だったが、甲賀での一件が伝わっているらしく、全く話を聞いてもらえなかった。
 頼みの綱だった池田勝三郎に門前払いを食らっては、他国者の一益が信長に仕える道がない。一益は旅籠に泊っている。持ってきた銭はみるみるうちに減り、銭がなくなれば追い出されてしまう。金策に困った義太夫は、ついに今日、家宝の刀を売ってしまった。
(これが左近様に知れたら・・)
 烈火のごとく怒るだろう。それを考えると足取りが重くなる。それでも旅籠に足を向けた。一益が待っている。

「義太夫はまだか」
 甲賀から大切に持ってきた鉄砲の手入れをしながら、一益は誰にともなくそう言った。傍に控えている小者は耳が聞こえない。
 日が落ちてからかなり経っている。五ツ(八時)を過ぎたころだろうか。ようやく義太夫が帰ってきた。
「遅くなりました・・」
 神妙な面持ちで部屋に入った。
「うむ・・」
 刀がないことに気づかれたかと肝を冷やしたが、一益はチラリと義太夫を見ただけで、それ以上、何も言わない。
 どこか後ろめたい気持ちを抱えながら、旅籠の主人に銭を払い、その日は床についた。

 翌朝早く、一益は鉄砲を二挺持ち、例の小者を連れて旅籠を出た。
「左近様、いずこへ?」
 義太夫が尋ねても、むっつりと押し黙ったまま、振り向きもせずに行ってしまった。義太夫は仕方がなく、そのまま旅籠で一益の帰りを待った。
 一益が帰ってきたのは夕暮れ近くなってからだった。その手には、朝持って出た鉄砲の代わりに一組の刀があった。それを目にして、義太夫は血の気がひいた。
 昨日、売り払った義太夫の刀だ。一益は黙って、義太夫の前に刀を置いた。
「あの・・これは・・」
 一益は何も言わなかった。
(やはり・・気づかれていたか・・。どうやって取り戻されたのか・・)
「まさかあの鉄砲を・・」
「義太夫」
 と呼びかけたその声は怒っていなかった。
「はい」
「そちはこの滝川左近の家の者である」
「は・・それはもちろん・・」
「丸腰で歩くな」
「はっ・・」
 義太夫はいたたまれなくなり、顔をあげることができなかった。
「わしに黙って勝手なことをするな。わしはそなたの主である」
 一益に諭すように言われ、返すこともことばもなかった。
(あの鉄砲を手放すとは…)
 一益にそんなことをさせてしまったことが悔やまれる。
(我らはこれから一体、如何すればよいのか…)
 甲賀に戻ることもできない。どこかの戦さ場に出て手柄を立て、それを足掛かりに仕官するしかないだろうか。考えれば考えるほど目がさえる。義太夫はその夜、眠れなかった。
 
 翌日、まだ日も昇らないうちから、一益の従弟である池田勝三郎が家来とともに現れた。
「左近殿。おぬし御城下で商人に鉄砲を売ったであろう」
 義太夫がハッとして顔をあげる。一益は平然と、
「よう存じておるな、勝三郎」
「上総介様は清州城下のことはすべてご存知であるゆえ・・」
 信長は堺から大量の鉄砲を買い付けていると聞く。一挺でも多く手に入れたいと思っているところに、清州城下で二挺も売られていることを知り、出所を調べたようだ。
「上総介様が左近殿をお呼びじゃ」
「わしを?なにゆえに?」
「左近殿に興味を持たれたようじゃ。ともかく、城へ来ていただこう」
 一体何が起きているのか。分からなかったが、願ったり叶ったりだ。一益は義太夫と小者を連れて清州城に赴いた。
 織田家の本城であるという清州城は平城で、五条川沿いに建てられている。
 城に入って通された場所は、なんと土蔵だった。
「いきなり土蔵とは・・?」
 義太夫が小首をかしげて苦笑した。一益は顔色ひとつ変えなかった。信長が一筋縄ではいかないことは噂に聞いている。
 勝三郎が蔵番に蔵を開けさせた。
「こ、これは・・」
 中を見て、二人は言葉を失った。鉄砲がずらりと並べられていた。それも百や二百ではきかない。五百挺はあると一益は計算した。これだけそろえるには長い年月と金がかかったことだろう。湊を抑えているとはいえ、ここまでとは。織田家の財力をはじめて知った。
「どれでも好きなものを選んでくるようにとの仰せにござる」
 それで分かった。信長は一益の鉄砲の腕を見ようというのだ。一益は心得て、一番手前の火縄銃を二挺手に取った。
「それでは足りない」
「?」
「二十挺ほどお持ちくだされ」
「二十挺?」
 さすがの一益も驚き、義太夫と小者に目をやる。二人は心得て、それぞれに銃をかかえた。
「今朝は早朝から左近殿をお迎えするために大変な支度をさせられたのじゃ。さて、次はこちらでござる」
と案内されたのは案の定、馬場であった。
(あれが・・)
 近侍の丹羽万千代、家老の柴田勝家、ほか家来たちが居並ぶ中、一益の目はいち早く、中央に立っている若い武将を捉えた。 背が高く、痩せていて色白で細面、切れ長の目、神経質そうな眉間・・どれをとっても一益の想像とは違った。
「左近か?」
 信長は一益の顔をじっと見据えた。
「ハッ。初めて御意を得まする。それがし南近江は甲賀の滝川左近将監一益と申し・・」
 一益が傍らに鉄砲を置いて挨拶しようとすると、信長は手を振ってそれを制した。
「挨拶などはどうでもよい。それよりも左近、あれを見よ」
 と少し離れた場所を指さした。
 大量の的らしきものが小山のように連なって見える。
「あれなる軍勢を一人で倒せ」
「はっ」
(なるほど・・。二十挺とはそういうことか)
火縄銃は五発撃ったら冷やさなければならない。あの的すべてを倒すには確かに二十挺は必要だろう。
(勝三郎が早朝からしていた大変な支度とはこれか)
 一益は可笑しくなってフフッと笑った。
的との距離はだいたい四・五十メートルほど。
(風がある・・)
 風が強いと弾があおられ、命中率が落ちる。見ると義太夫と小者が早くもせっせと弾込めを始めていた。
「では・・」
 一益は銃を構えて、的めがけて撃ちこむ。銃声が鳴り響き、手前の的が倒れる。的が倒れるのを見届けることもせず、次の銃を手にしてまた撃つ。
 全ての的を倒し終わると、信長は鼻先で笑った。
「こんなものは当たり前。左近、次はこっちじゃ」
 信長はさっさと馬場を出て行った。一益はあわてて後に付き従う。
 本丸を出て北の丸に入ったところで、信長は初めて立ち止まった。
「ここらでよかろう。万千代」
 傍らの丹羽万千代を呼んだ。
「これを持って向こうに立て」
 自分の扇子を渡した。
(今度はあれを撃てというのか)
「殿!この辺りでよろしゅうござりまするか」
 三十メートルほど離れて万千代が言った。
「いや、まだじゃ」
 四十メートルほど離れて、万千代は振り向いた。
「この辺りで?」
「まだじゃ!」
と更に遠くにやる。どんどん小さくなる万千代を見て、一益はどっと汗が噴き出してきた。 
 丹羽万千代は信長の近侍である。撃ちそこなって大けがでもさせたら、大事になる。
「殿、これでは万千代が怪我をしまする」
 たまりかねて柴田権六が信長に声をかけたときには、丹羽万千代は五十メートルほど離れていた。
「左近、そうか?ぬしは鉄砲の名手であろう?まだまだじゃ、のう?」
「はっ」
 一益はこわばった顔で返事をした。傍らで見守っている義太夫は真っ青だった。射程範囲ではあるが、風次第では怪我をさせる距離だ。
「よし、もうよい万千代!」
 丹羽万千代が六十メートルほど離れたとき、信長はやっとそういった。
「これでよい。左近、撃ってみよ」
「ハッ」
 居並ぶものはどうなるのかと固唾を飲んで見守っている。
「左近様・・」
 顔面蒼白の義太夫が鉄砲を渡してきて、一益は笑ってみせた。
 丹羽万千代は扇子を広げて立っている
(あえて外すか・・。怪我をさせる覚悟で撃つか・・)
 万千代はというと、一益の鉄砲の腕を知っている筈がないのだが、恐れた様子もない。一益は片膝ついて構えた。頬に当たる銃床がいつもより冷たく感じる。
 あたりに響き渡る銃声が、いつもよりも少し長いような気がした。居並ぶものたちは皆、固唾を飲んで万千代を見まもっている。義太夫は気が遠くなりそうになっていた。
 やがて遠くから
「命中でござりまする!」という声がした。万千代が持っている扇子が折れている。わツと歓声が上がった。
「左近、天晴じゃ!」
「ハッ」
 一益は少し微笑んで、構えていた銃を下ろした。
「五百貫で召し抱える」
「ありがたき幸せ」
「それと・・そちが使った銃もくれてやる。もう売るなよ」
 一益がハハッと平伏すると、信長はさっさと本丸に踵を返した。近侍が後に続こうとすると、ふと義太夫に目を止め、
「おお、義太夫と申したな」
 不意に振り向いて言った。唐突に名前を呼ばれて、義太夫はハッとその場に片膝をつく。
「どうじゃ。鯛は釣れたか?」
「お、恐れ入ってござりまする」
 義太夫は真っ赤になって平伏した。その義太夫を見て、信長は笑って歩き出した。
「左近様!」
 信長の姿が見えなくなると、義太夫が一益の元に喜んで駆け寄ってきた。義太夫自身、一益の腕が相当なものだということは知っていたが、これほどに傑出しているとは思ってもみなかったのだ。
 しかも五百貫(一貫=十二万円)とはまた破格の扱いだ。
「義太夫・・。あの小者は如何いたした?」
「は?・・そういえば、先ほどから姿が見えませぬな」
(やはりそうか)
 一益は笑った。
「義太夫、最後に的に当たったのはわしが撃った弾ではない」
「は?・・と仰せられますると?」
「・・まぁ、よい。兎も角、織田家に仕官が叶うた。早う参ろうぞ」
 首を傾げる義太夫を尻目に、一益は本丸に向かって歩き出した。
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