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21.北勢燃ゆ
21-2. 武士の誇り
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それからというもの、長島城には、連日のように亀山一帯を治める関氏の一族と思しき使者が往来する姿が見受けられるようになった。その舟が大川を渡り、桑名湊に近づくたび、城の者たちは言葉には出さずとも、互いに顔を見合わせ、頷きあった。
(これはいよいよかもしれぬ)
義太夫もまた、詰所からその様子を窺いながら、無意識に拳を握りしめていた。冷たい風が渡し舟の帆を揺らすのを眺めながら、頭には北勢の未来を案じる思いがよぎる。
「義太夫」
不意に名前を呼ばれ、振り向いた先には三九郎が立っていた。三九郎の顔にはいつになく険しいものが漂っている。
「おぉ、若殿。何やら難しい顔をしておいでじゃ」
義太夫はいつもの調子で声をかけるも、三九郎の表情が尋常でないことに気づき、勢いを緩めた。
三九郎は一瞬言い淀んだが、意を決したように告げた。
「日野にいる助太郎が戻ってきた」
「は?助太郎が?」
助太郎は忠三郎の護身のためにと一益が傍においていた素破だ。
「日野で何か異変が?」
義太夫が訊ねると、三九郎は黙して頷いた。
「あやつは羽柴筑前に取り入り、虎を人質として筑前の元へ送ったのじゃ」
三九郎の低い声が冬空の下、厳しく響いた。
「へ?あ、あの…。されど、虎様は若殿の奥方。それを…」
義太夫は咄嗟に返す言葉が見つからず、口を開いては閉じるばかりだ。信じがたい話に目を丸くしながら、その場に立ち尽くす。
「それが…忠三郎の決断よ」
三九郎の顔は苦悩に歪んでいるが、どこか達観したような冷静さも感じられる。その表情を前に、義太夫はますます言葉に詰まり、何かを言おうとしても喉が震えるばかり。
「では、我が家とは…」
義太夫は震える声で問いかけた。その言葉には、どこか信じたくない現実を拒む響きがあった。
三九郎は冷ややかに目を細めながら応じる。
「もはや手切れ。忠三郎の振る舞いは、我が家への無礼を極めておる。かような仕打ちに、手をこまねいておられようか」
その声には怒りが滲むと同時に、静かな決意が宿っていた。
義太夫は目を伏せ、拳を握りしめた。凍てつく冬の空気の中、風が詰所の隙間をすり抜け、二人の間に冷ややかな緊張を運んでくる。
「鶴め、一体何を考えてかような真似を…」
義太夫の言葉は、どこか悲しげで、友への失望を隠せない響きを帯びていた。
「江南の者たちは皆、羽柴筑前に恭順しておる。忠三郎のことじゃ。さほど深い考えもなく、周りに同調しただけであろう」
「まぁ、仰せの通りかもしれませぬが…あやつが、よもや我が殿に弓引こうなどと、大それた考えを持つはずが…」
義太夫の声には、旧知の仲である忠三郎をなんとか庇いたい気持ちが滲んでいた。しかし、三九郎はその甘さを許さない。
「義太夫、おぬしは忠三郎と仲がよい。されど、忠三郎は明白な禁を犯した。この事態を看過することは許されぬ」
義太夫は息を呑み、三九郎の瞳を見つめ返した。その中にある怒りと覚悟に、自分が口にしてきた言葉の軽さを思い知らされる。
「おぬしも滝川家の者であれば、覚悟を決めよ」
三九郎の言葉が静まり返る詰所に響く。
義太夫は一度深く息を吸い込み、眉間に深い皺を寄せて問いかけた。
「はぁ…殿は…殿はそのことを存じておいでで?」
一益はこの事態をどう受け止めているのか。そして、滝川家の家臣として、どう判断すべきか、分からなくなる。
そのときだった。背後から、低く響く声が割って入った。
「無論、すでに承知のこと。それゆえの旗揚げじゃ」
振り返ると、佐治新介が堂々たる足取りで詰所に入ってきた。従弟にあたる新介は、どこか気負った様子ながらも、その目には揺るぎない決意が宿っている。
「義太夫、この城の動きが何であるか、察しておろう。殿は忠三郎の非礼を黙って見過ごすような腰抜けではない。いずれ羽柴筑前とも決着をつけねばならぬ。それが、我ら滝川家が選んだ道じゃ」
新介の声が詰所の空気を震わせるように響き渡った。
「されど…それでは…。また北勢が火の海となるのでは…」
義太夫がぽつりと漏らすと、新介の目が鋭く光り、声が一段と大きくなる。
「今更、何を申すか!この伊勢を戦乱に巻き込もうとする奸賊どもを返り討ちにしてくれるのじゃ。おぬしも武士であれば、家と領国を守る覚悟を持て!」
義太夫はその勢いに少し身を引きつつも、頭を掻きながら「うーん」と首を傾げた。
胸中に浮かぶのは、桑名や日永の地での日々だった。長島攻めの荒廃から立ち直るため、治水工事に尽力し、新たな農地を切り拓いた。その労苦は義太夫一人の力ではなく、声をかけて集めた領民たち、さらには他国から流れ着いた者たちの手によるものだ。
「田を耕し、堤を築き、村々に灯を戻すまでには、どれほどの汗が流れたか…。我らが命を繋いできたのは、ただ戦に勝つためだけではなかろうに」
その声には、北勢の地に対する深い愛着と、戦火に対するやるせなさが滲み出ていた。詰所の中で風が吹き抜ける音が、義太夫の思いに応えるように微かに響く。
新介は言葉を一瞬、飲み込むようにしたが、すぐさま口を開いた。
「では如何する?黙って北勢を羽柴筑前にくれてやると、そう申すか。この地を奪われ、我らはどこでどうやって生き長らえるのじゃ」
義太夫はその問いに答えず、再び目を閉じると「ウムム」と深く唸った。そして、思い切ったように口を開く。
「例えば…薬を作って売り歩くとか…。戦さづくめの日々を送るよりは、むしろ、その方がよいかもしれぬ」
義太夫はそう言いながら、おどけた仕草で手をひらひらと振り、カハハと軽く笑った。
あまりに能天気な態度に、新介は目を見開き、しばし呆然と立ち尽くしていたが、やがて顔を険しくし、勢いよく床を叩くようにして立ち上がる。
「呆れた腰抜けじゃ!話にならぬ!」
新介の激昂した声が詰所に響き渡り、冷たい冬の空気にさらされるように、場が一瞬凍りついた。
三九郎が静かに手を挙げ、新介を制する。
「落ち着け、新介。義太夫の言うことも一理ある」
その言葉に新介は一瞬たじろいだが、怒りの勢いは止まらない。
「若殿!我らは武士じゃ!戦わぬ武士など、最早、武士ではありませぬ!このような腑抜けたことを抜かす者は、滝川家の者ではない!我が家の面汚しじゃ!」
義太夫はその剣幕にも怯まず、やや皮肉めいた笑みを浮かべながら言葉を返した。
「腑抜けと言われれば、確かにそうかもしれぬ。されど、この地が実り豊かな地となったのは、一重に殿の尽力の賜物。わしは戦さ場での功名よりも、そのことのほうが誇らしい。武士であることを誇るより、国を富ませ、民が安寧に暮らすことに誇りを持つ者もおるのじゃ」
反論ができなくなった新介は、口を閉ざして義太夫を睨む。その沈黙を捉え、義太夫は言葉を続ける。
「かつて多くの者の血に染まったこの北勢の地に、今は米が実り、民もようやく我らを信頼してくれるようになった。そのことを忘れ、容易く戦さなどしてよいものであろうか」
新介はたまりかねて、刀の柄に手をかける仕草を見せたが、三九郎が鋭い声で制止した。
「新介、それ以上は許さぬ!」
新介は渋々手を引き、悔しげに口を閉ざす。
三九郎は深いため息をつき、義太夫の方を見た。
「義太夫、わしもおぬしの考えを無下にするつもりはない。されど、時に覚悟を決めねばならぬこともある。我が家を守るためには、やむを得ぬのじゃ」
義太夫はその言葉に対し、静かに頷きながらもどこか寂しげな笑みを浮かべた。
「若殿の仰せは尤もじゃ。戦の覚悟が要ることもよう存じておること。されど、わしはただ…人の命と、この地の未来を思うただけに過ぎませぬ」
その言葉に三九郎は何か言い返そうとしたが、胸の内にくすぶる迷いが、それを封じた。言葉を紡げぬまま、ただ義太夫を見つめる。
外では冷たい北風が山から吹き降ろし、冬の到来を告げるように枯れ枝がざわめき、落葉が地を転がりながら寂寥の音を奏でる。白々と曇った空の下、遠くの川辺には薄く凍てついた水面が静かに広がり、あたりは息を潜めたような静寂に包まれていた。
義太夫は吹き込む冷気に肩を震わせつつ、かすかに目を細めて呟いた。
「戦さ場よりも、こうした寒空の下で囲炉裏を囲み、穏やかな時を過ごせる世を、望むは叶わぬことなのでしょうな…」
その声は、荒ぶる風に紛れて消えていった。
(これはいよいよかもしれぬ)
義太夫もまた、詰所からその様子を窺いながら、無意識に拳を握りしめていた。冷たい風が渡し舟の帆を揺らすのを眺めながら、頭には北勢の未来を案じる思いがよぎる。
「義太夫」
不意に名前を呼ばれ、振り向いた先には三九郎が立っていた。三九郎の顔にはいつになく険しいものが漂っている。
「おぉ、若殿。何やら難しい顔をしておいでじゃ」
義太夫はいつもの調子で声をかけるも、三九郎の表情が尋常でないことに気づき、勢いを緩めた。
三九郎は一瞬言い淀んだが、意を決したように告げた。
「日野にいる助太郎が戻ってきた」
「は?助太郎が?」
助太郎は忠三郎の護身のためにと一益が傍においていた素破だ。
「日野で何か異変が?」
義太夫が訊ねると、三九郎は黙して頷いた。
「あやつは羽柴筑前に取り入り、虎を人質として筑前の元へ送ったのじゃ」
三九郎の低い声が冬空の下、厳しく響いた。
「へ?あ、あの…。されど、虎様は若殿の奥方。それを…」
義太夫は咄嗟に返す言葉が見つからず、口を開いては閉じるばかりだ。信じがたい話に目を丸くしながら、その場に立ち尽くす。
「それが…忠三郎の決断よ」
三九郎の顔は苦悩に歪んでいるが、どこか達観したような冷静さも感じられる。その表情を前に、義太夫はますます言葉に詰まり、何かを言おうとしても喉が震えるばかり。
「では、我が家とは…」
義太夫は震える声で問いかけた。その言葉には、どこか信じたくない現実を拒む響きがあった。
三九郎は冷ややかに目を細めながら応じる。
「もはや手切れ。忠三郎の振る舞いは、我が家への無礼を極めておる。かような仕打ちに、手をこまねいておられようか」
その声には怒りが滲むと同時に、静かな決意が宿っていた。
義太夫は目を伏せ、拳を握りしめた。凍てつく冬の空気の中、風が詰所の隙間をすり抜け、二人の間に冷ややかな緊張を運んでくる。
「鶴め、一体何を考えてかような真似を…」
義太夫の言葉は、どこか悲しげで、友への失望を隠せない響きを帯びていた。
「江南の者たちは皆、羽柴筑前に恭順しておる。忠三郎のことじゃ。さほど深い考えもなく、周りに同調しただけであろう」
「まぁ、仰せの通りかもしれませぬが…あやつが、よもや我が殿に弓引こうなどと、大それた考えを持つはずが…」
義太夫の声には、旧知の仲である忠三郎をなんとか庇いたい気持ちが滲んでいた。しかし、三九郎はその甘さを許さない。
「義太夫、おぬしは忠三郎と仲がよい。されど、忠三郎は明白な禁を犯した。この事態を看過することは許されぬ」
義太夫は息を呑み、三九郎の瞳を見つめ返した。その中にある怒りと覚悟に、自分が口にしてきた言葉の軽さを思い知らされる。
「おぬしも滝川家の者であれば、覚悟を決めよ」
三九郎の言葉が静まり返る詰所に響く。
義太夫は一度深く息を吸い込み、眉間に深い皺を寄せて問いかけた。
「はぁ…殿は…殿はそのことを存じておいでで?」
一益はこの事態をどう受け止めているのか。そして、滝川家の家臣として、どう判断すべきか、分からなくなる。
そのときだった。背後から、低く響く声が割って入った。
「無論、すでに承知のこと。それゆえの旗揚げじゃ」
振り返ると、佐治新介が堂々たる足取りで詰所に入ってきた。従弟にあたる新介は、どこか気負った様子ながらも、その目には揺るぎない決意が宿っている。
「義太夫、この城の動きが何であるか、察しておろう。殿は忠三郎の非礼を黙って見過ごすような腰抜けではない。いずれ羽柴筑前とも決着をつけねばならぬ。それが、我ら滝川家が選んだ道じゃ」
新介の声が詰所の空気を震わせるように響き渡った。
「されど…それでは…。また北勢が火の海となるのでは…」
義太夫がぽつりと漏らすと、新介の目が鋭く光り、声が一段と大きくなる。
「今更、何を申すか!この伊勢を戦乱に巻き込もうとする奸賊どもを返り討ちにしてくれるのじゃ。おぬしも武士であれば、家と領国を守る覚悟を持て!」
義太夫はその勢いに少し身を引きつつも、頭を掻きながら「うーん」と首を傾げた。
胸中に浮かぶのは、桑名や日永の地での日々だった。長島攻めの荒廃から立ち直るため、治水工事に尽力し、新たな農地を切り拓いた。その労苦は義太夫一人の力ではなく、声をかけて集めた領民たち、さらには他国から流れ着いた者たちの手によるものだ。
「田を耕し、堤を築き、村々に灯を戻すまでには、どれほどの汗が流れたか…。我らが命を繋いできたのは、ただ戦に勝つためだけではなかろうに」
その声には、北勢の地に対する深い愛着と、戦火に対するやるせなさが滲み出ていた。詰所の中で風が吹き抜ける音が、義太夫の思いに応えるように微かに響く。
新介は言葉を一瞬、飲み込むようにしたが、すぐさま口を開いた。
「では如何する?黙って北勢を羽柴筑前にくれてやると、そう申すか。この地を奪われ、我らはどこでどうやって生き長らえるのじゃ」
義太夫はその問いに答えず、再び目を閉じると「ウムム」と深く唸った。そして、思い切ったように口を開く。
「例えば…薬を作って売り歩くとか…。戦さづくめの日々を送るよりは、むしろ、その方がよいかもしれぬ」
義太夫はそう言いながら、おどけた仕草で手をひらひらと振り、カハハと軽く笑った。
あまりに能天気な態度に、新介は目を見開き、しばし呆然と立ち尽くしていたが、やがて顔を険しくし、勢いよく床を叩くようにして立ち上がる。
「呆れた腰抜けじゃ!話にならぬ!」
新介の激昂した声が詰所に響き渡り、冷たい冬の空気にさらされるように、場が一瞬凍りついた。
三九郎が静かに手を挙げ、新介を制する。
「落ち着け、新介。義太夫の言うことも一理ある」
その言葉に新介は一瞬たじろいだが、怒りの勢いは止まらない。
「若殿!我らは武士じゃ!戦わぬ武士など、最早、武士ではありませぬ!このような腑抜けたことを抜かす者は、滝川家の者ではない!我が家の面汚しじゃ!」
義太夫はその剣幕にも怯まず、やや皮肉めいた笑みを浮かべながら言葉を返した。
「腑抜けと言われれば、確かにそうかもしれぬ。されど、この地が実り豊かな地となったのは、一重に殿の尽力の賜物。わしは戦さ場での功名よりも、そのことのほうが誇らしい。武士であることを誇るより、国を富ませ、民が安寧に暮らすことに誇りを持つ者もおるのじゃ」
反論ができなくなった新介は、口を閉ざして義太夫を睨む。その沈黙を捉え、義太夫は言葉を続ける。
「かつて多くの者の血に染まったこの北勢の地に、今は米が実り、民もようやく我らを信頼してくれるようになった。そのことを忘れ、容易く戦さなどしてよいものであろうか」
新介はたまりかねて、刀の柄に手をかける仕草を見せたが、三九郎が鋭い声で制止した。
「新介、それ以上は許さぬ!」
新介は渋々手を引き、悔しげに口を閉ざす。
三九郎は深いため息をつき、義太夫の方を見た。
「義太夫、わしもおぬしの考えを無下にするつもりはない。されど、時に覚悟を決めねばならぬこともある。我が家を守るためには、やむを得ぬのじゃ」
義太夫はその言葉に対し、静かに頷きながらもどこか寂しげな笑みを浮かべた。
「若殿の仰せは尤もじゃ。戦の覚悟が要ることもよう存じておること。されど、わしはただ…人の命と、この地の未来を思うただけに過ぎませぬ」
その言葉に三九郎は何か言い返そうとしたが、胸の内にくすぶる迷いが、それを封じた。言葉を紡げぬまま、ただ義太夫を見つめる。
外では冷たい北風が山から吹き降ろし、冬の到来を告げるように枯れ枝がざわめき、落葉が地を転がりながら寂寥の音を奏でる。白々と曇った空の下、遠くの川辺には薄く凍てついた水面が静かに広がり、あたりは息を潜めたような静寂に包まれていた。
義太夫は吹き込む冷気に肩を震わせつつ、かすかに目を細めて呟いた。
「戦さ場よりも、こうした寒空の下で囲炉裏を囲み、穏やかな時を過ごせる世を、望むは叶わぬことなのでしょうな…」
その声は、荒ぶる風に紛れて消えていった。
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