21 / 24
4章 決め付けられた気持ち
第4章 ひとときの穏やかさ
しおりを挟む
それから1週間、尾形さんは来店されなかった。4日と日を置かずに来られていたので不思議ではあったが、茉莉奈としては助かったという気持ちが大きい。
いくら自分に大丈夫だと言い聞かせても、嫌なものは嫌だ。好きでもなんでも無い異性にあんな風に触られることが、こんなにも嫌悪感を催すものだとは思わなかった。
これまで男性の友人もいたが、セクシャルハラスメントという言葉が広く知られているからか、不用意に触って来る様な友人はひとりもいなかったし、「はなむら」に入ってからも、ほぼ毎日来られる高牧さんだって、いつも軽い調子の寺島さんだって、茉莉奈に触れて来る様なことは無かった。
尾形さんを異常だと言って良いのかは判らない。だが普通では無いと言い切れる。しかも尾形さんは既婚者なのだ。奥さま以外の女性にもこうした接し方をしているのであれば、やはりそれはおかしいと茉莉奈は思う。
それが尾形さんの距離感なのかも知れないが、茉莉奈の様な拒絶できない立場の人間に仕掛けるのは卑怯だとも思ってしまう。
このまま来ないていてくれると良いんだけど。ご常連にこんなことを思うのは店員としては失格なのかも知れないが、茉莉奈はそう願うしか無かった。
しかしそんな希望は打ち砕かれるものだ。
11月も終わりに近付き、寒さも本格的になって来た。紅葉も終わり、葉が落ちた木々を見るだけで寒々しさを感じる。
今日「はなむら」を訪れるお客さまも、しっかりと防寒をされている方がほとんどだ。太いマフラーをぐるぐるに巻いて口まで隠されているお客さまもおられた。
今日は金曜日。やはり高牧さんと雪子さんは競う様に開店直後に来られ、カウンタ席で隣り合って談笑している。
高牧さんが1杯目の生ビールを空にして、お代わりしようか日本酒に移ろうかと考えているところで、引き戸が開かれる。
「こんばんはー」
顔を覗かせたのは寺島さんだった。
「いらっしゃいませ」
「すっかり寒ぅなったなぁ」
寺島さんは冷えたであろう素手を擦り合わせた。それだけで外の冷え込みが分かる。陽が落ちるのも早くなり、12月の冬至に向けてその時間はますます早くなって行く。もうすっかり外は暗くなっていることだろう。
「あ~、茉莉奈ちゃんにあっためて欲しいわぁ」
またそんな軽口を叩く寺島さん。またか、と茉莉奈は呆れた顔になってしまう。
「熱燗か焼酎のお湯割りがお奨めです」
茉莉奈が冷静に言うと、寺島さんは「あははっ」とおかしそうに笑った。
そう言えば、この寺島さんの発言も、セクハラだと取られてもおかしく無いものだ。だが寺島さん相手だと冗談だと流せることができる。どういう違いがあるのだろうか。触る触らない、それだけだろうか。
不思議に思いながら、茉莉奈はカウンタ席に掛けた寺島さんにおしぼりをお持ちした。
「生ビールちょうだい。やっぱり1杯目は寒くても生やわ」
「はい。お待ちくださいね」
茉莉奈はふと沸いた疑問を棚上げにして、飲み物カウンタに向かう。ジョッキに生ビールを注ぎ、なめらかな泡を作った。
「生ビールお待たせしました」
寺島さんに生ビールをお持ちすると、寺島さんはおしながきを見つめていた。
「ありがとう。注文ええやろか」
「はい。どうぞ」
茉莉奈は伝票を持ち上げた。
「とりあえず茉莉奈ちゃん特製メニューと、鶏の照り焼きと、青菜炒めちょうだい」
「はい。お待ちくださいねー」
茉莉奈は香澄に注文を通し、作り置いている茉莉奈特製おしながきを中鉢に盛り付ける。
今日の茉莉奈特製おしながきは、わさび菜と人参のナムルだ。茹でて冷水で色止めし、しっかりと水気を絞ったわさび菜は適当な長さに切り、人参は千切りにしてさっと茹でたら丘上げに。
味付けは隠し味程度のお酢とお砂糖、お醤油にごま油。それに白すりごまをまぶす。
ごま油と白すりごまの香ばしさの中に、からし菜のほのかな辛味と人参の甘さが引き立つ。お砂糖が辛味を柔らかなものにし、お酢とお醤油が油をさっぱりとさせてくれるので、食べやすくも味わい深い一品だ。
「まずはわさび菜と人参のナムルです。お待たせしました」
「ありがとう。お、旨そう。前菜にぴったりやん」
寺島さんはさっそくお箸を取り上げ、ナムルを大口に放り込む。じっくりと噛んで「んん~」と満足げに目を閉じた。
「やっぱり茉莉奈ちゃんのご飯は旨いわぁ」
「ありがとうございます」
茉莉奈は微笑んで、カウンタを離れる。シンクに少し洗い物が溜まっていたので、自動食器洗い機に入れた。シンクに置くときにすすいでいるので、表面上の汚れはとりあえず落ちている。
「はなむら」を開店させる時、香澄は食洗機の導入を迷った。香澄はもったいないだろうかと思ったのだが、しばらくはひとりで切り盛りするのだし、洗い物がたまることで立ち回らなくなることは好ましく無い。必要無ければ使わなければ良いのだしと、結局香澄はビルトインのものを入れることに決めた。
結果、香澄もかつて働いてくれていた雪子さんも、そして茉莉奈も助かっている。「はなむら」は中鉢の料理も多いし、洗い物は結構な量になる。「はなむら」が軌道に乗り雪子さんが来てくれるまでの間は、香澄にとって無くてはならないものだった。
「茉莉奈ちゃん、注文ええかの」
「あ、はーい」
高牧さんに呼ばれ、茉莉奈は手を拭いてカウンタ席に急ぐ。
「鳳凰美田ちょうだい」
「はい」
見ると、お隣の雪子さんのカップも残り少なくなっていた。
「雪子さんはお飲み物どうしはります?」
「あら、もうこんだけ。それやったら、そうやねぇ」
雪子さんは焼酎のおしながきをさっと見て「赤兎馬の紫のお湯割りもらおうかねぇ」とご注文。
「はい。お待ちくださいね」
茉莉奈は空になっていた高牧さんのグラスを引き上げた。
「鳳凰美田」は栃木県の小林酒造が醸す日本酒である。すっきりとしつつもフルーティで、甘みと旨みがじわりと口に広がるお酒だ。
「紫の赤兎馬」は鹿児島県の浜田屋権兵衛が造る芋焼酎だ。さつまいもコガネセンガンに紫芋が加えられており、フルーティでまろやか、ふくよかな味わいに仕上がっている。
日本各地で作られている日本酒や焼酎。味は千差万別で、とても優劣は付けられない。それでも中には製造数が少なく入手困難なお酒には、プレミアが付いて驚く様なお値段になったりする。
だが「はなむら」では気軽にお酒を楽しんでいただきたいので、定価でしか入荷しない様にしている。
例えば日本酒の「獺祭」や「雪中梅」、芋焼酎なら「魔王」や「森伊蔵」は、プレミア価格になりやすい。そういうものを入荷すれば、相応の値付けをしなければならなくなる。それは茉莉奈も香澄も望まない。
なので「はなむら」のお酒の品揃えは一般的と言える。スーパーや酒屋さんで手軽に買えるものも多い。だがそれで良いと思っている。満遍なくお客さまに楽しんでいただける様にしているのだ。
「はい、鳳凰美田と紫の赤兎馬お湯割り、お待たせしました」
「ありがとう」
「ありがとうねぇ」
雪子さんのカップが空になっていたので、引き換える様に回収する。
「茉莉奈ちゃん、こっちに生お代わりちょうだい」
「はーい」
空のジョッキを掲げる寺島さんの元に行くと、からし菜と人参のナムルは食べ終わっていて、青菜炒めが提供されていた。茉莉奈は空いた器を引き取る。
今日の青菜炒めはしろ菜を使っていた。大阪しろなは大阪なにわ伝統野菜のひとつとされていて、大阪府を中心に主に関西で親しまれているお野菜だ。
白い軸は太く、葉っぱは大きく青々としている。癖の少ない葉物野菜で、いろいろな味付けで味わうことができる。
「はなむら」の青菜炒めはシンプルなので、ダイレクトに青菜の旨みが味わえるのだ。
「それと、牛肉とちんげん菜のオイスターソース炒めも」
「はい。お待ちくださいね~」
18時、19時にもなるとまたお客さまも増え、茉莉奈も香澄も忙しなく立ち回った。
いくら自分に大丈夫だと言い聞かせても、嫌なものは嫌だ。好きでもなんでも無い異性にあんな風に触られることが、こんなにも嫌悪感を催すものだとは思わなかった。
これまで男性の友人もいたが、セクシャルハラスメントという言葉が広く知られているからか、不用意に触って来る様な友人はひとりもいなかったし、「はなむら」に入ってからも、ほぼ毎日来られる高牧さんだって、いつも軽い調子の寺島さんだって、茉莉奈に触れて来る様なことは無かった。
尾形さんを異常だと言って良いのかは判らない。だが普通では無いと言い切れる。しかも尾形さんは既婚者なのだ。奥さま以外の女性にもこうした接し方をしているのであれば、やはりそれはおかしいと茉莉奈は思う。
それが尾形さんの距離感なのかも知れないが、茉莉奈の様な拒絶できない立場の人間に仕掛けるのは卑怯だとも思ってしまう。
このまま来ないていてくれると良いんだけど。ご常連にこんなことを思うのは店員としては失格なのかも知れないが、茉莉奈はそう願うしか無かった。
しかしそんな希望は打ち砕かれるものだ。
11月も終わりに近付き、寒さも本格的になって来た。紅葉も終わり、葉が落ちた木々を見るだけで寒々しさを感じる。
今日「はなむら」を訪れるお客さまも、しっかりと防寒をされている方がほとんどだ。太いマフラーをぐるぐるに巻いて口まで隠されているお客さまもおられた。
今日は金曜日。やはり高牧さんと雪子さんは競う様に開店直後に来られ、カウンタ席で隣り合って談笑している。
高牧さんが1杯目の生ビールを空にして、お代わりしようか日本酒に移ろうかと考えているところで、引き戸が開かれる。
「こんばんはー」
顔を覗かせたのは寺島さんだった。
「いらっしゃいませ」
「すっかり寒ぅなったなぁ」
寺島さんは冷えたであろう素手を擦り合わせた。それだけで外の冷え込みが分かる。陽が落ちるのも早くなり、12月の冬至に向けてその時間はますます早くなって行く。もうすっかり外は暗くなっていることだろう。
「あ~、茉莉奈ちゃんにあっためて欲しいわぁ」
またそんな軽口を叩く寺島さん。またか、と茉莉奈は呆れた顔になってしまう。
「熱燗か焼酎のお湯割りがお奨めです」
茉莉奈が冷静に言うと、寺島さんは「あははっ」とおかしそうに笑った。
そう言えば、この寺島さんの発言も、セクハラだと取られてもおかしく無いものだ。だが寺島さん相手だと冗談だと流せることができる。どういう違いがあるのだろうか。触る触らない、それだけだろうか。
不思議に思いながら、茉莉奈はカウンタ席に掛けた寺島さんにおしぼりをお持ちした。
「生ビールちょうだい。やっぱり1杯目は寒くても生やわ」
「はい。お待ちくださいね」
茉莉奈はふと沸いた疑問を棚上げにして、飲み物カウンタに向かう。ジョッキに生ビールを注ぎ、なめらかな泡を作った。
「生ビールお待たせしました」
寺島さんに生ビールをお持ちすると、寺島さんはおしながきを見つめていた。
「ありがとう。注文ええやろか」
「はい。どうぞ」
茉莉奈は伝票を持ち上げた。
「とりあえず茉莉奈ちゃん特製メニューと、鶏の照り焼きと、青菜炒めちょうだい」
「はい。お待ちくださいねー」
茉莉奈は香澄に注文を通し、作り置いている茉莉奈特製おしながきを中鉢に盛り付ける。
今日の茉莉奈特製おしながきは、わさび菜と人参のナムルだ。茹でて冷水で色止めし、しっかりと水気を絞ったわさび菜は適当な長さに切り、人参は千切りにしてさっと茹でたら丘上げに。
味付けは隠し味程度のお酢とお砂糖、お醤油にごま油。それに白すりごまをまぶす。
ごま油と白すりごまの香ばしさの中に、からし菜のほのかな辛味と人参の甘さが引き立つ。お砂糖が辛味を柔らかなものにし、お酢とお醤油が油をさっぱりとさせてくれるので、食べやすくも味わい深い一品だ。
「まずはわさび菜と人参のナムルです。お待たせしました」
「ありがとう。お、旨そう。前菜にぴったりやん」
寺島さんはさっそくお箸を取り上げ、ナムルを大口に放り込む。じっくりと噛んで「んん~」と満足げに目を閉じた。
「やっぱり茉莉奈ちゃんのご飯は旨いわぁ」
「ありがとうございます」
茉莉奈は微笑んで、カウンタを離れる。シンクに少し洗い物が溜まっていたので、自動食器洗い機に入れた。シンクに置くときにすすいでいるので、表面上の汚れはとりあえず落ちている。
「はなむら」を開店させる時、香澄は食洗機の導入を迷った。香澄はもったいないだろうかと思ったのだが、しばらくはひとりで切り盛りするのだし、洗い物がたまることで立ち回らなくなることは好ましく無い。必要無ければ使わなければ良いのだしと、結局香澄はビルトインのものを入れることに決めた。
結果、香澄もかつて働いてくれていた雪子さんも、そして茉莉奈も助かっている。「はなむら」は中鉢の料理も多いし、洗い物は結構な量になる。「はなむら」が軌道に乗り雪子さんが来てくれるまでの間は、香澄にとって無くてはならないものだった。
「茉莉奈ちゃん、注文ええかの」
「あ、はーい」
高牧さんに呼ばれ、茉莉奈は手を拭いてカウンタ席に急ぐ。
「鳳凰美田ちょうだい」
「はい」
見ると、お隣の雪子さんのカップも残り少なくなっていた。
「雪子さんはお飲み物どうしはります?」
「あら、もうこんだけ。それやったら、そうやねぇ」
雪子さんは焼酎のおしながきをさっと見て「赤兎馬の紫のお湯割りもらおうかねぇ」とご注文。
「はい。お待ちくださいね」
茉莉奈は空になっていた高牧さんのグラスを引き上げた。
「鳳凰美田」は栃木県の小林酒造が醸す日本酒である。すっきりとしつつもフルーティで、甘みと旨みがじわりと口に広がるお酒だ。
「紫の赤兎馬」は鹿児島県の浜田屋権兵衛が造る芋焼酎だ。さつまいもコガネセンガンに紫芋が加えられており、フルーティでまろやか、ふくよかな味わいに仕上がっている。
日本各地で作られている日本酒や焼酎。味は千差万別で、とても優劣は付けられない。それでも中には製造数が少なく入手困難なお酒には、プレミアが付いて驚く様なお値段になったりする。
だが「はなむら」では気軽にお酒を楽しんでいただきたいので、定価でしか入荷しない様にしている。
例えば日本酒の「獺祭」や「雪中梅」、芋焼酎なら「魔王」や「森伊蔵」は、プレミア価格になりやすい。そういうものを入荷すれば、相応の値付けをしなければならなくなる。それは茉莉奈も香澄も望まない。
なので「はなむら」のお酒の品揃えは一般的と言える。スーパーや酒屋さんで手軽に買えるものも多い。だがそれで良いと思っている。満遍なくお客さまに楽しんでいただける様にしているのだ。
「はい、鳳凰美田と紫の赤兎馬お湯割り、お待たせしました」
「ありがとう」
「ありがとうねぇ」
雪子さんのカップが空になっていたので、引き換える様に回収する。
「茉莉奈ちゃん、こっちに生お代わりちょうだい」
「はーい」
空のジョッキを掲げる寺島さんの元に行くと、からし菜と人参のナムルは食べ終わっていて、青菜炒めが提供されていた。茉莉奈は空いた器を引き取る。
今日の青菜炒めはしろ菜を使っていた。大阪しろなは大阪なにわ伝統野菜のひとつとされていて、大阪府を中心に主に関西で親しまれているお野菜だ。
白い軸は太く、葉っぱは大きく青々としている。癖の少ない葉物野菜で、いろいろな味付けで味わうことができる。
「はなむら」の青菜炒めはシンプルなので、ダイレクトに青菜の旨みが味わえるのだ。
「それと、牛肉とちんげん菜のオイスターソース炒めも」
「はい。お待ちくださいね~」
18時、19時にもなるとまたお客さまも増え、茉莉奈も香澄も忙しなく立ち回った。
10
お気に入りに追加
194
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
すこやか食堂のゆかいな人々
山いい奈
ライト文芸
貧血体質で悩まされている、常盤みのり。
母親が栄養学の本を読みながらごはんを作ってくれているのを見て、みのりも興味を持った。
心を癒し、食べるもので健康になれる様な食堂を開きたい。それがみのりの目標になっていた。
短大で栄養学を学び、専門学校でお料理を学び、体調を見ながら日本料理店でのアルバイトに励み、お料理教室で技を鍛えて来た。
そしてみのりは、両親や幼なじみ、お料理教室の先生、テナントビルのオーナーの力を借りて、すこやか食堂をオープンする。
一癖も二癖もある周りの人々やお客さまに囲まれて、みのりは奮闘する。
やがて、それはみのりの家族の問題に繋がっていく。
じんわりと、だがほっこりと心暖まる物語。
王太子さま、側室さまがご懐妊です
家紋武範
恋愛
王太子の第二夫人が子どもを宿した。
愛する彼女を妃としたい王太子。
本妻である第一夫人は政略結婚の醜女。
そして国を奪い女王として君臨するとの噂もある。
あやしき第一夫人をどうにかして廃したいのであった。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる