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1章 異世界生活の始まり
第1話 君、もしかしてこの世界の人間では無いね?
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またやられてしまった。
何が悪いのだろうか。天田浅葱は考える。
浅葱は洋食の料理人である。幼い頃から料理が好きで、高校を卒業してすぐにその道に進んだ。就職したのは洋食屋の厨房。
努力をしてめきめきと腕を上げ、料理人がそう多く無い事もあってか、若いながらも料理長が不在の時にはその場を任される様にもなった。
浅葱は決してそれを驕ったつもりは欠片も無いのだが、やはり人の心は難しいもので。
「折角作ったブイヨンに塩入れちゃうとか、本当に何て事をしてくれるんだろう……勿体無い……」
浅葱が丹精込めて作ったブイヨン。自分で味を見た時は完璧だと思ったのに、料理長は小皿に掬ったそれを口にした途端、「しょっぺぇじゃ無ぇか!」と怒鳴ったのだ。
浅葱が慌てて味見をすると、その味は確かに塩辛かった。色に変化は無かったのとその味から、入れられたのは恐らく塩だ。
「作り直せ。そのブイヨンは賄いにすっから、調整し直して今日使わん分は冷凍しとけ。それにしても最近お前どうした。ブイヨンに塩を入れるなんざ、これまでこんなミス無かったじゃねぇかよ」
怒りながらも料理長は心配してくれる。言葉は荒いが、心根はとても優しい人なのだ。
「先輩に入れられました」
正直にそう言ってしまえば、問題は解決するだろう。料理長は一本気な性格である。その先輩はこっぴどく叱られるか、下手をしたら解雇なんて事にもなりかねない。
大事になるのは浅葱の本意では無い。先輩を嫌いな訳でも憎んでいる訳でも無い。なので浅葱は眼を伏せて「何でもありません。本当にすいません」と頭を下げた。
「なら良いけどよ」
料理長は言うと、調理台の前に戻って行った。
浅葱がその「先輩」をちらりと見ると、先輩は上機嫌で人参のシャトー剥きに精を出していた。
最初にやられたのは1ヶ月程前。やはりブイヨンに塩を入れられたのである。
初めは単純に自分のミスだと思っていた。入れた覚えは無いし、勿論味見もきちんとしていたからおかしいとは思ったのだが、まさか誰かにそんな嫌がらせをされるとは思いも寄らなかったのだ。
ところがそんな事が数日置きに続いた3度目、料理長に叱られた後ふと件の先輩と眼が合った時、まるで「良い気味だ」とでも言う様にニヤリと口角を上げた。
そこで、あ、もしかしたら、と思ったのだ。
その先輩は、浅葱が言うのも何だが、決して優秀な方では無く、時折料理長に雷を落とされていた。
だと言うのに、後輩で年下でもある浅葱が誉められたり場を任されたりするものだから、確かに面白くは無いだろう。嫉妬とも言える。
結局は逆恨みで、浅葱が害を受ける謂れは無い。だが浅葱は先輩をどうこうしようとは思っていない。
とは言え「僕が我慢すれば」なんて耐え忍ぶつもりも無い。
こう言う事は、された方が反応するから面白がられて続くのだ。素知らぬ振りを貫けば、向こうもその内飽きるだろう。
先輩には浅葱にちょっかいを出すより、是非己の腕を磨く為に尽力して貰いたい。
と言うものの、浅葱がダメージを受けていない、と言うのは嘘だ。浅葱だって人間である。悪意を持たれれば嫌な思いをする。出来るなら少しでも止めて欲しいと思っている。
その日の帰り道、少しだけ遠回りする事にする。
家の最寄駅に最終電車が滑り込み、ホームに降り立ち改札を潜った浅葱は、ふとそうしようと思い立つ。
夜でも参拝出来る小さな社がある事を思い出したのだ。
神頼みと言う訳では無いが、願う事で癒しになるのでは無いだろうか。
浅葱はまだ明るさを保つ駅前を過ぎて、ちらほらと街灯が灯る住宅街をぶらぶらと歩く。
やがて、仄かに灯りを灯す赤い提灯が浅葱を迎える。その少し奥にはこじんまりとした赤い鳥居。お辞儀をしてそれを潜る。
浅葱は財布から5円玉1枚と100円玉1枚を出し、賽銭箱にそっと放る。深夜なので鐘は鳴らさない。2礼2拍手1礼。浅葱は願った。
先輩の心が少しでも早く落ち着きます様に。
頭を上げ、浅葱はふぅと小さく息を漏らす。本当に、どうぞよろしくお願いします。
さて、帰ろう。そう思って踵を返そうとすると、社の脇に御神木が聳え立っているのが眼に止まった。
小さな社に対して、何と立派な御神木か。立派な幹には注連縄が取り付けられている。
いや、浅葱が覚えている御神木は、こんなにも太く無かった筈だ。以前ここに来たのは数ヶ月前だったと思うが、こんな期間で木ってこんなに育つものなのだろうか?
まぁ良い。記憶違いと言う事もある。
御神木にはパワーが宿っていると聞いた。浅葱はそっとそれに触れる。
すると、途端に眼の前がぐにゃりと歪み、視界が真っ暗になった。
「は?」
そんな声すら出す事が出来たか否か、浅葱は意識を奪われて──
例えば旅行先などで目覚めた時、記憶に薄い天井などを眼にして「あれ、ここ何処だっけ」と思う事があるだろう。
浅葱は正しくその調子で目覚めた訳だが。
……いや、ここは本当にどこだ?
旅行どころか、浅葱は社にいた筈だ。そこは外だった筈なのに。
壁も天井も木造りで、まるでオーソドックスな別荘のイメージ。某避暑地にでも建てられているかの様な。
浅葱は慌てて上半身を起こし、恐怖心すら含みつつ、部屋を見渡す。
このベッド以外には、浅葱のボディバッグが置かれた椅子がたったひとつあるだけ。
ここは動くべきか、何かアクションがあるまで待つべきか。
考えたが、何かが起こっても怖い。浅葱は思い切って、まずはベッドから出てみる事にする。
ベッドの下に浅葱が履いていた黒いスニーカーが揃えられていたので足を入れる。服装を見下ろしてみると、アウターは脱がされていたが、トップスやボトムはそのままだった。
まずはボディバッグの中身を確認する。
財布、スマートフォン、ハンカチ、ティッシュ、定期券、キーケース。うん、中身は全部ある。財布の中身も恐らくは大丈夫。詳細な金額は覚えていないが、札はまるっとそこにあった。
アウターは見当たらなかったので、トップス、ネイビーのVネックシャツの上にボディバッグを掛けた。
そして、そっとドアを開く。その先は無人で、そう長くは無い廊下が走っていた。そこも四方は木造り。隣にドアがひとつ、ふたつ。正面には窓があり、外は良い天気の様だ。
浅葱が社にいたのは深夜だった。それから数時間は経っていると言う事だ。
部屋を出て廊下を進むと、下へ降りる階段があった。浅葱は恐る恐る足を踏み出す。するとギィと小さな乾いた音が立ち、浅葱は肩を震わした。
そのままそろりそろりと降りて行くと、下から人の話し声が聞こえて来た。
「んーこんなものかな?」
「良いのでは無いのでしょうかカピ」
若そうな、だがやや艶っぽい印象の女性の声と、可愛らしい少年の声。しゃがんでそっと覗き込むと、そのダイニングの様な部屋にいたのは、黒いローブを纏う金髪ストレートのロングヘアの女性と、大きなテーブルの上に座る小さなカピバラだった。少年の姿は見えない。
女性が両手で掲げていたのは、浅葱のアウター、グレーのパーカーだった。思わず「あ」と声が漏れそうだったが、何とか飲み込む。
「綺麗になったと思いますカピ」
また聞こえる少年の声。しかしやはりその姿は確認出来ない。浅葱はもう少し身体を乗り出してみる。見える範囲が少し広がったが、やはりいない。どういう事だ?
浅葱はもう少し、と更に身を乗り出すと、バランスを崩してしまってその場に倒れこんでしまった。どさっと大きな音が立つ。
「うわっ」
その声は流石に我慢出来なかった。すると当然女性とカピバラに見付かってしまう。
「やぁ、やっと起きたね。体調はどうだい?」
笑顔の女性が訊いて来るが、浅葱は咄嗟に応える事が出来なかった。
「あ、あの」
どうにかそんな声を上げると、また耳に届く少年の声。
「混乱しているみたいですカピね」
すると仔カピバラが立ち上がり、するりとテーブルから降りて浅葱に寄って来る。
「大丈夫ですカピか?」
「……え?」
浅葱は耳を疑う。聞こえて来た少年の声が、この仔カピバラから発せられている様に思えたのだ。
いやいやまさか。動物が喋れる訳が無い。浅葱は首を振った。しかし。
「気分が悪いとか、痛いところがあるとかありませんカピか?」
やはりその声は、仔カピバラの口から聞こえて来た。
「え、えええ!?」
浅葱は驚いて大声を上げる。
「ど、動物が喋ってる!?」
すると女性と仔カピバラが顔を見合わせ、首を傾げた。
「え? そりゃあ特別知性の高い動物は喋るさ」
「ち、知性? が高い?」
女性の台詞に浅葱は呆然とする。
「何だい、知らないのかい?」
「い、いや、知性の高い低いで、動物が喋るんですか?」
「喋るだろう?」
「喋りますカピ」
「え、え?」
それは浅葱の常識では無い。余りの事に付いて行けない浅葱は、眼を瞬かせた。
すると、女性が「ああ、もしかして」と手を合わす。
「君、もしかしてこの世界の人間では無いね?」
「え、は?」
更に追加される驚き。浅葱は間抜けな声を上げる事しか出来なかった。
何が悪いのだろうか。天田浅葱は考える。
浅葱は洋食の料理人である。幼い頃から料理が好きで、高校を卒業してすぐにその道に進んだ。就職したのは洋食屋の厨房。
努力をしてめきめきと腕を上げ、料理人がそう多く無い事もあってか、若いながらも料理長が不在の時にはその場を任される様にもなった。
浅葱は決してそれを驕ったつもりは欠片も無いのだが、やはり人の心は難しいもので。
「折角作ったブイヨンに塩入れちゃうとか、本当に何て事をしてくれるんだろう……勿体無い……」
浅葱が丹精込めて作ったブイヨン。自分で味を見た時は完璧だと思ったのに、料理長は小皿に掬ったそれを口にした途端、「しょっぺぇじゃ無ぇか!」と怒鳴ったのだ。
浅葱が慌てて味見をすると、その味は確かに塩辛かった。色に変化は無かったのとその味から、入れられたのは恐らく塩だ。
「作り直せ。そのブイヨンは賄いにすっから、調整し直して今日使わん分は冷凍しとけ。それにしても最近お前どうした。ブイヨンに塩を入れるなんざ、これまでこんなミス無かったじゃねぇかよ」
怒りながらも料理長は心配してくれる。言葉は荒いが、心根はとても優しい人なのだ。
「先輩に入れられました」
正直にそう言ってしまえば、問題は解決するだろう。料理長は一本気な性格である。その先輩はこっぴどく叱られるか、下手をしたら解雇なんて事にもなりかねない。
大事になるのは浅葱の本意では無い。先輩を嫌いな訳でも憎んでいる訳でも無い。なので浅葱は眼を伏せて「何でもありません。本当にすいません」と頭を下げた。
「なら良いけどよ」
料理長は言うと、調理台の前に戻って行った。
浅葱がその「先輩」をちらりと見ると、先輩は上機嫌で人参のシャトー剥きに精を出していた。
最初にやられたのは1ヶ月程前。やはりブイヨンに塩を入れられたのである。
初めは単純に自分のミスだと思っていた。入れた覚えは無いし、勿論味見もきちんとしていたからおかしいとは思ったのだが、まさか誰かにそんな嫌がらせをされるとは思いも寄らなかったのだ。
ところがそんな事が数日置きに続いた3度目、料理長に叱られた後ふと件の先輩と眼が合った時、まるで「良い気味だ」とでも言う様にニヤリと口角を上げた。
そこで、あ、もしかしたら、と思ったのだ。
その先輩は、浅葱が言うのも何だが、決して優秀な方では無く、時折料理長に雷を落とされていた。
だと言うのに、後輩で年下でもある浅葱が誉められたり場を任されたりするものだから、確かに面白くは無いだろう。嫉妬とも言える。
結局は逆恨みで、浅葱が害を受ける謂れは無い。だが浅葱は先輩をどうこうしようとは思っていない。
とは言え「僕が我慢すれば」なんて耐え忍ぶつもりも無い。
こう言う事は、された方が反応するから面白がられて続くのだ。素知らぬ振りを貫けば、向こうもその内飽きるだろう。
先輩には浅葱にちょっかいを出すより、是非己の腕を磨く為に尽力して貰いたい。
と言うものの、浅葱がダメージを受けていない、と言うのは嘘だ。浅葱だって人間である。悪意を持たれれば嫌な思いをする。出来るなら少しでも止めて欲しいと思っている。
その日の帰り道、少しだけ遠回りする事にする。
家の最寄駅に最終電車が滑り込み、ホームに降り立ち改札を潜った浅葱は、ふとそうしようと思い立つ。
夜でも参拝出来る小さな社がある事を思い出したのだ。
神頼みと言う訳では無いが、願う事で癒しになるのでは無いだろうか。
浅葱はまだ明るさを保つ駅前を過ぎて、ちらほらと街灯が灯る住宅街をぶらぶらと歩く。
やがて、仄かに灯りを灯す赤い提灯が浅葱を迎える。その少し奥にはこじんまりとした赤い鳥居。お辞儀をしてそれを潜る。
浅葱は財布から5円玉1枚と100円玉1枚を出し、賽銭箱にそっと放る。深夜なので鐘は鳴らさない。2礼2拍手1礼。浅葱は願った。
先輩の心が少しでも早く落ち着きます様に。
頭を上げ、浅葱はふぅと小さく息を漏らす。本当に、どうぞよろしくお願いします。
さて、帰ろう。そう思って踵を返そうとすると、社の脇に御神木が聳え立っているのが眼に止まった。
小さな社に対して、何と立派な御神木か。立派な幹には注連縄が取り付けられている。
いや、浅葱が覚えている御神木は、こんなにも太く無かった筈だ。以前ここに来たのは数ヶ月前だったと思うが、こんな期間で木ってこんなに育つものなのだろうか?
まぁ良い。記憶違いと言う事もある。
御神木にはパワーが宿っていると聞いた。浅葱はそっとそれに触れる。
すると、途端に眼の前がぐにゃりと歪み、視界が真っ暗になった。
「は?」
そんな声すら出す事が出来たか否か、浅葱は意識を奪われて──
例えば旅行先などで目覚めた時、記憶に薄い天井などを眼にして「あれ、ここ何処だっけ」と思う事があるだろう。
浅葱は正しくその調子で目覚めた訳だが。
……いや、ここは本当にどこだ?
旅行どころか、浅葱は社にいた筈だ。そこは外だった筈なのに。
壁も天井も木造りで、まるでオーソドックスな別荘のイメージ。某避暑地にでも建てられているかの様な。
浅葱は慌てて上半身を起こし、恐怖心すら含みつつ、部屋を見渡す。
このベッド以外には、浅葱のボディバッグが置かれた椅子がたったひとつあるだけ。
ここは動くべきか、何かアクションがあるまで待つべきか。
考えたが、何かが起こっても怖い。浅葱は思い切って、まずはベッドから出てみる事にする。
ベッドの下に浅葱が履いていた黒いスニーカーが揃えられていたので足を入れる。服装を見下ろしてみると、アウターは脱がされていたが、トップスやボトムはそのままだった。
まずはボディバッグの中身を確認する。
財布、スマートフォン、ハンカチ、ティッシュ、定期券、キーケース。うん、中身は全部ある。財布の中身も恐らくは大丈夫。詳細な金額は覚えていないが、札はまるっとそこにあった。
アウターは見当たらなかったので、トップス、ネイビーのVネックシャツの上にボディバッグを掛けた。
そして、そっとドアを開く。その先は無人で、そう長くは無い廊下が走っていた。そこも四方は木造り。隣にドアがひとつ、ふたつ。正面には窓があり、外は良い天気の様だ。
浅葱が社にいたのは深夜だった。それから数時間は経っていると言う事だ。
部屋を出て廊下を進むと、下へ降りる階段があった。浅葱は恐る恐る足を踏み出す。するとギィと小さな乾いた音が立ち、浅葱は肩を震わした。
そのままそろりそろりと降りて行くと、下から人の話し声が聞こえて来た。
「んーこんなものかな?」
「良いのでは無いのでしょうかカピ」
若そうな、だがやや艶っぽい印象の女性の声と、可愛らしい少年の声。しゃがんでそっと覗き込むと、そのダイニングの様な部屋にいたのは、黒いローブを纏う金髪ストレートのロングヘアの女性と、大きなテーブルの上に座る小さなカピバラだった。少年の姿は見えない。
女性が両手で掲げていたのは、浅葱のアウター、グレーのパーカーだった。思わず「あ」と声が漏れそうだったが、何とか飲み込む。
「綺麗になったと思いますカピ」
また聞こえる少年の声。しかしやはりその姿は確認出来ない。浅葱はもう少し身体を乗り出してみる。見える範囲が少し広がったが、やはりいない。どういう事だ?
浅葱はもう少し、と更に身を乗り出すと、バランスを崩してしまってその場に倒れこんでしまった。どさっと大きな音が立つ。
「うわっ」
その声は流石に我慢出来なかった。すると当然女性とカピバラに見付かってしまう。
「やぁ、やっと起きたね。体調はどうだい?」
笑顔の女性が訊いて来るが、浅葱は咄嗟に応える事が出来なかった。
「あ、あの」
どうにかそんな声を上げると、また耳に届く少年の声。
「混乱しているみたいですカピね」
すると仔カピバラが立ち上がり、するりとテーブルから降りて浅葱に寄って来る。
「大丈夫ですカピか?」
「……え?」
浅葱は耳を疑う。聞こえて来た少年の声が、この仔カピバラから発せられている様に思えたのだ。
いやいやまさか。動物が喋れる訳が無い。浅葱は首を振った。しかし。
「気分が悪いとか、痛いところがあるとかありませんカピか?」
やはりその声は、仔カピバラの口から聞こえて来た。
「え、えええ!?」
浅葱は驚いて大声を上げる。
「ど、動物が喋ってる!?」
すると女性と仔カピバラが顔を見合わせ、首を傾げた。
「え? そりゃあ特別知性の高い動物は喋るさ」
「ち、知性? が高い?」
女性の台詞に浅葱は呆然とする。
「何だい、知らないのかい?」
「い、いや、知性の高い低いで、動物が喋るんですか?」
「喋るだろう?」
「喋りますカピ」
「え、え?」
それは浅葱の常識では無い。余りの事に付いて行けない浅葱は、眼を瞬かせた。
すると、女性が「ああ、もしかして」と手を合わす。
「君、もしかしてこの世界の人間では無いね?」
「え、は?」
更に追加される驚き。浅葱は間抜けな声を上げる事しか出来なかった。
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