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初会 地蔵妻
二…➁
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巨大な亡骸が運び去られたあと、市之進は岩次やお慶と関わりのある者に話を聞きにいくと言い出した。
颯爽と歩く背の高い見習与力を追いかけつつ、佐彦は尋ねる。
「下手人……いや、お慶自身と話をしなくてもいいんですかい?」
「それは一番あとだ。本人は、逃げも隠れもしないようだからな」
どうやら外堀から埋める気らしい。
まず足を向けたのは、お慶の住まいがあるという通油町だった。土左衛門が上がった亀井町の隣だ。
お慶が暮らしていたのはごく普通の長屋で、市之進と佐彦はそこの差配である八兵衛を訪ねた。
白髪まじりの八兵衛は、泣きそうな顔で口を開いた。
「お慶さんが殺しなんて、よほどのことがあったに違ぇねぇ!」
聞けば、お慶は番屋に名乗り出る前、この八兵衛にざっと話をしていたそうだ。長屋の住民にとって、差配は身内も同然。しょっ引かれる前に挨拶を……と思ったのだろう。
お慶が口にした内容は先ほど同心が言っていたことと相違なかった。口論の末、岩次を掘割に突き落としたと説明したらしい。
「お慶に家族はいないのか」
尋ねた市之進は、家に上がることなく土間に突っ立ったままだった。八兵衛はもちろん茶でもてなそうとしたが、見習与力は「わたしはお役目を果たしに来ただけ。余計な心遣いは不要」と言って断ったのだ。
身の丈六尺の市之進に仏頂面で見下ろされ、土間を上がったところで正座していた八兵衛は、蛇に睨まれた蛙のごとく身を縮めながら言った。
「お慶さんは幼いころに父親を亡くし、七年前には母親に立たれ、以降は一人でここの長屋に住んでおります。表店の飯屋に勤めて口に糊をしていました。浮ついたところのない、ちゃあんとした人ですよ。遊び歩くことなんざ滅多にありません。暮らしがあんまりにも地味なもんで、うちのかかあが心配しましてなぁ。四月前、芝居見物につれていったんですよ」
その八兵衛の『かかあ』は、奥の座敷からちらちらと様子を窺っている。市之進を恐れて近寄れないようだ。
「一人住まいということは、夫はいなかったのだな」
市之進のさらなる問いに、八兵衛はやや困った様子で答えた。
「はぁ……。まぁ、そういうことになりますなぁ」
なんとも歯切れが悪い。市之進の眉間の皺が、ぐっと深くなる。
「どういうことだ。はっきり言え」
「……ひいっ、お、怒らないでくだせえ。旦那はおりませんが、お慶さんはこのところ、誰かの長屋へ通っていたようです。勤めが休みのとき、ちょいと訪ねていく程度だと思いますが。ああ、色恋沙汰は、あたしよりかかあの方が詳しいんだ」
八兵衛は恐れおののきながら奥にいる妻に目をやった。市之進もそちらに顔を向ける。
ところが、八兵衛の妻は「ぎゃっ」と叫んで襖をぴしゃりと閉めてしまった。
(お顔が怖ぇんですよ、市之進さま……)
茶でも飲んで、少しゆるりとしたら町人たちも話しやすいのに。佐彦がいくらそう思ったところで、石部金吉の振る舞いは変わらない。
結局八兵衛の妻からは何も聞き出せず、市之進は次に、お慶の勤め先の飯屋に向かった。
「お慶さんが番屋に行ったって今しがた聞いて、あっしたちもびっくりしていたところです。しかもあの岩次を殺めたなんて……。何だってまた、こんなことになっちまったんでしょう」
とと屋という飯屋の主・長助は、薄くなった頭を撫で上げながら洟をすすった。
店の中には長助の妻とお運びの娘、それに下働きの者が何人かいたが、市之進が足を踏み入れた途端、みな板場に逃げ込んでしまった。時折壁に身を隠すようにしてこちらを窺っているものの、話に加わろうとはしない。
一人で応対している主の長助も、見習与力が僅かに眉を動かすだけでびくっとしている。
(だから、お顔が怖ぇんだって)
佐彦は苦笑した。
市之進はそんなことお構いなしに、どんどん話を進める。
「長助。おぬしは先ほど『あの』岩次と言ったな。あやつはこの界隈で名の知れた男だったのか? お慶と何か繋がりがあったのだろうか」
「このあたりで岩次を知らねぇ奴はいないと思いますよ。何せ、あの図体ですからね。お慶さんだって、もちろん姿を見かけていたはずだ。岩次は最近じゃ高利貸しを生業にしてたが、金なんざ借りなくたって嫌でも目についちまうんですよ。……あいつの横暴ぶりが」
長助の話によると、溺死した岩次はべらぼうな利子をつけて金を貸していたらしい。
そして返済が少しでも遅れると、本人が乗り込んでくる。丸太のように太い腕を見せつけながら身ぐるみ剥がし、最後は家の中にあるめぼしいものをみな持っていくのだ。
それでも足りなければ、親元や勤め先に行って無理やり肩代わりさせる……。
「なぜ、そのような乱暴者から金を借りるのだ」
市之進は話の途中で得心のいかぬ顔をした。
「貸し付けの際の利子には幕府が定めた上限がある。それを上回るのはご法度。そのくらいはみな知っているだろう。それに、取り立てが非道というのもすでに分かりきったことだ。ならば、そんな者から金など借りなければいい。そもそも、狼藉の限りを尽くす岩次のことを、なぜ奉行所に言わぬのだ」
ああ、金に不自由したことのない坊ちゃんの言い草だ……佐彦は軽く溜息を吐いた。長助も肩を落とす。
「岩次のところに行く奴は、身内なんかからは金を借り尽くしていて、もう誰からも助けてもらえないんですよ。利子がべらぼうでも、岩次に縋るしかねぇんです。そこまで身を持ち崩してる輩は、たいてい脛に一つ二つ傷がある。だから、岩次のことを奉行所に訴えたくてもできねぇ。下手すりゃ、自分が捕まっちまいますからね」
横暴な奴だと分かっていても、岩次から借りざるを得ない――裕福な与力の家で育った市之進には、それがいまいち分からぬようだった。
今の話でぴんと来たかどうか……佐彦は引き締まった横顔を見ながら溜息を吐く。
長助は嘆くようにして続けた。
「あっしらは岩次の乱暴な取り立てを見ていることしかできませんでした。何せあの巨体。邪魔でもしようものなら、こっちがやられちまう。お慶さんも、あいつの非道さには顔を顰めてました。岩次とはその程度の関係だったはずだ。お慶さん自身は借金なんざしてねぇし、むしろ何かあったときのために貯えていた方でしたよ」
そこまで聞いた市之進は、話の矛先を変えた。
「お慶はこのところ、誰かの長屋へ通っていたと耳にした。おそらく相手は男だろう。その男のことを、知っている者はおらぬか」
見習与力の鋭い視線が、さほど広くない店の中をぐるりと一周する。
板場にいた女将やお店者たちは一斉に震え上がり、やがてみなの目が一つ所に集まった。
市之進もそちらを見やり、足を一歩前に踏み出す。
「おぬし、何か知っているのか。名は」
耳目を集めたのは二十歳ぐらいの娘だった。長助が市之進に素早く告げる。
「あの娘はうちでお運びをしているお登美です。この店で、お慶さんと一番仲がよかった。何か事情を聞いているかもしれません」
お登美は、見習与力が恐ろしいのか涙目になって身を縮めている。そんなお登美に、市之進はずかずかと歩み寄った。
「知っていることがあるなら、話せ」
「きゃあっ!」
お登美は悲鳴を上げて腰を抜かした。ふるふると頭を振りながら、声を絞り出す。
「あたしだって、そんなによく知っているわけじゃありません。で、でも少し前から、お慶さんはなんだか明るくなって……わけをきいたら、『仲よくなった男がいる』って……」
「それは誰なのだ」
「……わ、分からない。あたしは会ったことがないし」
「その男の住まいや身の上など、お慶は何か口にしていなかったか。思い出せ」
「ひ、ひいいっ!」
身の丈六尺の見習与力が、うら若い娘に詰め寄る。すでに腰を抜かしているお登美の顔色は蒼白で、今にも気を失いそうなほど怯えていた。
佐彦は慌てて羽織の袖を引く。
「市之進さま。そんな怒ったような口ぶりじゃ、お登美が怖がりますぜ」
市之進は憮然とした顔で振り向いた。
「わたしは別に、怒ってなどおらぬ。必要な話を聞きたいだけだ」
「相手は町人で、しかも女子ですよ。もう少し優しくしねぇと」
「優しくとは、具体的にどのようにすればいい」
こちらの言うことなど無視するだろうと思ったが、見習与力は存外素直に聞き返してきた。佐彦は首を傾げながら答える。
「まず肩の力を抜いて、あとは笑い顔を作るとか……」
「今はお役目のさなかだぞ。笑みなど浮かべられぬ」
相変わらず頭が固ぇなぁ……と思いながら、佐彦は自分の口元を指さした。
「ふりでいいんですよ。口の端を上げて、歯を覗かせればそれなりに見えるはずですぜ」
「――ふむ」
ほどなくして、とと屋に甲高い悲鳴が響き渡り、お登美は店の奥へ逃げてしまった。
市之進と佐彦は、場を立ち去るしかなかったのである。
颯爽と歩く背の高い見習与力を追いかけつつ、佐彦は尋ねる。
「下手人……いや、お慶自身と話をしなくてもいいんですかい?」
「それは一番あとだ。本人は、逃げも隠れもしないようだからな」
どうやら外堀から埋める気らしい。
まず足を向けたのは、お慶の住まいがあるという通油町だった。土左衛門が上がった亀井町の隣だ。
お慶が暮らしていたのはごく普通の長屋で、市之進と佐彦はそこの差配である八兵衛を訪ねた。
白髪まじりの八兵衛は、泣きそうな顔で口を開いた。
「お慶さんが殺しなんて、よほどのことがあったに違ぇねぇ!」
聞けば、お慶は番屋に名乗り出る前、この八兵衛にざっと話をしていたそうだ。長屋の住民にとって、差配は身内も同然。しょっ引かれる前に挨拶を……と思ったのだろう。
お慶が口にした内容は先ほど同心が言っていたことと相違なかった。口論の末、岩次を掘割に突き落としたと説明したらしい。
「お慶に家族はいないのか」
尋ねた市之進は、家に上がることなく土間に突っ立ったままだった。八兵衛はもちろん茶でもてなそうとしたが、見習与力は「わたしはお役目を果たしに来ただけ。余計な心遣いは不要」と言って断ったのだ。
身の丈六尺の市之進に仏頂面で見下ろされ、土間を上がったところで正座していた八兵衛は、蛇に睨まれた蛙のごとく身を縮めながら言った。
「お慶さんは幼いころに父親を亡くし、七年前には母親に立たれ、以降は一人でここの長屋に住んでおります。表店の飯屋に勤めて口に糊をしていました。浮ついたところのない、ちゃあんとした人ですよ。遊び歩くことなんざ滅多にありません。暮らしがあんまりにも地味なもんで、うちのかかあが心配しましてなぁ。四月前、芝居見物につれていったんですよ」
その八兵衛の『かかあ』は、奥の座敷からちらちらと様子を窺っている。市之進を恐れて近寄れないようだ。
「一人住まいということは、夫はいなかったのだな」
市之進のさらなる問いに、八兵衛はやや困った様子で答えた。
「はぁ……。まぁ、そういうことになりますなぁ」
なんとも歯切れが悪い。市之進の眉間の皺が、ぐっと深くなる。
「どういうことだ。はっきり言え」
「……ひいっ、お、怒らないでくだせえ。旦那はおりませんが、お慶さんはこのところ、誰かの長屋へ通っていたようです。勤めが休みのとき、ちょいと訪ねていく程度だと思いますが。ああ、色恋沙汰は、あたしよりかかあの方が詳しいんだ」
八兵衛は恐れおののきながら奥にいる妻に目をやった。市之進もそちらに顔を向ける。
ところが、八兵衛の妻は「ぎゃっ」と叫んで襖をぴしゃりと閉めてしまった。
(お顔が怖ぇんですよ、市之進さま……)
茶でも飲んで、少しゆるりとしたら町人たちも話しやすいのに。佐彦がいくらそう思ったところで、石部金吉の振る舞いは変わらない。
結局八兵衛の妻からは何も聞き出せず、市之進は次に、お慶の勤め先の飯屋に向かった。
「お慶さんが番屋に行ったって今しがた聞いて、あっしたちもびっくりしていたところです。しかもあの岩次を殺めたなんて……。何だってまた、こんなことになっちまったんでしょう」
とと屋という飯屋の主・長助は、薄くなった頭を撫で上げながら洟をすすった。
店の中には長助の妻とお運びの娘、それに下働きの者が何人かいたが、市之進が足を踏み入れた途端、みな板場に逃げ込んでしまった。時折壁に身を隠すようにしてこちらを窺っているものの、話に加わろうとはしない。
一人で応対している主の長助も、見習与力が僅かに眉を動かすだけでびくっとしている。
(だから、お顔が怖ぇんだって)
佐彦は苦笑した。
市之進はそんなことお構いなしに、どんどん話を進める。
「長助。おぬしは先ほど『あの』岩次と言ったな。あやつはこの界隈で名の知れた男だったのか? お慶と何か繋がりがあったのだろうか」
「このあたりで岩次を知らねぇ奴はいないと思いますよ。何せ、あの図体ですからね。お慶さんだって、もちろん姿を見かけていたはずだ。岩次は最近じゃ高利貸しを生業にしてたが、金なんざ借りなくたって嫌でも目についちまうんですよ。……あいつの横暴ぶりが」
長助の話によると、溺死した岩次はべらぼうな利子をつけて金を貸していたらしい。
そして返済が少しでも遅れると、本人が乗り込んでくる。丸太のように太い腕を見せつけながら身ぐるみ剥がし、最後は家の中にあるめぼしいものをみな持っていくのだ。
それでも足りなければ、親元や勤め先に行って無理やり肩代わりさせる……。
「なぜ、そのような乱暴者から金を借りるのだ」
市之進は話の途中で得心のいかぬ顔をした。
「貸し付けの際の利子には幕府が定めた上限がある。それを上回るのはご法度。そのくらいはみな知っているだろう。それに、取り立てが非道というのもすでに分かりきったことだ。ならば、そんな者から金など借りなければいい。そもそも、狼藉の限りを尽くす岩次のことを、なぜ奉行所に言わぬのだ」
ああ、金に不自由したことのない坊ちゃんの言い草だ……佐彦は軽く溜息を吐いた。長助も肩を落とす。
「岩次のところに行く奴は、身内なんかからは金を借り尽くしていて、もう誰からも助けてもらえないんですよ。利子がべらぼうでも、岩次に縋るしかねぇんです。そこまで身を持ち崩してる輩は、たいてい脛に一つ二つ傷がある。だから、岩次のことを奉行所に訴えたくてもできねぇ。下手すりゃ、自分が捕まっちまいますからね」
横暴な奴だと分かっていても、岩次から借りざるを得ない――裕福な与力の家で育った市之進には、それがいまいち分からぬようだった。
今の話でぴんと来たかどうか……佐彦は引き締まった横顔を見ながら溜息を吐く。
長助は嘆くようにして続けた。
「あっしらは岩次の乱暴な取り立てを見ていることしかできませんでした。何せあの巨体。邪魔でもしようものなら、こっちがやられちまう。お慶さんも、あいつの非道さには顔を顰めてました。岩次とはその程度の関係だったはずだ。お慶さん自身は借金なんざしてねぇし、むしろ何かあったときのために貯えていた方でしたよ」
そこまで聞いた市之進は、話の矛先を変えた。
「お慶はこのところ、誰かの長屋へ通っていたと耳にした。おそらく相手は男だろう。その男のことを、知っている者はおらぬか」
見習与力の鋭い視線が、さほど広くない店の中をぐるりと一周する。
板場にいた女将やお店者たちは一斉に震え上がり、やがてみなの目が一つ所に集まった。
市之進もそちらを見やり、足を一歩前に踏み出す。
「おぬし、何か知っているのか。名は」
耳目を集めたのは二十歳ぐらいの娘だった。長助が市之進に素早く告げる。
「あの娘はうちでお運びをしているお登美です。この店で、お慶さんと一番仲がよかった。何か事情を聞いているかもしれません」
お登美は、見習与力が恐ろしいのか涙目になって身を縮めている。そんなお登美に、市之進はずかずかと歩み寄った。
「知っていることがあるなら、話せ」
「きゃあっ!」
お登美は悲鳴を上げて腰を抜かした。ふるふると頭を振りながら、声を絞り出す。
「あたしだって、そんなによく知っているわけじゃありません。で、でも少し前から、お慶さんはなんだか明るくなって……わけをきいたら、『仲よくなった男がいる』って……」
「それは誰なのだ」
「……わ、分からない。あたしは会ったことがないし」
「その男の住まいや身の上など、お慶は何か口にしていなかったか。思い出せ」
「ひ、ひいいっ!」
身の丈六尺の見習与力が、うら若い娘に詰め寄る。すでに腰を抜かしているお登美の顔色は蒼白で、今にも気を失いそうなほど怯えていた。
佐彦は慌てて羽織の袖を引く。
「市之進さま。そんな怒ったような口ぶりじゃ、お登美が怖がりますぜ」
市之進は憮然とした顔で振り向いた。
「わたしは別に、怒ってなどおらぬ。必要な話を聞きたいだけだ」
「相手は町人で、しかも女子ですよ。もう少し優しくしねぇと」
「優しくとは、具体的にどのようにすればいい」
こちらの言うことなど無視するだろうと思ったが、見習与力は存外素直に聞き返してきた。佐彦は首を傾げながら答える。
「まず肩の力を抜いて、あとは笑い顔を作るとか……」
「今はお役目のさなかだぞ。笑みなど浮かべられぬ」
相変わらず頭が固ぇなぁ……と思いながら、佐彦は自分の口元を指さした。
「ふりでいいんですよ。口の端を上げて、歯を覗かせればそれなりに見えるはずですぜ」
「――ふむ」
ほどなくして、とと屋に甲高い悲鳴が響き渡り、お登美は店の奥へ逃げてしまった。
市之進と佐彦は、場を立ち去るしかなかったのである。
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