51 / 66
エンデラ王国と不死族
ヴィネリア
しおりを挟む
「よく耐えておる人間よ」ヴィネリアの口から、黒い煙が漏れる。
――きりがないが、近寄れも出来ない
千景は、巨大手裏剣『ガシャ丸』を投げて牽制する。ヴィネリアは避けようともせず体でその攻撃を受けたが、そこからまた黒い煙が立ち上がる。ガシャ丸を鎖で引き寄せる姿をヴィタニアはニヤニヤと見ていた。
千景は更に最高位忍術『爆水遁絶海水域の術』を発動した。千景から放たれる大量の海水が、襲い来る炎を纏った蟲達の火流の流れを逆流するように、押し流す。「ほう」ヴィネリアが感心するように唸った。ヴィネリアの巨体に渦巻くように、大量の海水が絡みついていく。
――近寄らないと決め手がない
ガシャ丸をイベントリに放り込み、左手に小太刀『不乃字切り』を、右手に神滅刀『天奏一華』に持ちなおした。海水が引くと、ヴィネリアは大量の蟲をその巨体にはべらせながら、突進してきた。ムカデ型の大量の足が、地面を力強く打ち鳴らす。千景は『転火』で、上空に舞い上がり、そしてすかさず『天狗の隠れ蓑』で透明になって、向かってくるヴィネリアに突っ込んだ。
大量の蟲の群れは、千景の存在を見失ったが、ヴィネリアの大きな目は、千景の動きを捉えているような動きをした。それに気づいた千景は、空中で直角に曲がり、ヴィネリアから逃れた。
近くで見たヴィネリアの黒目の部分が、多くの目で構成された複眼であり、見るということに関しては、透明の姿でも捉えることが出来ているようであった。その証拠に、杖で正確に千景の方に殴りかかってきた。千景はそれをタイミングよく『転火』で転移して避ける。
チッと、ヴィネリアは今まで聞いたことがないような舌打ちをして「下らないな、人間」そう言うと、杖を持っていない手で千景を掴もうとしてきた。千景は、それを二刀持ちの回転切りで、襲ってくる指から手へ、手から腕へと、転がる様に切り刻んでいった。
――透明になっていれば、少なくとも蟲はよってこない、そしてこの二つの刀なら斬れる、大丈夫だ
そのまま勢いで一気に、ヴィネリアの背後に回り込んだ。
――きりがないが、近寄れも出来ない
千景は、巨大手裏剣『ガシャ丸』を投げて牽制する。ヴィネリアは避けようともせず体でその攻撃を受けたが、そこからまた黒い煙が立ち上がる。ガシャ丸を鎖で引き寄せる姿をヴィタニアはニヤニヤと見ていた。
千景は更に最高位忍術『爆水遁絶海水域の術』を発動した。千景から放たれる大量の海水が、襲い来る炎を纏った蟲達の火流の流れを逆流するように、押し流す。「ほう」ヴィネリアが感心するように唸った。ヴィネリアの巨体に渦巻くように、大量の海水が絡みついていく。
――近寄らないと決め手がない
ガシャ丸をイベントリに放り込み、左手に小太刀『不乃字切り』を、右手に神滅刀『天奏一華』に持ちなおした。海水が引くと、ヴィネリアは大量の蟲をその巨体にはべらせながら、突進してきた。ムカデ型の大量の足が、地面を力強く打ち鳴らす。千景は『転火』で、上空に舞い上がり、そしてすかさず『天狗の隠れ蓑』で透明になって、向かってくるヴィネリアに突っ込んだ。
大量の蟲の群れは、千景の存在を見失ったが、ヴィネリアの大きな目は、千景の動きを捉えているような動きをした。それに気づいた千景は、空中で直角に曲がり、ヴィネリアから逃れた。
近くで見たヴィネリアの黒目の部分が、多くの目で構成された複眼であり、見るということに関しては、透明の姿でも捉えることが出来ているようであった。その証拠に、杖で正確に千景の方に殴りかかってきた。千景はそれをタイミングよく『転火』で転移して避ける。
チッと、ヴィネリアは今まで聞いたことがないような舌打ちをして「下らないな、人間」そう言うと、杖を持っていない手で千景を掴もうとしてきた。千景は、それを二刀持ちの回転切りで、襲ってくる指から手へ、手から腕へと、転がる様に切り刻んでいった。
――透明になっていれば、少なくとも蟲はよってこない、そしてこの二つの刀なら斬れる、大丈夫だ
そのまま勢いで一気に、ヴィネリアの背後に回り込んだ。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
いや、一応苦労してますけども。
GURA
ファンタジー
「ここどこ?」
仕事から帰って最近ハマってるオンラインゲームにログイン。
気がつくと見知らぬ草原にポツリ。
レベル上げとモンスター狩りが好きでレベル限界まで到達した、孤高のソロプレイヤー(とか言ってるただの人見知りぼっち)。
オンラインゲームが好きな25歳独身女がゲームの中に転生!?
しかも男キャラって...。
何の説明もなしにゲームの中の世界に入り込んでしまうとどういう行動をとるのか?
なんやかんやチートっぽいけど一応苦労してるんです。
お気に入りや感想など頂けると活力になりますので、よろしくお願いします。
※あまり気にならないように製作しているつもりですが、TSなので苦手な方は注意して下さい。
※誤字・脱字等見つければその都度修正しています。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
タイムワープ艦隊2024
山本 双六
SF
太平洋を横断する日本機動部隊。この日本があるのは、大東亜(太平洋)戦争に勝利したことである。そんな日本が勝った理由は、ある機動部隊が来たことであるらしい。人呼んで「神の機動部隊」である。
この世界では、太平洋戦争で日本が勝った世界戦で書いています。(毎回、太平洋戦争系が日本ばかり勝っ世界線ですいません)逆ファイナルカウントダウンと考えてもらえればいいかと思います。只今、続編も同時並行で書いています!お楽しみに!
戦闘職をしたくてVRMMOを始めましたが、意図せずユニークテイマーという職業になったので全力でスローライフを目指します
地球
ファンタジー
「え?何この職業?」
初めてVRMMOを始めようとしていた主人公滝沢賢治。
やろうと決めた瞬間、戦闘職を選んでいた矢先に突然出てきた職業は【ユニークテイマー】だった。
そのゲームの名はFree Infinity Online
世界初であるフルダイブ型のVRゲームであり、AIがプレイヤーの様子や行動を把握しイベントなどを考えられるゲームであった。
そこで出会った職業【ユニークテイマー】
この職業で、戦闘ではなくてスローライフを!!
しかし、スローライフをすぐにはできるわけもなく…?
アルケミア・オンライン
メビウス
SF
※現在不定期更新中。多忙なため期間が大きく開く可能性あり。
『錬金術を携えて強敵に挑め!』
ゲーム好きの少年、芦名昴は、幸運にも最新VRMMORPGの「アルケミア・オンライン」事前登録の抽選に当選する。常識外れとも言えるキャラクタービルドでプレイする最中、彼は1人の刀使いと出会う。
宝石に秘められた謎、仮想世界を取り巻くヒトとAIの関係、そして密かに動き出す陰謀。メガヒットゲーム作品が映し出す『世界の真実』とは────?
これは、AIに愛され仮想世界に選ばれた1人の少年と、ヒトになろうとしたAIとの、運命の戦いを描いた物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる